観客賞スポットライト 同声合唱部門 その4

 

 

 




f:id:bungo618:20191111193055j:plain

金閣寺 Photo by (c)Tomo.Yun http://www.yunphoto.net



あ! 同志社グリークラブさんが2回目の観光案内を!

 

 

…これは行ってみたくなるコース!
さて、今回も2団体をご紹介します。

創立から4年、東京から若く、熱い男声合唱団が初出場です!


 

 


8.東京都・東京支部代表

Mu Project
https://www.facebook.com/MuProject.jp/

(男声29名・初出場)



初出場おめでとうございます!

今年5月2日の「being」という若手のヴォーカルアンサンブル、合唱団3団体が集う演奏会で、初めてMu Progectさんを聴きました。
松下耕「貫ぬく 光」はとてもデリケートな表現。
しかし内省的ではなく、音が外に向いているのが面白いな、と思ったら西村朗「永訣の朝」はまさに全身全霊の演奏だったのが強く印象に残っています。
それからずっとどのような団体か、興味を持っていました。

代表の西澤さんからメッセージをいただきました。

 


■合唱団紹介
Mu Project(ムウプロ)は20代を中心に東京都内にて30名ほどで活動しています。
多忙ななか継続的に高い水準の音楽を作り上げるため、合唱団を「合唱をするための組織」と捉え、5年単位での中長期計画の設定やITツールを駆使した効率的な団運営等、組織的基盤の構築に注力しております。
ムウプロは団員それぞれが演奏に必要な能力を自発的に培い、将来共演する音楽家とより高度なアンサンブルを実施するという目的から常任指揮者(音楽監督)をおかずに活動してきました。
創団5年目を迎える今年、合唱団の音楽水準や団員の主体性が一定の水準に達したと判断し、合唱団の客演指揮者として雨森先生を、ピアニストとして平林先生を招聘、初の全日本合唱コンクール全国大会出場を果たしました。
これまで、都内のイベントやジョイントコンサートを中心に活動してきましたが、2020年の5月と7月には豊洲文化センターにて演奏会を実施する予定です。

 



なんと雨森先生を客演指揮者に!
この同声部門でも他にVOCI BRILLANTIさん、室内合唱部門では合唱団まいさん、混声合唱部門ではCANTUS ANIMAEさんを振られる指揮者です。
平林先生もこの大会では多くの団体で弾かれる、人気と実力を兼ね備えたピアニストですね。

しかも来年5月、7月と2回も演奏会があるとは!
演奏を思い返すに、その勢いに納得する自分がいます。

さて、今回の演奏曲は何を選ばれたのでしょう?

 


■演奏曲紹介
指揮者に雨森文也先生を、ピアニストに平林知子先生を迎え、課題曲には男声合唱組曲「Enfance finie」より『物語』(詩 三好達治/曲 木下牧子)、自由曲には同声(女声または男声)三部合唱とピアノのための組曲「永訣の朝」より『永訣の朝』(詩 宮沢賢治/曲 西村朗)を演奏いたします。
永訣の朝は、いままさに妹を失う賢治の心情を記したものです。
推敲の中で思想的な支えもあり非常に格調高く仕上げられた詩の中には、真っ暗な押入れの中に顔を埋め「とし子、とし子」と号泣した非常に激情的な賢治がありました。
大正11年11月27日。
『永訣の朝』初稿にはとし子が死を迎えた日付が付されています。
そのとき賢治26歳。
まさにこの11月の末に、齢同じくする我々らしい演奏を届けたいと思います。

f:id:bungo618:20191111193432j:plain

昨年の東京都大会、信長先生「Fragments」演奏時とのこと。



西澤さん、ありがとうございました。
自由曲の「永訣の朝」は大学ユース部門で北海道大学合唱団さんも演奏されていますね。
きっと「同じ曲?!」と思うほど違った演奏をされると予想しています。
こういう聴き比べもコンクールの醍醐味。

5月の段階で、非常に完成度が高い演奏をされていたムウプロさん。
指揮者に雨森先生を迎え、さらにこの詩を残したときの宮澤賢治と団員さんが同じ年代、加えて妹とし子が死を迎えた日に近いことから、よりいっそう心の入った、熱い演奏になることは疑うべくもありません。

初めての全国大会、どうかムウプロさんのすべてを余すところなく叩きつけられるような、そんな演奏になることを期待しています。









続いては母体となる中学校、高校合唱部も高い実力の素晴らしいOG合唱団です。












9.神奈川県・関東支部代表

La Pura Fuente
https://twitter.com/la_pura_fuente

(女声32名・第66回大会から6年連続出場)




La Pura Fuenteとはスペイン語で「清い泉」とのこと。
神奈川県の合唱名門校、清泉女学院の卒業生さんが2010年に作られた団体。
全日本では3年連続金賞。
さらに今年の東京国際合唱コンクールでは同声部門で1位金賞、現代音楽部門で4位金賞。
演奏を聴かせていただいたのですが、音楽的にも大変素晴らしいものでした。

現代音楽だけではなく、ロマン派の曲も情感豊かに聴かせてくださるラ・プーラフェンテさん。
さて、今回の演奏曲は?

