観客賞座談会・室内合唱の部 最終回

 

 

栃尾の油揚げ・長岡市

 

前回から室内合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体合唱団「い~すたん」さん、エシュコルさん、ウィスティリア アンサンブルさんの感想をお話ししています。

今回は2団体の感想、更に【室内合唱部門全体を振り返って】の感想も。


愛媛県・四国支部代表
女声合唱団「歌姫」

https://www.facebook.com/utahime1992/

https://twitter.com/ehimenoutahime

 (女声19名)

 

 人生経験豊富な方々の
 演奏という気がして。
 課題曲F3 街路灯にも
 それが十分現れていました。


C 雰囲気良かったですよね!


B 「みんなすてよう」、
 2回目に半音下げて歌うときは
 みなさんさまざまに深い心情をこめる。
 でも歌姫さんの場合は最初の
 「みんなすてよう」から既に
 2回目の深さがあった!


A もう最初から
 捨てる気じゅうぶん(笑)


B でも1回目の「すてよう」は
 あっさり歌う方が
 2回目の時に効果的だと思うんだけど……


 いやいや、そこはやっぱり
 人生経験の深さであってね(笑)。
 若いうちは失うものが
 いっぱいあったけど。
 残されたものがあまり無い時は
 「これも!」「あれも!」
 「みんなすてちゃおう!!!」……と。


A 「みんな捨てたと思ったけど、
   まだ捨てるものがあった」(笑)


 そうそう(笑)
 そういうギリギリの心情から
 振り絞られた歌姫さん渾身の
 「街路灯」ですよ!


B そうかなぁ・・・(笑)
 自由曲:イェイロ「Ave Generosa」、
 神聖さも出ていて、
 良い雰囲気でしたね。


A 2曲目のダルド「Jubilate Deo」
 気に入りました、楽しかった!


 うん、可愛かったですね。


B 自分は「おとなの可愛さ」ってメモして。


A それそれ!チャーミングでした!


B 課題曲、自由曲2曲、
 すべて性格が違う作品で
 どんどん明るくなっていく。


C 「私、人生を楽しんでいるわ!」
 ……みたいな。


A みんなすてたからこその身軽さが(笑)

【メール、Xの感想です】

あっさりしすぎない軽やかさというか、ビブラートもかかっておかあさんコーラス的なサウンドだけれど芯があって宗教曲にも違和感無く合ってる音


自由曲1曲目のスタート。
心震えるほど美しい和音


F3 立ち姿が綺麗!ぜひ見習いたい
日本語って美しい…丁寧な曲作りしてらっしゃる
声がこの曲にめちゃくちゃ合ってるので、包みこまれるような豊かさと散りばめられた艶
自由曲
Gjeilo大好き…北欧の澄んだ空気が吹いた、かっこいい!
本当に人数関係ないんだな
なんか女神がオブリガート歌ってらしたような
2曲目、表情も雰囲気もガラッと変わる、なかなか出来ることじゃない
自由曲Mez楽しそうやりたい


 

室内合唱部門、最後の団体です。

東京都・東京支部代表
杉並学院・菊華女声合唱団

(女声22名)

 

 男の子が3人いましたね。


C 課題曲F2 Sanctus
 いろんな歌い方を試しているようで
 とても面白かったです。


 同感ですね。
 「Hosanna」から
 「私たちリズム変えます!」と
 宣言するみたいだった(笑)


A 弱いパートが無かったですね。
 それこそ男の子の力かもしれない。
 3声がそれぞれ消えることなく、
 常に3パートが主張し際立っている。


 やはりOG合唱団なので
 発声や歌い方が統一されていました。
 個性的な歌い方のお一人を
 お手本にされているような気も
 ちょっとだけしたけど。


A 衣装が華やかで良かったです!


 ハンミョウみたいで
 綺麗だな~って思いました!


A おかあさんコーラスでも
 見られそうな素敵な衣装で。


 おかあさんコーラスと言えば、
 自由曲1曲目のフリオ・ドミンゲス
 「Estou amor aqui(私の愛はここに)」
 なつかしの歌謡曲っぽい感じがして。


C メロディーが印象に残りましたね~!


