観客賞座談会・混声合唱の部 その5

 

 

ぽんしゅ館・新潟市

前回は観客賞・同声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体女声合唱団 ゆめの缶詰さん、NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科さんへの感想をお話ししていました。

今回から観客賞・混声合唱部門、第6位内に入らずとも印象に残った団体の感想をお話しします。

今日は3団体!


千葉県・関東支部代表
Coro Ponte

https://twitter.com/coroponte

(混声29名)

 

 好きでした!
 課題曲G2 Les fleurs et les arbres
 明るめで若い声ですが
 ゆったりした雰囲気もあり。
 フレーズの抑揚も細やかでしたね。


 ソプラノさんの
 フレーズ終わりへの意識が繊細で。


B 確実に、堅実に歌っていましたよ。


文 自由曲:根岸宏輔「III.無言頌」は?


 最初、不思議な音から始まってね。


AC そうそう、なんの音だろう?!って。


 男声、鳩がって
 歌い出したんで
 「鳩の鳴き声だったんだ!」と納得(笑)


 自分は香山雅代さんの詩
 読んでいたから。
 聴く前に
 「どこで鳩の鳴き声を出すかな?」
 ……最初から鳴き声で「Yes!」って(笑)


 意図的かはわからないんだけど、
 地声を混ぜていて。
 でもそれで訴求力は高まっていたから
 やはり狙ったものだったのかな。


 ピアノが細かいパッセージで入る箇所から
 声と一緒に疾走感が出ていてね。
 現代的でカッコよかった!


 自分も「疾走感」メモしてますね。
 壮大さもあった。


 あと一番盛り上がるサビ
 ……いやサビって言っちゃいけないや(笑)
 そこでサカナクションを思い出しました!


 ちょっとJ-Popっぽかった?
 メロディもキャッチー!


 そうそう!
 メロディーは大事ですよね。
 やや難解ではあるけれど良い詩なので
 合唱団の人も共感して歌えそう。
 作品の新鮮さを感じさせてくれる
 ころぽんさんの優れた演奏もあり。
 他の団体でもこの委嘱曲を
 聴いてみたいと思いましたね。

【メール、Xの感想です】

自由曲のリズム面白い。


自由曲とにかくカッコイイ!鳩!鳩!鳩!


よく響く声
全国初演の自由曲は劇的な展開の作品で、無理なく表現できるギリギリのところを攻めながら描ききったと思う

 

 

福岡県・九州支部代表
混声合唱団うたうたい

https://utautai09.wixsite.com/utautai-choir

https://twitter.com/utautai_choir

(混声48名)

 

B 課題曲G1、
 Wenn mein Stündlein vorhanden ist
 音色がドイツ語に合っていました。


 そのためか、混声合唱として
 良く鳴っている感があって。


 前よりさらに声が洗練されましたね。


文 自由曲:信長貴富「そのあと」
 男声の歌い回しがとても良かったです。


 やっぱり高嶋先生の日本語のさばき方、
 歌い回しは上手いと思ったね~。


 ホモフォニックも良い響きで。
 さすがの演奏でしたね。

【メール、Xの感想です】

女声の声がとにかく好み!


やっぱり、日本語が本当に美しく聴こえました。好きです。


自由曲のテキストを伝える力はさることながら、音程やフレーズ感のレベルが高まってG1のドイツ語のポリフォニーを隙なく歌いこなしていることに感慨を覚える


子音の言葉さばきがおっってなった


G1 アンサンブルとはこのこと!ちゃんとフレーズのおさめ方を分かってらっしゃる…!
全体の音色(おんしょく)が揃ってるからすごく聴き心地がいい。
深緑のドレス、あまりない色ですごく良かった。
自由曲
めちゃくちゃ難しそう。
男声がよく鳴ってるのにうるさくないのはどうしてなんだ…
この人数の邦人曲めちゃくちゃ迫力ある
解決する和音の重厚さ、安定感!!!

 

 

高知県・四国支部代表
合唱団Pange

https://pange.sakura.ne.jp/cms/

https://twitter.com/Pange_Kochi

(混声33名)

B 課題曲G4
 Ⅰ―空と涙について―
 が軽やかで!


 まさに!
 恋の歌なので重く演奏する団体が
 多かったんですが、
 パンジェさんくらい軽く歌われると
 作品に別の魅力が加わりますね。
 軽めで明るい音があったために
 曲の中でメリハリが出ていたし、
 「たえてつれなき」は
 軽やかだからこその良い音が鳴っていました。


 九州は南へ行くほど
 明るくなるけど濃厚になっちゃう。
 高知は明るく、
 さらに軽やかな声だった!


 やはり坂本雅代先生のお人柄(笑)
 指揮者の須賀敬一先生が
 「あの子はね……」


BC文 坂本先生を「あの子」(笑)


 須賀先生からしたら
 「あの子」だから(笑)
 それで
 「あの子は【はちきん】だから!」って。


 ですよね~(笑)
 今年の中学、高校の部で
 それぞれ全国出場して、
 さらにパンジェさんもでしょう?
 まさに「はちきん」ですね!


 女声の声が明るかったな~。
 対照的に男声はソフトだと思って。


文 自由曲:土田豊貴
 「V.だいせんじがけだらなよさ」
 とても聴きやすかったですね。
 途中まで中間色のような雰囲気から
 どんどん気持ちが入ってきて。
 「さようなら」という思いが込み上げてくる……


 今までの土田先生の曲とは
 ちょっと違う印象だったな。


 2年前に委嘱された作品の最終曲。
 ぜひ広く全国へ知らしめたい!
 そんな坂本先生、団員さんの思いが。


 うん、確かに伝わってきました。


 ずーっとこのタイトルの
 意味を考えてて。


A文 えー?!


 途中で「おまじない」という
 言葉が出てきて!
 それでやっと
 「逆さまに読めばいいんだ!」って。


 まったく同じことを!(笑)


 五言絶句「勧酒」を
 作家:井伏鱒二が意訳し、
 さらに寺山修司の
 「幸福が遠すぎたら」という詩を
 基にしていて。


 「別れ」に関する内容の言葉を
 Xのパンジェさんアカウントで
 団員さんがずっと投稿してましたね。

 別れのテキストだけど
 それでも演奏に軽さがあって。
 だからこそ聴く側が
 自分だけの思いを持って惹かれてしまう、
 そんな気もしましたね。

【メール、Xの感想です】

Pangeのピアノ弾いてる人の、弱音の繊細さにうっとりした。


委嘱曲よすぎ


G4が他の団体に比べると速めだけれど、自由曲と合わせて恋とか出会いとか別れとか感情の奔流が溢れてくるような演奏でよかった


G4 難解だと思ってた曲がふっと分かりそうになった瞬間があった。
圧倒的清涼感、澄んだ青空みたいな声。
Tenorってパートでこんなに一つになれるんだ(うちじゃ無理だよ…)
自由曲
合唱って本当にいろんな曲があるんだな…
真面目にきちんと練習を積み上げてきたのがすごく分かる、伝わる!
言葉が綺麗に聴こえてくるから邦人曲もっと聴きたい。
あの指揮で歌ってみたい〜力を引き出してくれてるような美しい振り方。シンデレラに魔法をかけてくれる魔法使いかと思った



(観客賞座談会・混声合唱部門で印象に残った団体の感想、続きます)