観客賞座談会・混声合唱の部 その4

 

 

雪原カーニバルなかさと2008・十日町市

 

前回は混声合唱部門・観客賞第2位のCANTUS ANIMAEさんについてお話ししていました。

 

いよいよ今回は混声合唱部門:第1位の団体です。


2023年度観客賞・混声合唱部門1位!

 

北海道・北海道支部代表
THE GOUGE
http://thegouge.web.fc2.com/ 

https://twitter.com/the_gouge

 (混声68名)

 

一同 拍手!


 ガウジュさんは全45団体から選ばれる
 「観客大賞」も受賞しました。

 全員がパートの並び関係なく、
 混じって歌っていましたね。


A ガウジュさんのファミリー感が凄い!
 実は、聴くたびに
 「……この団体で歌いたい」って。


BC文 エ~~~?!!


C それ、最高の褒め言葉ですね!


A 本気も本気ですよ?
 札幌への移住を
 マジメに考えてしまったもの。


 いや止めませんけど!(笑)
 課題曲G3 水上、
 気持ち良い自然な音楽の流れ。
 音にあたたかさと明るさが
 あったのも良かった。


B 混じった並びから発せられる
 「個人の歌」!
 課題曲も自由曲もあの並びが
 正解だったと思う。


A パートリーダーへ寄せていくとか、
 他人のマネではなく、
 自分がこういう歌を歌うんだ!
 それを68人全員が持ち寄った演奏でしたね。


C この曲って北原白秋が
 「自分の故郷って良いんだよ」
 と語り始めたのが、
 どんどん思いが込み上げてくる。
 だからちょっと早口になって
 声も大きくなったり。
 そういう心の昂ぶりが自然と歌になっていた。
 故郷への思いが
 自分にも深く響いて凄く良かったです!


A 平田稔夫先生の指揮、良いですよね。


B 最初のお辞儀に、もうお人柄が出ていて!


AC文 あ~~~!


A そう、ふわっとしたところが
 音楽にも出ていたと思う!


 出身高校の違いにもかかわらず、
 これだけ平田先生の元に
 集まっているというのは
 やはり先生のお人柄があるのかも・・・。
 自由曲:三善晃「であい」
 数々の名演が記憶にある自分としては
 「お手並み拝見……」みたいな
 嫌らしい気持ちがあって。


B 自分も実はあったんだけど
 最初の音で「?!」


 10年前の10月に三善先生が亡くなられて。
 その年の11月にCANTUS ANIMAEさんが
 歌われた「であい」、
 忘れられない名演だったんですよ。 

 それでもね、ガウジュさんの演奏は
 決して過去の演奏をなぞるものでは無かった。


B それ! 
 いまこの場に集まった人への歌だった!


 自分たちの思いそのままに、
 柔らかく優しく染みていくような
 良い音が鳴っていました。
 フレーズの長さやリズムも
 「やっています」感が無く、
 さりげなく、繊細でよく練られ適切。


C 今日聴いた三善作品の中で
 一番好きでした!
 ガウジュさんと
 ジョイントコンサートしたくなりましたよ。


B そう思う団体が多かったんじゃないかな。
 自分は演奏会に行ってみたい!


A うん、さっき札幌移住と言ったけど、
 移住までじゃなくても(笑)
 1ステージ企画や
 公募合唱団だったらぜひ参加したい!


 惚れ込んでますね~(笑)


A ガウジュさんの「輪の中」に入りたい、
 入らせてもらいたいと
 強く思ってしまったんだよね。


B 本当にあったかかった。
 泣かなかったけど。
 でもみなさんが退場しているときに
 泣けてきた・・・。


A だって、代表の藤嶋美穂さんが
 凄く良い表情で
 一番最後に退出するんだもの!


B 藤嶋さんのあの姿……カッコ良かった。


A そう!カッコ良かった!
 このガウジュさんという団体で
 藤嶋さんが担っているものは
 とても大きいと思うんですよ。


 音楽的にもきっとね。
 

B ツイート見ても
 「若い団員たちを可愛がってるんだな~」って。


A この演奏が終わって、
 藤嶋さんなりの思いが絶対あったと思う。


C 合唱への平田先生の愛情も見えたし、
 藤嶋さん、団員さんたちが
 醸し出す愛情も見えた。


A まさに「であい」じゃないですか。
 あそこに集まった人たち、客席にも
 それがあると思うんですよね。


C 今日、この場の
 終曲としての「であい」・・・。


B 終曲じゃないよ!(笑)
 でも、気持ちは分かる。
 この全国大会後半、ガウジュさん、
 そして客席にいるみんなを含めた「であい」。


A 「であい」を初演された方には
 コンクールという場で演奏されることに
 疑問を持つ方も
 いらっしゃるかもしれないけれど・・・。


 企画合唱団「松江」終了時に
 三善先生が書かれた曲ですからね。
 でもね、今日のこのガウジュさんの演奏を
 ぜひ聴いて!とオレは強く言いたい!!


