観客賞座談会・室内合唱の部 その4

 




f:id:bungo618:20200203201212j:plain

京都和束の夕暮れ






観客賞・室内合唱部門で第5位に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記していきます。



↓ 今回の各団体の紹介記事はこちらです。

 




最初は室内合唱部門1団体目の感想です。




みちのく銀行男声合唱団

 

f:id:bungo618:20191104091313j:plain

(男声13名)



文 課題曲M4「物語」
  最初から非常に繊細でしたね。
  前奏のあと「わたしの…」と
  ピアニッシモの歌に
  大人の哀感が漂っていて。

B ブレンドされた声も良かったですよ。

A ピアニストの増田ゆかり先生が
 ちゃんと自分のカラーを出しつつ
 合唱も聴いている演奏をしていて
 バランスが良いなって。

C 実声から高音へ上がっていくとき
 ファルセット混じりの声が
 良い塩梅でした。

A この人数でこの課題曲を
 しっかり表現していた印象です。

 そして自由曲の1曲目
  Ola Gjeilo「Ubi Caritas」。
  ピアニストが合唱に入り。

B この出だしも
 とても集中したピアニッシモでね。
 美しく、祈りが感じられて、
 少し涙腺に来ました。

A テンポ設定が
 少人数ならではの自由自在さで
 上手く動かしていました。
 そのテンポをちゃんと自分の中に入れて
 歌っている。

文 自由曲の2曲目
  Joshua B. Himes「Ave Maria」。
  前曲と対照的に勢いがあって、
  切り込む感じを出してました。

BNunc」と3回繰り返す和音の
 精妙な変化が良かったです。
 色彩、感情の変化も込められているようで
 「これだよ!」みたいな。

C …いや~、室内合唱部門、
 最初の団体がみちのく銀行で良かった!

B 本当に。
 予想よりずっと良かったです。
 プロフィールを見たら
 「月1回3時間の練習」!

 スローガンが
  「音楽は人数じゃない」!

A ちゃんと室内合唱の演奏だったよね。

 そうそうそう。
  「こんな室内合唱の愉しみが、
   大人はできるんだ」
  それを大学ユース部門の
  すぐ後で示せたのは
  とても良かったんじゃないかな。








室内合唱部門、2団体目です。





ウィスティリア アンサンブル

(女声17名)


文 自由曲:瑞慶覧尚子作曲
  女声合唱のための
  「なんと なんと なんしょ」より
  「1.なんと なんと なんしょ」、
  「ヤッホー」の手のフリが可愛かった(笑)。

B リズミカルな箇所との
 歌い分けも良かったですよ!

A ちょっとわらべうたっぽいメロディーだから
 この団体の声にはぴったりでした。

文 2曲目の「4.とほせんぼ」、
  さらに良くなって。
  最初のヴォカリーズは
  響きの変化が楽しめました。

A この曲って詩人が熊本、
 作曲者が沖縄でしょ。
 そして演奏者が北海道で心配してたら……

BC文 (笑)

A ちゃんと曲の良さを捉えていて安心しました。
 少し遊びっぽい感じも加えてね。

 ですね。
  こういう民謡、わらべうたを
  題材にした合唱曲って
  意外と捉え方が難しいと思って。
  ウィステリアの演奏は
  合唱作品としての聴き応えがありながら
  元の題材の楽しさ、面白さを
  感じさせる演奏でしたね。







室内合唱部門、3団体目の感想です。







La Mer
https://twitter.com/lamerchorus

 

f:id:bungo618:20191104091950j:plain

(女声24名)



文 課題曲F4「その木々は緑」、
  最初から素直で伸びやかで
  気持ちの良い音が広がりました!

B 大人のチャーミングさみたいな。

A この課題曲、音色的には
 高校生がしっくりくるタイプの
 曲だと思うんですよね。
 全国大会で高校生の演奏を
 たくさん聴いた上での感想は、
 大人の良さが上手く入った演奏だなって。
 La Mer、大人だけど、
 オバさんじゃない(笑)。

文 自由曲:木下牧子作曲
  「春二題」より「あけぼの」、
  弱音と高音域の
  コントロールが良かったです。

A 笙の響きを連想しました。
 陽の光が射してくるようなイメージ。
 2曲目の「春は来ぬ」
 リズミックに積極的に歌ってましたね。

B 1曲目と対照的な演奏で。
 いくらでも器楽的に歌える曲だけど
 言葉のニュアンス、扱いも良くて、
 曲がさらに深まった感が。

 ラスト「空に飛べ!
  爽快感がありました!
  10年ぶりの出場、
  しっかりと印象を観客に
  刻み込んだ演奏だったと思います。

 



メール、ツイッターの感想です。

 

 

伸びやかで明るい歌声でした。

 

全員いきいきしてて好きな演奏でした。
ソプの音色が良くて、アルトの遠くから、しかししっかり響く声が良いというか好き。
F4がすごく良い曲だって教わりました。
春は来ぬのアルトの入りが柔らかな風を感じるようでした。

 



(室内合唱部門 最終回に続きます)