観客賞座談会・大学ユースの部 その2

佐賀熱気球世界選手権

 

前回は観客賞・大学ユース部門第5位の都留文科大学合唱団さん、同票第3位の金沢大学合唱団さんの感想を掲載しました。

 

同票第3、2団体目は

関西学院グリークラブ

(男声34名)

 

A 課題曲M3「彼岸花」

 明るい感じでしたね。

 

 

B 言葉が聞き取りやすく、

 全体的にすっきりしてました。

 

 

C いわゆるグリー調じゃない感じ?

 

 

B グリー調彼岸花は他のところかな(笑)

 自由曲のシェーファー「Magic Songs」

 グリー調だった気がする。

 

 

C いろんな表現で

 「面白い曲だな~!」って。

 

 

 関学グリーの歴史で

 何回も演奏しているんだよね。

 だから定番曲の説得力もあった。

 話が少し広がるけど、

 マリー・シェーファーは

 30年くらい前に流行った作曲家で。

 

 

B そうそう、

 三重のうたおにさんって団体が

 「Magic Songs」を演奏して、

 そこから流行り始めた。

 うたおにさんはシェーファーに

 「17の俳句」って曲も委嘱してたね。

 

 

 憶えてます!

 あの作品もサウンドスケープとして

 夏の1日の移り変わりを表現していて

 面白い曲でしたね。

 

 

A 「Magic Songs」、

 私は初めて聞いたんで衝撃を受けました。

 

 

C 私も初めて!

 ぜんぶで6曲演奏したけど

 切れ目がないじゃないですか?

 

 

 曲名がわからなかった?

 

 

C でも

 「これ絶対ホタルだ!」

 「これ絶対クマだ!」

 曲調と雰囲気で変わったのがわかって。

 

 

A 私も!

 「石だ!!」って。

 ……これ予想違ってたら

 私の想像力最低じゃない?

 

 

BC文(笑)

 

 

A 最後これはやっぱ「魔法」だよな ……?

 と思ったところで終わって良かった。

 

 

 最後が

 「魔法を起こす歌」だから合ってた(笑)

 まぁ、曲間で休みを入れると興醒めだから

 ああいうアタッカで繋ぐ演奏が

 魔法・呪術の効果を上げていたよね。

 

 

B やっぱり効果音、動物の鳴き声など

 ちょっと変わった音が

 凄くクオリティ高かったと思うんですよ。

 まったく照れも無く、

 スタンダードな合唱とシームレスに

 めちゃくちゃ誇りを持って

 「どうだっ!」と言わんばかりにやってくれた。

 

 

C 「攻撃力たけーっ!」て感じ。

 これ楽譜を見たら

 解読不能みたいなとこが

 いっぱいあるんだろうな。

 

 

 図形楽譜みたいな部分もあるかな?

 けっこうシンプルだけどね。

 

 

B 知り合いに

 「あの曲って何語なの? 」って聞かれて。

 「シェーファーが自分で勝手に作った言葉」

 という話はしたけど。

 

 

 ある意味、

 単純なことをやってるんだけど

 それを支える発声が優れてるからこそ

 説得力があったんじゃないかな。

 あれがヘナヘナの声だったら

 魔法がかからないんじゃないの(笑)

 

 

B そうだね、声がないと成り立たない。

 現代音楽などは

 あまり発声ができてない団体が演奏すると

 作品がダメなのか?

 発声がダメなのか?

 どっちが悪いの?!みたいに思うときが 。

 

 

A その点、関学さんは

 良い発声で演奏してくれたから

 とても説得力が生まれた!

 

 

 新潟大さんのニールセンもそうだけど、

 30年くらい前に流行った曲は、

 もうみんな忘れちゃってるから、

 新鮮に聞こえるよね。

 

 

A そういう忘れかけた曲を

 今やるのもいいかもしれない。

 流行は繰り返しますしね。

 

 

B 課題曲と自由曲とのギャップ。

 刺激的な選曲と演奏で印象的でした。

 これを機会に

 「Magic Songs」混声版も

 歌われるようになるかも?

 

 

 さっき言った「17の俳句」とかもね。

 昔の曲を掘り起こし、見事な演奏で

 「あ、これ今でも全然アリじゃん」

 と思わせたのは凄いよね。

 

 

A そう、

 関学さんみたいな団体が増えたら

 合唱団の選曲の幅ももっと広がりそう。

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

素晴らしい表現力。

深く明るく芯のある発声。

もう一度聴きたい。

 

シェーファーのMagic Songsをこれだけの精度と熱量で聴けただけで大満足。

「彼岸花」の音楽創りも一番好み。

 

彼岸花の切れが良く、速いテンポでも音程が崩れず、素晴らしい。

Magic Songsはキレ抜群。ユニゾンも決まっている。

 

課題曲の颯爽とした曲作りと自由曲の表現の幅の広さがただただ凄かった

 

やっばぁ………

ものすごく難しいことを難しくなさそうに演奏効果抜群で繰り出してるのどういうこと?

