観客賞スポットライト 混声合唱部門 その3






今回は観客賞の投票について!



参加資格:「大学ユース部門」「室内合唱部門」
     「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
      それぞれ全団体を聴いていること。
      (その部門の出演者は投票できません)


投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ 


#混声合唱17



を付けて
20日混声合唱の部終演(予定18:57)から
審査発表が始まる前の19:30まで
良かった2団体を書いてツイート。
(時間が短いので注意!)



その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします! 

 

 

ツイート投票の例:

合唱団●● 壮麗な混声合唱のお手本!
▲▲ヴォイス 大人数でも繊細な表現が素晴らしかった。
#混声合唱17

 

  


ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!

 

 

 

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Photo by A.Yamaguchi

 




今回も3団体をご紹介します。
関東4団体連続の最後を飾るのは…


 

 

 

 

 




7.千葉県・関東支部代表

VOCE ARMONICA

https://www.facebook.com/VOCEARMONICA/

 

(29名・3年連続出場・第64回大会以来5回目の出場)




昨年は30人ほどでプーランクの2重合唱の難曲
「人間の顔」より「自由」を演奏されたARMONICAさん。
指揮者の黒川和伸さんが声楽家でもあることから
超難曲でもサラリと歌いこなす印象がある団体です。


今回の選曲、課題曲は
G4 まぶしい朝(「自戒」から)
(吉原幸子 作詩/面川倫一 作曲)

自由曲は三善晃作曲「レクイエム」より「I」。


黒川さんよりメッセージをいただきました。 

 

 

2011年に全国大会に初出場した成功体験から、
2014年まではコンクールでは
「若い合唱団らしさ」をテーマに選曲していたのですが、
2014年に壁にぶち当たりました。
その時、ある方との対話の中で
「成功体験はかえってそれ以上の発展を妨害する」
との金言をいただき、
翌2015年からは
「自分達の、音楽、合唱へ憧れる真髄は何なのか?
 一生を費やしても他の人に投げかけたい
 自分達だけの音楽は何なのか?」というテーマのもと、
自分達の新たなレパートリーを求めて、
2015年に鈴木輝昭「春と修羅」、
2016年はプーランク「人間の顔」と選曲して来ました。


課題曲
G4「まぶしい朝」
ある方から「合唱指揮者の故辻正行先生が
意識的に朝日作曲賞授賞作品を選曲されていた」
というお話を聞き、
新たなレパートリーを広めるという
故辻正行先生の志に共感して選曲しました。
6月には某コンサートでは
面川さんと共演することができました。
団員もみんな気に入っているようです。

自由曲
2017年の自由曲は三善晃「レクイエム」より「I」です。
この曲も自分達の新たなレパートリーを求めて
選曲をする中で、
今年の全国大会の審査員に
栗山文昭先生がいらっしゃるということもあり、
栗山文昭先生に聴いていただくなら、
と思いもあって選曲しました。
(栗山文昭先生は2016年に
 三善晃「レクイエム」を
 トウキョウカンタートで演奏されています)


面川さんのまぶしい朝では、未来への希望を、
三善晃先生のレクイエムでは
忘れてはならない過去を歌います。
戦後72年。
戦後が新たな戦前にならないためにも、
聴いていただいた方に
何かが残るような演奏をしたいと思います。

 

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黒川さん、ありがとうございました。

三善先生の「レクイエム」、これは凄まじい作品です。
課題曲G3の「子どもは……」も、
もちろん先生の一面なのですが、
この「レクイエム」は
三善先生の代表作と言っても過言ではありません。

本来はオーケストラとの協演ですが、
今回は1台のピアノリダクション版での演奏ということ。
「レクイエム」とは「鎮魂歌」と訳されるのが常ですが
この作品は鎮魂というよりは
戦争による死者からの言葉という側面も持っています。

言及されているトウキョウカンタートでの
栗山先生が指揮される演奏を私も聴きました。
音楽のみならず演劇性に
非常に優れている栗友会さんの演奏のため
舞台から無数の黒い手が伸び、
こちらに掴みかかってくるようで
演奏後にもしばらく震えが止まらなかった記憶があります。


「自分達の、音楽、合唱へ憧れる真髄は何なのか?
 一生を費やしても他の人に投げかけたい 
 自分達だけの音楽は何なのか?」


大事なことだと思います。
コンクールでこの「レクイエム」を選曲されるということは
その問いへ真摯に向かい合うということでもあるのでしょう。

また黒川さんにとっては、
千葉大学合唱団での師匠とも言うべき
栗山文昭先生と音楽で対峙する機会でもあります。

コンクールという枠を越えて
自身の音楽観、存在を投げかける貴重な機会。
どうか悔いの無い演奏ができますように。










20分の休憩後、
集中力と表現に優れた
中部の実力団体の登場です。










8.愛知県・中部支部代表

岡崎混声合唱団

(70名・2年ぶりの出場・第57回大会以来12回目の出場
 岡崎高校コーラス部OB合唱団も含めると
 第49回大会以来14回目の出場)



母体は今年も全国大会へ出場された
岡崎高校コーラス部という実力合唱団。

2年前は信長貴富「第二章 母戀餓鬼」を選曲され、
「人気作曲家の知られていない作品を掘り出すとは!」
と好評でした。
最後の語りや女声のピアニッシモの子守歌まで
一瞬たりとも集中を切らさない演奏に
岡崎混声合唱団さんの実力と
この曲へ懸ける想いを感じました。


今回の演奏曲は
課題曲G3 「子どもは……」

自由曲はKrzysztof Penderecki作曲
「Иже херувимы(ケルビムの歌)」


団員さんからメッセージをいただきました。

 


課題曲(三善晃「子どもは……」)
三善先生の作品は私たちにとっても特別な存在であり、
繰り返し取り組んできました。
実は岡混、この「子どもは…」を集録した曲集
「五つの願い」も過去に何度か演奏しているのですが、
それと比べると今年の演奏はだいぶ変化していると感じます。
以前の演奏から10年以上(?)が経ち、
団員の顔ぶれも大きく変わりました。
サウンドは新生岡混となっても、
昔から大切にしてきたこの曲の祈りを、
今年も歌い上げられればと思います。

自由曲(ペンデレツキ「ケルビムの歌」)
原題はИже херувимы、
教会スラヴ語(ロシア語の古文のようなもの)で書かれた
正教会の賛美歌です。
ロシア出身のチェリスト・ロストロポーヴィチに
捧げるためにこのようなテクストを選択したらしいのですが、
指揮の近藤恵子先生も当初は謎の文字達に絶句し、
また「こんなに渋い“祈り/ Alleluja”の形があっていいの!?」
と思ったとのこと。
更に、ポーランド人であるペンデレツキが
正教会のテクストにどんな思いを込めたのか?
(ポーランドは伝統的にカトリックの国であり、
 ロシアとの悲しい歴史は有名です)という疑問も。

そんな山積みの課題と謎に困惑しつつも、
しかし2度のぶつかりの鋭い美しさ、
旋律の歌い回しなど、
ペンデレツキらしい魅力に抗えず、
えいやっ!と選曲したと聞いています(笑)。

そこで団内のロシア語チームが
教会スラヴ語の古書を片手に
文法レベルまで解読を進めると、
やはりこの曲は祈りなのだなぁ、と。
テクストはケルビムに倣って
神の神性や力を賛美する内容となっており、
音楽的にも、音のぶつかりが美しい
Largamenteの一見カオスな場面でさえ、
実は全てのパートが白鍵のみの
聞きやすいメロディーを歌い、
さも各々が天上の祈りを捧げるかのようです。

課題曲の祈りと並べることで、
自由曲の魅力を一層鮮明に
皆様へお届けできるのでは、と思っています。

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昨年のヴェルディ「レクイエム」で指揮者:小林研一郎先生と。




団員さん、ありがとうございました。
「団内のロシア語チーム」!
「教会スラヴ語の古書」!
「文法レベルまで解読を進める」!!

