観客賞座談会・室内合唱の部 その3

 

前回は室内合唱部門、第3位のChoeur Premierさん、第2位の女声合唱団ソレイユさんについてお話ししました。

それでは2025年観客賞・室内合唱の部

1

 

こそり(混声20名)

 

一同 拍手!

 

 

文 課題曲G4「不思議」、

 泣いちゃいました!

 

 

A 「不思議」は今日一番かも。

 

 

 いや、今大会の一番かもしれない(笑)

 自然で気負わない、

 彼らの心から出たような表現が

 とても魅力的で。

 43小節のデクレッシェンドの哀しさに

 「こういう曲だよね!」って。

 

 

B 自分は32小節のテノール、

 「ah」を抑えめなニュアンスからの

 「ふしぎ」が明瞭なのが良かったな。

 

 

 やっぱり「不思議」は

 就活アピールみたいな曲じゃ

 ないと思うんだよね。

 

 

B 就活アピール?

 

 

「はいッ!わたし、

  この不思議も、あの不思議も

  わかります!!」みたいな(笑)

 ……金子みすゞの生涯と重ね、

 どこかに哀しさを滲ませる、

 こそりさんの演奏が好きだったな。

 

 

C 指揮者がいなくても

 合わせる呼吸感が凄い!

 

 

A あのアンサンブル感は

 とても良かったです。

 ここが銀賞なのはなんか・・・

 

 

文BC 納得いかない!

 

 

文 自由曲:森田花央里さんの

 「2.三味線草・弐」が審査員には

 今ひとつ届かなかったのかなぁ……。

 

 

B 指揮者無しが審査に響いたのかも。

 

 

A 別に「阿吽」で回ってたから

 良いんじゃないの?と思いますけどね。

 

 

文C うんうん。

 

 

B 指揮者がいたら

 もっと良くなったのにな、

 という部分があると

 やはり審査に影響してしまうかなあ。

 

 

 おそらく指揮者がいたら

 「三味線草」はより合唱をドライブさせて、

 音楽を明確に伝えられていたのかも。

 ただ、この曲はそんな曲?とも思って。

 

 

B どういう意味?

 

 

 竹久夢二が描いた遊女との恋情、

 言わば密室の睦みごとが

 題材じゃないですか。

 それを開けっぴろげに

 「どうだーッ!」って?

 

 

ABC (笑)

 

 

 襖を少し開けて覗き見するような……

 そんな遠くで不明瞭な表現こそが

 この曲にふさわしいんじゃないかって。

 

 

A でも全国大会って、

 そういう“覗き見の美学”を

 評価する場なのかな?

 

 

B 自分は合唱とピアニストが

 せめぎ合いをして欲しかったなと思って。

 

 

 いや、ピアノは

 合唱を底で支えている感じが

 良かったですけどねぇ。

 曲としても新鮮味があって。

 森田さん自身も

 「この曲が理解されるには

  20年かかるだろう」と書かれていて。

 でも、こそりのみなさんは

 初演から5年で

 自分たちのものにした気がする。

 楽譜も買っちゃいましたよ。

 

 自分が思う良い合唱というのは

 優れた表現がたまたま合唱。

 合唱の前に、

 表現したいものが先にあるというか。

 こそりさんの演奏で

 「いい声ってなんだろう、

  いい表現ってなんだろう」

 改めて問い直したくなった。

 

 

B こそりのみなさんが醸し出す雰囲気と

 「三味線草」がとてもマッチしていた。

 でも、表現として

 「意識して作られたもの」がないと

 全国大会という場では

 評価されないのかも。

 彼らがこの曲を好きなのは

 とても伝わったんだけど

 もうひとつ何か表現するにあたっての

 エッセンスがあれば良かったかな。

 

 

 まぁ、それも

 わからないでもないですけどね。

 でもそれって、

 インディーズバンドがメジャーデビューして

 昔からのファンが

 「良さが失われた!」

 って嘆く未来が見える!

 

 

ABC (笑)

 

 

B 去年も「三味線草」からの選曲で。

 来年は何を選ぶのかな?って。

 こそりさんは何でも歌える団体だと思うから。

 

 

 AF合唱団さんにも

 似たようなことを思ったけど、

 「往年の名曲」を

 こそりさんならではの解釈で

 聴いてみたい気もするな。

 

 

B こそりさんも

 「人の痛みを知る人たち」だと思うから……。

 

 

 そうそう、やっぱりそういう

 心の柔らかいところに触れる演奏には

 惹かれてしまいますよね。

 賞としては銀賞だったけど、

 観客賞で1位だったのは

 納得というか嬉しかったな。

 

 

A 楽譜に書かれてないところを

 凄いたくさんやっている。

 楽譜から自由になった

 【自分たちの歌】を歌っている団体だから。

 また聴かせてもらうのが本当に楽しみですね。

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

これだけは言わせてください。

こそりさんの演奏で唯一泣きました。理由はわからん。

 

弱音の表現が、美!!

ピアノ全開はやばい?と思ったのに、そこもバランス◎ さすがです!

 

グイグイ押すような感じでなく自然体に音楽が推進する曲展開で好きだった

 

温かなサウンドの上質なアンサンブル、第一声から惹き込まれる。

Pfとのコミュニケーションによる夢二の世界。素晴らしい。

 

(課題曲)

・入りのテノールのオブリガート◎。

・ハーモニー、音楽の流れ、ともに良い。

・中間部も素晴らしい。音楽の流れ、ディナーミクも良い。

・ワクワク感のある演奏。私の解釈とも近く、個人的にはこのG4がベストだった。

(自由曲)

・各パートとも、表現力、歌唱力、ともに申し分ない。

・ディナーミク含め、音楽の流れもいい。

・アゴーギク、そしてポルタメントを含め歌い回しも良い。

・弱音部の表現、素晴らしい。

※個人的には「金賞」と思いましたが…。

 

つややかな声や歌いまわしが好みです。

互いの息遣いを感じる姿勢が一番「室内アンサンブルをしている」ように見えました。

 

全体通して唯一泣きました😢

指揮なしアンサンブルの良さが全て詰まった演奏だったのではないでしょうか。

パートからパートへの受け渡し、全てのパートが全てのパートをわかって歌っている。。。

三味線草でしっとり泣いちゃいました。

素晴らしかったです👏

 

こそり、まじで凄い凄かったです!即売データ買っちゃった。

柔らかく響いて私にとって音楽ってこれだなあって、私が死ぬときにはこんな声が流れててほしいと思いました。

 

♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢

 

こそり団長のじろうさんからメッセージをいただいております。

 

 

全国大会という大舞台で、観客賞1位という光栄な評価をいただき、胸がいっぱいです。

この賞は、ある種いちばん嬉しい賞だと感じています。

課題曲「不思議」では、金子みすゞの詩でありながら“自分ごととして歌う”ことにこだわり、作者の物語として距離を置かず、自分の言葉として表現することを目指しました。

「三味線草」では、この2年間、遊女の恋の重さや複雑さ、狂乱の心を研究し、こちらも自分ごとに落とし込み、昨年よりさらに深度のある表現に挑戦しました。

綺麗にまとめるだけでなく、思い切って感情を爆発させる勇気も得られたと思います。

これからも“聴く人に感動を与える演奏”を磨き、こっそり鍛錬を積んでいきたいです✨

 

 

じろうさん、ありがとうございました。

「自分ごととして歌う」というお言葉に納得し、こそりさんの演奏が生き生きと思い返されるような素敵な文章と感じました。

さて、2026年3月8日にこそりさんがゲスト出演される演奏会があるとか?

 

 

合唱団 ぬっく 第5回演奏会

2026年3月8日(日) 13時開場

小金井 宮地楽器ホール 大ホール

この演奏会では、こそりさんがゲスト出演され、コンクール自由曲でもあった森田花央里さんの《三味線草》が全曲演奏される予定とのこと。

お近くの方も、そうでない方も、3月8日は小金井 宮地楽器ホール 大ホールでこそりさん、ぬっくさんの演奏をどうぞ!

