観客賞スポットライト 混声合唱部門 その3






今回は観客賞の投票について!



参加資格:「大学ユース部門」「室内合唱部門」
     「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
      それぞれ全団体を聴いていること。
      (その部門の出演者は投票できません)


投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ 


#混声合唱17



を付けて
20日混声合唱の部終演(予定18:57)から
審査発表が始まる前の19:30まで
良かった2団体を書いてツイート。
(時間が短いので注意!)



その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします! 

 

 

ツイート投票の例:

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
#混声合唱17

 

  


ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!

 

 

 

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Photo by A.Yamaguchi

 




今回も3団体をご紹介します。
関東4団体連続の最後を飾るのは…


 

 

 

 

 




7.千葉県・関東支部代表

VOCE ARMONICA

https://www.facebook.com/VOCEARMONICA/

 

(29名・3年連続出場・第64回大会以来5回目の出場)




昨年は30人ほどでプーランクの2重合唱の難曲
「人間の顔」より「自由」を演奏されたARMONICAさん。
指揮者の黒川和伸さんが声楽家でもあることから
超難曲でもサラリと歌いこなす印象がある団体です。


今回の選曲、課題曲は
G4 まぶしい朝(「自戒」から)
(吉原幸子 作詩/面川倫一 作曲)

自由曲は三善晃作曲「レクイエム」より「I」。


黒川さんよりメッセージをいただきました。 

 

 

2011年に全国大会に初出場した成功体験から、
2014年まではコンクールでは
「若い合唱団らしさ」をテーマに選曲していたのですが、
2014年に壁にぶち当たりました。
その時、ある方との対話の中で
「成功体験はかえってそれ以上の発展を妨害する」
との金言をいただき、
翌2015年からは
「自分達の、音楽、合唱へ憧れる真髄は何なのか?
 一生を費やしても他の人に投げかけたい
 自分達だけの音楽は何なのか?」というテーマのもと、
自分達の新たなレパートリーを求めて、
2015年に鈴木輝昭「春と修羅」、
2016年はプーランク「人間の顔」と選曲して来ました。


課題曲
G4「まぶしい朝」
ある方から「合唱指揮者の故辻正行先生が
意識的に朝日作曲賞授賞作品を選曲されていた」
というお話を聞き、
新たなレパートリーを広めるという
故辻正行先生の志に共感して選曲しました。
6月には某コンサートでは
面川さんと共演することができました。
団員もみんな気に入っているようです。

自由曲
2017年の自由曲は三善晃「レクイエム」より「I」です。
この曲も自分達の新たなレパートリーを求めて
選曲をする中で、
今年の全国大会の審査員に
栗山文昭先生がいらっしゃるということもあり、
栗山文昭先生に聴いていただくなら、
と思いもあって選曲しました。
(栗山文昭先生は2016年に
 三善晃「レクイエム」を
 トウキョウカンタートで演奏されています)


面川さんのまぶしい朝では、未来への希望を、
三善晃先生のレクイエムでは
忘れてはならない過去を歌います。
戦後72年。
戦後が新たな戦前にならないためにも、
聴いていただいた方に
何かが残るような演奏をしたいと思います。

 

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黒川さん、ありがとうございました。

三善先生の「レクイエム」、これは凄まじい作品です。
課題曲G3の「子どもは……」も、
もちろん先生の一面なのですが、
この「レクイエム」は
三善先生の代表作と言っても過言ではありません。

本来はオーケストラとの協演ですが、
今回は1台のピアノリダクション版での演奏ということ。
「レクイエム」とは「鎮魂歌」と訳されるのが常ですが
この作品は鎮魂というよりは
戦争による死者からの言葉という側面も持っています。

言及されているトウキョウカンタートでの
栗山先生が指揮される演奏を私も聴きました。
音楽のみならず演劇性に
非常に優れている栗友会さんの演奏のため
舞台から無数の黒い手が伸び、
こちらに掴みかかってくるようで
演奏後にもしばらく震えが止まらなかった記憶があります。


「自分達の、音楽、合唱へ憧れる真髄は何なのか?
 一生を費やしても他の人に投げかけたい 
 自分達だけの音楽は何なのか?」


大事なことだと思います。
コンクールでこの「レクイエム」を選曲されるということは
その問いへ真摯に向かい合うということでもあるのでしょう。

また黒川さんにとっては、
千葉大学合唱団での師匠とも言うべき
栗山文昭先生と音楽で対峙する機会でもあります。

コンクールという枠を越えて
自身の音楽観、存在を投げかける貴重な機会。
どうか悔いの無い演奏ができますように。










20分の休憩後、
集中力と表現に優れた
中部の実力団体の登場です。










8.愛知県・中部支部代表

岡崎混声合唱団

(70名・2年ぶりの出場・第57回大会以来12回目の出場
 岡崎高校コーラス部OB合唱団も含めると
 第49回大会以来14回目の出場)



母体は今年も全国大会へ出場された
岡崎高校コーラス部という実力合唱団。

2年前は信長貴富「第二章 母戀餓鬼」を選曲され、
「人気作曲家の知られていない作品を掘り出すとは!」
と好評でした。
最後の語りや女声のピアニッシモの子守歌まで
一瞬たりとも集中を切らさない演奏に
岡崎混声合唱団さんの実力と
この曲へ懸ける想いを感じました。


