醍醐桜 ©岡山県観光連盟
私、文吾(以下、「文」)が司会になり4名で行った観客賞の座談会。
今回から2日目の同声合唱の部をお届けします。
まず第5位から。
女声合唱団フィオーリ
https://twitter.com/chor_fiori
(女声21名)
C 課題曲F3 夜来香、
平林知子先生の前奏に
まず引き込まれた!
文 確かに!
B ピアノが雄弁だったのもあるけど
情感が豊かなんだよな。
C やっぱり「大人の女性」。
この曲の世界観には
ぴったりだったね。
A ぴったりと言えば
石橋先生の指揮で長年
やられているだけあって、
指揮と合唱が非常に
噛み合っている印象でした。
文 通じ合っている感が。
さらに語感を活かし、
ことばを大切にした演奏。
A 日本語が上手かったね。
文 そうそう。
続いて自由曲:西村朗
「I. 永訣の朝」。
A 平林先生のピアノが
キレッキレでした!
BC文 そうだそうだ!
A ピアノだけが
突出しているわけではなく、
絶妙なところを突いて、
歌い手を引っ張っていた!
C うん、平林先生のピアノに
良い影響を受けて、
合唱もますます熱くなって。
B 協奏曲みたいな感じ。
A やっぱりピアニストが作る
世界観は凄いね。
文 そろそろピアノ以外の…
A じゃあ、
にらもやしとまと先生は…(笑)
文 話題が変わってない(笑)。
A 昔からフィオーリさんは
言葉を大事にしていた表現。
今回は加えて、
速い言葉の連なりに鋭さも。
文 「びちょびちょ」など
擬音にもその音楽にふさわしい
感情がこもっていて。
A この曲に合った言葉の出し方を
非常に考えられていたね。
C あと、喜怒哀楽の「哀」が
強烈に伝わってきたな。
B あ~、その「かなしみ」。
「哀」から「悲」まで
さまざまな表情、
グラデーションもあって。
C 一昨年のMu Projectさんは
男声だからということもあるけど
悲しみよりも
激情的な熱さが先に来て。
フィオーリさんは熱さもあり、
同時に女性的な哀しみも
伝える演奏でした。
B 男声のイメージが
強い曲だったんだけど
フィオーリさんの演奏で
新たな一面が聞こえて。
賢治であり、
同時に妹のとし子であるような。
文 多面的な印象が。
だから「とし子」という
呼びかけなども
印象深かったですね。
A またピアニストの話に
戻ってしまうけど(笑)
フィオーリさんが平林先生と
出会ったことによって
表現の幅が広がったよね。
B うん、フィオーリさん、
また殻を破った印象がありました。
メール、ツイッターの感想です。
こういう団体がこういう、しっとりとしたオトナの夜来香を演奏してくれると、合唱とは生涯に渡って付き合えるんだよと示してくれているようで、光が差す。
なにより、このピアニスト女史が登場するだけで、何かやってくれそうでワクワクするんです。
フィオーリは個人的に一番良かったし一番好きだったんだよね。
まず課題曲が本当に素晴らしくて今大会何度も聴いた夜来香の中でもベストオブ夜来香。
そりゃあもちろん^_^(投票)
F3は大人の女声合唱として理想的なトーンに仕上がっている。
平林先生の力強いピアノに歌い手がしっかり応えて、強烈な印象を残した。
前回不明瞭気味だった歌詞もよく聞き取れる。
ハーモニーとピアノがマッチして迫力満点でした。
ピアノと歌い手それぞれの旋律線の交錯が螺旋状に蠢く一個の群生生物のようで、画面越しに畏怖の念をも抱きました。
「わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ」という言葉を偽りなく信じられる真実味のある演奏、とても好きです。
フィオーリの実感のこもった永訣の朝
フィオーリさんの永訣の朝を聴いて、 こんなに響くシンフォニーホールで、ピアノという打楽器と人の声を、こんなにも結びつけて導いていく、にらもやし先生が本当に本当に素晴らしすぎてなんかもう筆舌に尽くし難い…。
魔法の域ですよ。重ねて言うけど永訣の朝。
続いて第4位です。
合唱団WAKAGE NO ITARI
https://twitter.com/WAKAGE_choir
(男声34名)
文 凄いね、
初出場で金賞&文部科学大臣賞!
A “いま”風の男声合唱で
新鮮だったな。
頭が良さそうな感じ!