 

 

【2025年度観客賞・室内合唱部門】

改めて観客賞:室内合唱部門の結果です。

 

同票第4位 

AF合唱団

Chor Alyssum

 

3位 Choeur Premier

 

2位 女声合唱団ソレイユ

 

そして第1位は…

 

こそり

 

でした!

 

ご投票いただいたみなさま、感想を書いてくださったみなさま、感想転載の許可をくださったみなさま、本当にありがとうございました。

また、室内合唱部門において入賞には至らなかったものの、特に印象に残った団体については、混声部門の入賞団体座談会の公開後に掲載する予定です。

 

(観客賞:同声合唱部門の感想に続きます)

 

観客賞座談会・室内合唱の部 その2

佐賀県唐津市・夏のいろは島

 

前回は室内合唱部門、同票第4位のAF合唱団さんChor Alyssumさんについてお話ししました。

 

今回はまず3位!

Choeur Premier (混声24名)

 

C 初めて聴きました!

 

 

 初出場だけど

 黒川先生の団体だからね。

 やっぱり発声に

 こだわっている印象がした。

 

 

A 個人のヴォリュームが

 凄く・・・

 

 

C デカいですよね!(笑)

 ホントに24人?って。

 

 

A ひとりひとり、発声に

 高いものを求めているんだなと。

 

 

B 男声と女声を混ぜて歌っていたのも、

 そういう意図の表れかな?

 かなり声楽的な発声だったよね。

 支えがしっかりあって、

 深い発声だった。

 

 

 課題曲G2の音楽には粘り、

 色合いの変化もありましたね。

 自由曲は

 千原英喜「おらしょ」から「II」。

 こちらもずっと良い声でした。

 

 

B 特に感銘を受けたのが、

 母音の使い分け。

 例えば日本語の「ウ」

 ラテン語の「u」

 ちゃんと深さを変えていた。

 「きりやれんず」は

 日本語のウなんだけど、

 「excelsa super」は深い。

 そういう歌い分けが、

 説得力に直結していたと思う。

 

 

A 全体もよくまとまっていましたよね。

 ユニゾンがとても綺麗で!

 

 

B 「あめまりや がらしゃめんな」の

 5度のハーモニーから

 音が変わっていき

 また5度に戻る中で

 2度でぶつかる箇所、

 そこも和音への意識がはっきりしていた。

 

 

 この曲もたくさん

 演奏されてきた曲だから

 黒川先生も十分研究された上での

 音楽作りという感じがしましたね。

 

 

B 先ほどの母音の歌い分けや

 和音の変化、

 そういう細部にまで

 気を配っているからこその

 金賞だったと思う。

 

 

 初出場で金賞でしょう?

 先ほどのAF合唱団さんもそうだけど

 千葉には良い団体があるもんですね~。

 

 

B 黒川先生が指揮する

 VOCE ARMONICAさんとは

 また違った選曲や音楽を期待したいよね。

 いや、素晴しい演奏でした!

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

県→関東と聴いたけど一番本髄を感じる演奏だった

 

(課題曲)

・伸びやかなサウンド。

 母音もドイツ語らしくて◎、弱音時の声の伸びも良い。

・ソプラノ高音部、健闘している。

 全体の流れも良かった。

 

密度の濃い声。音の鳴りがすごい!と思わせつつ、最後の弱音の美しさはさすが。

 

第一声、いい声で殴られた気がした

歌い手の身体全部から音楽が出ているのがとても好き

 

2日間通して聴いて、一番心に残ったのは、

Choeur Premier の「おらしょ」第2楽章。

この曲、以前にかなり流行ったと思うけど、

これまで、どの演奏を聴いても

納得できなかった。

昨日の演奏は、私にとって『最適解』でした。

発売されたら、CD買うつもりです。

 

 

続いて2位!

女声合唱団ソレイユ(女声24名)

 

 これこそF4!

 これこそ

 「かつて私は信じていた」ですよ!

 

 

B 自分はメモに

 「妖艶って書いてる(笑)

 

 

A 私は「熟練の技💪って(笑)

 

 

 自分は

 「幻惑的🤩って書いてました(笑)

 白鳥佳先生のピアノも世界を作って

 良かったですね!

 

 

B さすが白鳥先生!

 合唱はフォルテの厚みもあってね。

 だけど、あれでもソレイユさんは

 抑えていたと思う。

 

 

AC文 えーーーっ?!

 

 

B 九州大会は

 もっとドロドロしている感じだった。

 

 

 それでもここまでやられたら

 何も言えねぇというか

 語り口や全体の雰囲気

 「こういう曲だよね!」という説得力が。

 この曲の決定版だと感じました。

 

 

C めちゃ柔らかいサウンドなのに

 女性の芯みたいなのを……

 そう、「女の強さ」!

 

 

A 「女の強さ」! それ!

 

 

 音量や勢いだけじゃなくて、

 しなやかな強さだったかな。

 やはり

 「最強の女声合唱団」ですね(笑)

 そしてエシェンヴァルズ

 「Northern Lights(北極光)」、

 良いステージでしたね~。

 

 

C 最初、ソリスト以外が

 後ろを向くのに驚いて!

 

 

A 「後ろ向いちゃうの?!」ってね。

 あとロングトーンがとにかく

 ブレないのがさすが!

 

 

 この曲も関学さんや

 SAKAEさんの演奏曲と同じく

 基礎力が足りないと

 一気に説得力を失う作品。

 その点、ソレイユさんの表現力には

 完全に圧倒されました。

 

 

B 自分は今年、ソレイユさんの

 「Northern Lights」を聴くのが

 3回目なんですけど、

 それでも団員さんが前を向くときに

 ゾクゾクした!

 

 

 わかる!

 自分も今年2回目だけど

 「キターーーッ!」

 と思ったもの(笑)

 なんなら8年前の東京大会でも

 演奏した曲でもあるしね。

 

B 憶えてる。

 当時は佐賀女子の子たち6人が

 グラスハープ専属で参加してたね。

 

A グラスハープもそうだけど、

 トーンチャイムと合唱の織り成す

 オーロラの世界に魅了されてしまいました。

 

 

 佐賀のホールが一瞬で北極に!(笑)

 

 

C 演奏中も

 「私たちが1位です!」という

 気合いに満ちてて。

 もう圧巻、圧倒・・・

 

 

 気合い入ってたよね~。

 とにかく"熱”が凄かった。

 

 

A 作曲家エシェンヴァルズ氏の前で

 演奏しているということもありますし、

 地元開催というのも

 大きかったんでしょうね。

 

 

B 拍手もひときわ大きかったし!

 

 

C 大喝采でしたよね!

 さらに金賞第1位!

 地元の団体が1位って

 気持ち良いですね(笑)

 

 

 いやあ、

 「良かったねぇ……」

 と心から思って。

 長年全国大会を見てきた身として、

 久しぶりに

 「ソレイユさま」

 とお呼びしたくなるような、

 力強く、美しいステージでした!

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

合唱・グラスハープ・トーンチャイムの調和が半端なかった

 

(課題曲)

・深み、まろやかさ、レガート感、いずれも「別格」。

(自由曲)

・ソプラノの高音◎。

 

異世界に転移させられた気分

あまりの雰囲気づくりのうまさに鳥肌が止まらなかった

名演をありがとうの気持ち

 

さすがです!F4、大人〜!

緊張感のある表現、引き込まれました!

 

課題曲:口づけ・口づけ・・・どの口づけも違う色だった。

自由曲:世界観に引き込まれる。圧巻というしかない。

 

課題曲、ピアノも一緒に歌ってるようで鳥肌

自由曲、そんな曲じゃないのに聴いてて涙

 

この団体にしか出せないオトナの世界。

課題曲で引き込まれ、自由曲では冒頭の遠近感でゾクッ。ソロもブラボー。

 

ソレイユやっぱりすごいわ。つよつよ女声合唱。美しい…。

自由曲、前にもやってたような…やってたよね…?

