観客賞座談会・大学ユースの部 その2

 

赤塚シャクナゲガーデン(津市)
提供:三重フォトギャラリー

 

 

観客賞の座談会、大学ユースの部の続きです。

 

 

3

 

北海道・北海道支部代表

北海道大学合唱団

https://twitter.com/Gassyo_hmc

(男声39名)

 

 いやー、
  なぜ金賞じゃなかったのかなぁ?!
  素晴らしかったよね!


A 今日聴いて鳥肌が立ったのは
 この団体だけですよ!
 課題曲M2
 シューマン「Frühlingsglocken」
 出だしから直線的じゃなく
 ちゃんと春が訪れ去って行く……
 歌詞の意味が伝わる演奏だったと思います。


C 凄く端正で良い演奏でしたよね。
 ドイツ語がキッチリしていて。
 シューマンという作曲家は
 子音を曲の雰囲気に取り入れ、
 ドイツ語の語感を活かして
 作曲していると思うんですよ。
 そういう面でちゃんとしたドイツ語が
 演奏の質を上げていた印象です。


B 第一声から引き込まれました。
 課題曲集の訳詩を見て
 納得したというか。
 「ああ、こういう詩を
  歌っているんだなぁ」と。
 発語がエレガントでしたね。


 発声も優れていて
  豊かな響きでホールを満たしていました。
  あとソリストを含めた音楽の軽快さ。
  ソリストから始まり
  合唱へ繋がるなめらかさも。


B 北大さんはいつも
 課題曲の演奏が優れてますね。
 尾崎あかり先生の指揮も
 メチャクチャ歌いやすそう。
 明確でカッコイイ!


文 自由曲:鈴木輝昭
  「谷地の魔神が自らを歌った謡 
   NITATORUNPE YAIEYUKAR“HARIT KUNNA”」は?


B 山台を一段上がり
 立ち位置を変えて。
 響きが柔らかい反面、
 奥に引っ込んじゃったかなぁ。


C そう、鳴らしにくくなり
 言葉が聞こえなくなってきた。
 音も整理しきれない部分があった。
 

 えー?でも鈴木輝昭特有の音響を
 しっかり出していたし、
 ピアノと一体となった
 盛り上がりも良かったけどなあ。


B アイヌを題材にした曲なので
 北海道の彼らだからこそ歌える、
 そんな説得力はありましたね。


 そうそう、最後に少し
  抒情も感じさせてね。
  ニクイんだ~! 
  銀賞は納得いかないな!


B ……文吾さんが北大さんを良かったという時は
 いつもコンクールでの評価が低いんじゃない?
 5年前、東京大会で鈴木輝昭作品を
 演奏したときも絶賛してたでしょ。

 

C 文吾さんに北大さんを聴かせちゃダメだな(笑)。


 そんなこと言わないで!(笑)
  いや3年ぶりの出場で、
  やはり北大合唱団さんは欠くべからず存在と
  再認識しましたね。
  また是非とも出場してください!

 

メール、ツイッターの感想です。

 

課題曲すごく良かったです✨
自由曲も迫力があって聞き応えありました。


北大合唱団の骨太なサウンド好きだなあ


北大(に投票した理由)はベースの安定的な音の上で歌われてる課題曲がとても良かったし、自由曲も北大らしさを感じたから。


Bass中心に声の太さ、鳴りの良さ


北大の男声合唱団はクラシックで懐かしさを感じるけど、まとまりがあってこれはこれで嫌いじゃないぞ。


颯爽とした課題曲、自由曲は作曲者のテイストは随所に見えるけど新しい世界観。
聞き手の眼前まで思いを届けるような気合の入った自由曲。


北海道大はシューマンのアプローチが好みだった。
発音から自然とリズムが生まれていた。


音楽が知的。


全体的に重量感がエグい
全員バケモン


あとやっぱり北大推しです(はーと) (←文吾註:男性の方です……)


柔らかい北大サウンドが健在で、自由曲のカムイユカラは北海道の団体がこの作品を演奏することの必然性を感じさせた


世の中最近明るい、軽い声が主流のように感じますが、北大は重厚な鳴りがとても心地良かったです。
課題曲、場面が移り変わっていくのが伝わってきました。
自由曲、迫力すごい。歌詞を見ながら聞きたかったです。アイヌ語勉強したくなりました。


