幹事のたかさんさんから
大学ユース・室内部門でも2日目出演団体のゲストで登録できれば、
みんな参加可能です。
…とのことなので、同声・混声部門出演者以外の方でも
「参加したい!」と思われる方は
同声・混声部門の出場団体の方へ、今すぐ問い合わせてみてくださいね。
(人数取りまとめの締め切りがある為、できるだけ早くお願いします)
ただし、定員200名の居酒屋で
昨年は272人が集まった宴会を行い、
さらに今年は同声部門出場団体の参加も併せているため
かなりの混雑が予想されます。
参加が200名を超えた場合でも
その辺りをご考慮の上、参加なさって下さい。
ちなみに私も参加します。立ち飲み上等!(笑)
今日は大阪と東京の合唱団2団体をご紹介します。
どちらからも非常に熱いメッセージをいただきました。
3.大阪府・関西支部代表
淀川混声合唱団
(72人・3年連続出場・57回大会以来7回目の出場)
課題曲はG2。
Have mercy on us, O my Lord (「4 Motets」から)
(Aaron Copland 曲)
自由曲はKrzystof Penderecki作曲の
Agnus Dei
山本 G1のヴィクトリアが良い曲だから
「なんで俺、今年コンクール休んだんや!」と思ってたけど、
よどこんさんが演奏するコープランドのG2も本当に良い曲だよね。
今年、もし出ていたらG2を選んでいたかもしれない(笑)。
そして自由曲のペンデレツキは、
MODOKIでも演奏された
山本さん思い出の曲なのでは?
(2008年度一般Bグループ:金賞2位受賞)
山本 自分なりにやりこんだ曲ではあるよね。
あの時のMODOKIは何人だったかな。
42人でしたね。
山本 よどこんさんより30人少ない!(笑)
人数がしっかりおると、
ペンデレツキのこの曲も
しっかり支えられて良い演奏になるだろうね~。
個人的に今までのよどこんさんのイメージとしては
大人数でもクリアなサウンドを出される合唱団で
曲もそれに合った選曲、というものがあったんですが。
山本 でもホラ、昨年の千原英喜先生の自由曲、
混声合唱のための「Agnus Dei = 空海・真言・絶唱」は。
ああ、そうですね、雰囲気が違いましたよね。
山本 よどこんさんは
伊東さんが指揮される合唱団の中では
一番、質実剛健な合唱団になってきているんじゃないかな。
それでも今までの伊東さんが選ばれた曲からすると
ペンデレツキのアニュスデイはちょっと不思議かな、という
印象があります。
ここで伊東さんから選曲理由のメッセージをご紹介しましょう。
たくさんの悲しい出来事に直面するたびに、
私たち一人一人は非力だけれど
力を合わせた音楽には何かが出来るのではないか、と思います。
「祈ること」「想像すること」が音楽の役割の一つではないでしょうか?
世界の痛みに寄り添うこと、共振すること、傷口に手を当てること、
世界の平安をともに希求すること、心の底から叫び求めること、
穏かに祈ること、音楽にとって何が出来るかということを考えたときに
自然に演奏してみたいと思った曲が
「ペンデレツキのアニュスデイ」でした。
コンクールの結果等については考えておりません。
「自然に演奏してみたいと思った曲」…だそうです。
伊東さんの今の心境、合唱に懸ける想いが伝わるようですね。
山本 やり尽くしたとは絶対言わないけど
自分でも譜面を読み込んだ曲だけに、
伊東さんがこの曲をどう料理されるか、
物凄く興味があるね。
伊東さんがどういう解釈をされて
よどこんの団員さんと、どういう音を作られたのか。
昨年の自由曲も確かに今までのよどこんさんとは
印象が違いました。
今年のよどこんさんが演奏するペンデレツキ、アニュスデイもまた
よどこんさんのイメージを大きく変えることになるのでしょうか。
全国大会に対する意気込みを尋ねたところ
みんなでドキドキしながら、力いっぱいうたうことです。
…ということでした。
とても楽しみです!
