観客賞座談会・混声合唱の部 その1

 

 

 

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弥高山 ©岡山県観光連盟

 

 

 

私、文吾(以下、「文」)が司会になり4名で行った観客賞の座談会。
今回から2日目の混声合唱の部をお届けします。



まず5から。



混声合唱団うたうたい
(38名)

 


 とても良かったですね!
  今まで聴いてきた
  うたうたいさんの演奏の中で
  いちばん良かった!


B 自分も!
  課題曲G3、
 「うたをうたうのはわすれても」
 この演奏から良かった。


A 作曲者の津田元先生と
 出版前に何回かメールで
 やり取りをしていたことがあって。
 「この曲は30人ぐらいの合唱団を
  想定して作曲した作品なので
  アンサンブルができているか、
  いないかが重要」と書かれていて。
 うたうたいさんはそういう面で
 ちゃんとアンサンブルしてましたね。


 ここで初めて「大人の歌い方」を
  聴いたというか。
  「忘れる」ことに切実さが
  ありましたよね……。


C 身につまされるような(笑)。


 そうそう、若い人が
  ちょっと忘れちゃった
  軽い感じじゃなく、
  「朝飯食べるの3回目だ……」
  みたいな。


B 切実だ!(笑)
 旋律の歌い方も
 語感も非常に優れていたので
 詩が心に染みてきました。


A ベースも良く鳴って
 支えていましたね。
 ユニゾンも良く、
 ハミングのニュアンスも
 曲にふさわしかった。


文 自由曲:信長貴富
  「2.溢れひたす闇に」
  「3.浅き春に寄せて」
  こちらも良かったですね。
  混声合唱の響きとして
  しっかりしていて、
  音楽のメリハリもあり。


A 選曲がややコンクール向きじゃ
 無かったかな?
 とても良かったけど。


B 少し軽い感じ。
 フレーズに歌謡曲、
 ポップスっぽい印象が
 ありましたね。


 でもあれこそが
  今回うたうたいさんを
  評価した点で!
  ああいう親しみやすいフレーズに
  気持ちを入れて、
  この曲にふさわしく
  叙情的に歌わせていた
  高嶋先生のワザね。


C 飛びっきり明るい声の
 団体では無いので
 陰りのあるこういう作品が
 団に合ってたんじゃないかな。


A いままでうたうたいさんって
 「日本一の合唱団を目指す!」とか
 気合い十分だったじゃないですか。
 それはそれで良いんだけど。
 ……ちょっと気合いが空回り気味、
 みたいな印象があって。


C そうだね、今回は
 「気合い入れて歌いますッ!」
 そんな感じでは無かった。
 「曲の世界観をしっかり創ろう」
 みたいな。


 それだ!
  今回、選曲した作品自体が
  「やったるでー!」
  じゃない曲でしょ。
  いろんなことが噛み合って
  今回の良演奏に
  なったのかもしれませんね。


B 自分はやっぱり
 「高嶋先生、更なる進化説」を
 推したいなぁ(笑)。




ツイッター、メールの感想です。



『うたをうたうのは…』がダントツで素晴らしく課題曲でホロリしました


うたうたいさんは、「川は〜」以降で徐々に音楽が再始動する表現が心に残りました。


日本語がただひたすらに美しい。


言葉の捌き方に技があったうたうたい


どの曲も詩情の表現が味わい深く、高嶋先生らしさが前面に出た演奏。
温和なサウンドの歌声でことばの温もりに包まれた。


1音目から心を掴まれてしまいました。
自由曲は変わらず来る春に失った己の春を追想する内容ですが、今回の歌い口は早春に乱れた足跡で歩く人をまるで抱擁するかのような慈愛に満ちていたと思います。
冬枯れの梢の下を歩く人に寄り添うような素敵な音楽でした。


 

 

 


続いて4位!


