観客賞座談会・混声合唱の部 その1

 

 

福島潟・新潟市

 

 

前回は観客賞:同声合唱部門第1位・monossoさんについてお話ししていました。

 

今回から混声合唱部門、まずは第6位、第5位の団体を。


観客賞・混声合唱部門
6位!


大阪府・関西支部代表
パナソニック合唱団

https://mccchoir.jimdofree.com/

https://twitter.com/Panasonic_choir

(混声72名)

 

文 課題曲G3 水上
 とても丁寧に歌われているなぁ、と。


C 同時に大人数の利点を活かしてる!


B 団員数が72名で一番多かった。
 ちょっと昭和を感じるこの作品で
 パナソニックさんの雰囲気が
 とても合っていたと思う。


A 「懐かしさ」が
 良い方向へ作用していましたね。


B 自由曲の千原英喜
 「ラプソディー・イン・チカマツ」
 「貮の段」は歌う気満々!
 踊る気満々で!!


C もう、あれだけやり切る気力に
 敬意を払います!
 あのはっぴも「大売り出し!」って感じで。
 営業服なのかなぁ?


B 100円ショップで買ったそうですよ。


AC文 えーーーッ?!


 100円ショップなんでもあるな(笑)。
 チカマツってああいう派手な演出は
 もちろんなんだけど。
 パナソニックさんは哀しみの表現を
 ピアニッシモで切々と歌ってくれて。


A そう!
 「この世の名残」のフレーズも良かった!


 人生への諦観、あきらめが無いと
 この作品は片側だけを歌っていることに
 なると思って。


C 関西マインド、みたいなのを感じましたね。


 「関西マインド」?


C 千原先生の曲ということもあるけど、
 江戸の精神じゃ無いんですよ。
 近松門左衛門、井原西鶴……。


B 「顔で笑って、心で泣く」ような。


C それそれ!
 そういう精神を関西の合唱団が
 演奏することによって
 この曲から滲み出るものがあったね。


B どんなに馬鹿騒ぎしていても、
 人間は悲しみ、闇の部分を抱えている。
 それが「関西マインド」に繋がって。
 だからこそ楽しいときは
 とことん楽しもう!


C 「笑い」なら「コテコテ」!


B 闇を丁寧に演奏していたからこそ
 前と後ろの馬鹿騒ぎも
 どこか空しさがある奥深い表現に。
 最後はちょっと泣けてくるほどの
 演奏でした・・・。
 

【メール、Xの感想です】

水上、情景豊かに優しい響き。
チカマツ、とにかく楽しみました。演奏に合唱愛を感じる。


世界観に惹き込まれました…


「静」と「動」の対比でパナソニック


大人数のG3に古き良き時代の演奏を感じる
音色も響きもシンプルに安定してる
チカマツはこれだけの人数でやると圧倒的な迫力!


切れがよく、音楽の流れも好印象。
職場部門からの全国出場、しかも激戦の関西支部代表、拍手。


チカマツをあそこまで壮大に響かせ魅せてで演奏会模様だった


G3 うわぁうわぁ70人の「水上」やばい!テンポがさらさらと流れていく明るい水上。県民性?
強弱すんごいつく、上がる音を抜くのがめちゃくちゃ上手!
自由曲
千原の近松!ああ千原、めちゃくちゃ千原。ハーモニーぞくぞくする。Bassずっといい仕事してるな…
迫力すごい、なんかもう照明とかも凝って舞台として見たい。
コンクールってここまでやっていいんだ!勇気ないよ…


力みなく流れるように、でも心に残る水上。
まさに狂想、様々な情景を表情・声色・振り付け・語り?とすべてを使って表現されてた。
しっかりとした技術の上に。
でも最後に心に迫ったのは溢れ出る歌うことへの喜びでした。

 

 

つづいて5位!

