第4位 上原善広「日本の路地を旅する」
- 作者: 上原善広
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/12/15
- メディア: 単行本
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路地とは被差別部落のこと。
大阪の路地出身の著者が日本に点在する路地の今を記す
大宅賞受賞のノンフィクション。
これは素晴らしかった。
現在の路地の大半は新しい住宅街が出来て、
新しい住人は部落があった事も知らない場合が多い。
しかし、古くからの住人に話を聞くと
未だに歴然とした差別が残っている。
「この現代に被差別部落があるかといわれれば、
もうないといえるだろう。
それは土地ではなく、人の心の中に生きているからだ。
しかし一旦、事件など非日常的なことが起こると、
途端に被差別部落は復活する。
被差別部落というものは、
人々の心の中にくすぶっている爆弾のようなものだ」
本文205pより
強姦殺人の犯人が路地出身の荒れた家で育ったために
「このひどい環境では、路地出身がどうとかは関係無いのではないか」
そう最初は思う著者。
「…しかし、本当にそうだろうか?」と思い直す著者。
この逡巡は路地出身の著者だからこそ書けるもの。
犯罪を犯し、出所して八重山の島へ移住した
実の兄との再会が描かれる終章は心へ特に大きなものを残した。
差別された側の心の裡は、
差別されたものだけにしか理解できないのではないか。
第3位 井野朋也「新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?」
新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)
- 作者: 井野朋也(ベルク店長)
- 出版社/メーカー: ブルース・インターアクションズ
- 発売日: 2008/07/04
- メディア: 単行本
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東京へ行った際の「ベルク」レポートと
この本のもう少し詳しい私の感想はコチラ。
http://d.hatena.ne.jp/bungo618/20100620/1277011118
最近TBSでベルクに関するテレビ番組があったそうで、
「新宿 ベルク」で検索すると比較的上位にある
このブログもアクセス数が上がりました。
…でも、その番組私は観れてないんだよ!
人の生き方、哲学というものはこうも店に現れるのか、と
感心する本でもありました。
それにしてもベルクへ無理やり立ち退きを迫るオーナーのルミネは
ホラーの趣きさえあります。
「ルミネ迷言集 それがルミネです」
http://norakaba.exblog.jp/15716752/
「私は人間でいたい」 ・・・えええー。
3月の東京行きはまずベルクに行きます!
それまで去年刊行されたベルク本第2弾
「食の職」を読み込んでおこう。
食の職 小さなお店ベルクの発想 (P‐Vine BOOKs)
- 作者: 迫川尚子
- 出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク
- 発売日: 2010/08/02
- メディア: 単行本
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第2位 国分拓「ヤノマミ」
- 作者: 国分拓
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/03/20
- メディア: 単行本
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アマゾン奥地でほとんど現代文明と接触せずに
狩猟採集生活、共同生活で生きていく
「ヤノマミ」族と150日間生活したルポ。
これは凄すぎる本。
読む人の生き方を変えてしまうかもしれない。
もう少し詳しい私の感想はコチラ。
http://d.hatena.ne.jp/bungo618/20100820
DVDも出ているんですけどまだ観ていないんですよねえ。
本だけでこれほどヤノマミの世界に引っ張られるのに
実際の映像まで見ちゃったら、と考えて
なんだかふんぎりがつかなくて。
(つづきます)