さて、Vineさんに続いて
ふたたび伊東さんからのご提言です。
コンクール改革についての非常に具体的な提案。
そして伊東さん自ら実践されていること。
今回も必読です。
※VINEの項目の続きとしてですが、意見はございます。
私は「一般の部」については、
カテゴリー別開催を提案しつづけて10数年です。
毎年カテゴリーを変えて、今年は「ロマン派のコンクール」、
今年は「フォークロアのコンクール」、
今年は「〇世紀の キリスト教音楽をテーマにしたコンクール」、
今年は「昭和の邦人作品を歌うコンクール」…、そんな開催はどうでしょうか?
年によって出たり出なかったりすれば良いし、
ともに年間通してワークショップ等と連動させながら、
少しずつ取り組みポイントやバックグラ ウンドを学び、
様々なアプローチ方法を試していく中で迎える
フェスティバル式のコンクールで良いのではないでしょうか?
つまり、高度経済成長期ではあるまいし、
あるいはベストテン番組が流行った時代ではあるまいし、
多くの一般合唱団が成熟していく中で、
毎年合唱の1番を決める時代ではないと思うのです。
音楽の諸相、バックグラウンド、表現の多様性を学び、
試行錯誤する場、取り組みのプロセスを問う場としての
コンクールという位置づけではどうでしょう?。
最近コンクールのプログラム終了後、
合唱団を越えて全出演者が
楽しんでいる雰囲気は良いことだと思います。
しかし、勝ち抜き構造を盲信し、
演奏ではなく打電される結果に一喜一憂し過ぎているうちに、
合唱音楽の豊かさを自ら削いでしまっている気がしてなりません。
一部の合唱レベルは飛躍的に向上しているものの
合唱のパイそのものが少なくなっている状況、
若手の歌い手が減り合唱が先細っている現実について、
それが合唱の魅力を十分に伝えきれてなかったからなのではないか
ということを組織は自省し、分析し、
新たな方策を示して対応していくべきだと思うのです。
決してコンク―ル批判ではありません。
物事や取組に功罪はつきものですから、
謙虚に分析して柔軟に思考してしっかりと考えて提案すること、
提案されたものを構成員や参加者は議論し、
より良いものにして
試行錯誤していくことが必要なのではないかと思うのです。
※)この場を借りて、一つ宣伝をさせていただきます。
このような状況下、新しい取組が必要だと思っています。
連盟に期待する部分と、全加盟員に対して責任を負う連盟組織では
所帯が大きすぎて対応出来ないであろうことに対して、
有志で切り込みを入れていくための二つの取り組みです。
■大阪では「コーラスめっせ」というイベントを開催しております。
毎年4月の中旬の土日をかけて「いずみホール」と
いずみホール周辺施設を使ってのイベントです。
「育成」「国際」「個性」を軸とした豊かな合唱文化が醸成してくことを目指し、
「テーマ性のある演奏会」「学び合うための講習会」
「世間にアピールするためのアトリウム企画」を軸にして、
児童から大人までのジェネレーションがそれぞれに躍動し、
お互いを刺激するような合唱フェスティバルです。
http://chorusmesse2010.cocolog-nifty.com/
■京都では「アルティ声楽アンサンブルフェスティバル」という
イベントを開催しております。
毎年7月の中旬の土日(祇園祭の近辺)をかけて
「アルティホール」を使って全国からアンサンブル団体が集まり、
ワークショップと演奏(参加団体の演奏とゲスト団体の演奏)と
交流会を一緒に行っています。
「歌い、聞き、学び、交流するイベント」として
京都の夏を彩る合唱祭となっています。
http://www.yumemirusakananoabuku.jp/chorus/panf/alvef.html
4.東京都・東京支部代表
(53名・3年連続出場・第52回大会以来10回目の出場)
課題曲はG4。
屈折率(「幻想小曲集」(宮沢賢治の詩による)」から)
(宮沢賢治 詩/旭井翔一 曲)
自由曲は三善晃先生の作曲、作詩
混声合唱と2台のピアノのための 「であい」
山本 東京都大会の1週間前、
CAさんへ見学に行ったんだけどね。
おお! いかがでした?
