観客賞座談会・混声合唱の部 その3

 

 

巣守神社裸押し合い祭・長岡市

 

前回は観客賞:混声合唱部門第4位・Combinir di Coristaさん、第3位のMODOKIさんについてお話ししていました。


今回は混声合唱部門、第2位の団体を。

 

2位!

東京都・東京支部代表
CANTUS ANIMAE

https://www.cantus-animae.net/

https://twitter.com/CANTUS_ANIMAE

(混声52名)

文 課題曲G4、
 Ⅰ―空と涙について―
 ピアニスト野間晴美先生の
 前奏が素晴らしかった!


ABC そう~~~!!!


 心の微妙な揺れが
 そのまま音になったようで、
 いやもうそこから世界が違いました。


C 空気を揺らしていた!


 そんな感じ!
 合唱もじっくりと情景が浮かぶ歌い方で。
 自分は年喰ってキレイな女性も男性も
 見分けが付きにくくなってきたけど。
 CAのみなさんの歌を聴いてね、
 「恋に身を焦がす」というのは
 本当にあるんだなぁ・・・って。


C 自分も!
 10年以上、失恋とかそういうのから
 遠ざかっていたんですけど聴きながら
 「・・・はぁ~~~(身をよじる)
  私、失恋したのかも!!


AB文 誰に?!(笑)


C 知らないけど(笑)
 ホロホロ~って泣いてしまいました。


A CA団員さんってお姉様も
 けっこういるよね、
 その経験豊富さが歌に現れてた。


 前に倉本聰さん脚本の
 老人ホームを舞台にした
 恋愛ドラマがありましたよね……。


A そこまでじゃないよ!失礼過ぎ!


C 文吾さんだってジジィじゃん!(笑)


 そうじゃなくて(笑)
 アニメマンガドラマも中高生が
 主人公だったりするじゃないですか。
 それを当然と思っていた自分が
 たまたま老人ホームのドラマを見て、
 質の高さと演技力や激しさに
 思わず夢中になってしまったような!


A フォローになってる、の?(苦笑)
 でも、「落ち着いた大人」は一瞬だけ。
 今日ステージに立った誰よりも熱く、
 さまざまな人たちがこの曲の中で
 「生きてる」感はあったね。


 そう!それが言いたかった!(笑) 


C 調子良いなあ(笑)
 だけど類を見ないG4だったのは同意。


 この演奏聴きながら、
 作曲家の田畠祐一先生に
 感想を聞きたくなって。
 実は……怒り出すんじゃないかと。


A 怒る?! 怒らないよ~。
 いや、怒れないと思う(笑)。


C あの若さで、
 古今和歌集のテキストで、
 この曲を作れるって
 いったい人生に何があったのかと!


(※ここから田畠祐一伝説。
 「学生指揮者としてNコン全国、松下耕先生から絶賛」
 「あの『ポジティブ太郎』で俺を泣かせたひと?!」
 「旭川から東京出て合唱団作って朝日賞?!」などなど
 長くなり過ぎたので割愛します)


 ……いや~、みんな田畠先生と
 G4好きすぎでしょ!!


B もっと語りたい!(笑)


 田畠先生自作自演の音源も聴いたけど、
 CAさんの演奏は「極北」じゃないですか。
 雨森先生とCAのみなさん果てまで行き着いた
 独自の世界、凄かった。


B 凄かったと言えば
 自由曲:信長貴富「Sämann -種を蒔く人-」
 削られたな~。


A 自分も・・・正直言って、疲れた。


B とんでもない集中力で
 魂削って歌って!


 前回の宮沢賢治テキストの曲もそうだけど
 聴いている自分からイメージが湧いてくる。


B おえコラさんが演奏したのは
 東日本大震災の年だったし。
 そういうイメージも。


文 原発事故や緊急速報の音や遡って
 独裁政権など・・・
 つかの間の安心からピアノが掻き乱し
 共産主義、軍隊の行進。
 最後に平和が訪れるけど
 「その平和は本物なの?」
 疑問や悪意が潜むような。


C 言葉は「froh(喜び)」なのに
 「そんな喜びある?!」って。


A 終わった瞬間。
 CAのみなさん、
 雨森先生、平林先生「抜刀術」で……


BC文 斬った!


A 斬られましたね(笑)


 チン、と鞘に収めたら
 観客がバタバタ倒れる(笑)
 

C 殺意高い(笑)
 課題曲と自由曲で演奏会のよう。
 特に課題曲へ時間と手間を
 掛けている感があって。


A まぁこの人たちはマニアですよね!
 良い意味で「数寄者」(笑)。


 課題曲の歌い方も
 きっといろいろなやり方を試して。
 今日の会場、空気にふさわしい、
 しっくり来る歌を出してきたような。
 決め事じゃなく、
 個人が練り上げた表現の深さと広さ。
 だから「いま」の生きてる感がある。


B CAさんの演奏は
 こちらが集中して聴かないと悪い気がして。
 メモには何も書いていないんだけど、
 でも、それだけ集中する価値のある演奏でした。


 いまのウクライナやイスラエルも
 考えさせる同時代性というかな。
 そういう面でもよく取り上げ、
 ここまでの演奏にしてくれたなって。


A 「Sämann -種を蒔く人-」の
 楽譜も売り切れたそうだからね。
 同時代性を鋭く持つ作品と
 やっぱり魂を削るような、
 CAさんの演奏が理由だと思うよ。
   

【メール、Xの感想です】

素晴らしい演奏。
課題曲が2日間通して1番しっくりきました。


凄まじい迫力…配信でしたが生で聴きたかったなと思わされました。


一人一人の表現したいことが束になって聴こえてきました。
魂揺すぶられました。


天翔る熱き切なき想いの溢れるG4。
自由曲も然り指揮者、ピアニスト、合唱三位一体の渾身の演奏に感謝。


G4、テンポ設定の意図がよくわかる演奏でした。


課題曲の抑える所が儚さを連想させる表現と自由曲の独特な世界観が圧巻だった


音の一粒一粒が生命を持ち、ホール中を飛び交っているかのような演奏。
公害や拉致の歴史があるこの地の空気も加勢したか


雄大なG4と絶望と希望の入り乱れる自由曲の圧倒的な世界観
配信で聴くの初めてだけどやはりどうかしてる音圧(褒め言葉)


課題曲・自由曲ともに、魂が込められた演奏で聴きごたえがありました。


G4 Tenorのハイトーンすっごい綺麗!空と涙越えて大気圏突破した
出てきてほしい時に出てきてほしいパートがちゃんと出てくる
曲ムズ
自由曲
曲が最難関すぎる、凡人にはとてもついてけなかった(泣)
一人ひとりの声がどこまで磨かれているのかの真骨頂


演奏終了後、周りの方々が、マジ種やべぇ、言われていましたが、種やべぇです。
時間が来ると動き出す、幾何学模様の絵画を見ているようでした。ブラーボ!



(観客賞:混声合唱部門第1位の感想に続きます)