いやぁ、さすがです。
岡崎混声さんの演奏を聴くと私含め周りから
「演奏に知性が…」「構成がとても良い」
などと感想が出るのですがそれも納得。

この曲を聴くと、
ペンデレツキらしい緊張感が充溢していて
耳が離れなくなってしまいます。
同時に演奏する側となると
大変な集中力とその持続が必要な曲。

 

しかし、岡崎混声さんなら大丈夫!
音楽面のみならず、テクスト、ポーランドの歴史…
楽曲の細部に至るまでの分析によって
一層彫りの深い演奏を期待してしまいます。

  

 「課題曲の祈りと並べることで、
 自由曲の魅力を一層鮮明に
 皆様へお届けできるのでは」

 

 

岡崎混声さんの「2つの祈り」、
客席の私たちにきっと深く届くことでしょう。




 

 

 

 



続いては2番目に関西支部で出場された
「言葉の魔術師」が今度は九州から再登場です!



 

 

 

 





9.福岡県・九州支部代表

混声合唱団 うたうたい


(47名・第66回大会以来5年連続出場)




大阪からの「合唱団ことのは」さんと同じ
高嶋昌二先生を指揮者に抱く結成9年目の団体。
ダブルの全国出場はこれが初めてだそうです。

昨年は自由曲に信長貴富先生の
無伴奏混声合唱のための「ルバイヤート」を演奏し
「非常にスタイリッシュな響き」
「詩のメッセージがまっすぐ届きました」
「一皮むけた感がありました。
 ここにきて団の成長期なのでは?」
…などと好評でした。


今回の演奏曲は
課題曲G3 「子どもは……」

自由曲は信長貴富作曲
無伴奏混声合唱のための「カウボーイ・ポップ」より
「2.人さし指秘抄」
「5.ヒスイ」


ほぉ! 昨年と同じ信長先生の作品。
でも、これはかなり意外な選曲。
演奏会ではよく歌われる人気の曲ですが
そのポップさゆえに?
コンクールではなかなか見かけません。
一般の全国大会で演奏されるのは
これが初めてかも?


寺山修司の詩に乗せた
jazzyな香りがする「人さし指秘抄」と
最初のヴォカリーズから心掴まれる私も大好きな
「ヒスイ」の取り合わせ。
後半の美しいソプラノソロにも注目。

言葉だけではなく、
近年は響きも美しいうたうたいさん。


 だからこそ僕は歌ったのだ
 せめて言葉の宝石で
 二人の一日を
 かざるために

(寺山修司「ヒスイ」より)


「言葉の宝石」、感じさせて欲しいと思います!





(明日に続きます)

 

 

 

 

観客賞スポットライト 混声合唱部門 その2

 

 

 


全日本合唱連盟公式ツイッターさんがまとめてくれた

 

 

 

第70回全日本合唱コンクール全国大会~観光編


https://twitter.com/i/moments/931353478227570688

 

…が楽しく、かなり役立ちそうです。

 

「世界一辛いカレー」や「寝られる漫画喫茶」まで。

さすが東京!この多様さと奥の深さ!!

 

ハッシュタグであなたも投稿してみては?

 

 

 

 

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東京芸術劇場ホール Photo by A.Yamaguchi

 

 

 

 


今回は関東の3団体をご紹介します。
最初は初出場の団体から!

 

 

 



4.神奈川県・関東支部代表

合唱団 やえ山組

(26名・初出場)

 


初出場おめでとうございます!

混声のやえ山組さんは聴いたことが無いのですが
男声部の広域指定合唱団 青山組さんは
今年の7月、宝塚国際室内合唱コンクールで聴き、
名前に似合わず?実にしっかりしたデュファイで
驚いた覚えがあります。

 

 

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広域指定・・・まさか

 

 

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ギャングスタぁ?!

 

 

 

 


指揮は東京工業大学コール・クライネスさんと同じ
岩本達明先生。

課題曲はG2のプーランク。
自由曲も同じプーランクの
「Figure humaine(人間の顔)」より…と
おお、こちらもプーランクステージ?と思いきや
選ばれたのは最終曲の「自由」ではなく

4.Toi ma patiente
(お前、私の耐えるもの)
6.Le jour m'étonne et la nuit me fait peur
(昼は私を驚かし、夜は私を恐れさせる)

さらに谷川俊太郎詩・三善晃作曲
「地球へのバラード」の始まりの曲
「私が歌う理由(わけ)」


第2次世界大戦中に作曲された「人間の顔」。
レジスタンスだったエリュアールが記す
「復讐」「獣」の意味とは。
それに続く「私が歌う理由」で
これら選ばれた曲の理由がわかるかもしれません。


私が歌うわけは
いっぴきの仔猫
ずぶぬれで死んでゆく
いっぴきの仔猫



やえ山組さんのブログでは
過去の演奏がいくつも聴けますが
響きにこだわりセンスある流れの上質な音楽ばかり。
初出場ですがプーランクから繋がるフランス音楽の系譜、
三善晃の世界を堪能させてくれることを期待してしまいます。










続いても関東、しかも初出場の団体です!












5.新潟県・関東支部代表

合唱団ユートライ

(27名・初出場)



初出場おめでとうございます!
どんな団体なんでしょう?


団員さんからメッセージをいただきました。

 

全国大会初めまして!の合唱団ユートライです♪
当団13年目になる名島啓太先生の指揮のもと、
より質の高い音楽を目指し、新潟で活動しています。


1984年1月創立の「ユートライ(=You Try)」は、
「なんでもやろう!挑戦してみよう!」
という願いが込められています。
これまでたくさんの歌と共に歩み、
33年目となりました。
現メンバーは10代〜50代の27名。
団の強みは幅広い年齢層!
それぞれの味や良さを出し合いながら
ユートライサウンドを作っています。



[演奏曲について]

課題曲は、G3 三善晃「子どもは……」
三善作品を、時間をかけて取り組めるチャンス!
ということでこの曲に。
三善作品の一つ一つの音の解釈を深めることができました。

 

自由曲は、スイスの作曲家Ivo Antogniniの宗教曲。
ヨハネの福音書がテキストの
「Verbum caro factum est」と、
聖母マリアを賛美する
「O Gloriosa Domina」の2作品。


和声の運びが難しい曲ではあるけれど、
各フレーズを理解する事で音の広がり、
重なりを楽しめるようになってきました。
穏やかで優しい音楽の中にも
強い祈りを表現できたらと思います。


美しい曲をいかに美しく歌うか…
団として成長できる曲に巡りあえたと感じています。
いつか、次こそ。今年こそ!と
夢見てきたステージに立つ喜びを胸に秘め、
最高の舞台で私達の歌を届けたいと思います!

 

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団員さんありがとうございました。
団名は「ユートライ(=You Try)」という理由に
「…良い団名だなあ」とつぶやいてしまいました。

「Verbum caro factum est」は
優しさがあふれる旋律から後半のアレルヤの高まりに
強い祈りが伝わり。
「O Gloriosa Domina」は荘厳な雰囲気から
ダンスのように軽やかな中間部、
圧倒的な賛美のクライマックスに聴き惚れます。

室内部門で出場の鈴優会さんもそうでしたが
指揮者:名島啓太先生の選曲眼が光りますね。
「美しい曲をいかに美しく歌うか」
という言葉の難しさと理想。
演奏を聴きその美しさに魅了され
「歌ってみたい!」と思われる方が多くいらっしゃるかも。

創立から33年で初めての全国大会出場というのも
全国の団体に希望を抱かせることだと思います。
夢見てきた初めての全国大会、
「You Try」という団名そのままに
みなさんのすべてを懸けて挑戦してください!
応援しています!






 




続いてはこちらも関東から。
センスあふれる指揮者とリア充合唱団?!









