観客賞座談会・大学ユースの部 その4





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鴨川







今回から観客賞・大学ユース部門で第5位に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記していきます。

 

 

 

 



九大混声合唱団

 

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(混声86名)

 

 


 女声の割合がやや少なめの団体でしたけど、
  健闘していましたね。
  課題曲G3はアルトと男声の聴き合った音が
  とても良かった。

A 自由曲の信長貴富作曲
 混声合唱のための「あめ・樹木」
 曲の良さは伝えられていたと思うな。

B そうそう、この委嘱作品を
 「自分たちの曲」としていて。
 こちらに伝わった感がありましたね。

 雨だれのようなピアノから始まって、
  ザンザンという雨音のオノマトペ。
  リズム、女声・男声のステレオ効果も
  面白かった。

B ダイナミクスの幅もあってメリハリもあり。

 テナーが浮かせるような歌唱を
  一部取り入れてて。
  昔の九大のイメージだと
  やや粗いものがあったんだけど
  そんな紳士みたいな出し方も
  覚えたんだなって(笑)。

B 雨をホールに降らせた感じがありました!




メール、ツイッターの感想です。

 

 

トップバッターながら好感持てる演奏でした。

 

 地に足のついたサウンド 雨降ってきたね

 

 

 

 

 

 


愛媛大学合唱団

 

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(混声57名)

 



文 課題曲G2、
  楽譜上の音楽の変化をしっかり意識して
  好感を持ちました。

A 学指揮さん好きだった!
 体が大きいから
 ダイナミックに振るのかと思ったら
 意外と繊細で(笑)。

 とても丁寧に振ってて、
  体とのギャップが良かった(笑)。
  自由曲:信長貴富
  混声合唱組曲「ねがいごと」より
  「夏のえぐり」。
  女声の歌い出しがとても良く、
  熱い思いが伝わってきました。

C こちらも自分たちの曲として
 歌っていましたよね。

A 共感持って歌っていたのが凄く伝わった!

B これこそ学指揮とやる魅力ですよね。

A 曲と音楽に向き合っている気がしたんですよ。

 本当に。
  おっさん臭い言い方ですけど、
  こういう戦争の矛盾を突くような作品を
  若い人が選んで、
  自分たちの曲として演奏する…
  「やるじゃん!」って思うんですよね。

A 昨年より良かった印象です。
 年々良くなっているんじゃないかな?



メール、ツイッターの感想です。

 

課自ともに丁寧 
信長はやってほしいことを全部やってくれた

 

学指揮でここまでできるのがすごい。
語感が美しい。
和声もガッチリハマってる

 

失礼だけど全くノーマークだった愛媛大学合唱団さんが非常に素晴らしかった。
ハーモニーは重厚だし、詩の世界観をダイナミックに表現されていてとても良かった。

 

 







山口大学混声合唱団
https://www.facebook.com/YamaguchiUniversityMixedChorus

 

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(混声46名)

 

 

 

文 課題曲G1、テンポ感が良かったです。
  フレーズの細やかさとか
  注文はあるんだけど、
  変なクセが無い気持ち良さがあったな。
  素直に自分自身を出したなって感じ。

A 前回出場してきた時より
 上手になっていたし。
 …同じ山口県に「そうなそ」という
 若い一般合唱団があるから
 そこから良い影響を受けてるのかもね。

文 自由曲:千原英喜
  「十字架上のキリストの最後の言葉」より
  「第一の言葉」「第二の言葉」は?

C 聴いてみて単純に、やってみたい!って。

A いや自分も!
 休憩時間、パナムジカへ行って
 真っ先に見たのがこの楽譜だった!

 ちょっとポップスぽくって…。

A そうそう、わかりやすい音楽。

 こちらの団体も自分たちの音楽として
  積極性、共感を持って歌ってましたね。

B 全体を通した音楽の流れも
 非常に良かったし。

 ただ、サビの部分は
  自然に感情込めて歌えるんだろうから、
  それ以外の部分をもっと丁寧に
  演奏してたら、
  サビの部分が生きるかなって。
  サビで気持ち良くなって
  他の部分をややおろそかにしている
  印象だったんですよ。

A そうかなぁ?
 自分は逆の印象で。
 前よりも上手になって、
 熱さよりも丁寧にやろうとする方向へ
 行き過ぎたのかな、と。
 もう少し突き抜けてやっても
 良かったんじゃないかな。

B あと、音取り。
 おそらく絶対音感持ちの男声が
 最初の音を歌ってたでしょう。
 間髪入れず演奏に入ってたから
 少し間があっても良かったな。
 曲と混同しちゃう。

A もうひとつ。
 ソリストさんはあんまり揺れなくても……。
 それで響きが分散しちゃって
 客席まで音が来なかった。
 動かないで、その分を声に乗せてたら
 もっと良い演奏になったはず。
 せっかく良い声してるんだから
 もったいないなーって。

B いろいろ言ってしまったけど
 学生中心で頑張ってやっている、
 そういう心がとても伝わってきて
 好きな団体です!

C 演奏を聴いて
 「やりたくなった!」というのは
 曲の魅力を
 充分に伝える演奏だったってこと!





メール、ツイッターの感想です。

 

自由曲がとても面白かった

  

 豊かなサウンド 
千原がとても良いので課題曲もっと鳴らせたのでは

  

第一の言葉 好き
第二の言葉 大好き

 

 

 

 


<文吾より>

ハーモニー冬号で審査員による全国大会座談会が掲載されていまして。
大学ユースの部で木下牧子先生が学生指揮者団体について「良いヴォイストレーナーを付けて、もっと発声練習をすべき」…というご発言は正論で同意なんですけど、団の成り立ち(特に山口大さん)として難しいかもなぁ、と。
ヴォイストレーナーを付けたら、演奏の良さが消えてしまう恐れがあるし、難しい問題です。

さらに総評で木下先生「求めたいのは、やっぱり発声ですね。学生さんたちが、ドラマティックな曲をすぐ歌いたい気持ちはとてもよくわかりますが、遠回りのように見えても、一人ひとりがしっかり声を作ることで、充実したサウンドとなり、結果的に、どんな指揮者を迎えても、どんな曲を歌っても充実した音楽を作ることができるようになります。」
この後に続く具体的なアドヴァイス、さらに北原幸男先生のお言葉には非常になるほど、と思いました。

そういうわけでみなさん、読もう、ハーモニー!

 

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https://jcanet.or.jp/Public/harmony/index.htm



(大学ユースの部の感想、つづきます)