観客賞座談会・混声合唱の部 その6

 

 

鮭の酒びたし・村上市

 

前回は観客賞・混声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体Coro Ponteさん、混声合唱団うたうたいさん、合唱団Pangeさんへの感想をお話ししていました。

今回は混声合唱部門で印象的だった団体感想の続き、3団体についてお話しします。


山形県・東北支部代表
鶴岡土曜会混声合唱団

https://twitter.com/TsuruokaDoyokai

(混声70名)

 

文 課題曲G1、
 Wenn mein Stündlein vorhanden ist
 縦も揃っているし
 横の旋律の流れも気持ち良かった!


 70名というこれだけの大人数が
 あれだけパートごとに揃って
 ちゃんと線が聞こえてくるのが
 さすがだなって思って。


 旋律が魅力的で
 非常に聴きやすい。
 それこそ確信、
 喜びを持って歌っている気が。
 音楽の絶妙な変化も良かったです。


 毎年思ってるんですけど、
 土曜会さんのテノールが大好きで!
 深さもあるけど響きも高い!


 あ~、自分も思いました!


A 自由曲:三善晃「3.戦いの日日」
 「昭和の色」がしたね。


BC文 「昭和の色」?!(笑)


 聴く者をあの時代に引き込む力。
 衣装もコスプレじゃないよ!みたいな。


 なるほど(笑)
 最初のソリストさんも上手かったし、
 全体的にとても丁寧に
 歌われていたのが好印象でしたね。

【メール、Xの感想です】

圧倒的な三善の世界。
戦いの日日のみの選曲が素晴らしかった。


三善は当然だが、G1もかなりよかった


救いは…救いは無いんですか…
選曲も演奏スタイルも昭和〜平成前半っぽさを感じる 当然ながらめちゃくちゃ上手い
単曲なのに思ったより普通のテンポでいったので逆に驚いたものの、この曲を今演奏することの意義が伝わってきた


戦いの日日のソロ部分のじっくりさは心の悲痛な思いを感じた 
そのまま時間はきらきらとを聞きたかった自分もいたり


G1 東北の星(勝手に)。
この曲は内声が仲良くないとダメなんだ…やっぱり基本中の基本はパートごとにばらけないこと、いかに声をまとめるか。
ああ課題曲こっちやりかった。
自由曲
死ぬほど難しい…
うねるような男声、凄まじい迫力。
ソロの方、控えめに前に出てらしてほっこり。

 

 

愛知県・中部支部代表
岡崎混声合唱団

https://okakon.sunnyday.jp/home/

https://twitter.com/okazakikonsei

(混声58名)

 

文 課題曲G3 水上
 前にAさんが言ってましたが
 岡崎混声さんは音楽のフレームを
 きちんと作ってその中で遊ばせる、って。


 うん、岡崎さんは
 やっぱり知的だなと思うんですよ。
 自分はこの演奏で投票しました。


 課題曲も言うならば
 「昭和の色」がしましたね(笑)。


 だから「昭和の色」ってどんな?!(笑)


 スタッカート気味に
 短く切って、みたいな。
 そういう工夫が昭和の色だなって(笑)
 でも決して貶しているわけじゃなく、
 作曲された年代が古い曲だし
 そのスタイルを追求してるんだと。


 そうっ!のどかな中に躍動感!


 躍動感は生命の喜びだと思うんですよ。


 あと、団員みなさん、
 近藤恵子先生のこと大好きなんだな!って。


 そうじゃないと
 あれだけの人数が集まって
 あんな風な音楽を作れないですね。


 ご活動も長いですからね~。


C 自由曲:三善晃編曲
 「トゥバラーマ」
 古き良き日本の風景が見えました。


 同じく三善先生編曲の「佐渡おけさ」
 気合い十分の和太鼓奏者。
 ピアニストはまるで打楽器のように
 弾いて面白かった!