6.埼玉県・関東支部代表

scatola di voce

(32名・第67回大会から4年連続出場)

 

 

scatola di voceは、イタリア語で「声の箱」の意。
来年で結成15周年。
4年前にグラスハープを使う
「Stars」で鮮烈なデビューを飾りました。
昨年はブラームスのモテットを演奏されたスカートラさん。

今年の選曲は
課題曲はG1 Adorna thalamum tuum, Sion

自由曲は
Daniel Elder作曲「O magnum mysterium」
Jake Runestad「Alleluia」

ふたたび現代曲の選曲!
指揮者の森田悠介先生のセンスは信頼できるので楽しみです。


団員さんからメッセージをいただきました。

 


選曲理由

今年のscatolaはたくさんの新入団員に恵まれ、
これまでとは一味違った
新しいscatolaの始まりの年となりました。
そんな年だからこそ、もう一度原点である
「祈りの音楽」に立ち返り、
今回の宗教曲3曲を選曲させていただきました。
中でも自由曲は、
「私たちの魅力を最大限引き出してくれる曲」をポイントに、
アメリカ人若手作曲家の現代曲2曲を選びました。

1曲目のO magnum mysteriumは、
近年国内外のコンクールで注目を集める
Daniel Elderの人気作です。
ドビュッシーやホルストの作品に影響を受けた
Danielのサウンドは、どこかお洒落で、
それでいて宇宙のように壮大な、
まさに私たちの持ち味であり、
私たちが目指し続けるサウンドそのものでした。
美しい旋律とドラマティックな和音展開に
団員一同魅了され、選曲させていただきました。
そして2曲目はリズミカルな曲が多く知られる
Jake RunestadのAlleluiaです。
多声部が幾重にも折り重なる壮大なクラスターと、
ハンドクラップを交えた
テンポ感あふれる曲想が印象的です。
前2曲とはまた異なる、
私たちの魅力を表現できる曲ではないかと考え
選曲させていただきました。


曲に関するエピソード


今回自由曲で選曲させて頂いた2曲は、
今年の7月に京都で開催された
アルティ声楽アンサンブルフェスティバルでも
演奏させていただきました。
そんな本番当日の朝、
なんと指揮者の森田先生に
3人目のお子さんが生まれたのです!
生命の誕生という神秘的な、
この上ない幸せに包まれながら
この2曲を歌えた喜びは、
団員一人一人の心に深く刻まれています。
新しい仲間、命との出会いの喜びを、
O magnum mysteriumとAlleluiaの2曲に込め、
全国大会のステージで精一杯歌わせていただきます。

 

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京都・アルティ声楽アンサンブルフェスティバルでの写真ということ。


 


おお、森田先生おめでとうございます!

自由曲はまさにメッセージの通りで
「O magnum mysterium」は3連符が効いた
「お洒落でそれでいて宇宙のように壮大」な曲。
「Alleluia」は室内部門に出場の
アンサンブルVineさんが
同じ作曲家の「Nyon Nyon」を演奏しますが
この曲も大変盛り上がる曲です。
混声部門でハンドクラップがあるのはこの曲だけ?!

課題曲からシメオンの腕の中に抱かれる幼子イエス、
そして生命の誕生という大いなる神秘、
最後にアレルヤ!と歓喜の3曲。
課題曲から自由曲の2曲まで
一貫したテーマが感じられる心憎い選曲です。


優れた宗教曲には
人知を越えた祈りが込められていると感じます。
どうかスカートラのみなさんの喜びのままに
客席の私たちに伝えて下さることを願っています。






(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 混声合唱部門 その1

 

 

 

 

 

さて、今日から混声合唱部門をご紹介します!


…しかし、大会の華とは言え、

エゲツないですよこの部門。
なんと全部で『20団体』!

同声部門が終わった13:04から
56分の休憩、客席入れ替えで
7団体(1時間半)聴いて20分休憩、
7団体(1時間半)聴いて19分休憩、
6団体(1時間17分)聴いて終了~。

14:00から18:57までの約5時間、
白熱した演奏が続くわけですよ。
耐えられるのかなあ・・・。


そんなことを言ってもしょうがない。
全国から集まった精鋭の演奏を真っ向から楽しむのみ!

 

 

 

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東京芸術劇場ホール Photo by A.Yamaguchi

 

 

 

 


今日は3団体をご紹介します!

混声合唱部門は14:00から。
最初の団体は九州、
繊細な音と響きを持ち味にするこの団体です。











1.大分県・九州支部代表

 

大分市民合唱団ウイステリア・コール

(44名・2年連続出場・第37回大会以来26回目の出場)


 


ウイステリアさんはコンクールの指揮者に
飯倉貞子先生、さらに猿渡健司先生が
就任されていたのですが
今年はさらに新しい指揮者が!

その方からメッセージをいただいております。

 


・ごあいさつ

合唱を愛する皆様、
今年のコンクールから指揮を振らせていただいています、
大分市民合唱団ウイステリア・コール副指揮者の後藤秀樹です。
昨年の全国大会では、ピアニストとして参加していたのですが、
今年は、飯倉女史、猿渡氏から受け継いだタクトを、
しっかり繋いでいきたい!と決意を新たにしています!

 


えええー! 
あの素晴らしいピアノで耳を幸せにしてくれた
ピアニストの後藤先生が指揮者に?!

全国に出場する団体で
こういう例って今まであったんでしょうか。
驚きです。

 


ウイステリアさんの課題曲は
G1 Adorna thalamum tuum, Sion(Orlande de Lassus 作曲)

自由曲は
Daniel Elder作曲「Ave Maria」
Ivo Antognini作曲「Canticum Novum」


Elderの作品は室内部門の
混声合唱団 鈴優会さんが選曲されていましたね。

2曲とも音響や音楽の運びにセンスが必要とされる作品。
現代的で静謐な響きの「Ave Maria」に
軽やかに高らかに上昇するCantate Dominoの語句が
散りばめられる「Canticum Novum」
静と動の対比が面白い選曲です。

 

・選曲について


今年は猿渡氏が選んで来られたので、
彼の思いを掲載するのが一番ではありますが…
私が感じるのはただ一つ。
『楽譜を奏でる』です。
作曲家が記した全ての音は勿論、
メッセージ、想い、空気、空間等を、
ウイステリアを通してどの様な音楽になるか。
この曲だけではなく、
全ての楽曲に対しても実は同じ思いです!



・最後に


現在のウイステリアは、新入団員や復帰団員に恵まれ、
今までにない活気と仲の良さが特徴です。
(飲み会の数も増えました!(^^))
大分で見守ってくれている飯倉先生、
コンクールでのタクトを私に任せ、
自らはベースでバリバリ歌ってくれている猿さん、
そして団員のみんなに心から感謝しています。
本番では、ベテラン、中堅、若手、力と声を合わせて、
皆様に「ウイステリアの音楽」をお届けいたします!

音楽、合唱を愛する皆様に感謝を込めて


後藤秀樹

 

 

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後藤先生ありがとうございました。
『楽譜を奏でる』という簡単なようで
非常に難しい言葉から
後藤先生の決意が伝わってくるようです。

新生「ウイステリア」さんの音楽に期待しています!





 




続いては関西から「言葉の魔術師」が率いるこの団体です。



 

 

 






2.大阪府・関西支部代表

 

合唱団ことのは

http://kotonoha.wiki.fc2.com/

 

(69名・5年ぶりの出場・第65回大会から2回目の出場)




2009年に創立。
「言葉の魔術師」高嶋昌二先生が指揮者。
「ことばを大切にした質の高い合唱を目指す」団体だから
「言の葉」=「ことのは」という団名なんでしょうね。

5年前の出場時は高嶋みどり先生の「落下傘」を演奏され
やはり言葉の巧みさに感心した覚えが。

今回の選曲は
課題曲:G4 まぶしい朝(「自戒」から)
(吉原幸子 作詩/面川倫一 作曲)

自由曲:宗左近詩・松本望作曲
「二つの祈りの音楽」より「夜ノ祈リ」。

おお~、2016年のCANTUS ANIMAEさん初演以来、
多くの団体が演奏されている人気の曲です。
…しかし、耳に心地良い2曲目の「永遠の光」だけ
演奏されることが多く、この「夜ノ祈リ」はあまり…。


「夜ノ祈リ」は宗左近氏による壮絶な内容のテキスト。

なぜ神は殺し合いを見過ごすのか
なぜ神は敵に仕返しするのを赦さないのか
いっそ人でなくなりたいと慟哭し、
祈りは牙を剝いて神に吼えることだと訴える。


「絶望を胎生の糧としない愛を信じることができない」と
三善晃先生は仰いました。

ピアノ連弾と重く鋭く打ち付けられる「言葉」。
ことのはさんの絶望からの祈りを
身構えて聴きたいと思います。


 

 

 

 

 




