観客賞座談会・大学ユースの部 最終回

 

津なぎさまち(津市)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞・大学ユース部門で第5位内に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想の続きです。 
 

第5位からの座談会感想はこちらから。

 

愛媛県・四国支部代表
愛媛大学合唱団

https://twitter.com/ehime_chorus

(混声39名)

 

C 僕は非常に好感を持ったんですよ。


A 私も!


 大いに語ってください!(笑)


A 課題曲G2「Es ist verrathen」、
 学生指揮者さんが合唱に入ってね。
 しかもカルテットを意識した並び。
 「凄い!全国大会でこれをやるんだ!」


 プロの指揮者でもやらない(笑)。


B 学生だけで作っている演奏なのに
 ドイツ語も健闘しているし、
 ロマン派っぽい音楽を目指しているなと。


 そうそう!
  理想とする音楽が明確に、
  高いところにあるんだな、というのが
  とても伝わる演奏でした。


A 志が高い!


C 学生だけで作っているとしたら
 とてもレベルが高いと思ったんですよ。


B 各パートのまとまりも
 凄く良かったと思うんです。
 学生団体ならどうしても
 「テノールの○くん一人が頑張ってる!」
 ……みたいな。


AC文 (苦笑)


B 愛媛大さんにそういうのが
 全く無かったとは言わないけど
 周囲がちゃんとついてきている。
 外れたような音が
 一切聞こえてこなかった。


C みんなで頑張ろうという
 雰囲気が凄くあって。


 学生指揮者、学生団体のメリットが
  とても感じられましたよね。


B 彼らにとって
 この課題曲を演奏することは
 とても勉強になったんじゃないかな。


 湘南ユースさんの時に出た
  「ドイツ語はやろうやろうと
   思っているうちに
   トシをとっていく」(笑)。


B 愛媛大さんの声にシューマンは
 非常に合っていたと思って。
 それが愛媛大さんの元々の声のためか、
 シューマンに近づこうとした結果かは
 わからないけど。


文 自由曲:千原英喜「1.浦島太郎」は?
 

C 言葉がハッキリしていて。
 前に言葉を出そうという意識があったな。


A なかなか音楽の作り方が
 難しい曲ではあったけど・・・。


 でも四国大会配信の時よりはずっと
  構成などに気を配った演奏だと
  思いましたよ。
  ドラマをちゃんと作っていて。
  場面ごとの表現もハッキリしていて
  良かったですね。


メール、ツイッターの感想です。


愛大のシューマンはカルテットオーダーだったから親近感がありましたね


浦島太郎の中にある教訓、物悲しさを丁寧に表現


シューマンは元々が四重唱ということを意識してか指揮なし・パートを混ぜた配置という面白い挑戦。
自由曲の捉え方といい、主体的に音楽を勉強しているのを感じた。


愛媛大学さん、学生指揮者さん?ですかね。
とっても感じの良い演奏でした。


自由曲はとても楽しそうにいきいきと表現されてた


まず入場の観客の拍手が温かい、熱い。全員が応援した瞬間
課題曲、指揮なし、自由並び、すごく良い
自由曲、歌心がある。アイデアと、仲間と作り上げた時間、友情を感じる。指揮が余計な事をせず団員と対等に繋がってる。なんだか良いものを見た、聴いた。早起きしてよかった

 

 


福岡県・九州支部代表
九大混声合唱団

https://twitter.com/Qkon_chorus

(混声75名)

 

B 今まで聴いた九大の演奏の中でも
 今回が一番好きだったな。


A 私もです!


 そうですね、今までとは
  ちょっと違いました。
  課題曲「智慧の湖」
  作品に合った明る過ぎない、
  しかし良い発声で。
  偏差値が上がった感じ!


A 偏差値って(笑)。
 割と力押しのイメージが
 あったんですが、
 今回そうでは無かったです。


B 掴み所が難しい作品を
 ちゃんと捉えていた印象。
 こういう音楽なんだ!というのを
 わかりやすく届けてくれた。


文 自由曲:三宅悠太「VocaliseII」
  「海辺にて」は男声が良かった!