今回の演奏曲は
課題曲G3 「子どもは……」

自由曲はKrzysztof Penderecki作曲
「Иже херувимы(ケルビムの歌)」


団員さんからメッセージをいただきました。

 


課題曲(三善晃「子どもは……」)
三善先生の作品は私たちにとっても特別な存在であり、
繰り返し取り組んできました。
実は岡混、この「子どもは…」を集録した曲集
「五つの願い」も過去に何度か演奏しているのですが、
それと比べると今年の演奏はだいぶ変化していると感じます。
以前の演奏から10年以上(?)が経ち、
団員の顔ぶれも大きく変わりました。
サウンドは新生岡混となっても、
昔から大切にしてきたこの曲の祈りを、
今年も歌い上げられればと思います。

自由曲(ペンデレツキ「ケルビムの歌」)
原題はИже херувимы、
教会スラヴ語(ロシア語の古文のようなもの)で書かれた
正教会の賛美歌です。
ロシア出身のチェリスト・ロストロポーヴィチに
捧げるためにこのようなテクストを選択したらしいのですが、
指揮の近藤恵子先生も当初は謎の文字達に絶句し、
また「こんなに渋い“祈り/ Alleluja”の形があっていいの!?」
と思ったとのこと。
更に、ポーランド人であるペンデレツキが
正教会のテクストにどんな思いを込めたのか?
(ポーランドは伝統的にカトリックの国であり、
 ロシアとの悲しい歴史は有名です)という疑問も。

そんな山積みの課題と謎に困惑しつつも、
しかし2度のぶつかりの鋭い美しさ、
旋律の歌い回しなど、
ペンデレツキらしい魅力に抗えず、
えいやっ!と選曲したと聞いています(笑)。

そこで団内のロシア語チームが
教会スラヴ語の古書を片手に
文法レベルまで解読を進めると、
やはりこの曲は祈りなのだなぁ、と。
テクストはケルビムに倣って
神の神性や力を賛美する内容となっており、
音楽的にも、音のぶつかりが美しい
Largamenteの一見カオスな場面でさえ、
実は全てのパートが白鍵のみの
聞きやすいメロディーを歌い、
さも各々が天上の祈りを捧げるかのようです。

課題曲の祈りと並べることで、
自由曲の魅力を一層鮮明に
皆様へお届けできるのでは、と思っています。

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昨年のヴェルディ「レクイエム」で指揮者:小林研一郎先生と。




団員さん、ありがとうございました。
「団内のロシア語チーム」!
「教会スラヴ語の古書」!
「文法レベルまで解読を進める」!!

いやぁ、さすがです。
岡崎混声さんの演奏を聴くと私含め周りから
「演奏に知性が…」「構成がとても良い」
などと感想が出るのですがそれも納得。

この曲を聴くと、
ペンデレツキらしい緊張感が充溢していて
耳が離れなくなってしまいます。
同時に演奏する側となると
大変な集中力とその持続が必要な曲。

 

しかし、岡崎混声さんなら大丈夫!
音楽面のみならず、テクスト、ポーランドの歴史…
楽曲の細部に至るまでの分析によって
一層彫りの深い演奏を期待してしまいます。

  

 「課題曲の祈りと並べることで、
 自由曲の魅力を一層鮮明に
 皆様へお届けできるのでは」

 

 

岡崎混声さんの「2つの祈り」、
客席の私たちにきっと深く届くことでしょう。




 

 

 

 



続いては2番目に関西支部で出場された
「言葉の魔術師」が今度は九州から再登場です!



 

 

 

 





9.福岡県・九州支部代表

混声合唱団 うたうたい


(47名・第66回大会以来5年連続出場)




大阪からの「合唱団ことのは」さんと同じ
高嶋昌二先生を指揮者に抱く結成9年目の団体。
ダブルの全国出場はこれが初めてだそうです。

昨年は自由曲に信長貴富先生の
無伴奏混声合唱のための「ルバイヤート」を演奏し
「非常にスタイリッシュな響き」
「詩のメッセージがまっすぐ届きました」
「一皮むけた感がありました。
 ここにきて団の成長期なのでは?」
…などと好評でした。


今回の演奏曲は
課題曲G3 「子どもは……」

自由曲は信長貴富作曲
無伴奏混声合唱のための「カウボーイ・ポップ」より
「2.人さし指秘抄」
「5.ヒスイ」


ほぉ! 昨年と同じ信長先生の作品。
でも、これはかなり意外な選曲。
演奏会ではよく歌われる人気の曲ですが
そのポップさゆえに?
コンクールではなかなか見かけません。
一般の全国大会で演奏されるのは
これが初めてかも?


寺山修司の詩に乗せた
jazzyな香りがする「人さし指秘抄」と
最初のヴォカリーズから心掴まれる私も大好きな
「ヒスイ」の取り合わせ。
後半の美しいソプラノソロにも注目。

言葉だけではなく、
近年は響きも美しいうたうたいさん。


 だからこそ僕は歌ったのだ
 せめて言葉の宝石で
 二人の一日を
 かざるために

(寺山修司「ヒスイ」より)


「言葉の宝石」、感じさせて欲しいと思います!





(明日に続きます)