千葉県・関東支部代表
VOCE ARMONICA

https://vocearmonica.amebaownd.com/

https://twitter.com/vocearmonica

(混声35名)

 


B 課題曲G2 Les fleurs et les arbres
 遅めのテンポだったけど
 しっかり音楽を作ろうとしていたね。


A 生命感が伝わってきました。


 最初のテノールからの流れ、
 そしてわっと全パートへの広がりが
 気持ち良くてね。
 音に抜けがなく「みっちり」。


B それが堅実に和音を表現していて。


 音全部に魂を込める!みたいな。
 黒川先生らしい。
 自由曲:細川俊夫「アヴェ・マリア」。
 高いテンションの持続が凄い!
 切れそうなくらい張り詰めた糸が
 眼前にあるようで。
 よく最後まで保ったな!って。


C なぜこの曲をやろうとしたのか
 理由を知りたいな・・・。


 おそらくですけど、
 黒川先生はコンクールの場を
 「合唱音楽の究極の表現」で
 挑みたい心があるんじゃないか。
 昨年の「女殺油地獄」や
 一昨年の「とてつもない秋」や
 前の三善先生「レクィエム」にしてもね。


B 団員の5分の4は楽譜を持っていたけど
 ガン見ではなかったよね。
 現代音楽ゆえの入りのタイミングとか
 見失いがちになってしまうので
 その確認の意味での楽譜持ちだったかな。
 

 そうだと思います。
 歌えない、練習不足由来の譜持ちでは
 なかったですよね。


B 投票した人には
 「とんでもないものを聴いた!」と
 思った人もいるんじゃないかな。
 「金賞1位かな?」とも思った。


C それこそ全国大会では
 松下中央合唱団さん、
 現パナソニックさんの演奏から
 16年ぶりの細川俊夫作品の演奏だから。


B 凄い集中力があったと思うし、
 自分たちの音楽、演奏に
 揺るぎなさがあった。
 三善「レクィエム」の時は
 やや背伸びしているかな、と感じたけど
 今回の「アヴェ・マリア」は
 そんなことがなかったと思う。
 自分たちに嘘がない。


 ラストの「Amen」、
 それまでずっと実声だったのに、
 あそこだけ掠れた声だったのが
 巧かったし、心に響きましたね。


A ああいうところに本質、
 母への思いが溢れたと感じてしまって。

 

【メール、Xの感想です】

サン=サーンス、躍動感ある演奏。
Ave Maria声の響きの良さ、和音の凄さに圧倒された。


え?!プロですか?!
凄すぎ。


何なん、この声質、、、
とにかく圧倒されました。


譜面を全て絞り出したアルモニカ


生きている間に、しかも、コンクールで、あのクオリティで聞けるとは思いませんでした。
目の前に、マリア様のは服のヒダ?のようなものが見えました。素晴らしい!


アヴェ・マリアの中で初めての響きに触れて震えた


音響の中に溶けてしまいそうな鑑賞体験でした…!


超多声部の難曲を1パート2人程度の人数で演奏してしまう気概と、それを可能にする発声と音楽構成に圧倒されてしまっている
G2も最早本場フランスの合唱団と言われてもおかしくない域の演奏だった


1人1人が個性があるけれど、皆よく自立して歌っているけど、集まった音楽がすごい。


課題曲G2はここが一番好みでした。
自由曲についても、この手の曲だと個人的に拒否反応が出るのですが、しっかりした音楽のつくりと発声のすばらしさで、感動しました。


G2 ステージいっぱいに広がって離れて立つ。立ち方も団体ごとに個性が。
弦楽アンサンブルが始まったのかな?しっとりした大人のG2。
Sopハイトーンすんごい完成度。ああなりたい。
自由曲
めっちゃ不協和音が続く。難しい苦しい。救いがほしい。
練習してるの聞かれたら通報されないだろーか。
理解が追いつかないまま終わってしまった…


圧巻の自由曲!声の芸術!という印象で、おひとりおひとりの発声がしっかりされているアルモニカさんだからこそ聴かせられる曲だなぁと思いました😳


アルモニカが完全に仕上がっててすごかった
また声量増えました?(背伸びました?のテンション)


アルモニカを聴く前に用意してた感想

「ポスト武満とも評される細川氏の傑作」
「16声部の変容による驚愕の音響空間」
「生まれては消えていく音の美しさ、その背後には作曲者の仏教的な無常観があり」

聴いた後の感想
「わ ...ァ ...ァ」

 

 

(観客賞座談会:混声合唱部門、第4位の感想に続きます)