 合唱に対抗するなら
 ピアノの蓋全開でも良かったかな。
 素敵なピアノだったので
 もっと聴きたかった。
 和太鼓は良い塩梅で
 演奏を邪魔しない感じ。


 ピアノは内部奏法もあったね。


 ひとりひとりが
 考えて歌っているのが
 岡崎さんの好きなところなんですよ。
 それは「佐渡おけさ」のような曲でも。
 大好きでしたね。

【メール、Xの感想です】

生命の輝きが感じられる「水上」、自由曲もさすが三善作品!と胸の空く演奏でした🎶


終始安定感のある演奏で素直に楽しめた
合唱における民謡の歌い回しが堂に入ったもので実力の高さを感じる
何よりも新潟民謡を新潟の会場で演奏できるという奇跡よ


演奏録音もよく聞かせていただいていて好きな団体のひとつだったので、生で聞けてとても幸せでした!
グランツェの方も何人かいらっしゃったのかな👀
おけさ、飽きずにずーっと聞いていられるくらい楽しかったです✨


G3 一瞬で清流が流れた…
「こけしみず」ちょっと弾むんだ!水しぶき見えたよ。
フレーズ終わりの短い音がきちんとおさまるから、次の始まりが明快。
男声こんな爽やかなのすごい!
自由曲
1曲目、課題曲とは発声からまるで違ってるみたい。
最初から最後までハミングが肝(地獄)
2曲目、Tenor楽しそう!さてはこの曲好きだな。腹の底から湧き上がるような、鼓舞されるようなエネルギー。
こんな曲になるなんて民謡もびっくりだよ。

 

 

三重県・中部支部代表
Vocal Ensemble 《EST》

https://esthp1992.wixsite.com/vocal-ensemble-est

https://twitter.com/ensemble_est

(混声49名)

 

 あ!この課題曲G2
 Les fleurs et les arbres
 大好きでした!


ABC 良かったよね!


 流れの中でリズミック。
 そのリズムはどこからかな、って。
 よく聴いたらフランス語の語感を
 活かしてたんだね。


 とても良いテンポで気持ち良かった。
 それなのにハーモニーはしっかり、
 フレーズの最後まで神経が通って。
 1曲を通した起伏、
 テンションの幅が適度で
 最後はオシャレに締めて!
 さすが向井先生!!


B さすがEST!!(笑)


文 自由曲:土田豊貴「立ちつくす」
 良い旋律が耳に飛び込んできて。
 しなやかな音楽の流れ、
 合唱の余韻を2台ピアノが
 繋いでいくなど音響面でも
 聴き応えがありました。


 後半に正面を向きましたよね?


 あれは詩の内容を表わしたの?


 「世界が
 「愛してくれますように」で
 正面を向いたんだっけ?
 大自然、神への切なる願いかな。


 圧倒される壮大な音楽と音響。
 でもね、このホール、
 合唱とピアノを離した方が
 それぞれが効果的に聞こえてくると思って。
 昨日の大学ユース:FEMさんもそう。
 だからESTさんも男声は
 山台の一番後ろまで並んでいたけど、
 もっとピアノと離れていれば!


文 天井から吊り下げろと?!(笑)


 不可能なんだけど(笑)
 もっともっと合唱を聴きたかったな!


 わからないでもないですけど……。
 2台ピアノで音数がとにかく多い曲。
 やはり合唱がピアノに飲み込まれるような。
 でもそれはこの作品ならではの魅力と
 自分は思ってるんですけどね。


 だから合唱が正面を向いたとき、
 ホールに稲妻が疾った!


 そう!あの瞬間!
 声の鳴りにゾクゾクッと!


 あの人数で健闘されたとは思うけど
 ああいう時間がもう少しあったら、って。


 でもこういう作品に
 真正面から取り組むESTさん、
 やはり凄い団体ですね。

【メール、Xの感想です】

立ちつくす、ドラマチックで熱演でした。


あたたかな日本語の自由曲、僕好みで最高でした


好きな曲なので聞けて嬉しかった、あい混以外がやるとこうなるんだ


今までに無い傾向の選曲でどんな演奏になるか楽しみにしてたら、期待以上の充実した音楽で良かった
50人弱ながらあい混さんの70人弱の全国初演にも勝るとも劣らない大迫力だった


壮大な広がり豊かな立ちつくすで聞き惚れた


立ちつくす、すんごい曲!立ちつくしていた!
あつびさんの声がよく飛んでいたのと、隣にいらっしゃったテノールのおじさまの歌い姿がすごく素敵でした!


