倉敷美観地区 ©岡山県観光連盟
2021年度大学ユース部門観客賞:第1位!
都留文科大学合唱団
(混声59名)
一同 拍手!
文 まず課題曲
「うたをうたうのはわすれても」。
最初の「うたを」の助詞
「を」を感じられた瞬間
「優勝ーッ!」(笑)
A わかる!(笑)
日本語のさばき方が凄く上手い。
ユース団体とは違って、
大人の団体のさばき方になっている。
文 そうなんですよ。
単語の連なりでは無く
「文章」になっている!
C 自分も最初のフレーズに
掴まれて涙腺が……。
その後アルトに
メロディが移るんだけど
そこも泣けた!
言葉だけじゃ無く
ニュアンスも含めて凄い伝わって。
B そこのアルトなんですけど、
ちょっと下の音域で
聞こえにくいところなんですね。
それをソプラノがちゃんと
コントロールし飾りになって、
アルトの存在感を増して
聞こえてくるという。
A そうそう、
バランスが良かったですね。
C 課題曲だけじゃなく
自由曲もそうだったんですが
アルトがメロディの時は
必ずソプラノが裏方に徹して。
でも、どちらも存在感は失っていない。
文 いや本当に音楽の
「主と従」ですよね。
自分だけじゃなく、
音楽を俯瞰して捉えている。
B 「我も我も!」じゃなく
「あなた前に出るの?
じゃあ私は後ろに下がるね」
A 「わきまえ感」がある(笑)。
文 あと似たメロディが
繰り返される時どうするか。
全体の構成を考えて、
しっかり変えているんですよ。
C 最初のメロディを少し変えて
37小節から戻ってくるところ。
Es-durで始まったのが
D-durに変わるんですけど
フラット系からシャープ系に
下がるのってあんまり
「下がった感」が無い団体が多い中、
都留文はちゃんと音色や響きが
セピア色になっている感じがして
とても良かった。
文 自由曲1曲目Brian Edward Galante
「Exsultate(歓喜せよ)」、
他の団体なら単純な
クレッシェンドデクレッシェンドの
繰り返しになりそうなんだけど
直線的にならず、
ある種のうねりを感じさせていて。
A 歌心が非常にあり、
お客さんを喜ばせることができる演奏を
わかってやっている感じが
あるんですよね。
若者が社交界デビューして
大人の振るまいができるようになった……
そんなサウンドがありました。
文 自由曲2曲目Jake Runestad
「Let My Love Be Heard
(私たちの愛を聞かせてください)」、
これも心に響く演奏で。
C 全体を通して、
自分が何をすれば良いか。
ひとつの作品、
合唱として聴かせる時に
自分の役割がどういうものなのか、
それを個人が深く理解して
演奏している印象がありました。
AB文 うんうん。
B 男声も15人に増えて良かった!
C 一昨年は8人だったものね。
この調子で人数を増やして欲しい。
あと英語の発音が良かったです。
A そう、英語の曲って
意識しないで歌うと
ペランペランになっちゃうから。
都留文は深みがある発語だったので
それが曲を活かすことに
繋がっていました。
C 英語ってそれっぽく歌えば
なんとかなるみたいに
誤解されているけど
しっかり英語として聞こえてきた。
文 後半、男声がメロディを繰り返し、
女声がピアニッシモのヴォカリーズから
徐々に高まっていくところ。
彼らの真摯な祈りが伝わってきて
深い場所に染みてきました。
B 文吾さんのブログで見たけど、
この曲はパリの多発テロ事件の
犠牲者を追悼するコンサートで
有名になったんでしょ?
だから今の辛い状況と重ねて、
声が希望の光となるように……。
そんな強い願いも感じたな。
ツイッター、メールの感想です。
女声は凛としてブレず余裕があり、男声は一つの声のようにうたいあげる。
低音が支える中、全員のハーモニーが耳をくすぐりました。
とても綺麗な歌声に惹かれました!