めっちゃ好き………

 

これぞ!っていう男声合唱。いい響き!課題曲も合ってた。

 

舞台が壊れるかと思った

 

課題曲いいなぁ、軽やかだけど隅々まで行き渡ってる感じがする…!

そして事前に唯一楽譜を確認したMagic Songs。訳わかんねぇなと思ってたけどすごい、これはすごい。ビリビリきた、うわー、生で味わいたかったわぁ…!

 

ハーモニーや強弱、ポルタメントまで全部完璧にシンクロしてて、34人でこんなホールのすみまでわーっと満たす音圧が出せるなんて…これだけでも表現しきれないくらい、とにかく凄すぎる…

マジ音楽の魔法にかけられた…

自由曲がとにかくもう揃いすぎていて怖かったです。

男声合唱、伝統の力をこれでもかと見せつけられた気分になりました👏素晴らしかった・・・!

 

 

 

続いて、2位!

Ensemble SAKAE

(混声48名)

 

A SAKAEさん、声が良かったですね。

 

 

B 支える男声が

 もうずっと鳴ってるというか。

 

 

C 「ずっとハモって!ずっと良い声!」

 みたいな感じでした。

 

 

A 課題曲G4「不思議」、

 最後のソプラノの「たまらない

 「めっちゃ好き」ってメモしてる(笑)

 リタルダントが掛かって、

 そこが情感たっぷりになって。

 

 

 ああ、それがやっぱり

 「たまらな」かったと(笑)

 

 

A 「たまらないがたまらない」(笑)

 

 

B 相澤先生が支部大会講評で、

 こういう愛唱曲みたいな曲を

 テンポを揺らして演奏するのは

 いかがなものか?

 そんな提言をされた年があったね。

 今回はそういうふうに、

 あんまり揺らしている団体が

 「不思議」に関してはなかった。

 

 

 「草原の別れ」の年ですね。

 

B SAKAEさんの場合は、

 テンポを落として重厚な、

 分厚い4声の響きに

 めちゃくちゃ焦点を当てた

 演奏だったかな、という。

 

 ここまで壮大に作って

 いいのだろうか?

 そんな疑問はあったけど……

 

 

 いいじゃないですか!

 SAKAEさんなりの

 宇宙創成の「不思議」ですよ!

 

 

B そうかぁ……(笑)

 壮大さは次の自由曲が

 合っていたね。

 

 

 アメリカの作曲家Jacob Narverud

 委嘱曲 「Ascendo(飛翔)」。

 SAKAEさんにピッタリの作品。

 

 

A 出だしのインパクトが強くて!

 

 

C 声が凄すぎて、

 最後の手拍子でリズムを刻むところが、

 消えてるなこれって。

 

 

 声が手拍子をかき消した?!

 

 

C そう(笑)

 手拍子が自分たちの声に埋もれてた!

 

 

B 単純っちゃ単純な曲なんだけど、

 やっぱり声がいいし、

 バシッと決めてるから。

 参りましたって感じですね。

 

 

A うん、途中で広がり

 パートも混じって前に出る

 ステージングも含めて、

 舞台として作り上げた感があります。

 オスティナートもあそこまで揃え、

 高めてたら演奏効果バツグンですよね!

 

 

B この曲って出版されてるのかな?

 

 

 どうなんでしょうね?

出版されているそうです↓

 やってみたくなった?(笑)

 

 

B 流行りそうな曲だしね(笑)

 SAKAEさんの演奏自体が

 魅力の伝わる演奏だった。

 

 

A 今回はホールが響くから、

 やっぱりサウンドや

 ハーモニーの精度が高い団体が

 ぐっと評価された印象がありましたね。

 

 

 自分たちの持ち味を活かした選曲と演奏で

 金賞第2位!良いと思います!

 

 

C とにかく

 「手拍子が消えてしまう合唱」には

 ビックリしました・・・(笑)

 

 

【メール、Xの感想です】

※感想をお寄せいただいたみなさま、

引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

個人的にここがダントツに思いました。

 

歌い手の溢れんばかりの歌心が素敵だった

 

ここも関東大会からパワーアップしてるなぁ。そしてやっぱりソロ上手い。

以前より曲の構成がクリアになってる感じがした。

各パートの音色がまとまってるからかな。

フォーメーション移動すげぇー。なんで足音しないんだろ…笑

 

「不思議」は発語すばらしい。流れも良く、発声も好み。

自由曲はバスのソロ◎。

音圧十分。フレージングも◎。息のスピード◎。

音楽が豊か。押し付け感なし。弱音でも響きが落ちない。素晴らしい。

 

第一声から大好きだと思った

明瞭な発音、魂が入った声、心地よいハーモニー、全てが最高

 

発声や表現の方向性がピタリと合ってる。

自由曲の歌い込み、安定感。

 

ブリリアントな声と絶妙な歌い方で、作家の心が伝わる課題曲。

風景が見える、広がりのある自由曲。

鳴り物とラストの配列は豊春中の再来。拍手!

 

第一声からファンになりました。

言葉を大切に歌っている姿勢、そして魂から発せられたような歌声、最高です。

 

 

(観客賞・大学ユース部門、第1位の感想に続きます)