9月7日の日曜日、
岡山:成羽(なりわ)町美術館へイチハラヒロコ展を観に行って来ました。
イチハラヒロコさんは前にも紹介したけれど
「言葉」を使ったユーモラスな作品を発表している現代美術家。
近所でこのポスターを見かけて行ってみた次第。
(「26キロやせたら、今井美樹」Tシャツのオバチャン、
すっげえインパクトだなあ、と思ったらイチハラさんご本人?!)
しかし、この成羽町美術館、遠かった・・・。
まず美術館最寄の駅:備中高梁駅行きの本数が少なく、
岡山からやっと乗れて約50分。
着いたら着いたで休日のためにバスは1時間に1本。
バスにようやく乗って約20分。
家を出てから着くまで軽く4時間かかったよ!!
ようやく着いたー!
成羽町美術館は裏手に山がある「こんなところに?!」という立地の美術館。
え?入り口ってこのスロープを??
スロープを右に曲がると突き当たりに入り口が見えます。
左手には階段状になった人工の川のようなもの。
このコンクリート打ちっぱなしと
緩やかな傾斜で風景が変わる感覚は何か覚えがあります。
あれは淡路島だったかな…。
受付で尋ねると
「はい、安藤忠雄さんの設計です」 やはり!
さて、肝心のイチハラヒロコ展だけど、
目を引くのは1.5mほどの巨大な白パネルに
作品が書かれているいくつかの展示。
他は15cmほどの白パネルに書かれたものとか。
・・・う〜ん、ここまで来たのになんだが、
「ピン!」と来ない。
いや、作品自体は面白いんだけど、
こうして一つの部屋に並べられることで
何か別の意味を持つのか、というとそうでもないのですね。
ポスターや本からその作品を見るのと、
そう大した違いを感じないと言うか。
おそらく私の求めていたものは
大阪:そごうの工事現場のように、
商品や企業イメージを飾る広告コピーが近くにある空間で
しかし広告コピーに似ているようで違う内容の面白さ。
あるいはイチハラヒロコさんの本で、
とあるシティホテルの掛け軸に飾られた
「不評。」の作品が好評だった!というエピソードに笑ったのだけど
そんなシチュエーションと違和感の面白さを期待してたのだと思う。
だからこの成羽町出身の画家、児島虎次郎の作品の間に
「ドリョクハ
ムクワレル」
成羽町の歴史を記した展示物の間に
「だれにも
言わない
事がある。」
トイレ個室に入って座り、真正面の扉に
「これ以上
何を望む。」
この美術館、内部も安藤忠雄建築らしく、
人工の池の周りを壁と階段で取り囲んでいたりするんだけど
その階段を登り切った先に
「不評。」
・・・とかいう展示だったら面白かったろうけど絶対ムリでしょうね、ええ。
喫茶スペースからも、その池は眺めることが出来、
突然の夏の雨に濡れるモネの睡蓮を眺めたり。
凝った設計の建築物ゆえに、
展示スペースは少なめの美術館みたいだけど、
なかなか非日常を味わわせてくれる場所でした。
イチハラヒロコさんの本はamazonからも買うことが出来て。
- 作者: イチハラヒロコ,ケリー伊藤,南平妙子,三修社編集部
- 出版社/メーカー: アリアドネ企画
- 発売日: 1999/11
- メディア: 単行本
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雨の夜にカサもささずにトレンチコートのえりを立ててバラの花を抱えて青春の影を歌いながら「悪かった。やっぱり俺…。」って言ってむかえに来てほしい。
- 作者: イチハラヒロコ
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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…そりゃそうだ!
心にスッと入るスピードを持つイチハラヒロコさんの作品、
みなさんも是非手に取って見てくださいね。