観客賞座談会・室内合唱の部 最終回

 




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平安神宮

 





第5位に入らなかったものの、印象的な演奏をされた団体の感想を出演順に記していく連載、室内合唱部門の最終回です。


 

 




ルックスエテルナ

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(混声20名)

 

 



文 課題曲G1
  テンポはけっこう遅めなんですけど
  流れているという不思議な演奏で。

A そうそう!

 凄く不思議で、上手いなーと。
  言葉を噛みしめる風じゃなく
  自然にやっているようなのに
  抑揚もあり、ゆったり流れて。

A 内田等先生が合唱に入って
 振りながら歌っていたけど。
 だからと言って
 常に指揮に頼っている風でもない。

B 自発性や主体性を
 団員さんからとても感じましたよね。

 そして自由曲:Johannes Ockeghem
  「Missa"cuiusvis toni"」より「Credo」。
  ……クワイアブック!

ABC ねー!(笑)

 ずいぶんクセのある歌い方だな、
  と思ったら
  「発音指導を専門家にお願いして
   ­楽曲成立当時のフランドル地方の発音で
   歌う­ようになりました」と。

B 面白い『 a 』母音、
 浅い『 e 』母音もあったかな。

C 最初は違和感あったけど
 後半は聞こえなくなった。

 耳が慣れたのかもしれないね。

A ルネサンス・ポリフォニーとはまた違って
 各パート多彩な動き、リズムがあり、
 それがとても楽しかったです。

 一体感はあるけれど
 個々は生きている!
 あれが凄く面白かったな。

B 手を組んでいる人が多かったけど
 それが祈っているようにも見えて。
 雰囲気を作っていました。

 この曲がどこから生まれたのか?ですよね。
  クワイアブック、訛りも含めて、
  作品を生む根源的なものに立ち返り、
  何かを見出そうとしているのかなあ、と。

C 4年ぶりの全国出場で、
 こういう団体があると、
 また多くの人に知られたのは
 とても良かったと思います。

B みちのく銀行と同じで
 大人の愉しみ、みたいなね。
 音楽を楽しんでいる感じが凄くした。
 「500年前の音楽を当時のスタイルで演奏」、
 非常に良い趣味なんじゃないかと。

A みちのくもそうだったけど
 ルックスエテルナも
 「これこそ室内合唱」!

 今後も出続けて欲しいですね。



ツイッター、メールの感想です。

 

クワイアブック囲むスタイルが旧すぎて逆に超新鮮 
サウンドも混声合唱として充実してたし音が流れてたというより良い意味で遊んでた

 

 

 

 






Serenitatis Ensemble
(混声22名)

 

 

 

 昨年と比べて
  一番変化に驚いた団体でした!

C 男声が凄くソフィスティケートされてた!

A 前までは女声の方がかなり上手いという
 イメージだったのが
 今回は男声の方が上手いんじゃ?

 そうそうそう!
  「淑女と野武士集団」みたいだったのが
  今年はジェントルマンになってた!

A 課題曲G2
 テンポを自由に動かしていたのが
 とても良く、好きでした。

B このテンポもある意味、
 室内合唱の醍醐味ですよね。
 人数が少ないからこそ
 テンポを自由に動かせる。

 フレーズに良い抑揚があって、
  柔らかさと軽やかさも。
  最後のデクレッシェンドは
  寂しさのニュアンスがあって
  良かったです。

  自由曲:信長貴富作曲
  「After…」より「遠くへ」「そのあと」は?

A 曲の雰囲気を捉えていましたね。

B この演奏も今までのセレアンとは違って
 個々を出すだけじゃなく、
 全体の響きもちゃんと考えられていて。

 最後の「大切な人を失った後」の音楽、
  想いが実に込められていて、
  聴き入ってしまいました。




ツイッター、メールの感想です。

 

落ち着いた、しかしがっしりとした骨太の演奏

 

 

 



室内合唱部門、最後の団体です。

 

 



杉並学院・菊華女声合唱団

(女声24名)

 


A 統一感!
 さらに声のパワーが凄かったですね。

 とても鳴っていましたね。
  自由曲:Ēriks Ešenvalds
  「LUX AETERNA」も力強く。

B ひそやかな入りから盛り上がって。
 綺麗に終わりました。

文 自由曲2曲目の
  Joan Szymko「HODIE」
  ソプラノの歌い回しが良かったです。

B どこまでも出るようなソプラノ。
 聴いてて気持ちイイ!

A 爽快感がありました。

 揃えた声でのフォルテッシモは
  やはり力だな、と。

C 衣装もオシャレでしたよね。
 黒地にスパンコールがキラキラ輝いて。
 さらに指揮の渕上貴美子先生の背中の羽、
 プリントかな?と思ったら
 ちゃんと布で!
 さすが渕上先生大天使!!と。

 その辺までにしといて~(笑)。

A 団員さん、以前は渕上先生に
 操縦されているイメージだったんだけど
 今回は自我が芽生えた印象で
 演奏にも違いが出ていました。

 操縦って!自我って!
  ……卒業され、しばらく経って、
  外でいろいろなものを学んで
  OG合唱団に還元できたのかも。
  それはとても良いことですね。


 

 

 メール、ツイッターの感想です。

 

全体の音色やハーモニーバランスが良く、特にエセンヴァルズを聞いたときは心が洗われました。
かねごん@よどこん最低(音)

 


(室内合唱部門の感想はこれで終わります。
 同声合唱部門の感想に続きます)