続いては北の地から
母体の高校合唱部も実力派のこの団体です。








 




3.北海道・北海道支部代表

Baum

(63名・4年連続出場・第64回大会以来6回目の出場)




Baumさんは2009年に札幌で創立。
指揮は同声部門で出場の
HBC少年少女合唱団シニアクラスも指揮される
大木秀一先生。
大木先生は札幌の名門合唱部、
札幌旭丘高校の指揮者を昨年までされていました。

Baumの団員さんは大木先生のもとに集まった人たちで
完全な札幌旭丘高OB合唱団というわけでは無いそうです。
団名のBaumはドイツ語で「木」の意味。
大「木」先生を
慕い集まって作られたことによる団名なのでしょう。


Baumさんの今年の課題曲は
G2 Salve Regina (Francis Poulenc 作曲)

自由曲はAlejandro D.Consolacion II作曲
「Pater Noster」
Ivo Antognini作曲「Canticum Novum」


おお!2曲目のアントニーニの作品が
2つ前に出場のウイステリアさんと同じ!
コンクールはこういう聴き比べも楽しいですね。

6月に札幌で行われたコーラスフェスティバルで
Baumさんが演奏する
このフィリピンの作曲家による
「Pater Noster」を聴きましたが
4声揃った時のハーモニーの美しさ。
作品の持つ神聖さをしっかり表出していました。

毎年、「勝負!」というよりは
耳に優しい選曲をされるBaumさん。
今回も私たちの耳を心地良くさせてくれるはず。






(明日に続きます)

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その5

 



今日で同声合唱部門は最終回!
3団体をご紹介しますが
その前に室内合唱・同声部門のチケットのお知らせです。


25日の大学ユース部門と
26日の混声合唱部門のチケットは売り切れてしまいましたが
25日の室内合唱の部(S席2,600円、A席2,000円)と
表彰式および樹の会さんによる特別コンサート(全席300円)
(※詳細はこちら!  )

 

そして今ご紹介している
26日(日)10:30~13:00の同声合唱の部
(S席2,600円、A席2,000円)
まだチケットが残っています。

ご紹介してきたように
聴き応えのある団体、選曲ばかり!
ぜひお買い求めください!


チケットは
都連チケットサービス
http://www.cnplayguide.com/tokyochorus/
コンビニエンスストア(セブンイレブン・ファミリーマート)
電話:0570-08-9999 でお買い求めいただけます。
(都連チケットサービスをご利用いただくと、
 システム利用料がかからないそうです)




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Photo by ピアノストさん


 

 

 

 


さあ同声部門の最終回。
北の地からこの団体の登場です。










8.北海道・北海道支部代表

HBC少年少女合唱団シニアクラス

(女声51名・5年連続・第57回大会から6回目の出場)

 



HBCは北海道放送株式会社(Hokkaido Broadcasting Co.,Ltd.)の略称。
1957年に前身のHBC児童合唱団。
1965年に中学生を加えたHBC少年少女合唱団を創立。

今回出場されるシニアクラスは
中学生と高校生のメンバーとのこと。
指揮は混声部門で出場のBaumも指揮される大木秀一先生。

HBC少年少女さん、
課題曲はF2のプーランク、
自由曲は鈴木輝昭作曲
二群の同声合唱とピアノのための 夢の木
「地球歳時記 vol.13」より
「2nd Scene」。

今までの自由曲では海外作品を
選曲されていた印象が強いHBCさん。
今回は輝昭作品!

世界中のこどもたちの、
「ゆめ」にまつわる俳句をまとめた
「ゆめのうた 地球歳時記 Vol.13」をテキスト
ということです。
「地球歳時記」のシリーズは何度か聴いたことがありますが
抒情的なピアノと鈴木先生独特の音響世界が繰り広げられ、
大変な難曲ですが同時に強く惹かれた覚えがあります。

テキストが「世界中のこどもたちの俳句」ですから
同年代の言葉として歌える団員さんもいらっしゃるでしょう。
楽しみです!











続いては高校OG合唱団。
毎年確かな実力を示してくれる団体と言えば…?












9.神奈川県・関東支部代表

La Pura Fuente

(女声32名・第66回大会から4年連続出場)

 




La Pura Fuenteとはスペイン語で「清い泉」とのこと。
神奈川県の合唱名門校、
清泉女学院の卒業生さんが2010年に作られた団体。

昨年はハンガリーの作曲家
ジェンジェシの作品を演奏。
面白い演出に、ボンゴを使った曲が
高い実力と共に強い印象を残しました。


今年の選曲は?
団員さんからメッセージをいただきました。 

 

 

◆課題曲F4 朱の小箱
(「室生緋歌」から)
(室生犀星 詩/鈴木輝昭 曲)

恋心が生み出す情念の世界観を描き出した一曲で、
室生犀星の美しい日本語や、
歌詞の部分とハミングの織りなす
そのメロディーに惹かれて選ばせていただきました。

日本語の言葉の表現や曲の中の強弱による揺れも、
詩に合わせて表現したいと思っています。
穏やかなようでその裏に隠された悲哀も含んだ恋慕の情を、
中高時代より様々な経験を得た私たちが
深みのある旋律とともにをお届けできたら良いです。


◆Psalmus22
“Deus, Deus, meus, quare me dereliquisti?”
~神よ、わが神よ、なぜ私をお見捨てになったのですか
(鈴木輝昭 曲)

“Deus, Deus, meus, quare me dereliquisti?”は、
私たちの母校である清泉女学院音楽部の委嘱曲であり、
旧約聖書による3つの詩編をテキストとした組曲最後の曲です。
現役時代とはまた違った挑戦ができるのではないかと思い
今回選曲しました。
3曲の中で最も激しく劇的にキリストの受難を描いており、
キリストが民衆に嘲笑と侮辱を受けながらゴルゴダの丘を登り、
十字架にかけられる場面を表現します。
そして最後には神への信頼と希望に昇華するという
壮大なスケールの作品であり、
カトリックの学校で育ってきた私たちにとって馴染み深い、
信仰や希望、愛の精神が込められた作品です。

独特の和音やアラビア調の旋律、
受難の激しさと聖母マリアを思わせる
明るく美しいメロディとの対比の鮮やかさの表現、
私たちの祈りの気持ちを届けることができたら良いです。


団員が増え、一昨年から部門を変えて出場することになりました。
今は大学1年生から社会人までの様々な世代で
30人を超える団体となっています。
世代や環境は違えど、同じ母校、同じ部活で
それぞれ様々な経験を積み上げてきた私たちが一緒に歌えること、
それも全国大会という素晴らしい機会に恵まれたこと、
とても幸せに思っています。
これまでの練習、そしてメンバーを誇りに思いつつ、
聴いて下さる皆さまにも楽しんでいただけるよう、
精一杯私たちの音楽をお届けします!

 

 

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去年の全国大会出場時とのこと。

 


団員さん、ありがとうございました。
今回の自由曲は委嘱作品だそうです。

そういえば前に出場のHBCさんの自由曲も
この清泉女学院音楽部さんと
La Pura Fuenteさんの委嘱作品。

清泉女学院音楽部さんの
鈴木輝昭作品の演奏は何度か聴いたことがありますが
その緻密な音楽性と高いテンションを
しっかり表現されていたのが印象に残っています。

今回の自由曲も始まりは迫る緊張感から
鮮やかに音楽が変化します。
課題曲と自由曲、
同じ作曲家で作風の違いを体験できるのも楽しみです。


自由曲は難易度の高い作品ですが
委嘱作品ということ、
しかも「カトリックの学校で育った」という強い言葉!
きっと説得力がある
完成度の高い演奏を聴かせて下さると期待しています。









同声部門、最後の団体は
毎年観客賞で大人気!
団名が変わったこちらの団体です。











10.愛知県・中部支部代表

VOCI BRILLANTI
https://www.facebook.com/brillanti0202/

(女声44名・5年連続・第63回大会から6回目の出場)





一昨年は信長貴富先生の「百年後」、
昨年は三善晃先生の「三つの夜想」から
「或る死に」を演奏し、
いずれも観客賞で1位を獲得。 

 

 

最初のソプラノの歌い出しに泣けてしまった…。

そうそう! 泣けましたね。

三善先生の比較的初期の作品なんですけど、
演奏のためか、みずみずしいというか、
なにか最近の曲のようにも聞こえて。

詩の村松英子さんが18歳の時の作品だから
ブリランテのみなさんも同じ、等身大の言葉として
演奏したような印象がありましたね。

ピアノの白鳥清子先生が
三善先生のような役割になったんじゃないですかね。
優しいまなざしで彼女たちの音に寄り添っている。

奥深い世界が音で創り出されていました。
言うなれば、声とピアノとのファンタジーが
そこに出現していました。
得難い音の体験だったと思います。

http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/01/12/080257

 

 

指揮は前日の室内合唱部門、
合唱団まいさんで指揮をされる雨森文也先生ですが
ピアニスト:白鳥清子先生とのアンサンブルもご注目!