EST最高でした
課題曲の音のタッチと弾力がさすがで、好きな自由曲は音色と言葉が強くリンクして飛んできました
高校からの憧れです


G2 貴族の舞踏会に来たのかな。圧倒的華!
Bass軽やかでいいなあああ紳士。
会場中に花咲いてた
自由曲
ピアノ2台、でも全然負けてない。
音が奔流のように迫ってくる。え、Bass上手い上手い上手いすごい
一曲の消耗よ…筋トレ必須の合唱団かもしれない

 

 

(観客賞・混声合唱部門 最終回へ続きます)

 

観客賞座談会・混声合唱の部 その5

 

 

ぽんしゅ館・新潟市

前回は観客賞・同声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体女声合唱団 ゆめの缶詰さん、NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科さんへの感想をお話ししていました。

今回から観客賞・混声合唱部門、第6位内に入らずとも印象に残った団体の感想をお話しします。

今日は3団体!


千葉県・関東支部代表
Coro Ponte

https://twitter.com/coroponte

(混声29名)

 

 好きでした!
 課題曲G2 Les fleurs et les arbres
 明るめで若い声ですが
 ゆったりした雰囲気もあり。
 フレーズの抑揚も細やかでしたね。


 ソプラノさんの
 フレーズ終わりへの意識が繊細で。


B 確実に、堅実に歌っていましたよ。


文 自由曲:根岸宏輔「III.無言頌」は?


 最初、不思議な音から始まってね。


AC そうそう、なんの音だろう?!って。


 男声、鳩がって
 歌い出したんで
 「鳩の鳴き声だったんだ!」と納得(笑)


 自分は香山雅代さんの詩
 読んでいたから。
 聴く前に
 「どこで鳩の鳴き声を出すかな?」
 ……最初から鳴き声で「Yes!」って(笑)


 意図的かはわからないんだけど、
 地声を混ぜていて。
 でもそれで訴求力は高まっていたから
 やはり狙ったものだったのかな。


 ピアノが細かいパッセージで入る箇所から
 声と一緒に疾走感が出ていてね。
 現代的でカッコよかった!


 自分も「疾走感」メモしてますね。
 壮大さもあった。


 あと一番盛り上がるサビ
 ……いやサビって言っちゃいけないや(笑)
 そこでサカナクションを思い出しました!


 ちょっとJ-Popっぽかった?
 メロディもキャッチー!


 そうそう!
 メロディーは大事ですよね。
 やや難解ではあるけれど良い詩なので
 合唱団の人も共感して歌えそう。
 作品の新鮮さを感じさせてくれる
 ころぽんさんの優れた演奏もあり。
 他の団体でもこの委嘱曲を
 聴いてみたいと思いましたね。

【メール、Xの感想です】

自由曲のリズム面白い。


自由曲とにかくカッコイイ!鳩!鳩!鳩!


よく響く声
全国初演の自由曲は劇的な展開の作品で、無理なく表現できるギリギリのところを攻めながら描ききったと思う

 

 

福岡県・九州支部代表
混声合唱団うたうたい

https://utautai09.wixsite.com/utautai-choir

https://twitter.com/utautai_choir

(混声48名)

 

B 課題曲G1、
 Wenn mein Stündlein vorhanden ist
 音色がドイツ語に合っていました。


 そのためか、混声合唱として
 良く鳴っている感があって。


 前よりさらに声が洗練されましたね。


文 自由曲:信長貴富「そのあと」
 男声の歌い回しがとても良かったです。


 やっぱり高嶋先生の日本語のさばき方、
 歌い回しは上手いと思ったね~。


 ホモフォニックも良い響きで。
 さすがの演奏でしたね。

【メール、Xの感想です】

女声の声がとにかく好み!


やっぱり、日本語が本当に美しく聴こえました。好きです。


自由曲のテキストを伝える力はさることながら、音程やフレーズ感のレベルが高まってG1のドイツ語のポリフォニーを隙なく歌いこなしていることに感慨を覚える


子音の言葉さばきがおっってなった


G1 アンサンブルとはこのこと!ちゃんとフレーズのおさめ方を分かってらっしゃる…!
全体の音色(おんしょく)が揃ってるからすごく聴き心地がいい。
深緑のドレス、あまりない色ですごく良かった。
自由曲
めちゃくちゃ難しそう。
男声がよく鳴ってるのにうるさくないのはどうしてなんだ…
この人数の邦人曲めちゃくちゃ迫力ある
解決する和音の重厚さ、安定感!!!

