観客賞座談会・室内合唱の部 その2

 

 

古町芸妓・新潟市

 

 

前回は室内合唱部門:第6位のAF合唱団さん、第5位の女声合唱団ソレイユさんについてお話をしていました。

 

今回は室内合唱部門:4の団体。

福島県・東北支部代表
合唱団「櫻」

https://twitter.com/chor_sakura

(混声23名)

 


A 課題曲G3「水上」、
 下から凄く安定した支えがあって、
 それにまず好感を持ちましたね。
 福島県のサウンドっぽいなと。


文 「福島県のサウンド」?
 

A 指揮者の佐藤朋子先生は
 郡山高校の先生ですよね。
 音楽のフレームの作り方などで
 王道な作り方をしている。


 高松の全国大会で聴いた
 郡山高校もとても良い演奏でした!
 サウンドに関しては
 充実した音が鳴っていましたね。
 あと全体の音量や
 テンションの設計が
 精妙にネジを締めていくように
 考えられていると思って。


B 「水上」って
 けっこう古い曲だから
 若い「櫻」さんにはどうかな?と
 聴くまでは思っていたんだけど。
 最初の一声で
 「これ、あなたたちのための曲?!」


文 「今年度委嘱作品:柴田南雄」(笑)


B もう第一声からしっくりきて!
 今までは少し年配の団体向けの
 作品と思っていたんだけど
 櫻さんの演奏を聴いて
 「いやいや、若い人向けの曲かも!」


A でも「若い声」じゃないですよね?
 年代の割には深い声。


B そうですね、深い声。
 それでももっと
 深い声が合っていると思ってたけど、
 櫻さんには非常に合っていた。


文 自由曲:ラインベルガー
 「2.Universi(宇宙)」
 全員が奏でる深く熱い歌でした!


A やはり音楽のフレームを
 しっかり捉えていたと思います。


文 メンデルスゾーンの
 「Richte mich, Gott(私をお裁きください)」
 やや遅かったかな。
 あと、もう少しだけ彼ら彼女らの
 自発的なものを聴きたかったかも。


 それもさっき言った
 「音楽のフレーム」に関係して。
 自分はフレームを形作る音楽で
 とても良いと思いましけど。


 歌い手に任せず
 音楽の形を優先する演奏が
 ちょっとだけ好みじゃなかったのかも。


 室内合唱としては
 とても様式を体現してたと思うよ。


 それはもちろん!
 音の充実は素晴らしいし、
 音楽のフレームが
 しっかりしているからこその
 演奏の説得力もあるし難しいですね。


 歌い手はじゅうぶん
 自分の歌を持っていたと思う。
 さらにね、佐藤先生が凄くキレイで……


 あの~、あからさまなルッキズムは
 控えていただけると・・・


A 違う!いや、違わないんだけど(笑)
 指揮!指揮の手の動きがすっごくキレイ!


C わかります!


A わかってくれる?(笑)
 あの美しい手の動きに、
 歌い手のみなさんが
 乗っかっていってるなぁ……と。


 キレイな人が
 キレイに指揮を
 振ることが増えましたよねえ。


AC文 (笑)


 「男ばりに指揮をする!」んじゃなく
 沖澤のどかさんみたいな
 指揮の方が認められ、
 歓迎される世になってきたのは
 良い傾向ですね。


 ロマン派の選曲もそうだけど
 若い人たちが合唱の王道、
 本質的なものを追求する姿勢、
 応援したいね!


【メール、Xの感想です】


柔らかい音と堅い音、淡い音と鮮明な音のような、多面的な音の引き出しを持っていらっしゃる素敵な演奏でした。


佐藤先生の指導されている団体が普通の演奏に留まるわけなかった
四声のバランスといい安定感といい(選曲といい)、郡山の中学や高校を発展的に大人の演奏にしたのがこれという感じ
荘厳さがあって素敵だった


ひたすら深くて美しい歌声


しっかりした和声感、ベースに支えられた重厚なハーモニー。
メンデルスゾーン良かったです。


G3 男声、跳躍する音丁寧に決めててすごい
強弱記号マジで正確教科書にしたい
「ゆーづー」の高い音Sopの鳴り!響く響く
めちゃくちゃ息持つな…ブレス教えてほしい…
東北の輝く自然が見えた
自由曲
男声、優しい方ばっかりでしょ…女声への寄り添い方半端ない…
ここが宇宙か
Tenorの「アレルヤ」美美美美美そこだけ100回聴きたい
待って男声全員のユニゾンこんな揃うことある?発音うっっま言葉キレキレ
豊かという言葉では足りない響き
最後の最後で勝手に涙がこぼれてきて困りました。
音楽で泣いたのは久しぶりです。同じ東北の合唱人として、心より感謝申し上げます。

 

 

(観客賞座談会:室内合唱の部、同票第2位の団体記事へ続きます)