課題曲G3は期待以上の演奏、都留文らしい歌心に溢れていた。
自由曲も目映い輝きと温もりのある歌声に耳も心も満たされた。
最初の音からレベル違ったいみわからん。
うん、都留文はすげーなぁ。
良い意味で我の消えた40-50歳ぐらいの演奏するんだけど、能力は若い20歳前後の状況だから、基礎力段違いだし、あーこれチートだわ。
転生してる。
全体を通して洗練された大人な演奏に感動しました。
やはり自分の中では都留文が圧倒的。
大きなホールで大人数という環境でもテキストの持つエネルギーを大切にし、どこまでも音楽に向き合っている。
さらに今回は課題曲と合わせて3曲のステージを作り上げていた。
人数も最高峰になりつつあるなど、一体どこまでいくのやら…
ひと筆ずつ色を置いていくような、丁寧な演奏は人数が増えても変わっていなかった。
ダントツでしたね。
課題曲G3は、唯一、納得の演奏でした。
ヴォカリーズ部分を含め、この曲の魅力が最大限発揮された演奏だったと思います。
そして自由曲は2曲とも、スピーカー越しでも「想い」がひしひしと伝わってきました。
男声は少ないながらも相変わらず素晴らしい響き。
女声も含め、大学生離れのサウンドでした。
この演奏はホールで、生で聴きたかった…。
歓喜せよ、じわーっと歓喜が押し寄せてきたし、最後は歓喜の光が降り注ぐのが目に見えてきた…
そのまま次の曲に繋がる感じも良い…
課題曲もステージに内包する圧倒的な構成力。
自由曲2曲目の出だしで涙腺に来た人が多かったはず。
G3は言葉を大切に歌っている。
現在の大学ユースの部において、自由曲2曲目のような音が優しく降ってくる外国作品をやらせたら右に出る団体は無い。
熱量があってきらびやかなハーモニーに魅了された
一つ一つの音に祈りや優しさ、いろいろな意味を感じた
大学ユースの部だと、都留文がとても好きでした。
どこが、と言葉に出来ないんだけど、1年間飽きるほど聞き続けたはずの〈うたをうたうのはわすれても〉で少し涙ぐんでしまうほど、あたたかくて心に深く刺さる演奏でした。
この歌の世界に没入している感が強かったですね。
清水雅彦先生の振り終わったお顔も素敵でした。
改めて結果です。
【観客賞・大学ユース部門】
第5位 酢だこ
第4位 福島大学混声合唱団
第3位 高知大学合唱団
第2位 関西学院グリークラブ
そして第1位は…
都留文科大学合唱団
でした。
観客賞・大学ユース合唱の部第1位ということで、都留文科大学合唱団団員さんからメッセージをいただいております。
* * * * * * * * *
この度は観客賞1位をいただき、大変嬉しく思います。
審査員の方だけでなく、観客の皆さまからもご支持いただけたことは、今後の活動の糧にもなります。
この場を借りて御礼申し上げます。
一昨年末から新型感染症の脅威にさらされ、思うように練習のできないことへのやるせなさと感染への不安の狭間で、合唱団として正解のない判断に悩まされる日々が今年度も続いていました。
そのような中、コンクールが無事に開催され、多くの方々の支えによって全国大会まで出場できたこと、そして金賞をいただけたこと、改めて喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。
今年のコンクールは、今まで以上に歌に込める「思い」を重視し、清水雅彦先生のご指導のもと練習に励んで参りました。その「思い」を観客の皆様にお届けすることができていたのであれば、それはなによりも幸いです。
実は、全国大会の前日と本番に私たちは約2年ぶりにマスクを外して練習をしました。私自身、現在3年生であるため、後輩の歌っている顔を初めて見たことになります。身内をこのように言うのは少しおかしいかもしれませんが、「なんて幸せな顔をして歌っているのだろう!」と、感動し、歌うこと、合唱することの喜びを再確認することができました。
新型感染症は未だ終息せず、この未曾有の事態に辛い思いをされている方が今この時も多くいらっしゃると存じます。
一刻も早く平穏が訪れることを祈る思いを込め、御礼の言葉とさせていただきます。
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団員さん、ありがとうございました。
2年ぶりにマスクを外し、後輩さんの歌う顔を見たら……その光景を想像し、こちらも感じるものがありました。
座談会でも触れていた都留文さんの自由曲「Let My Love Be Heard」は、テロ事件で犠牲になった人を追悼するコンサートで知られるようになった曲。
観客賞スポットライトでの都留文さんからのメッセージ「今年の自由曲は、テロ、戦争、災害、そしてコロナウイルス⋯、世界中で辛く苦しい思いをされている多くの方々への平和,平穏を祈る思い込めてお届けいたします。」
おそらくこのメッセージも、この曲の由来も知らないで都留文さんの演奏を聴いた方がほとんどでしょう。
でも、感想を見ると多くの人にしっかりとその「思い」は伝わっている。
初めて見た、後輩さんの歌う顔を見て湧き上がった気持ち。
ことばを越える、そんな大切な瞬間を信じているから、自分は合唱を聴き続けているのかもしれないなあと思いました。
いつかマスクを常に外せるようになったとき、都留文さんの声はどんな風に響くのでしょう。
(次回は室内合唱の部、第4位の感想からお送りします)