前も感動して今回も感動した。

楽器ありソロありで緊張する和音も続くのにしっかり調和しててすごい…いいものは何回聴いてもいいなぁ。

 

恋愛マスター賞はソレイユさんかな😂

まじでくちづけがくちづけてた…chu👄

 

 

 

観客賞・室内合唱部門、第1位の団体に続きます。

観客賞座談会・室内合唱の部 その1

 

吉野ヶ里 光の響

 

前回は観客賞・大学ユース部門第1位の早稲田大学女声合唱団さんについてお話をしていました。

観客賞座談会、今回から24人以下の室内合唱部門の座談会を始めます。

今回は同票第4位の2団体を出演順に。

 

それでは4位、1団体目!

 

 

AF合唱団(混声24名)

 

A 好きでした!

 

 

C 自分も!

 

 

 素晴しかったよね!

 課題曲G3「秋の午後」、

 岩本果子先生の前奏から

 とても良くって。

 

 

A テノールの歌い方も

 優しい雰囲気で

 うっとりしました。

 

 

B この演奏で涙腺が……。

 夢の世界を描いている感じ。

 病室にいる人が外の世界を眺め、

 そこに行きたくても行けないから

 夢見ているような。

 そんな「やさしい日の光」に泣いてしまって。

 

 

 とても良かったけど

 圧倒されるんじゃないんだよね。

 曲の世界に自分が入れてもらった感じ。

 

 

B リズミカルになるところも

 不自然じゃなく、

 しかしちゃんと意識している。

 

 

A ソプラノも良かったですね。

 今日の「秋の午後」の中では

 一番好きな演奏でした。

 

 

 自分も一番かも。

 続いて三善晃

 「やわらかいいのち三章」から「2」。

 一人ずつ訴えかけている。

 声と言葉が「いま!」という印象。

 

 

C 世界観が変わりましたね。

 

 

 「かたくなにみずからを守るあなたの背中

 「きれぎれな物語を」……

 AF合唱団さんの演奏、

 言葉がとにかく響いてくるから

 気になる言葉をついメモしちゃう!

 

 

B やっぱり、

 指揮の石橋遼太郎先生の演奏には

 言葉のニュアンスが凄いあるから。

 毎回心を動かされてしまう。

 

 

 「何を訴えているんだろう?」と

 どうしても聴きに行ってしまうよね。

 

 

B 今までの演奏も

 「痛みを知っている人たちが歌っている」

 そんな気がして。

 

 

 最後のニュアンスも良かった。

 続いて三善晃「沈黙の名」、

 これも良かった!

 たくさん聴いた演奏の中で

 初めて納得したかもしれない!

 

 

B 「今年も」の後の余韻やその辺りに

 何か思いを伝えたくても口にできない、

 言えない、

 そんな奥ゆかしいニュアンスが

 含まれている気がして。

 

 

 自分はアルトと男声のヴォカリーズと

 ソプラノのバランスに感銘を受けて。

 ちゃんと歌えるソプラノさんが

 息混じりに、

 ヴォカリーズに消えるように

 「ことば」を歌うじゃないですか。

 歌える人たちが良い声を自慢するんじゃない。

 そこに合唱としての良さも感じたなあ。

 あのソプラノさんには泣けた……。

 

 

B 何回も言うけど、

 AFさんの演奏は心の痛みが伝わってくる。

 20代の人も多いのに、

 なぜここまで人の心を打つ演奏が

 できるんだろう・・・

 

 

A 音色が魅力的でしたね。

 石橋先生は30歳を少し超えたぐらいかな?

 指揮者も、AF合唱団さんも

 これからが本当に楽しみです。

 

 

 そうですね。

 技術だけじゃなく、

 人の声でしか届かないものが

 いつも、確かに残る団体なので。

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

心が揺さぶられるような感覚になり、身も心も惹きつけられてしまいました。

 

関東と経て繊細な部分までより磨かれた隙のないハーモニーでとても好きだった

 

(やわらかいいのち)

・発語良く、語感も何を伝えたいか、よくわかる演奏。

・音圧◎。レガート部分の変化も◎。

(沈黙の名)

・音楽の流れ、発語とも◎。

・弱音部分の息の流れ・スピード◎。いい緊張感。

・Bassの支え◎。

 

課題曲、ピアノも合唱も歌い方が好きすぎて惚れた

自由曲は歌が私の身も心も震わせてくるし離してくれない

大好きな演奏でした

 

課題曲のフレージング、こういうのもありなのか…!

自由曲、どちらもよかった!

 

AF合唱団さんの音源買って聴いてるけど、ここはなぜ毎度こんなにも日本語を美しく歌えるのか。

選曲も毎回最高だし。

教えを請いたい。

 

AFの良さが全部詰まっている演奏だったと感じました。

日本語の美しさ、なめらかさ。沈黙の名のボカリーゼ。。。全部好きでした!

 

 

 

続いて同票4位、2団体目!

 

Chor Alyssum(混声24名)

 

 上手かったですね~。

 上手すぎてメモできなかった!(笑)

 陶然としちゃって、

 もう天国行っちゃいました、みたいな。

 

 

C そうそう!音がすべてハマり過ぎて!

「ちょっとくらい濁ってくれないかな?」

 

 

B そんなことある?(笑)

 とにかく4声の統一感が凄い!

 

 

C めっちゃ気持ち良かったですよね。

 

 

B 声の深さも揃っていて。

 さらに深いんだけど、

 細やかなところは軽やかで。

 

 

 発声も良いけど、

 フレーズが湧き出るように、

 かつ流れも良くてね。

 

 1番好きだったのは

 自由曲1曲目のウェーベルンの歌曲編曲の

 「Tief von fern(遙か彼方)」!

 歌心に溢れて、

 またテノールが良い声なんだ~。

 

 

B 2曲目、ブラームス

 「Drei Motetten Op.74(3つのモテット)」 より

 「2.O Heiland reiß die Himmel auf, motet

 (おお、救い主よ、天の扉を開け)」

 硬軟が自在だったね。

 

 

 わかる!

 全部の音が一生懸命なんじゃなく、

 表現や和音に合わせて、

 柔軟に声を変えていたんだよね。

 

 

B 自由曲2曲とも

 繊細な和音の移り変わりが

 ある曲だと思うんだけど、

 それがちゃんと

 音楽の流れのある中でよくわかった。

 

 

 バスのバランスの取り方も

 良かったですよね。

 ……Aさん、ずっと笑ってますけど?

 

 

A ごめんなさい(笑)

 ある意味、指揮者の上西一郎先生の

 手の内を知っているので

 「アリッサムさんの演奏は

 お手本のようだ!」と思って。

 

 

BC文 手の内!(笑)

 

 

A みなさんの「やっぱりね」と

 思わせる発言が面白くて。

 

 

 でも、上西先生が手の内、

 つまり合唱団への課題を示されても

 ほとんどの団体は実行できないんじゃない?

 

 

B そうだよね、

 高いハードルを与えられても……

 

 

C 私なら、ハードルくぐっちゃう(笑)

 

 

A 上西先生が作りたい音楽を

 アリッサムさんはちゃんと体現してましたね。

 

 

B 確かに!

 音楽の運びが上西先生でしたよね。

 ……上西先生ってどれくらいの頻度で

 東京へ練習にいらしてるんですか?

 

 

A 月1回ですね。

 

 

BC文 へ~~~!

 

 

 団内指揮者さんも優秀なんだろうなあ。

 

 

A そうですね、自主練習も頑張っていて。

 

 

B 実力が安定していますよね。

 室内部門2位でシード獲得!

 来年も楽しみにしています!

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

とにかくドイツ語の発音が素晴らしい。。。

音も素晴らしい。。。

素晴らしくないとこどこ?!

特に全体を包み込む上質なベースが好きでした☺️

 

全体を通してとても柔らかな音色で溶け合うようなハーモニー好きだった

 

(課題曲)

・余裕のある豊かで上質なサウンド。

(Tief von fern)

・流れ良い。

(2.O Heiland reiß die Himmel auf, motet)

・音楽の流れは素晴らしく、後半の速いパッセージでも音程乱れない。

 

あの人数比でバランス取れるの、すごくないです?

G2って、上品で優雅な演奏にもなるのか…!好き!