ABC (笑)


 もちろんコンクールは競争であり
 優劣を付ける場なのは否定しないよ。
 それでもね、ここに集まった観客と、
 歌い手が繋がる「であい」の音楽。
 今日のガウジュさんの演奏は
 そういうものになったと思うんですよね。
 

B 三善先生だけではなく、
 そして自分たちだけでもない。
 ホールのすべての人を包むような音。


文 「この新潟へ集まった、
   合唱を愛するみなさんに
   出会えたことの嬉しさ。
   みなさんと再会を誓います。
   ……さようなら

 そんな希有な音がしたと思って。
 ガウジュさんの演奏は
 このコンクールで新しい世界を
 拓いたと思いますね。

 

【メール、Xの感想です】

柔らかい。温かい。好き!


歌う言葉が、眼前の人が語る文章となって聞こえるのは、こんなに心地良いものなんだ!


であいがとにかくもう良かった 
フレーズも繋いで繋いでで聴き応えだらけだった


楽しそうだった!こっちも笑顔になった!


ガウジュはすごく楽しそうに歌ってるのが印象的でしたね
そして、表彰式のときにも前に出てたソプのお姉さんが大変美人だった()
お姉さん、演奏中のお声も大変美しかったし表情がキラキラしてて眩しかったし儚く伏せられた目にドキドキした()
(↑ 文吾註:書かれたの女性の方、ですよね・・・?)


あたたかな日本語の自由曲、僕好みで最高でした


ガウジュさんの演奏は涙腺が...。
舞台と客席が繋がってたな。
あんなにいきいきと豊かに歌われていて。
歌えることの喜び、仲間への愛、いろいろな渦巻く感情が放出され、時には噛み締められていて、胸が熱くなりました。
幸せな時間だったな。


健康的な発声で自主的な音楽と決めるところしっかり決めるのが同居しててよい。曲最高。


G3 パートごとではなく男女混ざっての演奏。
めちゃくちゃ深いブレス、最初の「み」の鳴りだけで上手いと確信できる。
最後の終わり方なんて優しいんだ…隅々まで神経を配っている。
自由曲
出だし、ハッとするほどの美しさ。
何がいいって、全員顔を上げて明るい表情で客席に歌ってくれた。すごい元気もらえた。体いっぱいに音を響かせて、音楽って素晴らしい!って。こういう曲が聴きたかった…
ピアニストさんめっちゃ手綺麗


GOUGEに関しては課題曲のサウンドが見事にはまっていてG3で一番好きな演奏だったかもしれないです。
平田先生の作る音楽は札北時代からファンなのですが、今回の演奏はその良さが何倍増しにもなって伝わってきた気がします。


一番好きなG3
自由曲の選曲も相俟って、良い意味でコンクールじゃなくて演奏会みたいな音楽でよかった
押し付けるようなフォルテじゃなくて豊かに広がっていくフォルテが自然に出てくる(ように聴こえる)のが素敵


皆さん良い表情で歌っておられて、あたたかい団というのが伝わってきて、好きな演奏でした!


この全国大会でガウジュさんだけ号泣した🥺
なんというか、であいという曲が好きなのもあるのですが、客席も含めて「ここで出会いましたね」と言ってくれている気がして、客席と舞台が繋がった瞬間から涙が止まりませんでした😢
演奏ももちろん素晴らしかったです!ぶらぼー!


それでは改めて観客賞:混声合唱部門の発表です。


【観客賞・混声合唱部門】

6位 パナソニック合唱団

5位 VOCE ARMONICA 

4位 Combinir di Corista 

3位 MODOKI 

2位 CANTUS ANIMAE 

 

そして1位!

THE GOUGE


さらに新潟大会、全45団体で一番観客に支持された、
【観客大賞】を受賞された団体は

THE GOUGE

でした。
たくさんのご投票ありがとうございました。

観客賞第1位、そして観客大賞受賞ということで、THE GOUGE指揮者の平田稔夫先生、代表の藤嶋美穂さんからメッセージをいただいております。
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【平田稔夫先生からのメッセージ】

