観客賞座談会・大学ユースの部 その3

 

 

 

 

 

 

 

大学ユースの部、2019年度観客賞第1位は!

 

 

 


北海道大学合唱団


(男声42名)

 

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一同 拍手!

B 課題曲M2が素晴らしかったですね!
 「これこそシベリウスだ!」と。
 フィンランドの空気が漂う…
 俺、行ったことないけど(笑)。

A 北国同士、通じるものがあったのかな(笑)。

 全体の響きが優しく、美しくて。

A さらに音楽がありましたね。
 今回の課題曲M2は
 男声の3団体がすべて選んでいたけど。
 素材の関学、
 言葉の扱いに長けた同志社、
 そして総合力の北大。
 音楽の面では北大が一番こなれていた。

 北欧の男声を過去に何団体か聴いたけど、
  この北大の演奏とサウンドが似ていましたね。

A シベリウスをあまり知らなくても
 「これがシベリウスかぁ~」と思うような、ね。

B 「フィンランドの音ってこうなのかも?!」
 いやホントに行ったことないんだけど(笑)。

 昨年の「秋の夜の会話」、
  一昨年のプーランク、
  4年前の「またある夜に」…と
  北大は課題曲に名演が多い印象が。

A まず課題曲でお客さんの心を掴んでる。

 掴みとして課題曲は重要ですよね。
  指揮の尾﨑先生、そこは上手い!
  審査基準も自由曲と50:50なんですし。

A 課題曲を「課題」として歌っていない感じ。

BC文 うんうん。

A ひとつの作品としてちゃんと捉えて
 良い所を引き出そうとしている。
 歌い手から、この曲を好きになろう!
 と向かっている感じがするな。

B きっと実際好きになってる!

C 自分、課題曲聴きながら思わず
 「うんうん」って
 うなずきながら聴いちゃったんですよ。
 それで前の席の知らないおじさん見たら、
 同じく「うんうん」うなずきながら聴いてて!

 みんなうなずきたくなる、
  納得の演奏だったと!(笑)
  自由曲:西村朗「永訣の朝」は?

A 泣けた!

B 自分も!
 大人を感じさせる声、歌い方で。
 凄くカッコ良かったです。
 3声のバランスがとても素晴らしかった。

C 特にベースの音が深く染みて…。
 涙腺を刺激してくれました。

 みんな絶賛なの?!
  もちろん非常に優れた演奏だと思ったけど、
  このテキストなら、
  頂点ではもっと突き抜けた部分があっても
  良い気がしたかな。
  8~9割で自分を絶対失わずに
  歌い通した印象なんだよね。

B わかって無いなあ~。
 北大の演奏のように
 悲しみに耐え、平静を保ち、
 心で泣いている…
 これがダンディズムですよ!

C そうそう、どんな時にも毅然と立つ強い意思。
 だから文吾さんダサいんだよ!

 そこをディスる?!

A 混声の演奏も聴いてきたけど、
 宮澤賢治が妹の死によって書いた詩だから、
 やはり男だけの声がしっくりきましたね。
 言葉の扱いが良く考えられていたのもあって、
 男の悲しみが伝わってきた。

B 話は違うんですけど、
 指揮の尾﨑あかり先生、女性じゃないですか。
 個人的に、異性の指揮者が振る団体って
 その方の理想像が現われるんじゃないかと思って。

 松下耕先生が指揮する女声合唱団は
  なにかお茶目で
  表情がくるくる変わる魅力みたいに?

C なるほど。
 〇〇先生が指揮するXXXXは…

AB文 おいやめろ。

B そういう、
 女性からこうあって欲しい、
 男同士では気付きにくい魅力や理想像が
 北大の演奏から感じられるんですよねぇ。
 今回の「永訣の朝」も、
 そんな男のカッコ良さが凄くあった。

A 正直に言うと、この「永訣の朝」は
 今まであまり良さがわからなかったんだけど
 今日初めて
 「あ、良い曲だ!」と思ったな。

B 演奏が楽曲を輝かせていましたね。

A 北大のみなさんの想いを
 多くの人が受け取って心が動いたから
 観客賞も1位になったんだと思う。
 ……そういえば表彰式で。

B え、なにか感動的なエピソードが?

A 金賞の賞状を受け取るとき、
 客席の北大団員はみんな座ってたんだよ。
 それでステージ上の団員が
 「立って! 立って!!」

一同 (笑)

 ダンディズム~?!

