観客賞座談会・混声合唱の部 その2

 

 

朝霧・長岡市

 

前回は観客賞:混声合唱部門第6位・パナソニック合唱団さん、第5位のVOCE ARMONICAさんについてお話ししていました。今回は混声合唱部門、第4位、第3位の2団体を。


それでは4位!

東京都・東京支部代表
Combinir di Corista

http://combinir-di-corista.com/

https://twitter.com/combinir

(混声36名)

 

※うっかりコンビニさんの感想を飛ばし
 ブーイングを受ける司会の文吾……


文 すみません!ごめんなさい!
 ……でもさ、今年も最後の出場で
 しかもGOUGEさんの
 あの演奏の後でしょ?
 なんかアトラクションみたいな
 感じしなかった?
 プロや海外合唱団の
 招待演奏みたいなの!


B アンコールな感じはあったね(笑)。


 自分はGOUGEさんの後に
 休憩入ると思ったからね!


C 入るわけないでしょ!(笑)


 いやでもこの課題曲G4
 Ⅰ―空と涙について―
 素晴らしかったですよ!
 いろんな解釈の余地がある作品だけど
 それでも決定版というか、
 良い意味でお手本の演奏。


A 凄いクールだなぁと思って。
 パナソニックさんとは違う。
 THE「東京」ならではの
 スタイリッシュさが。


 入りのアルトの声と
 フレーズがまさにこれしかない!
 もうあの一小節で「金賞!」


B 自分は男声、特にベースが良かったな。
 パートソロの訴え方に聴き惚れて。
 ぜんぶベースの
 パートソロで聴きたかった!


 合唱の意味(笑)


B フレージングや言葉の扱い。
 出番の少ないベースが
 なぜあそこまで的確に歌えるのか?


C コンビニさんのベースって
 発声の位置が高いんですよね。
 他の団体は息の量が多かったり
 胸に落としがちだけど、
 かなり頭声寄りになっている。


A 言葉も聞こえやすいし、
 ピッチもとても良かった。
 あとピアニストの織田祥代先生と
 音楽がせめぎ合っていた!


C 良かったですよねえ!
 寄り添うときは寄り添い、
 ピアノが合唱へ挑むように思ったりも。


 あと良かったのはデクレッシェンド!
 盛り上がることはみんなできるけど、
 フレーズと響きを美しく収束させる……
 デクレッシェンドとピアニッシモは
 やっぱり一流の団体の条件だと思うんですね。
 コンビニさんのデクレッシェンドに
 聴き入ってしまいました。


A 自由曲1曲目ラヴェル
 「Soupir(ためいき)」
 別の合唱団になったかと思って。


BC文 わかる!


C 課題曲は大人で深い声、
 ラヴェルは明るく響いてね。


A 外国語曲のポジションに
 変えてましたよね。


 ゴットヴァルトの16声部の編曲が
 面白い作品なんですけど、
 適切なパートバランスで
 サウンドの魅力、
 フランスの香りが出ていた。
 2曲目のプーランク
 「7.La menace sous le ciel rouge
 (脅威は赤い空の下で)」
 これまたバランスが良かった!


A 音楽の解像度が高かったですよね~。
 混声6部の2重合唱の掛け合い、
 生で聴く意味がある演奏でしたね。


 最後、他のパートも
 くっきり聞こえる中で
 ベースのカッコイイ音型が耳に入って。
 「あ~、こういう曲だったんだ!」


C 確かに。
 今までカオスな印象しか
 なかった曲なんだけど
 コンビニさんの演奏で
 わからせられてしまった。


A わかりたくなかった?!(笑)


C そんなことはないけど(笑)
 一回ロングトーンでハマったら
 絶対揺るがない、一切ブレがない、
 堂々たる演奏。
 金賞1位も納得でしたね。


【メール、Xの感想です】

Combinir不動です。引き込まれそうになります。


Combinirは、重厚な演奏でした。
途中この世のものとは思えない音が鳴ってました。


課題曲後半の、濃い墨汁でくっきりどっしり描くようなメロディが素敵でした
弱音の繊細なタッチも丁寧で美しい


多声部でも洗練されていて美しかったです。


課題曲始まったときはこんなもんか?と正直不安になったが大サビ(?)で一気にギア上げるやり方はマジで痺れた。


G4のちょっとしたテンポの変化にはやられた!と思った
自由曲も多声部の難曲であることなんて関係無いような充実感のあるハーモニーと音圧に圧倒された いつも圧倒されたしか言ってないな?
文句無しに5連覇有り得ると思います


G4はここが一番好みでした。
自由曲も、抜群の安定感。
いいものを聴かせていただきました。


荘厳なハーモニーで重圧で繊細な感じがもうたまらんかった


G4 ハミングすっごい鳴る、発音が明瞭で聴きやすい。
しっかりとまとまった演奏。安定感すごい、男声の声どうしたらあんなにすっきりするの?
各パートちゃんと主張してるのに喧嘩してない。
自由曲
1曲目。いつブレスしてるの?息ずっと無限にある方々??
妖しい世界に招かれそうなミステリアスな曲。
2曲目は一転してたたみかけるような曲。めちゃくちゃエネルギー使う。
Sopしっとり伸びる声いいなあ…Bassの地道な支えあってこその曲。
ああラストの音で救われる。光が射した。


都大会も聞かせていただいたのですが、課題曲はその時よりもさらにピアノとのアンサンブルや曲の作りが練り込まれてるなぁという印象でした。
自由曲は何回聞いても奇跡体験(?)。本当にすばらしいです🥺

 

つづいて混声合唱部門、3位!