 皆様,このたびは観客賞1位、そして観客大賞ほんとうにありがとうございます。「ゴールド金賞」と言われた時はただただ吃驚仰天でしたが、その後団員から「先生、観客大賞です!」と知らされ、多くの皆様に心動かしていただいたことが何よりの喜びでした。
 三善先生が亡くなった2013年、全国大会@千葉でCANTUS ANIMAEさんの魂をゆさぶる「であい」の名演を聞き、出番前なのに号泣して団員に心配された(笑)ことを思い出します。キラキラ輝く三善サウンド、数々の三善曲を思わせるモチーフにあふれるこの曲をいつか歌いたいとずっとあたためていたのですが、今春,ジョイントの合同曲として練習していく中で、「この曲を歌うことが今のガウジュにとって大切なことなのではないか」と思いはじめました。
 コロナ期、「合唱できない→合唱しなくてもいい」という環境の中で、ガウジュは生命線を失いかけていました。本気でなくなるかもと思った時期もありましたが、それを救ったのは若手団員たちのガウジュ愛、音楽愛にあふれた明るい改革力でした。新しい仲間たちとのであい、昨年来3回のジョイントコンサートでであった合唱団とのつながりも今年のガウジュの音を作っていると感じています。
 大怪獣バトルな混声合唱の部にあって、今回の観客賞や皆様からのあたたかい言葉に、「ガウジュはカイジュウを目指さなくても、ガウジュのままでいいんだよ」と言っていただいた気持ちです。ガウジュはガウジュの音でしか音楽を表現できませんが、これからもこのままの私達を愛していただけると幸せです。「一緒に歌いたい」との言葉が何よりありがたく,これは何か考えないといけないですね(笑)。その際は全世界からお集まりいただけますようお願いします!


【藤嶋美穂さんからのメッセージ】

このたびは観客大賞をいただきありがとうございます。身に余る光栄に団員一同驚きと喜びでいっぱいです。演奏に対するたくさんの感想も嬉しく読ませていただきました。中でも「楽しそう」「幸せそう」という声が多かったのが私たちらしいところかなと思います。演奏会でもお客様によく言っていただくのですが、歌うことが好きでたまらない人たちがそれを隠そうともせず歌う姿には何か心に残るものがあるのでしょうか…。特に大人の団員にそういう人が多く、高校生・大学生の団員はそんな大人の姿を間近に見て育っていると思います。
団の活動も15年と長くなってきて、入団時に高校生だった団員が教師になって合唱を指導する立場になり、その教え子が入団してくるような時代になりました。まずは一人ひとりが歌を楽しむことをずっと大切にしてきましたが、歌う喜びを「伝える」ことはそれ以上に大切なことかもしれないと近年思います。私たちの演奏を聴いた誰かが、歌うって素敵だな、私も歌ってみたいな、と思ってくれたとしたら、合唱を愛する者としてこれ以上ない喜びです。
あらためて、演奏を聴いてくださった皆様、そして投票してくださった皆様、ありがとうございました。いつかまた必ず「であい」ましょう!

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平田先生、藤嶋さん、本当に素敵なメッセージをありがとうございました。
ガウジュさんのこれまで歩まれてきた道、平田先生が「であい」を選ばれた理由がしっかり伝わると共に、ガウジュさん名演の理由も推測できるような気がいたします。
「カイジュウ」と「ガウジュ」を重ねられたお茶目さも良いですね!(笑)

そして藤嶋さんのお言葉。

>歌うことが好きでたまらない人たちがそれを隠そうともせず歌う姿には何か心に残るものがあるのでしょうか

こちらもガウジュさんの個性、演奏を構成するものだよなあと好ましく感じました。
コンクールの選曲で、動きを伴う楽しい曲が存在感を増すようになってしばらく経ちますが。
今後はガウジュさんのように歌うことへの姿勢、ステージ上の雰囲気が重要視される時代になるかも・・・そんな気もします。
「競い合う時代から、認め合う時代へ」……単なるスローガンだったものが、このところようやく実を結び始めた気が、ガウジュさんの演奏からは感じられました。

 

さらにGOUGEさんと歌いたい! 1ステージ企画だけでも!と願う方に朗報です。


2024年5月5日(日)札幌エルプラザ ホールにて、『 「あさきよめ」を歌おう 〜合唱ワークショップ&藤嶋美穂ミニ個展〜』を開催します!

メンバー公募などの詳細は、近日公開予定です🌟
続報をお楽しみに…!!

とのことですので、続報を待ち、「あさきよめ」を予習しつつ。
今年のGWは、梅と桜が同時に花開く札幌への予定を空けておきましょう!!

北海道神宮

 

そうそう、ガウジュさんへの座談会感想で
「退場の際、藤嶋さんが最後まで残られていたことで、若手団員を可愛がり、指揮の平田先生とGOUGEさんへの大きな想いを感じ取った人が何人もいました」
と藤嶋さんへお伝えしたら、藤嶋さんからは

「退場まで見てくださってる方もいるんですね。
 私はいつもあの位置なので、満足そうに退場するみんなを後ろから見るのが好きなんです☺️

そうご返信をいただきました。
愛情深い代表さん、指揮者さんに見守られながら。
THE GOUGEさんという団体がますます伸びていき、多くの人と繋がっていかれることを願っております。

THE GOUGEさん、2023年度観客賞・混声合唱部門第1位、そして観客大賞受賞、本当におめでとうございます!


(観客賞大学ユース部門:印象に残った団体の感想に続きます)