ハーモニー冬号に心臓が止まる

 

遅ればせながらハーモニー冬号を読みました

 

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いつもなら全国大会の審査員座談会があるんですが、残念ながら今回はなし。

しかし他にもなかなか読み応えのある記事が。

 

まず人気番組「プレバト!!」のプロデューサーである上野大介氏へのインタビュー。

上野氏は春日丘高校合唱部、同志社グリークラブで学生指揮者を務められたガチの合唱人。

「情熱大陸」など人気番組の裏側や、コロナ禍でのテレビ番組、合唱、音楽の今後など興味深い記事でした。

実は私、「プレバト!!」まだ見たことが無くって。

短歌バトルなど凄く面白そうなので来週時間があったら見てみよう。

 

 

ふたつめは作曲家:上田真樹先生を囲む座談会。

 

 

毎回作品の完成が遅れに遅れるので、他出席者全員に責められ、涙目になる上田先生(かわいい

東京混声合唱団の委嘱作品である「夢の意味」はエポックメイキングな作品だったという山田和樹氏の発言。

「現代曲というものに、歌うことで感動するという原点を突きつけたわけ。ひねくれた人は、東混には感動よりも斬新さを求めるかも知れない。だけど、音楽っていうのは現代音楽だろうが何だろうが、人と人との心が触れ合い、通い合い、ぶつかり合い、震えることですから。これは全然違う震えがあった金字塔的作品ですね。」

 

上田先生の作品って、優しく、耳に心地良く、ともすれば自分はイージーリスニング的に聴いてしまうんだけど、今後はもっと真正面から向き合わねばな、と思わせる記事でした。

そう言えば5年前の中国大会で松江市民合唱団さんによる上田先生の「鎮魂の賦」を聴いて涙したことがありました。

 

芸大時代の先生であり、上田先生との共作者でもある林望先生の「歌と詩」へのお考えも大変刺激に。

 

 

 

そして楽しみにしていた

 

「全日本合唱コンクール、そこから得たもの、そこに求めるもの」

 

 

司会役の清水敬一先生の「考えられる最高のメンバーにお集まりいただくことがかない」という言葉のまま雨森文也先生、栗山文昭先生、藤井宏樹先生、松村努先生という豪華参加者!

「迷うから出る、迷うからやめる」「コンクールは勉強の場」「コンクールはぶら下げたニンジン」などなど。

コンクールを止めた理由、続ける理由が、それぞれの音楽観に密接に関わっていて、コンクールアンチの方にも読んでいただきたい、実に示唆に富む座談会でした。

(個人的にはコンクールは「卒業」ではなく、「引退」と記してほしい……。だって「卒業」なら、続けている人のほとんどが「留年中」みたいじゃん!)

 

コンクールの舞台はせいぜい10分程度ですが、その凝縮された10分に演奏者のみならず、聴いた人もどれだけ人生を変えたことか・・・。

 

2017年の記念大会で藤井先生が指揮された「樹の会」による過去の課題曲演奏が大変素晴らしかったと雨森先生。

(私も当時、その演奏の素晴らしさを記していました)

今後の提言として、雨森先生が仰るように全国大会、審査発表の前に栗山先生、藤井先生が指揮される演奏が実現したらとても有意義なことだと思います。

他にも、全国大会出場者全員が「生きる」を練習してきて、審査発表前までの30分間で栗山先生にレッスンをしてもらうというのも大変良いアイディアかと。

 

「史上かつてない2次会」にも触れられて「ぼくが合唱に関わるようになった40年前には考えられないくらい、自由にいろんな人たちどうしで交流して話をしている」と清水先生。

もちろんコンクール自体の意味、賞を与えることでの格付けや技術向上などは今後も討議されなければいけないのでしょうが、それ以外の、付随するもの。

すなわちコンクール外の優れた演奏や音楽を知る場としての意味や、合唱人どうしの交流を盛んにするという付加価値を高めて欲しいですよね。

 

それにしても今回の座談会、プロフェッショナルの手によるものへ大変不遜なんですが、読みやすく、構成が良いなぁ、と。

特に司会役の清水先生の一言で、話の流れを決めるのが鮮やか、上手いなあ・・・と読み進めていたら

 

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突然自分の名前が出て、心臓が止まるかと!

 

 

・・・え~、ハーモニーを読まれてこのブログへ来られた方もいらっしゃると思うので、合唱団まいさん観客賞第1位の座談会を載せておきましょう。

 

 

おまけに一昨年の京都大会で観客大賞(すべての部門でもっとも良かった演奏に与えられる賞)の合唱団お江戸コラリアーずさんの座談会も!

 

 

記事中の主催者側が観客賞を実施、というのは長崎で全国大会の時、伊藤理事長とお話ししたことがあったんですが、実現せず。

そのときは投票条件である「各部門全団体を聴くのを取りやめる」……みたいなことを話しましたけどね。

今後どうなるのかな~。

主催者側に協力していただけるんだったら、集計や座談会の会場に頭を悩ませなくてもすむようになるのかな~(苦笑)。