A 男声、良かったですね!


B 九州の団体って
 声が明るくおおらかな分、
 音程もおおらかな時があって……。


AC文 ふっふふ・・・(苦笑)


B でも今回の九大さん、
 アカペラからのピアノの音が
 ぴったりだったから「おー!」と。


 三宅先生のこの曲は
  シリアスになりがちな作品だけど、
  九大さんは明るさと共に
  歌う喜びが感じられて
  深刻になり過ぎず良い印象でした。
  男声のフレーズに
  心動かされた箇所が
  いくつもありました。


B いろんなことのバランスが
 絶妙にハマってたな。
 ただ熱いだけでもなく、
 かと言って醒め過ぎでもなく。
 指揮の竹田先生はいろいろなイベントや
 講習会にも参加される方なので。
 その成果が今回花開いたのかな、と
 いう気もしました。


C 自分も今回の音楽は
 良い印象だったんですよ。


B 数年前から大規模では無く、
 学生さんの心に
 寄り添うような作品を選曲されて。
 等身大、その「自分たちの歌」が、
 自然、かつ説得力を持ったんじゃないかな。


メール、ツイッターの感想です。


丁寧かつ大胆にトリとして完璧


課題曲も自由曲も最後まで力技でなんとかせずに丁寧に音楽を作ってて素晴らしかった。


課題曲が団体にしっくり来るというのもなかなかないことだと思う
自由曲は出だしから最後の一音まで息もつかせぬ緊張感があって痺れた


支部大会は生で聴きましたが、2カ月で格段によくなりました。
特に、支部大会の時は言葉があまり伝わらない印象でしたが、今回は、十分に伝わってきました。
まとまりもよく、すばらしい演奏だったと思います。


声の密度が心地良く、威圧的でない音楽が美しかったです


誠実で爽やか。若々しいサウンドが心地良かったです。
上手いな、すごいな、ではなく「いい曲だな」と思える演奏でした。


最多人数。課題曲は人数で押し付ける訳でもなく、非常に洗練されてる。大きな乱れもなく、減点も少ない。もう少し沢山の音色が聞きたかった
自由曲、アルトがうまい!全体のサウンドが良い分、若干メロディの形が捉えづらい時が勿体無い。しかしトリに相応しい演奏!ブラボ!

 

 

《大学ユース部門を振り返って》

○ピアノと合唱との関係

会場のホールではピアノが響かず、その影響かはわかりませんが、合唱もピアノにマスキングされ、客席まで届きにくいとの声が複数ありました。
運営側さんからのご意見を読むと、コロナ対策で歌い手同士の距離を考えた結果、ピアノが響く最適の位置に置けなかったようです。
2日目は改善されたのか、そういう声は聞きませんでしたけれど。
マスク歌唱の影響は理解していたつもりでしたが、こういう面でもコロナ対策は関係するのだなぁと、運営側さんのご苦労をしのびつつ、ため息を。


○日本語の発語

これは今年だけでは無く、毎年のように聞く意見です。
「日本語の合唱曲が共感しやすいのは分かるが、その言葉が観客に伝わるかは別の話」
つまり、共感し、思いを込めて演奏する地点がゴールになっていないか?
課題曲のドイツ語など、外国語を演奏するときのように日本語の発音を考えているだろうか?
私自身は合唱にそれほど日本語が分かることを求めない人間なのですが、それでも言葉を聞かせる箇所で、美しく言葉と音が響く演奏には心が動かされます。
部門別では大学ユースの後の室内合唱部門で、そのような日本語歌唱に優れた演奏が多かった気もします。
・・・というわけで大学ユースに参加するみなさん、演奏が終わったら室内合唱部門を聴くのはどうでしょう?!


演奏機会はもちろん、練習や勧誘に非常に困難な状況の中、頑張っている大学生、ユースのみなさんを応援しています!

 

(室内合唱部門、印象に残った団体の感想に続きます)