観客賞座談会・大学ユースの部 その2

 



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岡山城 ©岡山県観光連盟

観客賞座談会、大学ユース部門の続きです。

 


3

高知大学合唱団

https://twitter.com/kochi31uc
(混声27名)

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文 課題曲、
  「うたをうたうのはわすれても」。


C 一言で言うと「けなげ」って感じ!


 ふふふ(笑)。
  唯一の学生指揮者でしたからね。


A うん、凄く素朴だなぁと思って。
 前に「等身大」という言葉が出たけど
 高知大も、
 自分たちが今考えていることを
 率直に出していて、
 なにかとても打たれるものがありました。


B 高知大は歌い手と同年代が
 指揮しているじゃないですか。
 だから音楽作りも
 良い意味でユースだな、
 という気がしたんですよね。
 自分たちの若い感性で
 この音楽を作ったのが見えてくるような。


 指揮者が引っ張り回すんじゃなく、
  歌い手と話し合って作り上げたような。


B それ!
 対話して作ってきた感がありましたよね。


C 自分たちで培ってきた手作りというか、
 「青春してるな~」って。


AB文 わかる(笑)。


 そこが観客賞で票を集めた理由かも。
  語り口の良さも印象に残っています。
  課題曲、自由曲2曲も
  それぞれの雰囲気を掴んでいましたね。


A 松下耕「戦場」は気持ちがちょっと
 勝っちゃったかな。
 表現意欲が前に出て
 そこが荒削りになった。


 ソプラノの発声とかもね。
  気持ちはわかるんだけど。


A それも手作りというか、
 表現しようとしているんだな、と。


文 信長貴富「葬送のウムイ」
  おどろおどろしく歌うだけじゃ無く、
  明るい箇所もしっかり歌い分けていたのが
  良かったです。


A 課題曲もそうだけど、
 言葉がわかりにくいんだよね。
 やはり想いが勝っちゃったのかな。


 そうですね、子音なり、
  「言葉」として聞こえるように
  工夫が必要。


A そういう指導は受けてない?


B 学生指揮者主体の団体だから
 なかなか難しいんじゃ。
 言葉もそうだけど、
 合唱団の中で聴き合うとか、
 音楽の主と従を意識したら
 もっと良くなると思うんだけど。


A 表現をより活かすために
 その辺を考えると
 もっと良くなるよね。


C 気になったのは沖縄の方言では
 「U」はちょっと深めで
 「U」と「O」の中間ぐらいなんですよ。
 以前、小田原少年少女合唱隊が
 全国で「てぃんさぐぬの花」を演奏した時
 「ぬー」の「U」母音が
 本当に沖縄方言と同じで驚いたことがあって。
 だから「U」の発音を変えるだけで
 ずっとそれっぽく聞こえるはず。


AB文 おぉ~。


C 後半テンポアップして
 明るくなるところで
 彼らの良さ、
 解放感みたいなものが出てきて。


A うん、あれは良かったね!


C あそこはリズムも音階も
 沖縄を一番表現できていたと思うな。


 厳しいことも言いましたけど、
  小さくまとまりがちな
  学生指揮者の団体で、
  こんなに伸びやかに、
  伝えよう!と強い表現意欲があるのは
  本当に素晴らしいと思いました。


B ですね。
 そういう外へ発信するような
 勢いと大きさはそのままで、
 技術も磨くともっと良い演奏になるはず!

 

 



ツイッター、メールの感想です。

 


学生指揮者の方の丁寧な指揮と音楽作りが良かった〜!
大学時代を思いだして泣いちゃいました。


学生指揮、さらにはコロナ禍の中でここまでの演奏を作りあげるには相当な努力があったと拝察。


高知大学は唯一の学生指揮
無駄のない明確な指揮で歌い手と一緒に作りあげる音楽は唯一無二の尊いものだった
人数をものともしない充実感!


高知大の学生指揮者(もちろん歌い手もですが)の音楽や指揮への取組みの深さを大学でやっていた身としてひしひしと感じた。


ピッチとかは少々乱れたものの、とにかく言葉がしっかりと伝わってきて、歌い手が何を伝えたいのか、明確な演奏でした。
少し粗削りでしたが、大学生らしいみずみずしい演奏だったと思います。
やりたいことが明確で、スピーカー越しにでも想いがひしひしと伝わってきました。
学生指揮も健闘していたと思います。


G3はこわごわと始まった感じ。
一転自由曲は緊迫した空気と朗らかな葬送をしっかり歌い上げていた。
ソロの声が素敵。


葬送のウムイ 凄かったです!
背筋がゾクゾクしました。
かけ声に似た女声は波のように揺れ、曲の雰囲気に引きこみます。
男声のソロも響きの微かな揺れが気持ちを強く揺さぶりました。


とても手作り感があって良かったです。
戦争をテーマにした自由曲2曲でしたが、それぞれの曲が持つ戦闘と鎮魂の対比が作り込まれていて感動しました。


自由曲が素晴らしい。
集中力のある表現、作品の世界や思いがありありと伝わる。
多彩な声・音色による描写が見事。


すごかった。
すごく良かった😭😭😭




 

 

 

2

関西学院グリークラブ

https://twitter.com/Glee_Kwansei
(男声46名)

 

 

 第一声からブレンドされた
  磨かれた声に参りました!