団員さんからメッセージをいただきました。

 


皆様こんにちは! 
私たちLa Pura Fuenteは清泉女学院音楽部OG合唱団として発足し、なんと今年で10年目を迎えることができました。
そんな節目となる年に、情緒溢れる美しい京都の晴れ舞台で歌えることを、部員一同、大変嬉しく思っております。

今年の課題曲には、全ての生物がその生き方を全うし、再生することの祈りが込められたF3「白鷺」を選びました!

また昨年からのメンバーの入れ替わりも多くあったため、自由曲では、昨年の日本語曲からガラッと雰囲気を変え、ハンガリーの作曲家Levente Gyöngyösiによる趣の異なる宗教曲2曲を歌います!

1曲目の「Caritas patiens est」は、恵み深くそして全てを受け容れる愛の強さを歌うア・カペラの曲です。
"慈愛"の心をお伝えできるよう、度重なる災害に心を留めながら教会の響きを目指して歌います。

2曲目の「Jubilate Deo」では3種の楽器と合わせて、多彩な音色で"喜び"を表現したいと思います。

台風の影響もあり例年以上にハラハラドキドキの関東大会を乗り越え、全国大会への切符を頂くことができました!!

過去にも楽器と一緒に歌うことはありましたが、今年はバイオリンやボンゴ,タンバリンと複数の楽器との共演に挑戦しました!
全国大会ではパフォーマンスも加えて!?、よりリズミカルに、かつ艶やかな音楽を作り上げられたらいいなと試行錯誤しております!
聴いてくださる皆さまとも一緒に楽しめたら嬉しいです!

皆で心を一つにし、また会場とも一体感のある心躍るステージになるよう精一杯頑張ります!!

f:id:bungo618:20191111193856j:plain

関東合唱コンクールの演奏後の写真ということ。



ありがとうございました。
「Caritas patiens est」は書かれるように慈愛に満ちた音が湧き上がってくるような作品。
ロマン派でも優れた演奏を示して下さったラ・プーラフェンテさんなら、きっと美しく安らぎの空気に包まれるような演奏になることでしょう。
そして「Jubilate Deo」はこれ以上無いほど軽快かつ華やかな作品!

課題曲の協演楽器はピアノ、自由曲は無伴奏、バイオリンとボンゴとタンバリンと、さまざまな合唱音楽のスタイルが楽しめそうなステージです。
実力も指折りの団体が、「会場とも一体感のある心躍るステージ」を目指すとどんな楽しいことになるか?
期待が大変高まります。

そして同声部門で6番目に出場のお江戸コラリアーずさんと何やらイベントがあるそうですが?

 

 


【お江戸コラリアーずさんとのジョイントコンサートやります!】
2020年4月5日に、東京都にてご活躍されている男声合唱団『お江戸コラリアーず』の皆様と一緒にジョイントコンサートを開催します!!

今回は私たちが育ってきた神奈川県「鎌倉」に会場を決め、私たちの後輩である清泉女学院音楽部とも一緒にステージを作ります!!
そんな一緒に舞台を盛り上げてくれる中高生達ですが、先日岡山県で行われた全日本合唱コンクール全国大会に出場し、中学同声部門で金賞"岡山市長賞"、高校A部門では金賞"文部科学大臣賞"を受賞致しました!!
とても頼もしい後輩たちと一緒に歌えることも楽しみです。

男声合唱団とのコラボは初挑戦なので、どんなステージが出来上がるかワクワクしております!
未だかつてない、男声×女声のジョイントコンサートです!
来年4月、鎌倉芸術館にて、皆様のご来場をお待ちしております♪♪♪
どうぞ宜しくお願い致します!!!

詳細が決まりましたら、SNSで順次お知らせ致しますので、ご確認ください!
Twitter
@oekora  
@La_Pura_Fuente

 



おおっ、確かに男声×女声のジョイントコンサートは珍しいですね。
実力団体が開催されるジョイントの今後の情報に注目です!




(明日に続きます)