団員さんからメッセージをいただきました。

 

 


私たちVOCI BRILLANTIは、
昨年度まで光ヶ丘女子高校OGを中心とした
HIKARI BRILLANTEとして雨森文也先生、
白鳥清子先生と一緒にコンクールに出場していましたが、
今年度から一般の団体として活動を始めました。
新体制となった今年、再び全国大会に出場できること、
団員一同とても嬉しく思っています!

今回自由曲として選んだのは、
課題曲「再会」と同じ曲集「光る砂漠」から、
「早春」「ほたるは星になった」の2曲です。
作詩者の矢沢宰さんは幼い頃から結核のため
十分に学校に通うことができず、
21歳という若さで亡くなりました。
年の近い私たちは、自分が矢沢さんと同じ立場だったら?と
常に考えながら歌っています。

曲集以外の詩も沢山読み、歩き方や表情、
仕草の一つ一つを自分で考え、
なりきって歌う練習を通して、
矢沢さんの「生きること」に対する想いを深めました。


「再会」では、久し振りに校庭に訪れた喜び、
秋が待っていてくれたことへの安心感や、
自分も松の木のように立派に生きたいという思いを、
「早春」では、矢沢さんの初恋の人である
看護師のユキさんから貰った山桜を思い、
多くの夢を描きながら懸命に生きようとする姿を、
「ほたるは星になった」では、愛し合うほたるを見て気づく、
生きることや愛することの美しさと儚さ、
そして初夏の星空に心震える矢沢さんの姿を、
演奏を通してお届けできたら幸いです。

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団員さん、ありがとうございました。
人数が減り、団名も変わられましたが
真摯に音楽へ向かう姿勢は
変わらない印象をメッセージから受けました。

課題曲から自由曲まで
萩原英彦先生の「光る砂漠」曲集から取られた
演奏会のような1ステージ。
昨年の村松英子さんの「或る死に」もそうでしたが
年代の近い矢沢宰氏の心と寄り添い
「生きる」ことの素晴らしさを感じさせて欲しいと思います。



さて、VOCI BRILLANTIさん、
一般団体になったということで
団員さんを募集しているそうです。 

 

 

私たちはいつでも団員募集中です!
現在、ピチピチの中学2年生から
人生経験豊富な社会人までの
メンバー50人が大活躍しています!
そして、県内だけでなく広島や千葉からの
遠隔地団員も練習にきてくれています(^^)
このメッセージを読んでくださっている女性の皆様、
入団大歓迎ですよ♪
雨森先生と白鳥先生と音楽がしたい方、
一緒に歌いましょう!

《練習日》
・火曜日18時~21時
・日曜日9時~15時

《練習場所》
愛知県岡崎市内の施設

《お問い合わせ》
Twitter&facebook:「VOCI BRILLANTI」で検索

Gmail:brising0202@gmail.com

団員が対応させていただきます。
お気軽にご連絡ください!

 

 

中学2年生から社会人、広島や千葉から?!
幅広いですね~。
興味を持たれた方はぜひ!




(明日に続きます)

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その4

 

 



さて、同声部門のご紹介は今日と明日で終わりです。



今回は観客賞の投票について!



参加資格:「大学ユース部門」「室内合唱部門」
     「同声合唱部門」「混声合唱の部」、
      それぞれ全団体を聴いていること。
      (その部門の出演者は投票できません)



投票方法は2つあります。
(必ず各部門の全団体を聴いてくださいね!)



1)ツイッターによる投票

投票方法:ご自分のツイッターアカウントで
ハッシュタグ

#同声合唱17

を付けて
20日同声合唱の部終演(予定13:04)から
審査発表が始まる前の19:30まで
良かった2団体を書いてツイート。


その際、各団体の後に感想を書いていただけると
とても嬉しいです。
1団体だけの投票でも結構ですよ。
3団体以上を書かれると無効です。すみません・・・)

※昨年、ハッシュタグを間違えた方が
何人かいらっしゃいました。
1文字でも間違うと捕捉できないので
正確にお願いします!

 


ツイート投票の例:

メンズヴォーカル●● 漢を感じる迫力ある演奏!
▲▲レディースコア 繊細で正確なハーモニーに聴き惚れました。
#同声合唱17

 

 

 



ツイッターアカウントを持っていない方は

2)メールによる投票

投票方法:メールアドレス
bungo0618*yahoo.co.jp
(↑ *を@に替えて下さい)
良かった2団体を書いて送って下さい。

件名は「観客賞」で。
締め切りの時間は
ツイッターでの投票と同じです。


つまり


1)その部門の出演者じゃない全団体聴いた人

2)2団体もしくは1団体を書いて

3)部門終了後すぐに投票


…してくださると、非常に助かります!

ご投票よろしくお願いいたします!



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慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団公式ツイッター様より転載

 

 

 


合唱団お江戸コラリアーずさん出演後は
20分の休憩をはさんで、同声部門の後半です。

 

 

 

 

 



高校の名門合唱部と
室内合唱部門のチャンピオンの合同団体、
2年ぶりの参加です!











6.佐賀県・九州支部代表

Choeur Nature

(女声43名・2年ぶり・第68回大会から2回目の出場)




クール・ナチュール。
2年前の出場時、私は

 


オルガンを使ったF2から圧倒。
声楽的練度の高さ、優美な音楽。
自由曲、堅田優衣先生の
「樋口一葉日記~書いて、生きるから」より
「1.我が身一代の」「3.なかなかにおもうことは」
分断された主旋律とBGMの関わり、
要所に挟まれる独特な和音が面白い。
これだけの難曲をよくここまで仕上げられるな〜と
感嘆のため息が漏れました。


…などと感想を書いています。
実力は折り紙付きのこの団体。

今年の課題曲はF4 鈴木輝昭先生「朱の小箱」。
さて、自由曲は?


団員さんからメッセージをいただきました。

 


クール・ナチュールは
佐賀女子高校と女声合唱団ソレイユの合同合唱団です。
合同での練習は、
あまり回数をたくさんできないので
集中して行っています。
と言っても、
いつまでも立って歌い続けられる高校生に対して、
隙あらば座ってしまうソレイユ年長組の私たちです(笑)。

今回は、池辺晋一郎先生に委嘱した
「東洋民謡集Ⅴ」を皆様に紹介したく
2年ぶりにコンクールに参加しました。

1曲目は沖縄のわらべうた「じんじん」
(「じんじん」とは沖縄の方言で「ほたる」)、
2曲目は「しっちょこはっちょこ」
佐賀と長崎のわらべうた(6曲)を元に作られています。

「しっちょこはっちょこ」は
指揮の樋口先生は小さい頃
お母様から歌ってもらっていたと言われていました。
団員にも数名知っている者がいました。
どちらの曲も、歌う度に新たな発見があり
練習していてとても楽しいです。

11月に音楽之友社より楽譜が発行されまして、
全国大会当日に会場でも販売されるとのことなので、
ぜひお手にとって楽譜とともに聴いてみて下さい!

 

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団員さん、ありがとうございました。

「隙あらば座ってしまうソレイユ年長組」
…と書かれていますが(笑)
前日の室内部門に続き、連日の本番!凄い!