 杉並さんと言えば、
 若く強い声で
 押してくる印象があったので。
 こういう曲を哀感たっぷりに
 共感を込め歌う団体になったんだなぁ……と
 感慨深くなりました。

【メール、Xの感想です】

よくコントロールされたサウンド 久々の全国とはいえやはり安定感がある
時々音楽に停滞感を感じるものの芯のある音でそれすらも音楽に組み入れるような独特のサウンドは今回も健在だった


若く爽やかでストレートな音楽


F2 言葉を徹底的にやってるのが分かる!メリハリ、キビキビした発音
今まで聴いた解釈とは一線を画す
エネルギッシュ!
自由曲
やっぱり表情の良い人は目が吸い寄せられる何人もいらした
曲、死ぬほど難しそう
一人ひとりからエネルギーの柱が立ち昇ってるみたいだやはり情熱を感じる
Mez上手いなあああああ
衣装可愛い

 

 

【室内合唱部門を振り返って】

 観客賞1位2位と並んだので
 上西先生無双!という気が。
 どちらの団体も初出場でしたし。

 コンクールの賞で言えば
 倉敷少年少女合唱団さんが第1位になり、
 「全国の室内合唱団のみなさん、
  倉敷さんを目指そうね!」みたいな。


ABC ムチャ言うな!(笑)


 でもさ、コンクールって
 そういう側面があるわけでしょ。
 1位、金賞の団体のスタイルを
 意識しないのは難しい。
 審査員の多くが評価しているって
 ことだから。


A 倉敷さんを目指す・・・。
 まずみんな小学生からやり直す(笑)


BC文 (笑)


 でも今までずっと1位だった
 ソレイユさんを目指すなら
 性別変えて
 佐賀女子に入学しないとだから
 倉敷さんを目指す方が
 難易度は低いんじゃない?


B あのね、そもそも不可能に
 難易度とか無いの!(笑)


 みなさん倉敷に移住して
 小学校からやり直しましょうよ(笑)
 ところで、「室内合唱部門」という名称を
 そろそろ変えた方が良いと思うんだよね。


B いきなり!なんでまた?


 だっていわゆる「室内合唱」は
 少人数にふさわしいホールで
 声楽アンサンブルコンテスト全国大会や
 東京国際合唱コンクールで開催され
 軌道に乗っているわけでしょう。


C まぁ、それはそう。


 でも2,000人が収容できる
 大ホール前提での演奏って
 「少人数でいかに大ホールを鳴らすか」
 主目的になりがち。
 だからもう「室内合唱」の名称を変えて
 一般団体のはじまり、
 「一般A」部門の新設を提案します!


B 新設じゃないからね(笑)
 あのねぇ、確かに大ホールでの演奏は
 そういう難しさはあるよ。
 でも条件を「指揮者・ピアノ無し」にするとか、
 「課題曲はルネサンスバロック必須」にするとか、
 それこそ「音楽ジャンル別に分ける」とか、
 室内合唱を追求するための制度は
 まだまだ考えられると思うんだよね。
 文吾さんヤケになってない?


 ヤケじゃないヤケじゃない(笑)
 追求するのは良いんですけど、
 ただでさえ人口減、
 コンクールの敷居が高くなっているのに
 その条件でどれだけの団体が
 振り落とされてしまうのか?って。
 自分は今の室内合唱部門は
 「室内合唱」という名称を無くし、
 課題曲も無しにして
 門戸を広げた方が良いんじゃないかと。


B また極端な・・・。
 合唱連盟の目的って
 「合唱音楽の普及や啓蒙」でしょ?
 課題曲を無くしたら
 内外の名作に触れる機会が減るし、
 関連する講習会の意義も薄れちゃう。


文 コッチも(指で輪)減りますしねェゲヘヘ


B 今どんな顔してるか見せてやろうか?(笑)


 お金は大事だよ!(笑)
 冗談っぽく聞こえるかもしれないけど
 合唱連盟さんが室内合唱を追求するなら
 全国アンコンを充実させる方向じゃないかな。
 たとえば福島開催とは違う時期、
 東京の小ホールが会場で
 ルネバロ課題曲必須とかね。


C それ、福島の声楽アンコンを
 弱体化させることにならないかなぁ?


A 観客賞に話を戻すとね、
 観客賞の結果は観客の
 「こういう団体を目指したい」思いと
 わりあい一致していると思うんだよね。


 嬉しいお言葉感謝です!(笑)


A でも室内合唱部門の審査結果と
 観客賞の結果、
 自分の感覚では
 ちょっと離れている部門だと思う。
 さっき文吾さんが言ったように
 「少人数で大ホールを鳴らす」のに
 最適化されている団体や演奏が
 コンクール上位になっている現実があるから。


B 観客賞上位は
 「自分たちが目指したい団体」、
 「演奏する曲の本質を伝えている」、
 どちらか、あるいは両方の要素を
 持っている印象があるな。
 そこらへんも審査結果との違いじゃない?


 そうですね、
 少人数で大ホールを鳴らすことは、
 まったく悪いことじゃなく、素晴らしい。
 ただそれが主目的になって、
 演奏曲の本質が伝わりにくいとき、
 観客賞では票が入りにくいのかもね。

 ……ところでこの座談会司会のために
 アルコールを控えてたんですけど、
 そろそろ飲んでいいかな?


B むしろ今までの発言、
 酔ってなかったのに驚きだよ!(苦笑)

 



(同声合唱部門、印象に残った団体の感想に続きます)