久しぶりに良質な男声合唱を浴びさせてもらった。
シューマンもほんの少し骨太な所もあれど明るく軽やかな演奏、自由曲は鈴木輝昭さんのサウンドが懐かしい。
日本のスタイルとすら言える気がする、あっぱれ

 

 

 

 

 

2

兵庫県・関西支部代表

関西学院グリークラブ

https://twitter.com/Glee_Kwansei

(男声38名)

 

文 課題曲M2、
  いつもの凄いオーラで鳴らす!
  じゃなく今回は柔らかく
  奏でるような雰囲気で。


C とある関西のピアニストさんが
 「いや~ドイツ語が関西弁に聞こえて
 しゃあなかったわ~」と言っててね(笑)。


 さすがにそれは無いでしょう!
  きっと愛あるイジリ!(笑)


B いや関学さんはそんなこと無かったけど(笑)。
 関西弁は無声音に母音を加えがちなんですね。
 関西の第九は関西弁に聞こえるという話が。


A 最初のソリスト2人が素晴らしかったですね。


 とても良かったですね!
  全体に格調高く、
  ノーブルな空気を醸し出していました。
  自由曲:千原英喜「Agnus Dei=空海・真言・絶唱」。
  これも最初のソリストが上手かった!


C 自分はストレートにこの曲が好きで。
 今回も最後に鐘が鳴るところなんてちょっと
 「ジワッ」と来てしまう。


A ああいうところは千原先生うまい!


B 真言からヨーロッパへ、
 時空を超えるという。
 作品と演奏の力で
 観客も移動させられたような。


A 作曲家のテーマとして
 ボーダレスを掲げている方なので
 世界を確立されているなぁと。


 清水敬一先生がこの男声版を
  「もともと男声のために
   書かれたと思わせる」と
  記されていましたけど、
  迫力、ケレン味といい、
  男声版がオリジナルと錯覚させるほど
  関学さんの演奏はハマっていましたね。


C 多くの男声合唱団に広まりそうな
 そんな力を持った演奏でした。


B 長い伝統で培ったいわゆる「関学トーン」で
 課題曲のドイツものと自由曲の邦人作品、
 どちらも自分たちのスタイルをあまり変えなくて。


 そうですね、変えていない。


B でも違和感なく素晴らしい演奏になるという
 稀有な団体なんだなぁと
 今回の演奏を聴いて改めて感じました。


 関学さんは4年ぶりの文部科学大臣賞ですね。


B 発表の時に横で見ていたら
 団員さんたち、男泣きに泣いていたそうでね。
 それを聞いてジーンとしてしまった。


メール、ツイッターの感想です。

自然の表現力が素晴らしかった


難曲の自由曲みごとに関学色に
  

とにかくおしゃれにシューマンを歌い、立体的に真言を演奏、力任せでない音楽への向かい方に好感を持ちました。


曲の世界観にぐっと引き込んで離さない、集中力と練度の高い演奏
聴く度に期待を越えてくるのすごすぎ!


安定のうまさ。少し発声前側に調整した?
去年はだいぶうまかった、今年だいぶ後ろでこもってしまった感あったけどこれ個人的に好み。
各パート毎に一音ずつ出していくやつ、勝手にステアと表現してる。
このステア、大体出るべきパートが音量足りず、出るべきでないパートが音量出しすぎて崩壊するやつだけど、普通に全部成功。きっちり練習してきた感が強い。


小さな大宇宙を感じた…
雄叫びが凄い…
トリッキーな演出もこれは芸術だ…と感じた…


課題曲は関西コンのときとは別団体?笑 シューマンのかろやかな色彩が素晴らしい。
千原は多声部になるとちょっとキズが見えるけど、揃ったときの関学トーンは健在!ブラボー!


関学グリーがあの曲をやったらまぁそうなるわなぁ…水や風の表現が過去に聴いた演奏と比べても特にキレッキレ
そしてステージ全体を通してやっぱり強い


やはりドイツ語は歌い慣れているな…という印象 
重唱パートで全く破綻が無くて安心して聴ける
自由曲は畳み掛けるような推進力で惹きつけられた


40人程度だけどパートバランスが良くハーモニーが常に安定してて心地よい。
課題曲、軽やかでスタイルに沿った明るい声。めちゃ好きでした。
自由曲は混声で馴染みがある曲、男声の音域の方が合ってるのではとすら思うほど良い。某なにわな合唱団で歌ってみたかった、ブラボー!

 


(大学ユース部門:第1位の感想に続きます)