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「コンクール出場団体あれやこれや:出張版2014」(その15)

 

 

 

 

 

<観客賞のお知らせ>


行うのは「室内合唱の部」「混声合唱の部」の2部門。

参加資格:「室内合唱の部」と「混声合唱の部」、
     それぞれ全団体を聴いていること。

投票方法は

1)投票用紙
2)ツイッターによる投票
3)メールによる投票 …の3方法。

詳しくは↓のリンクからお願いします。


http://bungo618.hatenablog.com/entry/2014/11/17/224347

多くの方の投票をお待ちしてます!!






さて、20分の休憩後
最後のグループの始まりです。
ノースさんと同じ激戦区中部からの団体です。

 

 

 










12.愛知県・中部支部代表

岡崎混声合唱団
(79名・2年ぶりの出場・第57回大会以来10回目の出場
「岡崎高校コーラス部OB合唱団」も含めると 第49回大会以来12回目の出場)




一昨年の富山での信長先生「廃墟から」も
良かったですよね。
あとやっぱり2006年熊本大会、
文部科学大臣賞の
ウィテカー「Cloudburst」が…


ぜん&山本 (声を揃えて)あれは良かった!!


(笑)。


ぜん びっくりしたよね。
   ハンドチャイムで鳥肌立った。
   「キタキタキターッ!!」って(笑)。


山本 「Cloudburst」も良かったけど、
   2005年新潟大会の
   同じウィテカー
   「Leonard Dreams of His Flying Machine」
   (レオナルドは空飛ぶマシーンを夢見る)が
   もの凄く衝撃的だった。
   その時に「もう、かなわない!」と思ったもん。

   あの曲の前半は現代的なクラスターと
   古典的な部分があるんだけど。
   その古典的な部分の「ドミソ~♪」で
   「うわーッ!」と。
   いくらMODOKIが100倍音を出しても
   こんなドミソの音は絶対鳴らん、と。


ぜん うん、あのレオナルドは血沸き肉躍ったね!



岡崎混声合唱団さんの演奏曲は
課題曲はG4 鐘(「青い小径」から)
(竹久夢二 詩/森田花央里 曲)
自由曲はAgnus Dei (Krzysztof Penderecki)



岡崎混声合唱団団員さんから選曲の理由をお聞きしました。


 

課題曲(G4「鐘」)
日本語の曲にしたかったということと
G3「夜もすがら」は以前に歌ったことがあったことに加え
昨年は定期演奏会で千原先生の曲に取り組んだので
新しい曲に挑戦したかったということが理由です。
詩に込められた切ない思いを表現したいと思っています。



自由曲「Agnus Dei」
選曲にあたっては、
今までコンクールで演奏したことのない曲に
したかったというのが一点です。
その中で、生きるということ、
命ということについて
表現できる曲だったというのが理由です。

ペンデレツキは過去に
「Veni Creator」をコンクールの自由曲としたことがありますが
ポーランド出身のペンデレツキのこれらの曲には
ナチスによる侵攻・虐殺や共産党支配により
抑圧された人々に対する
追悼、嘆き、祈りの気持ちが込められていると考え、
演奏してきました。
過去には戦争、昨今では東日本大震災をはじめとする
災害で突然失われた多くの命に
鎮魂歌として祈りを捧げる気持ちで歌っています。

 

 

団員さんが語られたように抑圧された、
または負の歴史に巻き込まれた人々への鎮魂歌。
この全国大会でも多くの団体が演奏されていますが
(昨年は淀川混声合唱団さんと
 新日鐵住金混声合唱団さんが演奏)
それだけ人の心へ訴えかける力がある曲です。

一昨年は委嘱作品である
「廃墟から」を演奏された岡崎混声さん。
こちらも鎮魂歌として非常に強い説得力で
私たちに訴えかけてくれました。

今回のペンデレツキ「Agnus Dei」にも
演奏に宿る力と祈りを期待してしまいます。



この全国大会に対する意気込みは、という問いには


 