自由曲の「東洋民謡集Ⅴ」はこのシリーズ初の女声合唱で、
しかも日本の民謡だけを素材にしているとのこと。

いただいた初演時のプログラムに
池辺先生は全国大会の審査員として
佐賀女子高の演奏を聴いて感銘を受けたことを
作曲の動機のひとつとして挙げ、


樋口久子先生の音楽作りに瞠目している。
それが「V」作曲のモチヴェイションであった。
佐賀から発信できることも、大きな歓びである。

…と記されています。

関わりの深い地元の歌を題材にした委嘱作品を、
全国大会という場で発信する。
素敵なことだと思います。

演奏に佐賀という地の力が強く宿りますように!


 

 






続いてはこちらも高校の名門合唱部と縁の深い、
初出場の団体です。









7.福島県・東北支部代表

合唱団L'alba

(女声25名・初出場)


初出場おめでとうございます!

さて、私も含め団名やその成り立ちに
興味津々の方がいらっしゃるかと。
団員さんからメッセージをいただきました。

 

 

 

皆さまこんにちは。そして初めまして。
福島県から参りました女声合唱団、
合唱団L'alba(ラルバ)です。

わたしたち合唱団L'albaは、
「黎明の、あなたたちの声で
 もう一度女声合唱の世界がみたい。
 あなたたちにしかできない女声合唱の素晴らしさを
 世に知らせたいんだ。
 これがわたしの描いている夢なんだ。
 力を貸してくれないか。」
と高校時代の恩師である星英一先生
(現福島県立福島東高校教諭)のお声掛けのもと
福島県立安積黎明高校コーラス部のOGが集い結成し、
2年目を迎えました。
L'albaはイタリア語で「黎明」の意味をもちます。


今回演奏いたします曲は
鈴木輝昭先生の「朱の小箱」、
石島正博先生の「女歌」
(序歌 さねさし、二 髪ながき、四 雪の日の、
 終歌 シッチハタバルヤ)です。

わたしたちは高校時代に
鈴木輝昭先生の多くの作品に出会い、
魅了されてきました。
高校を卒業してもまた先生の作品に取り組めることに
幸せを感じております。
また、石島正博先生の「女歌」は、
2006年に合唱団はるかさんにより委嘱初演された作品です。
今回は、25名で18声…団員一人ひとりが
大切な存在であるということを再確認させられました。
この2つの作品を通して乙女心をもつ少女、
熱くも切ない恋心をもつ女性、
神職者としての女性…。
わたしたちならではの、
わたしたちにしかできない音楽をお届けいたします。

団員は大学生から社会人までと、
高校時代には接点のなかった先輩や後輩と
一緒に活動しております。
またこのメンバーで歌う機会をいただけたこと。
大好きな星先生の指揮で歌えること。
わたしたちの演奏を楽しみにしてくださる方がいること。
すべての巡り合わせに感謝し、
わたしたちの音楽をしたいと思います。


舞台裏で順番を待っているあの空気
暖かい拍手に包まれながら入場するあの高揚感
歌い始めの星先生の表情
眩しいほどにキラキラした照明のあの感じ


26日東京芸術劇場で
どんな景色が見られるのか楽しみでなりません。
聴いてくださる方々にとってもわたしたちにとっても
幸せな時間となりますように。

 

 

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団員さん、ありがとうございました。
なんと「L'alba」はイタリア語で「黎明」の意味を持つんですね!
課題曲の鈴木輝昭先生の作品演奏は、
多くの委嘱作品、名演を生み出されてきた
安積黎明高校のOG合唱団ということで期待してしまいます。

自由曲の作曲者、石島正博先生の作品は
コンクールではあまり演奏されないかもしれませんが
平成4年女声の課題曲で高田敏子さんの詩に作曲された
「忘れもの」という名曲がありまして。
安積黎明さん前身の安積女子さんの演奏が素晴らしく
毎年夏が終わるたびに聴き返しております(笑)。


東北支部大会を聞かれた人の感想は


L'albaは安積黎明OGということもあり、
既に実力はお墨付きといったところでしょうか。
コンクール初参加の昨年も東北支部大会で
L'Aube des Tempsと室内部門同順位で
惜しくも全国出場を逃していましたので。
星先生世代のOGが中心ということもあり、
サウンド作りに長けた演奏だったと思います。
一方で大人の女性の色っぽい表現も随所に感じられ、
高校生のそれとは一線を画した演奏だったかなと。

…というものでした。


今回の「女歌」はメッセージにも記されているように
式子内親王、歌人、俳人など
さまざまな女性の言葉をテキストにした作品。
どことなく和の香りもする繊細な楽曲です。

18声を25人で演奏する・・・
きっとL'alba団員さん
ひとりひとりが息づく演奏となることでしょう。

一般部門では初めての全国大会。
どうかすべての力を出し切れることを願っております。




(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その3




同声合唱部門、今日は3団体をご紹介するのですが
まず初めましての団体が2団体続きます!


 

 

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慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団公式ツイッター様より転載

 

 

 



3.岡山県・中国支部代表

Coro Piace

(女声18名・初出場)



初出場おめでとうございます!

私の住む岡山の団体ということです。
どんな合唱団なんでしょう?

団員さんからメッセージをいただきました。

  

 

初めまして、岡山の“コロピア”こと“Coro Piace”です!
普段は人間の心情を描く邦人作品を多く歌っていますが、
ここ数年音楽の原点を学ぶため、
古典作品のレッスンを受けるなど、
心から音楽を愛し、高みを目指し歌い続けています。

課題曲に選んだF2『Ave verum corpus』も、
そんな私たちの成長のために挑戦した曲です。
プーランクの繊細かつ情熱的な和声に
心をやきもきさせながら、
湧き上がる“喜び”や“愛”を
アツい音としてお届けしたいなぁ~と日々模索中…。

そして自由曲は、ファンの団員が多い、
信長貴富作曲
「女声とピアノのための
『不可思議のポルトレー与謝野晶子の四つの詩ー』」より
『伴奏』『明日』です。

この曲集は『みだれ髪』などの著者、
与謝野晶子の生き様を描いた作品。
四篇の詩、それぞれに異なる顔を見せる晶子像を、
私たちなりに解釈し音楽作りを行なっています。
特に『伴奏』は男性を待つことしかできない、
当時の女性ならではの葛藤を表現した曲。
色恋経験の少ない若手団員には
「色気って何!?」
「彼氏作ります!(そして振られます!)」
な~んて言葉が飛び交う始末…。
しかしMっ気強い私たち、
この深めていく作業がまた幸せだったり…。
女心のためにスカートを履こう期間があったり、
何時間も曲や練習について討論したりすることも。
例え、指揮者・大森友美子先生からの
熱~い愛のムチが飛び交おうとも…

12/24(日)には、なかにしあかね先生をお迎えし、
コール ファミーユのジョイントコンサートも控え
(倉敷芸文館にて。新曲委嘱作品の初演もあり!
 こちらもどうぞよろしくお願いしますね。)
慌ただしい毎日ですが、
憧れの全国初舞台を団員皆楽しみにしています。
コロピアパワーと色気(!?)に溢れた演奏を
お届けできるよう頑張りますので、
どうぞ応援よろしくお願い致します。

 

 

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 山口での中国支部大会の写真ということ。

 

 


団員さん、楽しいメッセージをありがとうございました。
まさか作品が実生活にまで影響を及ぼすとは…。
与謝野晶子さんも信長先生も驚くことでしょう(笑)。


Coro Piaceさんと協演されたこともある
ピアニストの平林知子先生からも
メッセージをいただきました。

 


Coro Piaceさんは、
指揮者の大森先生ご自身が声楽家でもあり、
そのキャラクターは華やかでありながらお茶目さん。
歌い手の皆さんも真面目で熱心でありながら
明るく朗らかで、素敵な女声合唱団です。
(個人的には、初演に関わった「不可思議のポルトレ」が、
彼女たちの歌声でまた全国の皆さんに
聴いて頂ける事を幸せに思います。)

 

平林先生、ありがとうございました。
「明るく朗らか」!
団員さんからのメッセージでもそれが伝わる気がしますね。



「伴奏」と「明日」は昨年、同じく同声部門の
monossoさんが演奏されていましたが
コロピアさんの演奏でまた違った魅力を発見できそうです。

初出場の全国大会、
コロピアさんの魅力がすべて伝わりますように。
私も岡山在住民として応援します!