 

1点の曇りもない完璧なアンサンブル

宝石のきらめき

すごいものを聞いてしまった

 

 

(室内合唱部門第3位に続きます)

 

観客賞座談会・大学ユースの部 その3

 

観客賞座談会・大学ユースの部。

前回は第3位の関西学院グリークラブさん、第2位のEnsemble SAKAEさんについてお話ししました。

 

それでは2025年観客賞・大学ユースの部

1は、

早稲田大学女声合唱団(女声47名)です!

 

 

一同 拍手!

 

 

C あんなにいろんな色のスカート!

 

 

 非常に女性的な視点だね(笑)

 確かにパステルカラーが綺麗だった。

 

 

B スカートだけじゃ無く、

 パンツスタイルの方もいてね。

 あの辺が今どきの団体だな~って。

 

 

A 普段使いできるのは重要かな。

 女声合唱フェスティバルでもあの衣装で。

 コンクールでも同じでちょっとビックリ。

 

 

 色がかぶってダメとか無いのかな?

 「あら、はパートリーダーお姉様の色よ。

 あなたにはまだ早いわッ!」(笑)

 

 

C 昭和の少女漫画ですか?

 

 

B そろそろ演奏の話もしようよ(笑)

 課題曲F4「かつて私は信じていた」、

 松元博志先生のピアノが華麗に響いてね。

 

 

A 前の都留文さんのドイツ語、

 レーガーの世界から一変して、

 あんなに明るい音に!

 

 

C そうそう、あんなに言葉が

 聞き取りやすいF4は初めて!

 

 

 明るかったよね~。

 メモに「健康優良児」って書いてる(笑)

 

 

C 私は「清楚」って書いてます。

 

 

AB文 清楚?!

 

 

C 女優で言ったら誰だろう、

 浜辺美波さんとか?

 

 

AB文 浜辺美波?!

 

 

 わせじょさんのイメージが

 浜辺美波かはともかく。

 この一点の曇りもない明るさ……

 「暗闇で口づけできるんかな?」

 とは思ったな(笑)

 

 

A バカにしないで!

 わせじょさんだって暗闇で

 口づけのひとつやふたつできるよ!

 

 

B その返しはどうなの(笑)

 スタッカートと

 なめらかなフレーズの対比や、

 ブロックごとの表現の変化が

 とても良く出来ていたね。

 

 

 自分はやっぱり自由曲1曲目の

 高嶋みどり「露営のともしび」。

 あのヴォカリーズの広がりに

 背筋がゾクゾクした!

 

 

A ハミングも秀逸でしたね。

 

 

B ソプラノの声の明るさが印象に残って。

 やはり言葉が明瞭で

 詩の想いが伝わった感が。

 

 

A 続いて信長貴富「明日」。

 出だしのユニゾン、

 品が良くてステキでした。

 

 

 全体にピアニッシモの魅力もあってね。

 

 

B アタッカで繋げていたけど

 違和感が無かったですね。

 早稲田の女性が

 自分の力で未来を拓く与謝野晶子の詩!

 ピッタリだと思ったな。

 

 

A わせじょさんの初期から

 見てきた自分には

 こんなに人数が増えたのが驚きで!

 早稲田には女声合唱団が無いから、と

 創団されたんですけど。

 

 

B 初期はワセグリの指揮者やっていた

 男の子が団員だった十数人の時代もあって。

 

 

 全国的に大学の女声合唱団は

 減少してますからね。

 

 

A 混声に行っちゃうんですよね……。

 でも大学ユース部門で

 唯一の女声団体でしょう。

 人数も増えて、

 音楽的にも成熟してきて、

 「大学の女声合唱って、

 まだこんなに可能性があるんだ」

 と示してくれた団体だったよね。

 

 

B うん、今の大学女声合唱の

 “希望枠”としても

 文句なしの1位だったと思う。

 好感しかない団体でした。

 これからも期待しています!

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

輝きのある声で発語も良かった。

 

美しすぎ!

序盤だったけど最後まで印象に残っていた

 

ディナミークのグラデーションの細かさに感動!

 

F4は高校生とは一味違う演奏。

露営の冒頭は鳥肌もの(好きな曲だから?) 

 

日本語の発音が美しくて素敵でした

柔らかさの中に芯がある

 

強い女声。明確さ。

 

バランスが良い、

パートの声がまとまっている、と感じました。

 

等身大の声と発音の明瞭さ、それでいて美しいハーモニーに夢中になりました。

 

個人的には好印象で、投票させていただきました。

課題曲の発語〇。

・響き、輝きのある発声。

・ソプラノ…高音部でも余裕を感じる。

・旋律とオブリガートの役割分担、きちっとできていてバランス良い。

・説得力のある演奏。

 

わせじょのきらびやかな声と純白なハーモニーが良かった

 

アルトすげー鳴ってる、すげー!

「露営のともしび」はやっぱり名曲だな…ハミング美しい…

「明日」もクリアでカッコよかった。パワーあるなぁ。あと衣装かわいい。

 

温かく、等身大の声(に感じさせる技量があるんだと思う)

日本語がしっかり届く

すごく前のめりで聞いてしまった

大好き

 

♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢

 

第1位の早稲田大学女声合唱団団員さんからメッセージをいただいております。

 

 

こんにちは、早稲田大学女声合唱団、通称「わせ女」です。

このたび、多くの皆さまから温かい応援をいただき、観客賞に選んでいただきました。

団員一同、心から嬉しく思っております。お聴きくださった皆様、そして観客賞を運営してくださった文吾さん、本当にありがとうございました。

 

私たちは2018年、たった2名の団員からスタートしました。「出る杭は打たれない」をモットーに、学年や役職に関係なく誰もが自由に意見やアイデアを出し合える、そんな温かな雰囲気を大切にしています。コロナ禍を挟みながらも合唱団を育ててくださった先輩方のおかげで、5回目の挑戦にして全国大会へ出場することができました。

 

初出場が決まった瞬間は大喜びでしたが、そこから交通手段・宿泊・練習場所の確保など、準備は想像以上に大変でした。特に私たちは出番が2番だったため、公共施設を利用できず、練習場所探しには頭を悩ませました。

 

そんな中、佐賀出身の団員が大活躍!→顛末は本人の文章を読んでやってください。

 

ホール到着後も集合・リハーサルのご案内、給水ポイントのサポートなど、佐賀県合唱連盟の皆様の温かいご支援に助けられ、練習の成果を十分に発揮することができました。あらためて深く感謝申し上げます。

 

🎄第7回定期演奏会のご案内

 

12月25日(木)クリスマスの夜、杉並公会堂大ホールにて

第7回定期演奏会を開催いたします。

今年、作曲家・根岸宏輔さんに書き下ろしていただいた新作《あなたと歩く》を初演するほか、コンクールで演奏したレパートリーや、クリスマスソングの数々もお届けいたします。

チケットはこちらからお求めいただけます:

👉 teket.jp/7879/56987 

(※配信はありません)

 

皆さまのご来場を、団員一同心よりお待ちしております!

団員さん、ありがとうございました。

2025年12月25日(木)19:00開演(18:30開場)

気鋭の作曲家:根岸宏輔先生への委嘱曲初演はもちろん、コンクールで演奏した信長先生「明日」を含む全曲、クリスマスソングも楽しみですね。

お近くの方もそうでない方も、クリスマスの夜は杉並公会堂大ホールへ!

 

さて、メッセージでも話題に上がっていた

「佐賀出身の団員が大活躍!」について、

とても楽しい文章が届いていますので、ご紹介します。

こなつさん、どうぞ!