昨年は残念ながら
全国大会に出場することが出来なかったため、
今年こそはと思い練習に励んできました。
中部大会では団員の気持ちを一つに演奏し、
全国大会に出場出来ることとなり素直に嬉しく思っています。
全国の皆さんに、
曲に込められた思いが伝わるような演奏が出来るよう

精進して臨みます。
また、出場団体の皆さんの
素晴らしい演奏が聴けるのも楽しみにしています。

 

 

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今年3月の第35回定期演奏会の写真とのこと。



団員さん、ありがとうございました!
中部支部には実力ある混声合唱団がいくつもあり
全国へ出場すれば高い確率で金賞を受賞されます。
そんな中、2年ぶりの全国大会は喜びもひとしおでしょう。

2012年には金賞3位。
当ブログの観客賞でも2位を受賞の岡崎混声さん。
「表現の知的さと説得力、精密さ」などが
高い評価を受けていました。

今年は混声合唱部門で最大の79人。
本来はオーケストラと共演するこのレクイエムの中の1曲。
最大人数ですが数に決して頼らないであろう、
一人一人の力強い声で渾身の鎮魂歌を聴かせて欲しいと思います!




 

 

 

 

 

 

 

 




次は高松から近い岡山県からの、若い方が多い出場団体です。















13.岡山県・中国支部代表

合唱団こぶ
(40名・6年連続出場・第62回大会以来6回目の出場)




山本 上手いよ! 基礎能力が高いよね!


ぜん 若い音もあるけど
   しっかり練習している印象だね。


山本 女声がやっぱりいいですよ。


ぜん そうだね!


男声だって良いですよ~。


山本 うん、良い音が常に出ている印象。
   言ってみればMODOKIより上手いですよ。


昨年の観客賞でも山本さんは
こぶさんへ投票してましたよね。


山本 そう、美しいものが聴けた感じがする。
   若い団員さんが多いから
   毎年進歩が著しいよね。




こぶという団名は
指揮者:大山敬子先生のイニシャル「K」と
中学校での教え子「OB」たちの文字をつなげた「K + OB」から。
それでも教え子の中学出身以外の団員さんも
今では多くいらっしゃるのだとか。


そんなこぶさんの演奏曲は
課題曲はG4 鐘(「青い小径」から)
(竹久夢二 詩/森田花央里 曲)
自由曲は混声合唱と2台のピアノのための
「であい」 (三善 晃)


おー、昨年CANTUS ANIMAEさんの演奏で話題を呼んだ
三善晃先生の「であい」を自由曲に!
なぜこの選曲を?
指揮者の大山敬子先生へお聞きしました。



 

◇課題曲「鐘」への想い

この曲に決めたのは、作曲者の森田さんが
着物姿で表彰式に出られたとき・・・。
その姿と「鐘」というタイトル、
さらには岡山が輩出した詩人(画家)夢二のイメージが
頭の中を駆け巡り、幻想の鐘がすでに鳴り始めたのでした。
しかし、しかし、難しい曲。
向き合うたびに、悩み、迷い・・・
練習というよりも解読していっていますねえ。がんばります。




◇自由曲「であい」への想い

ー 三善先生のお導きだよ ー

中国大会の審査をしてくださった
雨森先生がおっしゃった言葉は
強烈に私たちの心に迫ってきました。
三善先生の音楽を奏でるということの意味を
探しながらの練習。
その音楽、ひとつの音、ひとつの言葉、
ひとつのピアノのフレーズ、ひとつの記号・・・
表現が腑に落ちるまで・・・がんばりたい。
そして秋のその日、出会える会場の皆様とともに、
三善先生の音楽の幸せの中にいられるような演奏がしたい。
そんな思いでいっぱいです。
「であい」を歌わせていただきます。

 

 
そうですか、雨森先生が・・・。
と思ったら送って下さった写真には?!