淀川混声合唱団


https://twitter.com/yodokon
(66名)

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A 課題曲G3、
 「うたをうたうのはわすれても」
 大きな作りのアンサンブルでしたね!


C ピッチャーの
 (ピッチパイプを鳴らす人)
 北川昇先生、ピカイチだった!


 音取りは重要ですよね(笑)。


C 今回は4年ぶりの全国大会と
 いう事もあって
 最初から気合いが入ってました!


 気合いが入っても
  声は明るく、広がりがあって。
  自由曲:ウィテカー
  「Cloudburst(雷雨)」は?


A ドーン!と盛り上がって。
 いままでの淀混さんの演奏で
 最高にキテました!


C やっぱり全国大会で
 歌える喜びが
 あったんじゃないのかな。
 「全国、待ってたぜ!」


B 「いてこましたるで!岡山!!」


 セリフをねつ造しないように(笑)。
  合唱表現という面で
  いろいろな要素を
  キチンとクリアしていたのが
  伊東さん、淀混さんらしいなぁと。


A 長い時間を掛けて
 徐々にテンションを
 上げていく表現は
 見事だと思いましたよ。


C こう言っちゃなんだけど
 淀混さんって今までちょっと
 予定調和の印象があって。


B 伊東さんが作る世界を
 超えない、みたいな。


C でも今回は指揮者を
 ガンガン超えてた!


A 淀混のみなさんのエネルギーが
 徐々に高まっていって、
 クライマックスでは
 ホールいっぱいに
 嵐が吹き荒れたようでした。


 自分も住んでいる岡山で
  サンダーシートなどを使った
  大自然のスペクタルを見せて、
  聴かせてくれたのは
  嬉しかったなあ。
  岡山民を代表して
  お礼を申し上げます(笑)。


B サンダーシート、
 演奏後にステージ上で
 分解してましたね(笑)。


C ややもすれば
 荒っぽい演奏になりがちだけど
 まとまりもあったし。
 クライマックスのハーモニーって
 雷光だと思うんだけど、
 鮮烈だったし眩しかった。
 あれだけ人数がいると
 雨の音も豪雨って感じで
 効果的だったよね。


A 最初から喜びがあふれ、
 それが曲の魅力に
 繋がった演奏でした。

 



メール、ツイッターの感想です。

 

パワー全開モードだったよどこん


よどこんさんは人数で殴る感じが好き(言い方)
音量とてつもなく大きいのかPCの音量下げても音割れてる。
会場で聞いたら圧凄そう(褒め言葉)
dim.も上手いし音量の魔術師かな?
PCの音量操作何度もしてた(音割れの軽減のため)


豊かな音が会場中に響き渡るだけでなく音楽性が非常に高い。
G3は今日イチ、自由曲も大迫力で選曲と音楽作りが見事にはまっていた。


正直団員の緊張はモロに出ていたが、それを含めて今日の演奏は人間っぽい温かさがあった 


迫力があってすてき。本当に雷鳴ったわー!


圧巻の演奏でした。


淀混さんの自由曲、ウィテカー絶品でした。
ウィテカーの他の作品、スリープや、ラスベガスを食いつくすゴジラもぜひ聞いてみたいです。


一番好きだったのは淀混。
天と地を創り上げてこちらを圧倒した。
人ならざるものの音楽。至高。


のびやかかつまとまったソプラノも無理のない柔らかいテノールも美しひ~。
一人よがりではなく各個人の自信、依存しあいではなく背中越しで頼りあう感じ。
個と団体を両方とも良い方向にもっていくとこうなるんやなぁ…好き。
バス・バリ・テナーの音高の高低もあるけど、声の色の濃さがワインレッド→赤→明るい赤みたいにきれいにグラデーションしてるのシンプルに美しいなぁ。
基礎技術なんだけど、結構センスないとその概念ないこと多いよね。
ブラーボ!  

 

   


(混声合唱部門第3位の感想に続きます)