 

 

 みなさんこんにちは、早稲田大学女声合唱団 2 年のこなつと申します 。

 

 初の全国大会出場を果たしたわせ女ですが、出番はなんと朝二番というハードスケジュールになってしまいました。全国大会自体初めてのことなので、行程を組もうにもそのノウハウがあるわけでもなく、ましてや佐賀なんて未開の地……!私たちは途方に暮れてしまいました。と言いそうなところですが、実は意外とスムーズに?動いており、それにはある裏話があるのです 。

 

 というのも、私は幼稚園から小中高と、大学入学を機に上京するまで、ずっと佐賀県佐賀市で過ごしてきました。正真正銘の佐賀県民なのです。地元で全国大会が開催されるとなれば、当然出場したいわけで、今年のコンクールは去年よりも俄然やる気でした。都コンの結果はありがたいことに金賞 1 位。めでたく佐賀行き(帰省……?)が決定しました。

 

 そうと決まれば、ホテルや移動手段、練習場所の確保は早急にやらなければなりません。全国から数多の団体が集まるこの催しが、佐賀のような、ホテルも交通手段も限られた土地で開かれる。そう考えると、それらの手配が困難を極めることは容易に想像できました。そのうえ、わせ女の出番は朝から二番目。朝早くから練習のできる施設や、前日入りできてかつホールまでのアクセスのいいホテルを探す必要がありました。

 

 早速ホテル探しを始めましたが、どうやら連盟が既に押さえていたようで、どこも満室でした。そんな中、実家にいる父から「団体宿泊できるホテルがあったから仮予約しといたよ~」と連絡が!(この状況でホール近くのホテル取れた父、何者……?)と思いつつ予約確定の電話をし、本番前日の宿問題については解決したのでした。

 

 さて、ホテルが取れても、前日、当日と練習ができなければ意味がありません。ちょうど都コンの翌々日から帰省する予定を入れていたので、練習場所は現地でいろんなところに足を運んで選ぼうと考えました。帰省してからというもの、宴会場、チャペル、公民館、私の母校など、練習ができそうな場所に手当たり次第連絡を入れたり実際に訪れたりして、ピアノの有無や響きの良さ、天井の高さなどを、山脇さんとわせ女メンバーに報告し比較検討しました。そして最終的に練習場所として選んだのは、

 

お寺。

 

 と、宿泊するホテルのチャペル。お寺……お寺……?誰もが疑問符だらけになると思うのですが、実はこなつ家のお墓のあるお寺、本堂にグランドピアノがあるのです!昔はお墓参りの度に弾かせてもらっていました。かつ天井も高く、大所帯でも入れる広さ。お墓参りのついでに事情をお話したところ、練習場所として使うことを快く了承していただけました!そのうえ「どうせ毎年してるものだから」と、私たちの練習前に調律を入れてくださるという心遣いまで、本当によくしていただきました。本番前日夜の練習に使わせてい

ただき、貸切バス&徒歩で、わせ女メンバーを連れて佐賀の田舎道を行くという、なんとも不思議な思い出ができたのでした。

 

 そして本番当日朝の練習場所に選んだのは、ホテルのチャペル。練習ができるかどうかをホテルに電話で尋ねた際は「ピアノが無くて……」と言われてしまったのですが、帰省中に宿泊部屋の下見に行ったついでに、改めてピアノ有無について尋ねたところ「ピアノはあるのですが調律をしておらず……」との返答が!調律の手配はこちらでするということを条件に、練習をさせていただけないかとその場で交渉し、なんとか練習場所の確保に至ったのです 。

 

 そうして迎えた本番当日、出演者や観客のみなさま、団員のご家族もいらっしゃっており、私の見慣れた佐賀市文化会館がかなり賑わっていました。会場では特産品の物販なども行われており、みんなが物珍しそうな顔で眺めていたり、ムツゴロウの顔出しパネルで遊んで楽しんでいたりしたのが印象に残っています 。

 

 私はというと、家族や親戚、地元の友人にも聴きに来てもらい、コンクールというよりは演奏会のような気持ちで歌っていました。地元、佐賀県で演奏を届けるという貴重な経験をさせてくれたわせ女のみんな、山脇さん、ピアニストの松元先生、ボイストレーナーのめありさん、今回の全国大会運営にあたってわせ女に関わってくださったすべてのみなさんに心から感謝です!

 

 今回は思いっきり地元での開催だったため、私個人としてはあまり旅感がなかったことだけが少し残念でした(笑) 。ですが、これを機に初めて佐賀に来た方もたくさんいらっしゃったのではないかなぁと思います 。全国大会とともに、佐賀での観光や美味しい食事を通して素敵な思い出ができていれば、一佐賀県民としてとっても嬉しいです!

 

♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢

 

こなつさん、心温まる佐賀旅行記をありがとうございました。

(お父さんの活躍も含めて、チーム佐賀の勝利ですね!)

 

私自身も佐賀を何度か訪れていますが、今回は「全国大会を迎える土地」としての佐賀の魅力を、あらためて教えてもらった気がします。

 

全国大会を都心部に限定して開催するという考え方もありますが、地方開催だからこそ生まれる段取りや出会いが、団体の結束や一つの物語として心に残ることも少なくありません。

そのことを、わせじょさんは今回の全国大会で体現してくれたように感じました。

 

演奏の伸びやかさ。

さらに指揮者:山脇先生の徳を積む行為!

今回、わせじょさんが全国大会で見せた姿は、これからの大学女声合唱の未来を明るく照らすものだったと思います。

次のステージでのさらなる飛躍を、心から楽しみにしています。

 

 

【2025年度観客賞・大学ユース部門】

 

改めて観客賞:大学ユース部門の結果です。

 

 

5位 都留文科大学合唱団

 

同票第3位 

金沢大学合唱団

関西学院グリークラブ

 

2位 Ensemble SAKAE

  

そして1は…

 

 

早稲田大学女声合唱団

 

でした!

 

ご投票いただいたみなさま、感想を書いてくださったみなさま、感想転載の許可をくださったみなさま、本当にありがとうございました。

 

また、大学ユース部門において入賞には至らなかったものの、特に印象に残った団体については、混声部門の入賞団体座談会の公開後に掲載する予定です。

 

(観客賞:室内合唱部門の感想に続きます)

観客賞座談会・大学ユースの部 その2

佐賀熱気球世界選手権

 

前回は観客賞・大学ユース部門第5位の都留文科大学合唱団さん、同票第3位の金沢大学合唱団さんの感想を掲載しました。

 

同票第3、2団体目は

関西学院グリークラブ

(男声34名)

 

A 課題曲M3「彼岸花」

 明るい感じでしたね。

 

 

B 言葉が聞き取りやすく、

 全体的にすっきりしてました。

 

 

C いわゆるグリー調じゃない感じ?

 

 

B グリー調彼岸花は他のところかな(笑)

 自由曲のシェーファー「Magic Songs」

 グリー調だった気がする。

 

 

C いろんな表現で

 「面白い曲だな~!」って。

 

 

 関学グリーの歴史で

 何回も演奏しているんだよね。

 だから定番曲の説得力もあった。

 話が少し広がるけど、

 マリー・シェーファーは

 30年くらい前に流行った作曲家で。

 

 

B そうそう、

 三重のうたおにさんって団体が

 「Magic Songs」を演奏して、

 そこから流行り始めた。

 うたおにさんはシェーファーに

 「17の俳句」って曲も委嘱してたね。

 

 

 憶えてます!

 あの作品もサウンドスケープとして

 夏の1日の移り変わりを表現していて

 面白い曲でしたね。

 

 

A 「Magic Songs」、

 私は初めて聞いたんで衝撃を受けました。

 

 

C 私も初めて!

 ぜんぶで6曲演奏したけど

 切れ目がないじゃないですか?

 

 

 曲名がわからなかった?

 

 

C でも

 「これ絶対ホタルだ!」

 「これ絶対クマだ!」

 曲調と雰囲気で変わったのがわかって。

 

 

A 私も!

 「石だ!!」って。

 ……これ予想違ってたら

 私の想像力最低じゃない?

 

 

BC文(笑)

 

 

A 最後これはやっぱ「魔法」だよな ……?

 と思ったところで終わって良かった。

 

 

 最後が

 「魔法を起こす歌」だから合ってた(笑)

 まぁ、曲間で休みを入れると興醒めだから

 ああいうアタッカで繋ぐ演奏が

 魔法・呪術の効果を上げていたよね。

 

 

B やっぱり効果音、動物の鳴き声など

 ちょっと変わった音が

 凄くクオリティ高かったと思うんですよ。

 まったく照れも無く、

 スタンダードな合唱とシームレスに

 めちゃくちゃ誇りを持って

 「どうだっ!」と言わんばかりにやってくれた。

 

 

C 「攻撃力たけーっ!」て感じ。

 これ楽譜を見たら

 解読不能みたいなとこが

 いっぱいあるんだろうな。

 

 

 図形楽譜みたいな部分もあるかな?