 

 

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写真は11/1(土)に行われた初めての雨森先生のレッスン。
休憩なく四時間ぶっ通しでしたが、
もう、もう、あっという間、疲れなんて何とぞや、
という夢のような時間でした・・・

 


雨森先生を呼ばれた大山先生、こぶのみなさんも凄いですが
初めてのレッスンで4時間ぶっ通しな雨森先生も凄い!




ここで大山敬子先生へ
「コンクール思い出の名演奏」をお聞きしました。


 

「思い出の全日本合唱コンクール名演奏:大山敬子先生」


HIKARI BRILLANTEさんの「約束」です。
確か、第63回大会でしょうか。
舞台に入場されたときのチャーミングな姿、
コスチュームもかわいい!スカート丈も素敵!
笑顔がすばらしい!空気が一変しました。
そしてピアノ全開のあの演奏。
美しいボカリース、高く深い上質の声、すべてがおしゃれでした。
でもさらにさらに、♪はたされる~♪のあの求心力にまいりました。
すぐに次の年、中学生と一緒に歌わせていただきました。
瑞慶覧さんのこの曲、こぶで、混声で歌いたいと思うこの頃です。

 

 

はい、大山先生、合ってます!
第63回2010年西宮大会。
HIKARI BRILLANTEさん初出場の時ですね!
若い女性の力強い、一心な声と
雨森文也先生の音楽が噛み合い、
ドラマティックな「約束」という曲がさらに輝いた、
そんな演奏でしたね。
混声版・・・こぶさんで編曲委嘱なんていかがですか?



最後に聴く人に伝えたいことは、という問いには



今年も作品に向き合いながら、
高嶋先生、本山先生、雨森先生、であいを初演した方々…等、
さまざま方々の想いに、心動かされました。

全国大会、想いを込め、歌います。

 

 

 

 

大山先生、ありがとうございました。

「選曲は恋愛、一目惚れと同じ」という言葉を
昔、雨森先生から聴いた気がします。
大山先生のお答えのすべてが
曲に惚れ込んだ想いで満たされていますね。

どうかその熱い想いをこぶのみなさんと
この高松のステージで伝えて下さい。
「三善先生のお導き」には
こぶさんと客席にいる私たちも、きっと含まれているはずです。







 

 





続いては関西の、声も音楽も美しいこの団体です。




 

 

 

 

 



14.奈良県・関西支部代表

Chœur Chêne
(32名・13年連続・第50回大会以来14回目の出場)





ぜん 2010年西宮大会のブラームス
   「Warum ist das Licht gegeben den Museligen?」
   (何故悩み苦しむ人々に光が与えられたのですか?)が
    やはり記憶に残る名演奏ですね。



2008年岡山大会での
ブルックナー「Os Justi」。
あの確固としたハーモニー、あふれる歌!
…痺れましたねえ。


山本 自分は2006年熊本大会、
   シェーンベルク「地上の平和」。
   よくあそこまでの演奏を…と。
   発声面にしても隙を作らない!


ぜん 本当に凄い団体だよね。



発声も素晴らしく、
音楽にも確固とした美しさが光るシェンヌさん。

人数はマルベリー・チェンバー・クワイアさんに次ぐ少人数ですが
全国大会への連続出場はGWHさんに次ぐ13年連続!
やはり凄い団体です。


シェンヌさんの演奏曲は
課題曲はG2 Nachtlied(Max Reger)
自由曲はWeihnachten(Felix Mendelssohn)
De Profundis(Arnold Schönberg)


メンデルスゾーンの美しい小品に
なんとシェーンベルクの「深き淵より」!



