観客賞座談会:大学ユースの部 その2

 

 

 

 

観客賞座談会、今回は第3位の団体から。

 

 



「早く北大を話したい!」


はいはい(笑)、では第3位の


北海道大学合唱団(男声・43名)


課題曲(M4:北川昇作曲「またある夜に」)良かったねー!



一同、強く同意。

ハマり過ぎ! 絶品! 震えた!

…と賞賛の言葉が続きます(笑)。




作曲家の北川昇先生も大絶賛だったからね。



そうそう、北大の写真撮影が終わるのを待って
指揮者の尾崎あかり先生へ挨拶に行かれたぐらい!

 

 

北川昇先生、ツイッターでも賞賛されてました!

 



演奏も良かったけど
曲も良い曲だなーって。
北大のデリケートな声と表現があの曲に合っていたね。



モンゴルの草原みたいに・・・。



一同「?」



いや、声の息の流れが多めの印象で
それがモンゴルの草原を連想させたんですよ。
少しかすれたような声が通り抜ける風を思わせて
奥行きと広がりがあり、ロマンティックでした。



そうだね、男声特有の哀感というか
どこか寂しさを伴った声。



北大はトップテナーにスターというか
大砲みたいな存在がいないんですよ。
むしろ、内声、ベース系に上手い人が多い。




学生だったら実力ある一人が頑張って
周りがそれに合わせるっていうのがありがちだけど
北大はそうじゃない。



ああ、「みんなでしっかり歌っている感じ」があったね。



この課題曲の模範演奏と言っても過言じゃない!



自由曲と遜色ない、
課題曲を「自分たちのもの」にしていましたね。







その自由曲、
大島ミチル作曲「御誦(おらしょ)」より
「アヴェ・マリア」「蓑踊(みのよう)」



久しぶりにこの曲を聴いた!



うん、こっちの「おらしょ」はなかなか珍しいね。



しかも自由曲に終曲の「御誦」じゃなく
この組み合わせはなかなか珍しい。



「アヴェ・マリア」のピアノのアルペジオが…。



あれね! チェンバロみたいな音!
あれはどうやって出していたのかな?



見ていたら、ピアノの弦になにか置いて
アルペジオを鳴らした後、
立ち上がってその「なにか」を取ったのでは…と。



よく見てるな~(笑)。



表情をもっと付けようと思えば
付けられる曲だと思うんだけど
そこを抑えてシンプルに歌っていたのが
作品の深い魅力が出て成功していた気がします。



声も自由曲で変えていたよね。
そういや長内勲先生が指揮者の時と
トーンが変わったなあ、と。
以前は東欧の合唱曲が合うような力強い声だったけど。



今いるメンバーは全員、
尾崎先生が1年生から見てきたメンバーですからね。
これまでの指導が花開いたんじゃないかな。



基本が明るく素直な感じの声で。



うん、素朴だけど芯がある。好き!



尾崎先生だけど、
まさに「麗人」という印象で
男性と女性のイイとこどり、みたいな。
指揮も端正で無駄がなかったね。



子供を産んでも全く体形が変わらない・・・。
同じ女性として凄いと思う!



一同(笑)。



あ。あと正指揮者が昼間から脱いでました!



なにやってんだ正指揮者(笑)。



長崎は北海道より暖かいから脱ぎたくなったのかな?



ううん、北海道支部大会の帰りも脱いでたよ!



こんなに良い演奏をしたのに
シメが正指揮者の脱衣の話って(笑)。



・・・聴いていて幸せでした(笑)。



《文吾の感想》

課題曲は本当に素晴らしかったですね。
まず声に男声特有の哀感と魅力があり
フレーズの終わり、音の隅々にまで
非常にデリケートに
気を遣っているのがわかる演奏でした。
「模範演奏」という声がありましたが
高校の部でこれほどの演奏は想像し難いので
まさに今大会のベストM4と言えるでしょう。
ああ、もう一回聴きたい。CD買おうかな!

自由曲は最近では珍しい選曲。
さらにこの組み合わせも珍しい。
しかし課題曲と発声も変えて、
2曲それぞれを実に彫り深く演奏していました。
「蓑踊」は何も知らずに聴けば
コミカルな曲に聞こえてしまいそうな曲ですが
蓑に火を付け暴れる姿を踊りに見立てた拷問の歌。
最後のピアノの残響が、
拷問の末の死のように感じ取れるほど、
音楽の設計、表現も大変良かったです。
こんなに深い曲だったんだなあ、と思わせるほどでした。


メール投票では

期待以上の演奏でした。
声の響きもよく、音楽のキレも抜群でした。


ツイッターでは

課題曲も自由曲も本当に見事な演奏。
また楽しみな男声団体が一つ増えました。
大学男声合唱の新たな星として、今後も期待してます。


…などという感想がありましたよ。
北大合唱団、私も今後に期待しています!






