私、文吾(以下、「文」)が司会になり4名で行った観客賞の座談会。
今回から室内合唱の部をお届けします。
同率第3位の3団体。
出演順にご紹介します。
合唱団「い~すたん」
https://twitter.com/easternokinawa
(混声24名)
文 良かったです。
自分には凄く響きました!
課題曲G3は美しいソプラノを筆頭に
声に力、生命感がありました。
A 楽譜に忠実でしたね。
言葉も聞き取れて。
文 林光先生の作品って
感情を込め過ぎない演奏の方が
「らしい」と言うか。
楽譜に忠実でありながらも
音楽は確かに変化があり、
しかもわざとらしくなかったのが
素敵だな、と。
A あまり奇をてらっていなかったね。
文 そうそう。
B 声に生命感・・・
自分なりの言い方だと
感情の込め方が上手かったです。
込めながらも、
しっかりひとつの作品として
音楽が流れていた。
A この「蜂が一ぴき…」という作品、
前に某指揮者の方から
「組曲の中で間奏曲、
箸休め的な1曲だから
そんなに色々やっても……」って。
文 サラリと流した方が良いってね。
B そういう意味でとても良い塩梅の演奏。
文 昨年の全国初出場で自信を付けられたのか
安定感が増していた印象で。
ラストには何かじーんとしました。
自由曲1曲目
「無伴奏混声合唱のためのAfter…」から
「言葉」(作曲:信長貴富)
これも凄く良かった!
C 今回、文吾さん熱く推すね(笑)。
文 おうよ!(笑)
最初から豊かに響く声、
ほとばしる想いに圧倒されました。
A 確かにフレーズの変化を
的確に捉えていたし、
音響造りを立体的に
やろうとしているところは見えたけど、
「言葉」なのに
「言葉」があまり明瞭じゃなかった(苦笑)。
文 えー? それは想いが勝ったと
自分は好意的に解釈したんですよね。
精妙に言葉を扱わなきゃいけないのを
ひとつの感情で押し切ったかもしれない。
でも、その想いの強さを評価したいな。
B 発語はともかく、
音楽の変化はあったと思いますよ。
文 うん、切り替わりが鮮やかだった!
この曲はバスの歌が良かったね。
喪失から復活への
強い意志が染みたなぁ。
B い~すたんの声のパワーを
存分に発揮する曲として
「言葉」はうってつけでした。
文 続いて自由曲2曲目。
三善晃「五つの願い」から
「4.若さのイメージ」
こ~れも良かった!
C もう文吾さん一人で良いんじゃないかな(笑)。
文 聴いてよ!(笑)。
いやこの「若さのイメージ」ね。
まずうちら、おっさんじゃないですか?
ABC (苦笑)。
文 今日の福島大みたいに
若者が自分たちの歌として
「若さのイメージ」を歌う良さじゃなく、
おっさんが歌う意味を真に感じたんだよね。
例えば若者への挑発だったり叱責だったり。
C 老害だ!(笑)
文 もちろんそれだけじゃなく(笑)
「スモッグのかなたに
夢が見えるんだ君には
そうじゃないのか?」
…理想も信頼も激励もこもっている。
さまざまな想いが描く「若さのイメージ」。
最後にこの曲を持ってきた意味を考えて、
ちょっと泣けてきたんだよね。
B 「言葉」は東日本大震災の後に
発表された詩へ作曲された作品でしょう。
「若さのイメージ」も含めて
「希望を持とう!」
というプログラミングだった。
文 そうそう。
これは自分の勝手な思い入れだけど
火災に遭った首里城に勤められていた方も
団員さんにいらっしゃったという話を聞いて
さらに演奏が深まる気がしたな。
A い~すたんは確か年齢層が
高校生もいれば60代もいるという
幅広い団だね。
若さ、フレッシュさを残しつつ、
大人っぽい所もあり。
もう少し言葉の表現を考えたら
ひとつ上を狙えたんじゃないかな~。
文 今回みたいな自由曲を
熱く丁寧に歌える混声合唱団って
室内合唱の部では貴重だから、
頑張って欲しいですね。
これからも期待しております!