 けっこうシンプルだけどね。

 

 

B 知り合いに

 「あの曲って何語なの? 」って聞かれて。

 「シェーファーが自分で勝手に作った言葉」

 という話はしたけど。

 

 

 ある意味、

 単純なことをやってるんだけど

 それを支える発声が優れてるからこそ

 説得力があったんじゃないかな。

 あれがヘナヘナの声だったら

 魔法がかからないんじゃないの(笑)

 

 

B そうだね、声がないと成り立たない。

 現代音楽などは

 あまり発声ができてない団体が演奏すると

 作品がダメなのか?

 発声がダメなのか?

 どっちが悪いの?!みたいに思うときが 。

 

 

A その点、関学さんは

 良い発声で演奏してくれたから

 とても説得力が生まれた!

 

 

 新潟大さんのニールセンもそうだけど、

 30年くらい前に流行った曲は、

 もうみんな忘れちゃってるから、

 新鮮に聞こえるよね。

 

 

A そういう忘れかけた曲を

 今やるのもいいかもしれない。

 流行は繰り返しますしね。

 

 

B 課題曲と自由曲とのギャップ。

 刺激的な選曲と演奏で印象的でした。

 これを機会に

 「Magic Songs」混声版も

 歌われるようになるかも?

 

 

 さっき言った「17の俳句」とかもね。

 昔の曲を掘り起こし、見事な演奏で

 「あ、これ今でも全然アリじゃん」

 と思わせたのは凄いよね。

 

 

A そう、

 関学さんみたいな団体が増えたら

 合唱団の選曲の幅ももっと広がりそう。

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

素晴らしい表現力。

深く明るく芯のある発声。

もう一度聴きたい。

 

シェーファーのMagic Songsをこれだけの精度と熱量で聴けただけで大満足。

「彼岸花」の音楽創りも一番好み。

 

彼岸花の切れが良く、速いテンポでも音程が崩れず、素晴らしい。

Magic Songsはキレ抜群。ユニゾンも決まっている。

 

課題曲の颯爽とした曲作りと自由曲の表現の幅の広さがただただ凄かった

 

やっばぁ………

ものすごく難しいことを難しくなさそうに演奏効果抜群で繰り出してるのどういうこと?

めっちゃ好き………

 

これぞ!っていう男声合唱。いい響き!課題曲も合ってた。

 

舞台が壊れるかと思った

 

課題曲いいなぁ、軽やかだけど隅々まで行き渡ってる感じがする…!

そして事前に唯一楽譜を確認したMagic Songs。訳わかんねぇなと思ってたけどすごい、これはすごい。ビリビリきた、うわー、生で味わいたかったわぁ…!

 

ハーモニーや強弱、ポルタメントまで全部完璧にシンクロしてて、34人でこんなホールのすみまでわーっと満たす音圧が出せるなんて…これだけでも表現しきれないくらい、とにかく凄すぎる…

マジ音楽の魔法にかけられた…

自由曲がとにかくもう揃いすぎていて怖かったです。

男声合唱、伝統の力をこれでもかと見せつけられた気分になりました👏素晴らしかった・・・!

 

 

 

続いて、2位!

Ensemble SAKAE

(混声48名)

 

A SAKAEさん、声が良かったですね。

 

 

B 支える男声が

 もうずっと鳴ってるというか。

 

 

C 「ずっとハモって!ずっと良い声!」

 みたいな感じでした。

 

 

A 課題曲G4「不思議」、

 最後のソプラノの「たまらない

 「めっちゃ好き」ってメモしてる(笑)

 リタルダントが掛かって、

 そこが情感たっぷりになって。

 

 

 ああ、それがやっぱり

 「たまらな」かったと(笑)

 

 

A 「たまらないがたまらない」(笑)

 

 

B 相澤先生が支部大会講評で、

 こういう愛唱曲みたいな曲を

 テンポを揺らして演奏するのは

 いかがなものか?

 そんな提言をされた年があったね。

 今回はそういうふうに、

 あんまり揺らしている団体が

 「不思議」に関してはなかった。

 

 

 「草原の別れ」の年ですね。

 

B SAKAEさんの場合は、

 テンポを落として重厚な、

 分厚い4声の響きに

 めちゃくちゃ焦点を当てた

 演奏だったかな、という。

 

 ここまで壮大に作って

 いいのだろうか?

 そんな疑問はあったけど……

 

 

 いいじゃないですか!

 SAKAEさんなりの

 宇宙創成の「不思議」ですよ!

 

 

B そうかぁ……(笑)

 壮大さは次の自由曲が

 合っていたね。

 

 

 アメリカの作曲家Jacob Narverud

 委嘱曲 「Ascendo(飛翔)」。

 SAKAEさんにピッタリの作品。

 

 

A 出だしのインパクトが強くて!

 

 

C 声が凄すぎて、

 最後の手拍子でリズムを刻むところが、

 消えてるなこれって。

 

 

 声が手拍子をかき消した?!

 

 

C そう(笑)

 手拍子が自分たちの声に埋もれてた!

 

 

B 単純っちゃ単純な曲なんだけど、

 やっぱり声がいいし、

 バシッと決めてるから。

 参りましたって感じですね。

 

 

A うん、途中で広がり

 パートも混じって前に出る

 ステージングも含めて、

 舞台として作り上げた感があります。

 オスティナートもあそこまで揃え、

 高めてたら演奏効果バツグンですよね!

 

 

B この曲って出版されてるのかな?

 

 

 どうなんでしょうね?

出版されているそうです↓

 やってみたくなった?(笑)

 

 

B 流行りそうな曲だしね(笑)

 SAKAEさんの演奏自体が

 魅力の伝わる演奏だった。

 

 

A 今回はホールが響くから、

 やっぱりサウンドや

 ハーモニーの精度が高い団体が

 ぐっと評価された印象がありましたね。

 

 

 自分たちの持ち味を活かした選曲と演奏で

 金賞第2位!良いと思います!

 

 

C とにかく

 「手拍子が消えてしまう合唱」には

 ビックリしました・・・(笑)

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

個人的にここがダントツに思いました。

 

歌い手の溢れんばかりの歌心が素敵だった

 

ここも関東大会からパワーアップしてるなぁ。そしてやっぱりソロ上手い。

以前より曲の構成がクリアになってる感じがした。

各パートの音色がまとまってるからかな。

フォーメーション移動すげぇー。なんで足音しないんだろ…笑

 

「不思議」は発語すばらしい。流れも良く、発声も好み。

自由曲はバスのソロ◎。

音圧十分。フレージングも◎。息のスピード◎。

音楽が豊か。押し付け感なし。弱音でも響きが落ちない。素晴らしい。

 

第一声から大好きだと思った

明瞭な発音、魂が入った声、心地よいハーモニー、全てが最高

 

発声や表現の方向性がピタリと合ってる。

自由曲の歌い込み、安定感。

 

ブリリアントな声と絶妙な歌い方で、作家の心が伝わる課題曲。

風景が見える、広がりのある自由曲。

鳴り物とラストの配列は豊春中の再来。拍手!