選曲理由をシェンヌ団員さんにお聞きしました。


ここ数年、ドイツロマン派の合唱作品を
積極的に演奏してきました。
それらを中心に時代を遡り、
モーツァルト、そしてバッハにも取り組み、
音楽の構築性や言葉の韻律を理解して
表現に繋げていく演奏のための
プロセスについて学んできました。
また後期ロマン派の音楽では
レーガーの作品の多くを演奏し、
浪漫の熟する変化に表現の振幅の広がりを感じてきました。

課題曲の選択は、
G1もその候補にあがりましたが、
30人を越えた合唱団では
人数規模が大きすぎるという考えから
レーガーを選びました。

そしてシェーンベルク。
数年前、地上の平和を演奏しました。
まだ調性感の残る初期の作品でしたが、
ドイツ音楽の流れの先にある
強固な構成美に大きな感動を覚えました。
しかしシェーンベルクの12音は、
果たしてそれらの延長線上に位置するものなのか?
それを確かめたいという思いからの
選曲だったのかも知れません。
それまでの調性音階や和声の枠にはまらない、
全く新しいルールで作られた音楽の、
その美学に対する我々の感性の歩みよりは可能か、
という不安は確かにありましたが、
それらは見事に裏切られました。
精密な製図のような構造ですが、
そこにはロマン派のヒューマニティ溢れる世界が
見事に展開されていました。

そして、メンデルスゾーンを加えた
3曲を並べて演奏することで、
ドイツ音楽の歴史の軸が
いかに力強く貫かれているかという証明にもなると思いました。

 


…う~ん、いつも思いますがシェンヌさんには
文才と音楽への視点が鋭い方が多いですね。
上西先生の音楽は確固とした論理で
堅牢美麗な音楽の建造物を創り上げる印象だったのですが
この選曲理由にもそれを感じさせます。

シェーンベルク12音の先にある
「ロマン派のヒューマニティ溢れる世界」、
ぜひ上西先生の音楽と
シェンヌさんの素晴らしい歌で見せて欲しいですね。


さて、ここで指揮者:上西一郎先生へ
「コンクール思い出の名演奏」をお聞きしました。



「思い出の全日本合唱コンクール名演奏:上西一郎先生」


コンクールで印象に残った演奏はたくさんあります。
一つだけ、となると凄く迷います。
あえて挙げるなら、およそ30年前、
恐らく岩手で行われたコンクールで
福島西女子高校が演奏したタリスのSancte Deus。
同声の密集ハーモニーが極めて高い緊張感を保ち、
音色の同一性に驚かされました。
また宗教作品に向き合うための
一つの方向性を示されたような印象を持ちました。
地味な選曲ではあるけれど、
その演奏を聴いてから

私の耳の使い方が変わったように感じました。

 

 

上西先生、ありがとうございました。

ブレーンHPによると1983年岩手での第36回全国大会に
福島西女子高校が出場されています。
http://www.brain-shop.net/shop/g/gG983701/

残念ながら選曲の情報までは記載されておりませんでした。

(※ご存知の方、コメント欄に情報をお願いいたします)

それ以前の年の情報はブレーンHPには存在せず、
1984年以降の年を10年ほど調べましたが
福島西女子が出場した年でもタリスは選曲されていないので
おそらく先生のご記憶が正しいと思われます。

1995年に共学化により
現在は福島西高に変わってしまった福島西女子高。
今は存在しない団体を寂しく思うとともに
先生の耳の使い方が変わられたように感じられた演奏。
そういう演奏の存在を知ることができてとても嬉しく思います。




最後にシェンヌ団員さんへ
目標や聴く人に伝えたいことをお聞きしました。

 

 

 

 

 

 

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今年7月の第13回演奏会の写真だそうです。

 

大人数の合唱団に混じって歌うことに
昨年は戸惑いもありましたが、慣れました(笑)
というか、サイズ以上のものは出ないです。
混声部門にどのような演奏のあり方を
求められているのかはわかりませんが、
このコンクール的には「中途半端」な人数であることは事実。
30数名でできる演奏をするだけです。

 

 

その意気や良し!です!!

密度の高い声が集まればどんなに力強い音が鳴るのか。
空気に乗せた声がどこまで遠く響くのか。
かつて第一声で「ホールが変わった?!」
と私に思わせたシェンヌさん。
今年もシェンヌさんならではの音と演奏を期待しています。




 





(明日に続きます)