続いて初めましての団体第2弾!









4.大阪府・関西支部代表

CLARICE

(女声42名・初出場)



初出場おめでとうございます!


課題曲はF3「再会」
そして自由曲は
Brahms作曲「Vier Gesänge」より
「Gesang aus Fingal」

へえ~、自由曲にブラームスとは!
どんな団体なのでしょう。

こちらの団体も平林先生から
メッセージをいただいております。

  

 

CLARICEさんは、
指揮者さんが大阪市内の中学校の先生、
しかも合唱団ことのはさんの団員でもあります。
関西コンクールで私が出番を終えて会場に入った時に、
ちょうど彼女たちの演奏が始まったのですが、
生き生きとした若さと透明感溢れる歌声で、
関西コンクールの空気が
澄み渡っていくような気がしました。
しかも自由曲はブラームス!渋い!

 

 

平林先生、ありがとうございました。
中学校の先生ということで
団員さんも中学校合唱部のOGさんが多いのでは?
それなのにブラームスという選曲。
確かに渋い!(笑)

「生き生きとした若さと透明感溢れる歌声」で
どうブラームスの世界が紡がれるのか、期待ですね。



 

 

 

 

 

 



今日ご紹介する最後は
昨年同声部門のチャンピオン!

 

 

 

 

 

 

 

 



5.東京都・東京支部代表

合唱団お江戸コラリアーず

http://oekora.net/


(男声83名・第62回大会から9年連続出場)





合唱団お江戸コラリアーず、通称「おえこら」。
昨年の座談会では



大人の男声合唱でしたね。

歌い手にすごく合唱をわかっている人たちがいるな。
そんな印象を持ちました。

そして自由曲に信長貴富先生への委嘱曲。
「無伴奏男声合唱のための Credo」が大変なインパクトで。

生演奏を聴けて良かった!と思わせる大変な曲。
音の移動、ステレオ効果など
本当に「瞬きができない」くらい
集中して聴いてしまいました。

 

http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/01/09/124902



…などと毎回、演奏に強い印象を残される団体です。
マネージャーさんからメッセージをいただきました。

 


おかげさまで九回目の全国大会、
巡り巡って東京でお迎えする方となりました
(出演者ですが、おえコラは一部下準備担当でもあるです)。

2009年の札幌から昨年の鳥取まで思い返せば、
各地の美味しいモノwと
スタッフの皆さまの温かい歓迎が浮かび、
はて今回はどう楽しんでもらおうかなと
思いめぐらせてる次第です。

今回70回記念ということもあり、
当日会場ではこれまでのコンクールのパンフレット(コピー)や
写真の展示を予定しています。
また審査発表待ちの時間に
藤井宏樹先生指揮による
過去の課題曲からのコンサートが予定されてます。
伺っているところだとかなりの力の入れようで
来てくれるそうです。
スケジュールの都合で25日だけで、
聞けなさそうなのがすごく残念なんですけどね(苦笑)

コンクールの意義やら価値やら
いろいろ意見はあると思いますが、
全国から一堂に会した団体が
たった10分ちょいに気持ちを込めたラインナップが
まとめて聴ける演奏会、ぜひお聴き逃しなく。

ついでだから?ちょっとお願いです。
今回会場都合もあり全席指定で
部門ごとに入場券が分かれています。
大学職場一般部門では初めてかな?
会場の入れ替えが発生いたします。
指定席で荷物を置いておきたい気持ちもわかるのですが、
残っていると会場スタッフがどうしていいか
困ってしまいますのでご注意ください。

また特に二日目ですが、スケジュールがタイトなのです。
各出場団体さんについてもステージの入退場や移動など、
できるだけ軽やかかつ速やかに行っていただきますよう、
ご協力をお願いいたします。


え、おえコラのほう?
プーランクのフランス語と
落下傘のリズムに毎度ながら苦労して、
直前までもがき苦しむ未来しか見えません(泣 

26日の出演団体の皆さんは
練習やらで聴いてもらえないかもしれませんが、
客席の皆様、スタッフの皆様よろしくお願いいたします!

 

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今年の11月、熊本演奏旅行で地元のみなさんと共に。

 



マネージャーさん、ありがとうございました。
なんと出演者なのに下準備担当の方もいるとは。
そんなおえコラさんの心意気に報いるためにも
「客席への荷物置き」、気を付けましょうね!

そして出演者のみなさま!
ホール内のクロークのキャパがそれほど大きくないので、
出演者側は極力外部のロッカーを利用してくださると
大変助かるそうです。
ご協力よろしくお願いいたします。

↓リンクが参考になるかと。

池袋駅のコインロッカー攻略!
安くて絶対空いてる穴場スポットを紹介!

http:// http://tokyolucci.jp/ikebukuro-coinlocker

 



あと言及されている
「藤井宏樹先生指揮による
 過去の課題曲からのコンサート」詳細はこちら!

 

 



今年のおえコラさんの課題曲は
プーランクのM2 Seigneur, je vous en prie
自由曲は高嶋みどり「感傷的な三つの奏鳴曲」より
「3.落下傘」。

戦時中の軍部への批判を皮相的に書いた
金子光晴の詩がテキスト。
今年5月のTokyo Cantatで
同じ曲集の「くらげの唄」と共に
おえコラさんの演奏を聴かせていただきましたが
緊張感ある始まりと対比させるように
中間部が暖かく優しく歌われ、
またそれがおえコラさんの声に
とても合っていたのが印象に残っています。

混声版も含めて全国大会で
何度も演奏されてきた名曲ですが
おえコラさんなら
初めて聴いたような印象を与えてくれるでしょう。
期待です!

 


(明日に続きます)

 

 

 

観客賞スポットライト 同声合唱部門 その2




今回は香川県の月1回練習の女声合唱団、
monossoさんの訪問記です。



2.香川県・四国支部代表
 

monosso

(女声45名・2年連続出場)


 


2017年10月22日、日曜日 午前9時半。
台風21号が接近する中、
岡山から快速マリンライナーに乗り、
高松に降り立った。

 

 

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ちょっと風があるとすぐ運休することに定評がある瀬戸大橋線。
私は岡山に帰れるのだろうか・・・。

などと悩んでもしょうがない。
今日は誕生して2年経っていない女声合唱団、
monossoさんの練習見学に来たのだ。


高松駅から徒歩5分。
サンポート高松内のビルに入り6階の第3リハ室へ向かう。

リハ室そばのソファに指揮者の山本啓之さんを発見!
「今日は台風だから人数少ないよ、ごめんね」「いえいえ!」
などとご挨拶をしたところ、ある団員さんが通りがかった。

山本さん「Hちゃん! 発声やってよ!!」

「え~」とHちゃんと呼ばれた女性は困った顔をしながら
リハ室に入っていく。

「彼女は地元が高松で、
 いま広島の大学に通ってるんだよ。
 卒業したら高松に戻るだろうから、
 発声やってもらうのも育成の意味がある(笑)」

今日の練習予定などのお話を聞き、
10時半になったところで私もリハ室に。


指揮者の机を取り囲むように、
椅子と譜面台が団員分用意されている。
さらに首からは名札を下げ。
この時点の人数は17名。
しかも(私以外の)見学者が2名いらっしゃるそうだ。


来月の全国大会に向けての練習ということで
最初は課題曲F3、萩原英彦先生の「再会」
「まずは歌詞を付けないで『ラララ…』で行こうか」


monossoさんは単一パートの指摘時だけ
他パートが座り、
あとは基本立ちっぱなしで歌う練習スタイル。



しばらく歌わせてから
「アルト! もう少し音が欲しい!
 あ、メンズはがんばらなくていいから。
 ウィメンズがんばって!」

そう、monossoには2人の男性がアルトに入ってました。
これは一般の女声合唱団では珍しいのでは?