 

第一声からファンになりました。

言葉を大切に歌っている姿勢、そして魂から発せられたような歌声、最高です。

 

 

(観客賞・大学ユース部門、第1位の感想に続きます)

観客賞座談会・大学ユースの部 その1

 

お待たせいたしました。

観客賞の座談会・大学ユースの部をお届けします。

 

まず「観客賞とは?」を簡単に。

 

この観客賞は、13年前から当ブログで続けている企画です。

「各部門の全団体を聴かれた方の投票のみ」で決定する、当ブログ独自の賞になります。

 

審査員による賞や順位は、音楽のプロフェッショナルが真摯に演奏へ向かわれた結果であり、もちろん最大限に尊重されるべきものです。

ただその一方で、

 

「傷はあったのに、とにかく胸をつかまれた!」

「コンクール向きじゃないと分かっていても、涙がこぼれた」

 

そんな声を多く耳にしてきました。

そこで、「観客による投票であれば、審査とは別の価値観が浮かび上がるのでは?」と考え、この企画を始めました。

また「この団体が銅賞だからこそ投票する!」といった判官贔屓を避けるため、投票は審査結果発表前に締め切っています。

 

会場で聴かれた方はもちろん、配信で聴かれた方からも、X(旧ツイッター)やメールで投票を受け付けました。

 

ご投票くださったみなさま、感想を寄せてくださったみなさま、本当にありがとうございます。

専門用語でも、ポロリと出た一言でも、何に心が動いたのかが伝わる感想ばかりで、読んでいて胸が熱くなりました。

「感想を表に出すのは気が引ける」という方も多い中、言葉にしてくださったこと自体が尊いことだと感じています。

 

終演後、有志4人は魚の美味しい居酒屋へ。

私、文吾が司会となって座談会開始。

 

観客賞大学ユース部門第5

都留文科大学合唱団

https://x.com/tsurubun_chorus

(混声42名)

 

 

文吾(以下「」)

清水雅彦先生から中村仁先生に代わられて、

さらに朝10時のトップバッターという

いろいろ重なった中での

金賞1位・文部科学大臣賞は素晴しいですね。

もちろん演奏も最高!

自分も一票入れました!

 

 

A 指揮が代わられて、

 発声やドイツ語の発音も含めて

 ちょっと声楽的な感じになって。

 合唱で発音のタイミングを

 合わせるのは難しいんですよ。

 それがちゃんと揃った状態で

 課題曲G2:Das edle Herz

 最初「Werim」の「W」

 聞こえてきたから。

 そこでもう「痺れた~!」って(笑) 

 

 

B そうそう、もう出だしから

 「ドイツ語!」って思ったから。

 そこで今年の都留文さんは、

 あ、違うな、また変わったっていう感じ。

 

 

 どういう風に変わったと?

 

 

B 声楽的なものを鮮明に出すような感じかな。

 以前はもっと子音を揃えにいってたっていうか。

 それも悪くなかったんだけど

 今回はちょっと声楽寄りに大胆に、

 だけどバラけることなく

 揃えてきたっていうのが

 本当に特筆に値すると思いましたね。

 

 

C 発音なら語尾の処理も……

 

 

A 良かったよね!

 ちゃんと練習している。

 あとは二重母音の発音!

 日本人は単なる「u」なら

 深く発声できても、

 「au」のように

 前に別の母音が付くと、

 日本語の浅い「う」

 なりがちな演奏が多いんだよね。

 都留文さんは

 ちゃんと深い「u」の二重母音の発音で

 スムーズに流れていたのも良かったね。

 

 

B 声楽家の方の中には

 合唱でドイツ語を歌ってるの聞いたら

 「ドイツ語に聞こえない」という

 意見もよく耳にするんだけど

 今日の都留文さんのドイツ語は

 そういう人たちも納得、

 合格点つけるぐらい良くできてたと思う!

 

 

 それにまず声が良かった!

 男声も最初からホールを

 バシッと深い声で豊かに鳴らしてくれて!

 あの第一声で

 「今日のコンクール上手く行くのでは?」

 

 

A あの瞬間

「佐賀文化会館、良いホールだな~」って。

「これは今日気持ちよく聞けるな!」

 始まりが都留文さんで良かった(笑)

 

 

B 占いみたいになってる(笑)

 男性11人でしたよね。

 女性が31人で、それでちゃんと

 4声がバランス良く聞こえるっていうのが

 とても計算されてるなと思いました。

 声の深さも揃っていた。

 

 

 音楽的にも難しく、テキストは

 苦しみや別れ、死の悲しみを、

 神の愛が慰めてくれるという内容。

 

 

A 超大学生級で、

 非常に【おとな】の表現でしたよね。

 

 

B 各声部のフレーズが交差するバランス、

 2曲目のホモフォニックの輝き……

 この作品を歌いこなしていた。

 

 

 いや、表現が深かったよね。

 悲しみだけじゃなく、

 生きるのに疲れた末の虚脱のような、

 そんな気怠さも出ていたと思った。

 朝一番なのに!

 

 

C 朝10時から人生を考えさせられて(笑)

 「全国大会すげー……」って思いましたよ。

 最初からトップレベルが来たという。

 

 

 音響効果としては他と比較して

 ある意味地味な作品だから

 審査員にどう評価されるかな……

 と思ったけど。

 

 

B ちゃんと評価されて嬉しい!

 

 

 レーガーが19歳のときの作品で。

 つまり作曲家と同じ年代が歌っている。

 だから若者らしい共感や

 心情の細やかさもよく表れていて。

 

 

B この人たちがこのまま歳を重ねたら

 どんだけ色っぽい演奏するんだろう?!

 

 

 あとね、中村先生も1997年生まれで

 一見、学生指揮者にも見える若さなんだけど。 

 指揮は端正で足は動かないのに、

 盛り上げる箇所で腕の動きが、

 こう、何かを解放するように

 ギューッ……ってね!

 

 

A 内なる熱を感じた?

 

 

 そうそう。

 定評のある清水先生の後を継ぐのは

 本当に大変だと思うんですけど、

 なんだかあそこで応援したくなってね。

 

 

A 若い指揮者と踏み出す新しい一歩、

 期待したいね!すごく良かった!

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

朝一番とは思えない発声の良さと統一感

いつまでも聞いていたくなる

 

都留文の荘厳で鮮やかなハーモニーが凄かった

 

朝イチであんな演奏ができるということに驚愕。

去年もdeep riverが好きすぎて音源買ったくらい好き!

 

トップバッターお疲れ様でした。

ノーブルな演奏。

ドイツ語、難しい曲をよく歌い切った…若い脳みそってすごいな…。

 

都留文すごい!

課題曲の染み渡る美しさ

自由曲のピアノと合唱のアンサンブル

夢中になりました

なんて耳の開いたハーモニーだろうか

 

 

 

続けて同票第3、出演順に

金沢大学合唱団

(混声48名)

 

C 私が今まで聞いたG3「秋の午後」と違ってて

すごくテンポを揺らして

初めて聞く感じがしてびっくりしました!

 

 

B 揺らしてたよね~!

 あとね、テノールがすごい元気だったな!

 

 

AC文 (笑)

 

 

C それ、私もメモしてます!

 

 

 いや、演奏に明るさと広がりを

 加えていたから自分は好印象(笑)

 

 

C メモに

 「テナー!テナー?テナー!!って(笑)

 新鮮だし、

 明るい声を出すっていう意味で

 意図的だったのかな?

 

 

 意図的なの、わかる気が(笑)

 自由曲2曲目の三善晃「風見鳥」

 エネルギー量がすごい!

 表現としては後半の弱音、

 虚しさを感じさせる箇所が素晴らしかった。

 

 

B 自分は金沢大に一票入れたんだけど。

 音楽的にも素晴らしかったし

 言葉のニュアンスも

 ちゃんと音に反映されて伝わってきました。

 あと、1曲目と同じ三善先生の

 『なみだ』・と!

 

 

AC文 あれは良かった!

 

 

C いろんな声・キャラクターで歌ってて。

 

 

B そうそう、歌い分けがね。

 自由曲になってから

 ぐっと前に出てきたっていう 。

 

 

A うん『なみだ』・と、は

 本当に自分たちの曲って感じでしたね。

 

 

 小学4年生の女の子の声、

 宗左近さん、三善先生の語り、

 それぞれの歌い分けがとても効果的だった。

 なかなかこの曲はコンクールで演奏されないよね。

 アカペラで始まって、

 ピアノが入ってくるまでめっちゃ長い時間が……。

 

 

B あそこで合唱の音が下がってたら

 それだけで減点だから

 かなり勇気いる選曲だと思うけど、

 ぴったりだった!

 

 

 武田雅代先生のピアノの入りも

 カッコよくてね!

