観客賞座談会・同声合唱の部 最終回

 

割烹 新多久・村上市

 

前回は観客賞・同声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体HBC少年少女合唱団シニアクラスさん、Coro Piaceさん、合唱団L'albaさんへの感想をお話ししていました。

今回はその続き、同声合唱部門の最終回。
印象に残った2団体についてお話しします。

 

東京都・東京支部代表
女声合唱団 ゆめの缶詰

https://lit.link/yumecan

https://twitter.com/yumecan_choir

(女声50名)

 

文 赤い靴がとても綺麗で!


 最初の発言がソレ?!(笑)
 課題曲F3 街路灯
 丁寧な演奏だなって。


 そうそう、ゆめ缶さんも
 大ホールにふさわしく
 声が鳴っているんだけど
 表現はピアノのニュアンスで
 良かったですね。


 割と情念を出しているなぁ~って。
 あとピアニストの小田裕之先生
 やっぱり上手!


 ですよね~! 
 自分も小田先生に◎!
 違う団体ですけど
 松元博志先生も良かった。


 今の東京では小田先生、松元先生が
 とても良いよね。


 すっごい優しい音がしました・・・。


 音楽がスムーズでしたね。
 時の変化がなめらかに進んでいって。


 ゆめ缶さん、人数が増えて
 声が若くなったのかな?
 もう少し大人の声のイメージだったけど。


 聞いたところでは
 清水雅彦先生のレッスンを受けられて、
 それが効を奏したのかもしれないですね。
 清水先生の声楽家としての歌の魅力が
 演奏に宿っていたような。


文 自由曲1曲目の宮本正太郎
 「冬の底で」、好きでしたね。
 良い曲だなぁ~って。
 若いけど精神的に熟した
 ひとりの女性に語りかけられた気がして。
 その彼女への視点、空気も優しい。


 追憶の感じが上手く出ていたな。


 言葉もクリアでしたよね。


 相手への思いが世界に通じる、
 そんな真理と広がりが音楽にもあり。


 終わりの残響が美しくて!


AB文 あ~!(同意)


 演奏後、
 相澤先生にお目にかかれたので伺ったら
 「ピアノのペダルと鈴の音色、
   合唱が響き合って
   あの残響になるんですよ」
 説明されて感心しましたね。
 (※聞き間違えていたらすみません)


 信長先生の「百年後」も思い出しました。


 そうですね。
 「百年後」の最後の音響へ
 さらに鈴の音が加わると
 「冬の底で」のように新鮮に感じられる。
 それぞれの音色やバランスも
 深く考えられていたのでは。
 2曲目の「2.綻びる」
 住み慣れた町からの発見、
 過ぎ去るものと新しい季節を迎える
 心情を歌っていて。
 ・・・なんかね、女性向けドラマの
 バックに流れている気がしたな。
 

AB わかる!


 えー、わからないわぁ。


 たぶんね、
 自分たち男どもがイメージする
 女性向けドラマは
 ちょっと違うのかもしれない(笑)


 Cさんは時代の先を
 行ってるんじゃないですか(笑)


 単純に感覚の違いかもね~。
 昨年、課題曲「定点観測」の詩に
 「すっごく少女漫画的で
   キュンキュンくる詩じゃない?!」と
 座談会参加の女性に尋ねたら
 「……私ひとりに女性代表を
   求められても」と困惑されて(笑)


 文吾さんが女性の心を
 理解できてるかどうかは・・・(苦笑)
 今回、「冬の底で」と
 「綻びる」を聴いて
 作曲家:宮本先生の好きな響きや
 目指そうとする音がちょっとだけ
 わかったような気がするな。


 団員は50名に増えたけど、
 以前のゆめ缶さんの繊細さは
 失なっていない。
 素敵な演奏でした。
 
【メール、Xの感想です】

最高です😢


弱音の響きがとても綺麗。


ゆめかんも上手かった
人数が多い中でppの繊細さが際立ってた


街路灯選手権のトリに相応しい(?)曲の世界観の表出の良さ
昨年までより人数が倍増(ガチ)しているので、声だけて十分惹きつける魅力が出てきた
もちろん声だけでなく表現によって聴き手を曲の世界観に連れ込んでいって離さない魅力がある


冬の底で 歌詞を届ける力◯
綻びる 音を届ける力◯
デュナミークの表現がとてつもなく◎


「街路灯」祭のトリとして、豊かな音楽で納得できる演奏でした。
最後まで安定感抜群の素晴らしい演奏だったと思います。


課題曲、自由曲通してとても華やかで彩り豊かなハーモニーで良かった


F3 丁寧な曲作り、50人の声が一つに聴こえるってどういうこと??
表情素敵な人多い、楽しそう。一曲を大切そうに歌ってる。
自由曲
1曲目、冬の底に感じる温かさ。やはり丁寧な曲作り。
50人のユニゾンすごいいい言葉が晴れやかに鳴る。
2曲目、美しい……!音がのびのびと響く。表情めっちゃ大事。嫌だ終わらないでもっと聴きたい

 

 

それでは同声合唱部門、最後の団体です!