山本さんの指導は流れの中で笑いを交え、
指導なんだか山本さんワンマンショーなのか
わからなくなる時があったが、
それでも印象に残った言葉が2つあった。



ひとつは「必ず息を流して!」「息が動くように!」

これは解説が必要かもしれないが
私が感じたのは

「楽譜のリズム割りで機械的にならず、
 もっと自然な歌にしてや!」

じゃないかと。

自然なニュアンスの、身体が入った歌にするため
山本さんはあらゆる手管を使う。
流れる旋律を実感させるため、
ピアノだけを聴かせて音楽の共通点を説く。
アクセントにはインチキ外国人が出現して笑いを生む。

ーれも、イーナいー!じゃないでしょ!(笑)」


後から話をお聴きすると

「歌はやっぱりレガートが必要だからさ。
 monossoは同じメソッドの発声で
 育った子たちばかりじゃないし。
 レガートができていない子もおる。
 そういう子たちを育てていかないとね」




ふたつ目は「自分で動いてや!」


ソプラノ、メゾ、アルト、バラバラにして歌ってから
ふたたびパートごとに集まらせ歌わせて
「…文吾くん、どう思う?」

「え?! …前の方が・・・良かったような」

「そやろ! 隣に同じパートの人がおるから
 頼って弱くなってしまう。
 それじゃダメなんだよね!」



「再会」の「誰もいない」の出だしに注意した後
歌うのを止めた人が幾人かいて音が弱くなってしまった。

「『注意されたから歌わないでおこう…』
 そうじゃないんだよ!
 全員が、絶妙のあんばいで出るようにしよ!

 考えてみ? たまたまその日のコンディションで
 『これは揃わなそうだから私は休んどこう…』
 って全員が思ったらどうするの!!」


一同(笑)。


「まあ、ありえないけど(笑)。
 揃わずに失敗したっていいじゃない!
 全員で出そう!」


この言葉は響きました。
「一人で歌えないから合唱する」という人は多いと思うけど、
山本さんは一人で歌わせることこそ滅多にしなかったが
それでも歌う人の近くまで迫り、
ひとりずつの歌を探ろうとする。


「最後は一人やから!
 合唱は集団芸術だと思うんだけど
 最後はひとりひとりの関わり方次第!

 指揮者と団員は1対45じゃなくって
 1対1かける45…にしたいけど
 そんなん無理やもんね、オレ、千手観音じゃないし(笑)。

 やっぱりひとりひとりが発信してる音楽が愛おしい。

 金魚のフンみたいに他人の後をついてくんじゃなくって
 自分で動かす!その方が楽しかろ?」




「再会」の詩は病気で夭折した矢澤宰の作品。

「『校庭をめぐって』
 ちょっとそこに喜びが欲しいんだよな。
 知らないところをどきどきわくわくしながら回るような。

 『めぐる』って普通、校庭や学校に言わんやろ。
 だってさ、矢澤宰さんは
 病気でなかなか学校に行けなかったやろ?
 だから未知の学校、校庭が楽しい。

 自分も1年間入院して、
 半年ベッドの上から降りられなかったから
 その気持ち若干わかるんだよね・・・」


(…と少ししんみりさせて、
 半年後車椅子に乗ってすぐタバコを吸い、
 ぶっ倒れた話で笑いを取るのが山本流! 笑)




「『誰もいない』のフレーズ、
 3回同じことをしていると思われないように。
 でも2回目を濃い目にするのもおかしいし
 かと言って何もしないのもおかしい」


確かにそうだ。
この表情記号も音量も全く同じ3回のリフレイン、
山本さんはどう色付けするのか?と見ていると



「あなたたちが同じことを
 2回言う時はどんなときやろう?
 2回目を作為的に言うのは盛り上がるけど、
 ここはそういうところじゃないでしょ。

 誰もいない・・・。
 音はどっちにも聞こえて欲しい。
 『誰もいなくて寂しい』でもいいし
 『こんなに誰もいない学校初めて…』でもいいし
 いろんなもんに聞こえて欲しいな」


考えさせ、ひとりひとりの表現を引き出そうとする。
「再会」を最後に通すと
最初とは別団体のように
音楽が生きているのを感じた。






午後からはピアニスト酒井信先生がいらっしゃって
自由曲の信長貴富先生「百年後」の練習。


酒井先生にも私が紹介される。
「ホラ、あのmonossoの感想を
 ブログに書いていた文吾くんです」

酒井先生「あぁ、あの・・・」という反応。
読んでらっしゃるんですね~。
http://bungo618.hatenablog.com/entry/2017/01/05/192900


私が「山本さんはピアニストに厳しい、とウワサが」
と言うと山本さんが

「全然厳しくないですよ!優しいですよ!」


酒井先生クールに「そうですか?」


一同(笑)。


山本さん焦って
「いやいや! 酒井先生には
 『好きなよ~うにやってください!
  ・・・でも、こうもやってくださいね』
 って言ってるだけです(笑)』



「百年後」を演奏したHIKARI BRILLANTEさんが
いかに若くて可愛かったかを力説し、
団員さんから大ブーイングを受ける山本さん。

「酒井先生、僕を助けて・・・」


酒井先生クールに「難しいですね」


一同(笑)。


このふたり、
なかなか良いコンビなんじゃないでしょうか(笑)。


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「百年後」はインドの詩人タゴールが書いた詩に
信長貴富先生が作曲された作品。
あっという間に大人気となり、
練習中にも聴き惚れてしまうぐらい良い曲なのだけど
山本さんは

「確かに良い曲!
 でも、良い曲なんで
 歌う側が酔ってしまう危険性があるんだよね。
 だから楽譜上の指示をしっかり歌わないと」


酒井先生のピアノが入り、次に合唱…
という時に山本さんは全く動かない。
歌は当然抑え気味になる。
「自分から動いてや!」 えー?!(笑)

「指揮で歌ってないか?
 酒井先生、お願いします」


そしてフレーズに入る前のアルペジオを弾いてもらい、
歌わせる。

「それだよ!
 吟遊詩人が歌う前に、
 リュートをひと弾きして歌に入るやん。
 そういう歌が欲しい!

 歌曲での伴奏と同じだよね。
 指揮者はいらない(笑)。
 指揮者が支配するんじゃなくて
 ピアノの音楽を感じて自分から発信する…
 『ライブ』にして欲しいなあ」



出だしの「いまから百年後に…」

「その歌だとね、
 (手を少しだけ上げて)この辺にあるの。
 『いまから百年後に!』って言ってる距離感が欲しいの!
 『詩を読んでくれる人』と
 『伝えたい人』に向かって響きを増やして!

 …この曲には『ありがとう』という
 気持ちが入っていると思うんだよね。
 百年後に詩を書いてくれる人にも、
 そして、百年後に聴いてくれる人にも。
 ぜんぶ含めて人に対して
 『ありがとう!』という気持ちを込めて!」


酒井先生のピアノだけを何回も聴かせ、
メロディライン、息の流れ、音楽の流れを意識させる。

練習の最後にはぶつ切りにならない
先を見据えた音楽が入ってきたような。

最後になっても練習に参加する人数は
20人を少し越えるぐらいでしたが
ずっと立って歌うのも含め、
団員さんひとりひとりが
真摯に音楽へ向かおうとする姿が印象的でした。

 

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あっという間の6時間練習が終わり午後5時。
「台風で列車が止まるかもしれんよ?」との言葉に
急いで駅へ向かい着いたら17:05。
なんと17:10が岡山行き最終だった!ラッキー!
monossoのみなさん、山本さん、酒井先生、
ありがとうございました!


* * * * * * * * * * * * *


「まあ、あの後、2時間後に運転再開したんだけどね(笑)」
後から話をお聴きすると山本さんは
そう言って笑った。


「monossoは香川で合唱をしていた子たち、
 合唱をやりたい子たちの受け皿にしたいんだよ。
 吹奏楽をしてたけど合唱をやりたくて
 monossoで初めて合唱をする子もおるし。

 だから今の選曲は
 『言葉も意味もわからんけど一生懸命やる』じゃなくって
 本人たちが想いを込めて歌える作品を
 選んでやらんといかんな、と思ってね。
 自分はこういう気持ちでこう歌うんだという
 心と体がリンクする作品をまずはやっていきたい。

 …自分の音楽を強制するんじゃなく
 彼女たち自身の想いを生かして歌にしてあげたいな」



monossoの出番は同声部門2番目。
26日午前10:49の予定です。
みなさん、お聴き逃しなく!





(monossoさんの訪問記はこれでおわりです。
 ブログ記事は明日に続きます)