ツイッター、メールの感想です。
去年の重厚なハーモニーに繊細さが加わった印象を受けました。
ホールが一番鳴っていた。
「蜂が一ぴき…」が抜群に好きでした。
「言葉」も良かったです。
歌ってる方たちの気持ちが伝わってくる素晴らしい演奏でした。
自由曲いい曲ですね。
3曲とも支部大会からめちゃくちゃ良くなってる
信長は背景に切実さが感じ取れたし三善は未来への希望だった
続いて同率第3位の2団体目。
倉敷少年少女合唱団
(女声23名)
A 課題曲F4は安定感、
そしてハーモニーの精度が抜群!
B 力いっぱい歌っていましたね!
…もうちょっと日本語のニュアンスで
さりげなくても良かったかな?(笑)
A 昨年の
「地球に寄り添って」が
彼女たちの等身大の持ち味を
活かしたものだったから
その延長線上の演奏を
期待してしまったかな。
声がちょっと大人寄りだよね。
文 でも、先月聴いた
中学校の全国大会でも
こういう発声の団体もあったでしょ?
倉敷には高校生の団員さんもいるんだし。
B 声楽のコンクールに
上位入賞している団員さんもいるそうなので
ああいう発声なのは理解できますね。
自分は「少年少女合唱」と聞くと
小田原少年少女みたいな発声を
思い浮かべてしまうので・・・。
文 「少年少女合唱」という言葉に
引っ張られ過ぎなんじゃない?
B そうかもしれない(笑)。
ステージから高く伸びあがるような発声に
まず度肝を抜かれました!
文 自由曲の鈴木輝昭
「幻の風・光の海」から
「3rd Scene」も凄かったですね。
A 本当に!
この人数でさらに2群で歌ったら
1パート何人になるんだよ?!ってね。
BC文 (笑)
A 中学や高校生みたいに
毎日練習しているわけじゃないはずなのに
あの難曲をあれだけの精度で
聴かせられたのは凄いこと。
文 やっぱり輝昭作品の
ああいう器楽的な音響って
倉敷みたいに統一感ある音色が向いてますね。
2群合唱でユニゾンや2度を鳴らされると
「おぉ!」って感じました。
A 鮮やかだったね。
まったく破綻することもなく。
自然さ、柔らかさもあり、
指揮の難波先生に操縦されている感も無かった。
文 操縦(笑)。
そこら辺は中学生とは違う、
倉敷の良い面かもしれませんね。
B 構成もしっかり考えられていたし。
「涼しい風」のような
印象的な言葉の扱いも良かったです。
文 そうそう。
音響現象だけがずっと続くんじゃなく
要所で言葉の魅力が生きていた!
A ああいう若さを武器にするなら
輝昭作品はピッタリだと改めて思ったな。
文 少しの懸念があるとすれば、
確かに選曲がハマってましたし、
金賞に異議は無いんですけど
これからずっとこのような方向で
行ってしまうのかな?と。
A どうなんだろうね?
まるで違う方向へ行くのか。
それとも自由曲1曲目を
比較的やさしい曲にして内容を深め、
2曲目で輝昭作品のような
難易度の高い曲を演奏とかね。
いろいろなやり方があると思うよ。
文 なるほど。
…最後、ホモフォニックになる箇所で
全員がバッ!と正面を向いたでしょう。
あそこ、鳥肌立ったな!
B 立ちました立ちました!
「やるなぁ~!」って(笑)。
これが私たちひとりひとりの歌、
そんなメッセージを強く感じました。
C 倉敷から金賞団体って、
文吾さん誇らしいんじゃないですか?(笑)
文 自慢しちゃうね(笑)。
「おらが街に金メダルが!」って!
岡山県の一般代表団体が
全国で金賞を受賞したのは
今回が初めてだそうだよ!
ABC おぉ~!!
ツイッター、メールの感想です。
23人のダブルコーラスを一糸乱れぬ演奏で、聴き終わった後間違いなく金賞だと感じる演奏でした。
緻密なアンサンブルで好印象。
音符が浮かび上がってくる感じ。素晴らしい!!
かねごん@よどこん最低(音)の男
私の世界、と目を見て言われた気がしてドキっとしてしまった
音色とそれを活かした曲想の付け方がいい
自由曲後半で前を向いた時はグッときた
(同率3位、3団体目の女声合唱団ソレイユさんの感想に続きます)