福岡県・九州支部代表
NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科

https://www.nhk.or.jp/fukuoka/mirai/index.html

(女声36名)

 

 めっちゃ好きで投票しました!
 課題曲F4 ねんね根来の
 純粋な声で表現に良い緊張と
 細やかさがあってね。
 とても練習してきたのが
 伝わる演奏でした。


 今年の課題曲、女声4曲の中では
 この「ねんね根来の」が
 ベストマッチ!


 まさに!
 課題曲F4はこの団体にしか歌えない!
 そこまで思わせるほど。


 課題曲なのに(笑)
 でも確かにこの選曲は参りました!


 課題曲の街路灯はもちろん名曲だけど
 「それが自分たちに合っているか?」は
 また別の話だと思うんですよね。
 続く自由曲の横山潤子
 「奄美の守姉のうた」も同じ子守唄。
 でも前曲と違い、
 のびやかで優しい雰囲気を
 上手く出していた。
 情景が浮かぶようで
 「横山先生、
  良い作品書いてくれたなぁ!」って。


 最近、脂が乗っている作曲家ですよね。


 最初の音から
 この世界にすーっと入っていけるようで。


 大人が歌うんじゃなく、
 この「守姉」という立場の子守唄が
 彼ら彼女にとても合っていたと思って。


 そうそう!そうなんですよ!
 「赤とんぼ」の
 「十五で姐やは 嫁に行き」の
 十五歳くらいかな?って。


 守姉はもっと幼いかもしれないね。


 大人じゃ無い、
 子供からちょっと成長したお姉さんが
 子守りに駆り出されている、
 そういう状況を含め、
 めちゃめちゃマッチしてたな!と。


 良い曲だったし、
 東京国際合唱コンクールの児童合唱部門で
 「最優秀課題曲演奏賞」を受賞したのも
 納得の演奏でした。
 たぶん彼ら彼女たちも
 この曲が好きなんだろうな。


B 自由曲2曲目の三宅悠太
 「~序・泣いているきみ~」
 音色ピッタリでしっくりきました。


 世界観ができてるな、って。


 何でこの年齢でここまで
 切なさを表現できるんだろう?!


 でもぜんぜん背伸びせずに
 歌っていたのが。


 そうなんですよ!
 発声も少し息を混ぜて
 意識的に変えていたかな?
 テキストは寺山修司と谷川俊太郎で、
 聴くまではやや大人な内容だから
 難しいのでは?と懸念してたんだけど、
 彼ら彼女たちの
 等身大の歌が伝わる演奏で
 素晴らしかった。


 課題曲と自由曲2曲、
 性格の違う3曲だったけど、
 それぞれ完成度も高く、
 作品の良さが出ていた演奏だったね。
 コンクールなのに
 アラカルトステージのように聴けました。


 うん、ラプーラさんとは
 また違った印象のアラカルトステージ。
 でも課題曲と最初の自由曲は同じ子守唄、
 そして子供から大人への
 心の成長ということで
 テーマ、統一感も感じられ
 魅力あふれるステージだったと思います。

【メール、Xの感想です】

課題曲自由曲の繋がり民謡調で纏めてて聴きやすい 児童の声って癒やされます


アルトに男子がいることが活かされたF4のハーモニー、大人の女声合唱とはまた違った中高生ならではの情感に溢れた自由曲 
透き通りきってないトーンがまた魅力的で良かった


丁寧に大切に歌う課題曲
自由曲、のびのびとした歌声で決して叫ぶことがないことに感心◯
この歌を届けるという気持ちに溢れていた。


NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科は、九州支部大会から格段に素晴らしくなったと思います。 


豊かで伸びやかなハーモニーだった 
久々に序・泣いているきみ聞けて嬉しかった


F4 難しそう!めちゃくちゃ練習したんだな…
浄化される大人の心。8人ぐらいいた男の子たち綺麗な声!!
自由曲
泣くなよ言われても泣くわ美しいな!
一人ひとりの声量がしっかりあるのが分かる、なんていい顔するんだSopの端っこ2人
爽やかな一陣の風が吹いた。まだあどけないのにやってることもはもう大人。心の洗濯した。

 

 

(観客賞・混声合唱部門、印象に残った団体の感想へ続きます)