ここで「であい」の詩の最後の部分を引用しましょう。
さよならは 別れではないのですね
さよならは 信じていることの証し
あなたを 未来を 地球を
地球のどこかで歌う人を
さよならは あしたへの声
さよならは 交わしあう声
この地と あなたと みんなと
さよなら いつか またあう日まで
さよなら みんな
さよなら いつかまた さよなら
ここでであいましたね みんなは
みんなが 秋のこの地で
山本 こういう時期にこの「であい」を演奏するのは
CAのみなさんにとって色々な思いがあるかもしれん。
でも、三善先生が亡くなられた今、
この曲を聴くという期待に、
CAのみなさんはきっと応えてくれると思う。
そうですね。
私も客席でその期待にCAのみなさんが応えてくれることを
願い、祈っています。強く。
団員のMariさんから演奏曲について
メッセージをいただきました。
特に「であい」を選曲された理由と経緯は是非お読み下さい。
■課題曲について
昨年のコンクールは、課題曲も自由曲も宮沢賢治のテキストでした。
そして、今年も課題曲は宮沢賢治。
個人的には、賢治のテキストは想像力が試される上に、
インテリの弱さが痛くて苦手なんです。
でも、その分、合唱曲になると面白いですね。
作曲家のイマジネーションを刺激するのでしょうか。
同じ詩でも全然違う世界が広がります。
今年の課題曲「屈折率」も、テキストだけを読むと、
焦燥感とか喪失感とか、
そうした重苦しいものが胸にのしかかってきますが、
旭井先生の音楽を纏うと色彩感が加わり、
光とか揺らぎとか、未来とか過去とか救いとか、
テキストの裏にある、もしくは、テキストの向こうにある、
もしくは、テキストに触発された作曲家の心の中にある幻影が、
浮かび上がってくるような気がします。
そこに、今度は私たちが触発された色を重ねて演奏する。
そして、客席を埋めたお客様の熱や空気が、
発せられた音を包み、一体となって会場を満たす。
そんな風になったらいいなあと思っています。
■自由曲について
当初、自由曲には「交聲詩 海」を取り上げる予定でした。ただ、時間の関係で一部カットしなければならない。
三善先生にご許可をいただくにも、
お加減があまりよくないというお話も耳にし
断念したいきさつがあります。
では、何を歌う? という時にすぐに浮かんだのが、
この「であい」でした。
「であい」とCAの出会いは、今年の1月、
三善先生の80歳をお祝いするために、
三善先生の音楽を愛する指揮者、ピアニスト、
合唱団が集まって開催した演奏会
「Nouvelle Rencontres~新しい出会い~」でのことです。
80歳をお祝いする演奏会なのにテーマは「出会い」。
そこで「であい」と出会ったというのは作り過ぎの感もあるのですが、
そもそも音楽とは常に一期一会、
三善先生のお祝いをそうした音楽の本質で彩ろうというのが、
「Nouvelle Rencontres~新しい出会い~」の
コンセプトだったわけです。
テキストと作曲家の出会い、楽曲と演奏者の出会い、
演奏者と聴衆との出会い、
その日、そこで生まれる空気や熱や会場を満たすものとの出会い、
それらを見知らぬ人同士が共有し、共感し、
そして、会場を後に別れていく。
そうした音楽の本質が、「であい」という楽曲には凝縮しています。
そして、その音楽を生み出し、愛する人間に注がれた、
三善先生の優しい眼差しも。
都大会の後、三善先生の訃報に接し、
このような時にこの曲を歌うことの意味を団員一同噛み締めています。
コンクールという場ではあっても、
数々の素晴らしい出会いへの感謝と喜びを、
聴いてくださる方々と共有し、
聴いてくださった皆さんが
その喜びと希望と温かさを胸に帰路についてもらえるような、
そんな演奏ができたら最高です。
最後に。
そういう意味でも、コンクールというのは不思議な場所ですね。演奏会は、私たちの演奏を聞きに来てくれる方々との
主体的な出会いの場ですが、コンクールは違います。
何よりも、全国から人が集まってくる。
中には、私たちのことを知らない人も、嫌いな人もいる。
そういう方々と新しい出会いを作ることのできる場は、
今はコンクールしかないかもしれませんね。
(明日に続きます)