B 昨日の大学ユースの部座談会でも
話しましたけど、
コール・フリューゲルさんの
指揮者:真下洋介先生でしたね。
A 座談会では古い……いや、
「歴史ある」男声と(笑)
新しい男声の比較になって。
文 WAKAGEさんは響きが軽やかで
流れを重視するような。
課題曲のM3 コンポジションも
音楽を止めない。
B いちいち旋律を
もったいぶらない(笑)。
C もったいぶったって
良いんだけど(笑)。
よどみ、タメが少ないんだよね。
文 今までのこの曲のイメージだと
あっさり終わって
「あれっ?」と思うかも。
でもそれも魅力。
A 東京の団体っぽさがあった。
スタイリッシュ!
文 東京、と言っても
ワセグリさんとかとは
違うんですよね。
やっぱりフリューゲル系?
C Aさんの言ってた
「頭の良さ」に繋がるのかな。
文 それだとワセグリさんが
頭悪いみたい(笑)。
A ワセグリさんは
頭良い人たちがバカやってる、
というのがポリシーだから(笑)。
C WAKAGEさん、
やっぱり印象がスッキリ!
民謡系ってどうしても
グチャっとなりがちなんだけど
そこがスッキリしてました。
文 テンポ設定もそうだけど、
ダイナミクスの増減も
非常に丁寧で、
それがまた流れの良さに
一役かっていたな。
A ベース系も倍音が良く鳴っていて。
B そうそう!軽い響きでね!
あれはとても良かった。
A ベースより上のパートも
音に乗りやすいので
実に良いハーモニーを
作っていました。
「ハモる」とはこういうことか!
B 「和声が見える」ハーモニー!
文 自由曲:三善晃
「路標のうた」は?
A 2群合唱を巧みに
コントロールしていて。
真下先生上手いなー!って。
B 2群の対比も良かったし。
A そうなんですよ。
対比、そしてタイミングの取り方。
和声を活かすところなど。
そして2群がひとつになる
「新しい友よ」!
文 うんうん。
あそこ、ちゃんとキメてくれると
嬉しいんですよね。
B 王道的な三善だったなぁ。
文 王道的と言うか、
どちらかと言えば
課題曲と同じく現代的?
「歌から何か」に入る前とか。
C あのリズミカルなところ!
たしかにノッている人、
多かったね(笑)。
文 直立不動じゃない(笑)。
でも、この曲を若い人たちが
いま歌うならこうじゃないと!
A そもそもこの曲、
法政アリオンと関西大学の
合同合唱が初演で、
大人数をイメージしていると思うし。
そういう曲を
34人で演奏するところも含めて
「若気の至り」(笑)。
文 むかし、
東京六連のアンコールで
300人くらいの
「路標のうた」があったよ(笑)。
A それは多過ぎ(苦笑)。
34人で2群合唱やるのは
ちょっと厳しい部分もあったけど
よくぞ演奏してくれた!
生で演奏を聴かせてくれて
ありがとう!
文 少人数ならではの
細やかな箇所にこだわった
良さもありましたね。
離れた「誰」が歌によって
「友」となり、呼び交わす夢……
そんなメッセージが
テキストだけじゃなく
演奏の形で表わしてくれたのが
とても嬉しかったです。
ツイッター、メールの感想です。
WAKAGEさんの間宮、声部バランスが好みだったのとめっちゃ楽しそうだった
あらゆる要素がバランス良く纏まった演奏。
ハーモニーがびしっとはまり、要所要所でおいしい音が聴ける。
課題曲は低音をすっと支える安定のベース、味のある旋律を唄うテナーの組み合わせにぐっときた。
路標のうたはクレバーな音のなかにハートの熱さも感じる。
いたっていてよかった(ほめてる)
M3はフリューゲルと全然違うように聞こえ、さらに大人になったような印象。
歌い手の自主性が出てるし、自由曲の2群の掛け合いが楽しめた。
とにかく真下先生の指揮がアツい。
WAKAGEのスリリングでありながら肝心なところでしっかり決めるステージ
歌声がすごい綺麗で安定してる…
課題曲の最初の掛け声から惹きつけられた…
コンクール引退したおえコラを継ぐ存在になる予感がする…
路標のうた…好きなんだな〜と画面からも伝わる愛しさ
WAKAGE期待を裏切らない素晴らしい演奏だった
アツい演奏でありながら余裕も見える演奏で、三善晃・木島始の「さりげなさ」が見えました。
「くつろいで悪口も言い合えないのか」の語り掛け方が特に印象に残りました。
WAKAGEさんの路標、素晴らしかったです また聴きたいです
(同声合唱部門、第3位の感想に続きます)