C いやこれも、
 権威にたやすく追従しないという
 毅然とした姿勢をですね…

 無理がある!!(笑)







メール、ツイッターの感想です。

 

柔らかい男声合唱、いいですね。
課題曲の雰囲気ととてもマッチしていました。

 

宮澤賢治と西村朗の世界をよく表現していたと思います。

 

声と曲がマッチしてて、余計にグッと来た

 

推しが尊い
初めて生で聞けたけど、重圧とハーモニーと技量が合わさって最高

 

北大の課題曲は北国らしい冷たい空気感と軽やかで落ち着いた音運びがとても良かったです。
自由曲も「静かな説得力」というか、淡々と、しかし切々と気持ちを訴えていく表現が印象的でした。

  

 音がとか言葉がというより(それも勿論良かったのだが)、一人一人の歌いっぷりが半端なくよかった。全員が生きた音楽を奏でていた。 

  

シベリウスの発音いい…フィンランドっぽかったさすが北国
永訣の朝は北大のあっさりした声と賢治の感情がマッチしすぎてた




(文吾より:感想で「マッチ」という表現が重複しているので、その言葉を記されているアカウントを念のため確認したところ、みなさん何年も前からツイッターを始められて、フォロー・フォロワー数も3ケタ以上の方ばかりでした。疑ってすみません。これからもよろしくお願いします。
 ……と言うか、北大の演奏、よっぽどマッチしてたんだね!)

 

 

 

改めて結果です。

《2019年観客賞・大学ユース部門》


第5位 東京工業大学混声合唱団コール・クライネス

第4位 混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ

第3位 福島大学混声合唱団

第2位 都留文科大学合唱団

 


そして第1位は…

 


北海道大学合唱団

 


でした。



観客賞・大学ユース合唱の部第1位ということで団員さんからメッセージをいただいております。

* * * * * * * * *


観客賞1位を頂きまして、大変喜ばしく思います。
昨年に続き金賞受賞、順位は1つ上げて3位と成長を実感したコンクールとなりました。
審査員の方だけでなく、聴衆の皆さまからもご支持いただけたことは、今後の活動の糧にもなります。
この場を借りて御礼申し上げます。

今年の選曲は団にとって大きなチャレンジでした。
課題曲M2は同部門で他の男声2団体と重複し、演奏順が3団体中の最後であったことから、審査員の目が厳しくなるのは必至でした。
そんな中で自分たちらしい演奏ができたのは尾﨑先生のご指導のおかげであり、歌い手側の不断の努力の甲斐もあって実を結んだのだと思います。

自由曲は、近年和声が比較的複雑で歌い切るだけでも労力を要する曲を多く選んでいましたが、「永訣の朝」は3声のシンプルな和音から構成される曲で、言葉の端々の処理、ピアノとの兼ね合いなど完成度を高くすることに大変苦労しました。
この曲に取り組んだ結果として、普段以上に曲の細部に目や耳が行き届くようになり、洗練された演奏に取り組む姿勢を養えたと思います。

このように成長した弊団の演奏をもっと聴きたいという方は、来る2020年2月15日(土)、札幌文化芸術劇場hitaruにて行われる第68回定期演奏会に是非お越しください。
今年はコンクールで演奏した「永訣の朝」の他、混声ではお馴染みの「ティオの夜の旅」等を演奏します。
そして目玉は、数々の演奏会・コンクールで演奏されてきました混声合唱の名曲、松下耕作曲の「八重山・宮古の三つの島唄」の男声版委嘱初演です。
北海道の団ながら沖縄県出身の団員も在籍しており、寒空の中琉球の情緒溢れる演奏を披露する予定です。
是非聴きにいらしてください。

 

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団員さん、ありがとうございました。

>松下耕作曲の「八重山・宮古の三つの島唄」の男声版委嘱初演です。

おお! 松下耕先生の編曲初演とは楽しみですね!
コンクール曲を含め、ティオなどの定番の名曲以外にも面川倫一先生の作品を取り上げるなど、良い選曲。
しかも会場は札幌の新しいホール、ウルカス…じゃなかったhitaruとは。

お近くの方も、そうじゃない方も真冬の2月の札幌で、北大合唱団の熱風を味わうのも一興かと!
ぜひぜひ札幌へ!!



(次回は室内合唱の部、第5位の感想からお送りします)