A 洗練されたというか
 バン!と出てきた声が
 もう、組み上がった声だなと。


B 課題曲Preghiera
 内在するリズムを軽やかに歌って。


C 「Andantino」にしては
 ちょっと速いかなと思ったけど、
 あれだけ流れを出してきたのは凄い。


A 広瀬さん独特の作り方だと思うんですけど
 けっこうテンポアップで
 フレーズの繋がりを間延びしないように
 追い込んでいくスタイルだなぁと思って。


C そのスタイルがイタリア語と
 うまくリンクして良かったですね。


 バランスもとても良かったと思います。
  自由曲:間宮芳生「艫」「引き念佛」。
  まさにTHE 男声合唱!
  ベース系がちゃんと響いていて。


A 並びで低声を
 真ん中にしてたじゃないですか。
 これも広瀬さんに特徴的で。
 曲によって
 音響効果が出しやすいように
 並びを変えていくんですよね。


B 曲の立体感が
 際立って聞こえるような演奏でした。


 なるほど。
  掛け声もソリストもパートソロも
  それぞれ迫って聞こえてきて。
  「これは生で聴く意味あるわ!」
  ……配信で聴いた人には
  申し訳ないけど(笑)。


C 何度もこのコンポジションを
 演奏してきた伝統の力と
 今回演奏することで生まれた新鮮さが
 上手く噛み合っていて。
 今までの関学で
 一番良かったんじゃないかな。


 そこまで!


C 昔はもっと泥臭い部分があったけど、
 今回は要所で土臭さを出し、
 それが良い塩梅に効いていて。
 全体にスマートな魅力ある演奏でした。


 そうか~。
  欲を言えば、現代的に演奏するなら
  楽器部分で即興的というか
  意欲的に出てセッションする感じだったら
  もっと良かったかな。


B そうですか?
 即興的というより
 100回演奏してもブレない揺るがない、
 それが関学の力だと思うんですけど。 


A 関学ってどんどん声が変わって、
 特に低声で変わってきて。
 昔やっていたコンポもベース系は
 もうちょっと重かったんですよね。


B 昔はもっと古いグリー調でしたね。


C 今の良いところ、
 昔ながらの自分たちらしさも
 出していた、
 とても良い演奏だったと思います。


 マスク歌唱だったけど
  そんなハンデを全く感じさせない
  凄い演奏でした。



 

 

 

ツイッター、メールの感想です。

 

 

マスクに完全勝利した関学グリー流石の地力。


最初の音からレベル違ったいみわからん。
なんだろう、風格的に現代風ではないと思うんだけど、なんなら昭和感満載なのにpとかきれいにやってるから謎に現代感の昭和感ある。
言っている意味わからんと思うけど本当にそう。


自由曲圧巻でした。
ここだけは配信できいていてもホールが鳴っていたのが聞こえていました。


パワフルかつ丁寧な作りで惹き込まれました。


青年らしい若々しさと洗練されたサウンド、キリッと引き締まった演奏が良かったです。
背景の音色が鮮明でこれまでに聞いたことがないコンポⅢ。
古典のこの曲から新たな魅力を引き出した。


歌い出しのハーモニーが美しすぎてビクッとなった!
耳が本当幸せ… 民謡が上品…しかも掛け声のリズムの躍動感がかっこいい…


課題曲は均質なハーモニーと淀みない流れ、コンポⅢは男声合唱らしい勢いとキレの中に破綻のない緻密さも兼ね備え、見事。
俺の好きな関学の音を堪能した。


関西学院さんの自由曲とても良かった…
特にシャンシャカの合いの手惚れた。
シャンシャカめっちゃ楽しかった。


唯一のマスク歌唱ながら第一声から伝統の関学サウンドが響き渡っていた。
前回までより人数が減ってしまったことを感じさせない。
自由曲は音楽作りも掛け声も圧倒的で、まさに関学サウンドの真髄!


揃った声は圧があります。
ブレず、ガッシリと。
残響も心地よく気持ち引き込まれました。
歌声が作る世界の豊かさを改めて知りました! 

 

 

 

(第1位の感想に続きます)