佐賀県・九州支部代表
MODOKI

https://www3.hp-ez.com/hp/modokiss/

https://twitter.com/MODOKIchorus

(混声46名)

 

B 課題曲G2 Les fleurs et les arbres、
 歌った中ではテノールが
 「いい声~!惚れちゃう~~!」


AC文 (笑)


 優しいテノールから音楽が
 つるつるーッって流れて!


B 柔らかさとしなやかさがあった!


A monossoさんと同じなんですけど
 音楽の回し方が上手いと思って。


B 最初のテノールと
 他パートのテンポが違う団体もあった中、
 MODOKIさんはふさわしいスピードで
 すべてのパートが流れていた!


 そういうスピードを含めた繊細さ、
 さらに音楽、空間の広がりですよね。
 もうひとつ言うなら、
 混声合唱として声を重ねる
 「声のブレンド感」もあって。


B 弱声やディミヌエンドの表現も。
 意味がある弱声だったね。


C やっぱりサン=サーンス、
 フランス音楽には
 繊細で流麗なものを求めたくなる。
 MODOKIさんの課題曲には
 それがあったと思うな。


文 自由曲はラインベルガー
 「Missa in Es (Cantus Missae) Op.109」から
 「Kyrie」「Gloria」でした。


A 山本先生って
 ロマン派の人だと思うんですよ。
 こういうステレオ効果がある曲は
 巧く鳴らしている気が。


B 演奏に立体感がある……
 ダブルコーラスの効果を
 とても立体的に作っていた。
 掛け合いだったり、エコーだったり。


A マルタンの2重ミサ(2014年)の時も
 上手かったですよね。


C やはり「良い曲だ!」という、
 心が動くものを
 観客と共感を持たせるのが
 上手いなあ~と。


 Cさん、monossoさんの時にも
 言ってましたよね。
 MODOKIさんの音楽は真正面から
 「自分たちこの曲に惚れ込んでる、
  いっしょに好きになって欲しいな!」
 そんな気持ちが音楽と共にある。
 あとね、テンポ感が良いんですよね~。


B Gloriaのアタッカの入りが!


 そうそう!
 Kyrieの最後の速さもそうだし、
 Gloriaもね!


A 山本先生はカウントを
 振らないんですよね。
 

 サンハイ!じゃなく、
 歌い手との呼吸から音楽が始まる。
 それが先ほど言われた
 「観客との共感」に繋がるのかも。


C あの~、知り合いに
 横文字の音楽が苦手な人がいまして。


AB文 横文字が苦手??


C ラテン語や海外の音楽、全般(笑)。
 それでもその知り合いが聴いて言うには
 「MODOKIさんのKyrie、
  今までに無いほど刺さった!
  音で伝わってきた!
  意味は全然わかんないけど!!


A (笑) でも、大事なことだよね。
 ある合唱団がスペインでの演奏旅行で
 日本語の「群青」を歌ったら
 現地の人は意味が分からないはずなのに
 涙した話とか・・・。


 あのさ、実はKyrieで
 ボロボロ泣いちゃったんだけど。
 考えてみたら、
 キリスト教を信じていない自分が
 宗教曲に感じ入るって不思議だよね。
 ……ところでいま放送中のアニメ、
 「葬送のフリーレン」で良い回があってね。


B 何の話?


 長くなりますが後で繋がりますので
 お願いですから聴いて下さい(笑)。
 その回で主人公のフリーレンへ僧侶が
 「女神様の代わりに
  自分がお前の善行を褒めてやる」って
 言うシーン。
 だけどフリーレンはその言葉に対し
 「遠慮しておくよ、
 (亡くなった)古い友人に
  もう褒めてもらったから」と返す。
 これがねぇ、信仰を持たざる自分に
 凄く響いたんですね。


A 文吾さんにとって
 MODOKIさんのKyrieが
 神の赦しになった?


 ……赦しかはわからないけど。
 信仰を持たない人間が何を拠り所にするか。
 MODOKIさんのKyrieを聴いて、
 「フリーレンが友人のハイターに
  褒められた大切な思い出」が、
 まるで自分のものとして甦ったんですよ。
 古い友人が、自分の善行を認め、
 ほんとうに心から褒めてくれたような音。

 だから、あの「kyrie」は涙が流れましたね・・・。


【メール、Xの感想です】

安定のMODOKIサウンド
心地良く聞けました。


きをてらわない選曲。
ベースに支えられた立ち昇るハーモニー。
ラインベルガー良かったです


みなさんが自由に歌ってるのが印象的!


温かい、安心感のある素敵なアンサンブル。こういう演奏が好きなんです。


帰ってきたMODOKIサウンドだ、、、!ラインベルガーの選曲も最高


九州にMODOKIありと思わせてくれる演奏
オーケストラのように流麗に流れる音色が魅力的だった


厚みのある独特のサウンド❣️


MODOKI課題曲自由曲、平均的にどちらも良い
音楽が凄く流れているから好き。


重厚な二重合唱で濃密だった


G2 めっちゃお洒落、上品。
言葉が揃ってるから歯切れよく、明快。
内声が上手〜!!!
自由曲
上手いーーーー上手い!!!
フルオーケストラ聴いてんのかと思った、人の声の可能性∞
この人数であんなに言葉揃うの!
合唱って素晴らしい、美しい、楽しい!
人生最期に聴くのはこの声がいい
※終わって速攻楽譜買いに行った


一般混声、これまでにないくらい興奮した
個人的ベスト演奏はMODOKI、めっちゃくちゃすきでした!!!
G2の自然さがすごく良くて、自由曲では自分が何かから救われる感じで気づいたら泣いてた、とてもよかった〜

 

 

(観客賞座談会:混声合唱部門第2位の感想へ続きます)