 「いま何かが始まるぞ」

 そんな空気を一気につくってくれて。

 あれがやっぱりライブって感じでとても良かった。

 

 指揮の稲垣潤一先生

 他の女声合唱団でも三善作品を選んでるから

 惚れ込んでいるんだろうな~って。

 じゃなきゃ『なみだ』・と、なんて選ばないよ(笑)

 

 

B 先日、信長貴富先生の講習会を受けたときに、

 「楽譜に書いてあることそのまんまじゃなくて、

  そこからもっと想像を膨らませて歌ってみて」と。

 そのからくりみたいなことを

 信長先生がいろいろ説明していて。

 

 

 わかります。 

 福島県の合唱コンクール配信で

 相澤直人先生と福永一博先生が漫才みたいに講評して。

 「楽譜には最小限の情報しか書いてないんだから

 そのまま歌わず、楽譜から自由になって

 【自分たちの歌】にして欲しいんですよ」みたいな、ね。

 

B やっぱり歌うには、

 楽譜からもっといろいろ想像力を

 掻き立てないといけないんだな、ということを

 金沢大さんの演奏から改めて感じて。

 今日の金沢大さんの「なみだ・と」は

 まさにその 【自分たちの歌】だった!

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

課題曲の躍動感。自由曲の歌い分け巧み。

 

若々しい。自由曲への意欲がすごい。音色変えて歌うのは楽しそう。

福島大の三善晃とまた全然違って面白かった。

 

三善作品の流麗な音楽の流れにびっくり。

特に風見鳥は最初から最後まで揺らがない三善先生の音と世界の中に居ることができて幸せでした。。。

三善先生のことがみんな好きなのかな?と思わせる演奏

 

課題曲と自由曲の抑揚感が対なるメリハリでとても聴き応えあった

 

課題曲ですました顔のワルツを見せたかと思ったら、自由曲で別人になった

声音使い分けの達人の集まり?

表現力の鬼じゃん

 

 

(観客賞・大学ユース部門同票第3位の団体感想へ続きます)

 

全国大会あれこれ・下

 

【佐賀グルメ優勝!】

 

佐賀でも、ご当地の美味しいものを巡る旅は欠かせません。

鳥栖在住の知人に勧められた駅ホームでの「かしわうどん」。

そっけないうどんとツユへ、ほろほろに炊かれたかしわの甘さが加わると、うん、こりゃ妙味!

 

嬉野の温泉豆腐は、豆腐を温泉水で茹でることで豆腐が溶け出し…なるほど、妙味!(そればっか)

 

 

伊万里のソウルフードということで一度行ってみたかったのが「ドライブイン鳥(佐賀店)」

カウンターの左右に衝立がある、ぼっちにも優しい席。

新鮮な鳥肉をロースターで焼くことで生まれる香ばしさ。

「かしわめし」はやや物足りないと思ったら、特製タレにつけた鳥肉と合わせると一気に完成に至る。

ぬかりなく「鳥スープ」も味が深くてトドメを刺され。

これで1,200円は安いと思います。

予想以上に美味しく、元気をいただきました!

 

……で、最後に重大な事実に気づきました。

 

呼子のイカは不漁で食べられず、佐賀牛は予算の壁に阻まれて断念。

なのに「佐賀グルメ優勝!」ってドヤってた自分は、

《ほぼ予選だけで優勝宣言して帰ったやつ》

次回はちゃんと決勝戦に挑みます。

財布を強化してから。

 

 

 

【菅先生のご講評】

 

一日目に審査員のおひとり、菅英三子先生によるご講評がありました。

 

「ふたつ、お話しさせてください。

 まずひとつ目は、作曲者が生み出されたそれぞれの音です。

 メロディーやハーモニー、リズムが何を表そうとしているか、どこを表現者に委ねているかにじっくり取り組んでいただきたいと思います。

 詩がある場合には、詩人の言葉も大切です。

 言葉では無い音、母音やハミングなどが使われていることもありますが、それぞれのフレーズが演奏者に何を求め、曲が望む世界が何かを、みなさんの感性で掴んでいただきたいと思います。

 

 それと共に、語感も大事にしてください。

 日本語の曲は自然に日本語として、ドイツ語はドイツ語として、ラテン語はラテン語として、それぞれの言葉が最も適した表現を求めています。

 感性を磨き、言葉の表現にも向き合っていただけたらと思います。

 

 二つ目は、たくさん難しいことを練習して曲の世界を広げた後に、ぜひ基本に立ち戻っていただきたいということです。

 最も美しい和音やハーモニー、望ましいリズム、言葉の表現や呼吸を整え、声を支えるなど、一度基本に立ち戻り、曲が望む世界を作ることができるようにしてください。

 そこから再び世界を広げていくと、さらに豊かな表現が生まれます。

 

 私たちの積み重ねは毎日同じことのようでありながら、螺旋階段のように出来ることが少しずつ上へ積み重なっていきます。

 仲間と呼吸と心を合わせながら基本を積むことで、たくさんの世界を作ることができます。

 音楽は喜びであり、慰めであり、明日へ向かう希望になる力を持っています。

 今日聴かせてくださったみなさんの音楽は、まさにその力を存分に発揮してくださっています。

 この素晴らしい一日が、明日へ向かうみなさんの音楽を生み出す力になりますように、心から願っています。」

 

 

言葉ではない母音やハミングには、どういう曲想をつければいいのか。

このテーマは、過去の課題曲でも「導入がヴォカリーズだと表現が薄くなりやすい」と指摘されたことがあり、ずっと心に残っていました。

以前、「無伴奏作品の音取りは、【その曲に前奏があるつもりで鳴らせ】」という言葉を目にしたことがあります。

菅先生の講評を聞きながら、その言葉とつながる感覚を改めて感じました。

詩や言葉がなくても、フレーズごとに曲が求めている世界を考えることは、多くの合唱団が向き合っていることだと思います。

 

そして、「螺旋階段のように積み重なっていく」という話も心に残りました。

何度練習しても進んでいないように思え、落ち込んでしまうこともありますが、実はゆっくりと上へ登っている途中なのかもしれない。

基本に立ち戻るのは後退ではなく、積み重ねを確かにしていくための過程なのだという言葉に、とても励まされました。

 

 

 

 

【プラカード廃止?!】

写真の下、大きなディスプレイに「閉会式」と表示されているの、見えますよね?

そう、今大会ではプラカードが廃止され、団体名をディスプレイ表示される方式になったんです!

 

プラカードを掲げて、先導する係の方がいなくなったことで、やや進行が遅くなったり、退場のタイミングに戸惑う団体があったような気もしましたが……。

ただその一方で、あの大きなプラカードは団体ごとに返却されても、持ち運びや収納に困ったという声も以前から聞いていました。

 

プラカード廃止は今大会だけなのでしょうか、それとも……?

 

 

【全日本とにかく偉いで賞】

 

1日目にあれだけの熱演をして、2日目は早朝からスタッフとして働くソレイユさん。

……偉い。とにかく偉すぎる。

文部科学大臣奨励賞はもう受賞済みなので、ここはもう

「全日本とにかく偉いで賞」しかないのでは?

 

佐賀県合唱連盟のみなさま、ありがとうございました。

こうして裏方として支えてくださっている方々のおかげで、大会が成り立っていることを忘れてはいけませんね。

 

2日目が終わって帰る際、運営の方に「ありがとうございました」と頭を下げたら

「これどうぞ~」と、のど飴をいただきました。

たくさんの人の支えの上で舞台も客席も成立しているんだなあ、と喉の奥が少し熱くなりました。

 

 

 

【来年の全国大会は……】

 

閉会式では、恒例の次期開催地発表。

来年2026年の全国大会の舞台は、北海道・札幌です!

 

発表と共に登場した、来年への期待を高めるウェルカムキャラクターは、可愛らしい雪だるま……なのですが。

そのキャラクターに道民や元道民からは「……誰?」「こんな雪だるま知らない(笑)」とツッコミが続出する事態に!

 

いや、北海道のゆるキャラとして自分も連想するのがonちゃんやミクダヨーなので、使い難いのもわかりますが……。

2026年11月28日・29日。

雪や熊などで心配な我が故郷でありますが、次は札幌で一体どんな「あれこれ」が生まれるのか、今から楽しみでなりません。

 

佐賀県合唱連盟のみなさま、素晴らしい大会運営、本当にありがとうございました!

そして来年、北海道でお会いしましょう!

 

(「全国大会あれこれ」おわり)