 

 

 



続いて第2位の


都留文科大学合唱団(混声・56名)



男声! よく頑張った! 男声に拍手!!



一同(笑)。
(都留文は女声40名に対し男声16名という比率!)



その男声が上手に溶け込んでいましたね。



課題曲G2が鳴った瞬間
「お! ヨーロッパの音がする!!」



さすが清水雅彦先生の力!



所作の美しさというか、インテリジェンスもあり、
優美な社交ダンスを見ているような・・・。



うんうん、流麗な感じね。
計算され、本当に洗練された演奏。
テンポを揺らしても隙がなかった。



『隙の無い音楽』、まさにそうですね!



ぶっちゃけ一般の混声部門に移った方が
良いんじゃないか(笑)。



衣装もそんな感じだしね(笑)。






自由曲:バーバー「Agnus Dei」


最初の第一声に「…お!」
背筋がゾクッと!



いやあ、よく歌ったね~。



ほんっとに! がんばったね!



(一般の合唱団ゆうか、Gaia Philharmonic Choirの
 過去の名演の話になり、
 聴く前にハードルが上がっていたという話が出て…)



でもね! 



そう!



学生があそこまでできれば十分でしょう!



あれだけ若い人たちが
あそこまで表現できる・・・凄いことですよ。



一同、同意。



もちろん過去の一般合唱団の名演からすると
発声面など少し足りない部分はあったけど、
でも、彼ら彼女らの「等身大の演奏」に感じたな。
今の彼ら彼女らしか出せない、価値ある音楽。



本当にあの人数比で男声はよく頑張っていたな…。
技術的にかなり高かった。



男声は少し泣き節が入っていたけど、
でも崩れずに要所要所の和音がピタッ!と。



うん、ここは溜めてね、という部分も丁寧で!



そういう細かい部分の練習を
凄くしているのかな、と感じましたね。



女声が男声をちゃんと聴いていたのが賢いし、
理性を保っているのが良かった。



そういうのを見極められる清水先生。
指示も的確だったと思います。
あの長い曲を見事にメリハリ付けて感動させてしまう!



「しつけ」が行き届いてた!



…「しつけ」ってアンタ・・・という空気が漂う。
(はい、例のグラマラス発言の男です…)



い、いや、しつけって大事じゃないですか!
しつけが行き届いてないと
ソプラノが吠える!
アルトがダダ下がる!
テナーは叫ぶ!
ベースは…



(言葉にかぶせるように)
指揮者と歌い手の信頼関係が絶妙ってことですね!



お~!と一同感嘆の声(笑)。



ほら! 言葉を変えるだけで印象が全く違うだろう!
なんだ「しつけ」って?!



だから~、僕が何か言ったら
その意味をくみ取ってフォローして下さいよ!



甘えんな!(笑)





最後に某大学合唱団の学生指揮者さんが

「都留文さんの演奏が終わった後、
 同じ大学合唱団として
 メッチャ悔しい思いになりました…」

との発言に「がんばれ!」と励ます声がいくつもありました。



《文吾の感想》

課題曲はソプラノの美しさ、
決めの表現とハーモニーが優れていて、
音楽の広がりも感じさせる演奏。

自由曲のバーバーは発言にもあったように
男声の泣き節はあったにせよ崩れず、
要所の和音が驚くほど決まっていました。
クライマックスのフォルテッシモは
ことさら前に出ないもので、
その響きの美しさに聴き惚れ。

都留文の団員みなさんが
深く共感しているのが伝わってきたし、
この曲の演奏を通した祈りが
聴く自分の奥へ染み込むようでした。
今の都留文の団員さんにしかできない
価値ある音楽だったと思います。


そして16名の男声は本当にがんばっていましたね。
聴くところによるとそのうち9名が1年生だとか!
昨年の都留文の男声は14名だったはず。
9名の1年生のみなさん、
どうか辞めずに長く続けて下さい!!




投票用紙では


「ステージコートかわいい」


…って(笑)。



メール投票では


期待以上でした。
アニュスデイ、感動で震えました。


などという感想がありましたよ。






(第1位の感想に続きます)

 

(前回)観客賞座談会:大学ユースの部 その1 - 原動機 -文吾のホワイトボード