 

 

高知県・四国支部代表
合唱団Pange

https://pange.sakura.ne.jp/cms/

https://twitter.com/Pange_Kochi

(混声33名)

B 課題曲G4
 Ⅰ―空と涙について―
 が軽やかで!


 まさに!
 恋の歌なので重く演奏する団体が
 多かったんですが、
 パンジェさんくらい軽く歌われると
 作品に別の魅力が加わりますね。
 軽めで明るい音があったために
 曲の中でメリハリが出ていたし、
 「たえてつれなき」は
 軽やかだからこその良い音が鳴っていました。


 九州は南へ行くほど
 明るくなるけど濃厚になっちゃう。
 高知は明るく、
 さらに軽やかな声だった!


 やはり坂本雅代先生のお人柄(笑)
 指揮者の須賀敬一先生が
 「あの子はね……」


BC文 坂本先生を「あの子」(笑)


 須賀先生からしたら
 「あの子」だから(笑)
 それで
 「あの子は【はちきん】だから!」って。


 ですよね~(笑)
 今年の中学、高校の部で
 それぞれ全国出場して、
 さらにパンジェさんもでしょう?
 まさに「はちきん」ですね!


 女声の声が明るかったな~。
 対照的に男声はソフトだと思って。


文 自由曲:土田豊貴
 「V.だいせんじがけだらなよさ」
 とても聴きやすかったですね。
 途中まで中間色のような雰囲気から
 どんどん気持ちが入ってきて。
 「さようなら」という思いが込み上げてくる……


 今までの土田先生の曲とは
 ちょっと違う印象だったな。


 2年前に委嘱された作品の最終曲。
 ぜひ広く全国へ知らしめたい!
 そんな坂本先生、団員さんの思いが。


 うん、確かに伝わってきました。


 ずーっとこのタイトルの
 意味を考えてて。


A文 えー?!


 途中で「おまじない」という
 言葉が出てきて!
 それでやっと
 「逆さまに読めばいいんだ!」って。


 まったく同じことを!(笑)


 五言絶句「勧酒」を
 作家:井伏鱒二が意訳し、
 さらに寺山修司の
 「幸福が遠すぎたら」という詩を
 基にしていて。


 「別れ」に関する内容の言葉を
 Xのパンジェさんアカウントで
 団員さんがずっと投稿してましたね。

 別れのテキストだけど
 それでも演奏に軽さがあって。
 だからこそ聴く側が
 自分だけの思いを持って惹かれてしまう、
 そんな気もしましたね。

【メール、Xの感想です】

Pangeのピアノ弾いてる人の、弱音の繊細さにうっとりした。


委嘱曲よすぎ


G4が他の団体に比べると速めだけれど、自由曲と合わせて恋とか出会いとか別れとか感情の奔流が溢れてくるような演奏でよかった


G4 難解だと思ってた曲がふっと分かりそうになった瞬間があった。
圧倒的清涼感、澄んだ青空みたいな声。
Tenorってパートでこんなに一つになれるんだ(うちじゃ無理だよ…)
自由曲
合唱って本当にいろんな曲があるんだな…
真面目にきちんと練習を積み上げてきたのがすごく分かる、伝わる!
言葉が綺麗に聴こえてくるから邦人曲もっと聴きたい。
あの指揮で歌ってみたい〜力を引き出してくれてるような美しい振り方。シンデレラに魔法をかけてくれる魔法使いかと思った



(観客賞座談会・混声合唱部門で印象に残った団体の感想、続きます)

 

観客賞座談会・同声合唱の部 最終回

 

割烹 新多久・村上市

 

前回は観客賞・同声合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体HBC少年少女合唱団シニアクラスさん、Coro Piaceさん、合唱団L'albaさんへの感想をお話ししていました。

今回はその続き、同声合唱部門の最終回。
印象に残った2団体についてお話しします。

 

東京都・東京支部代表
女声合唱団 ゆめの缶詰

https://lit.link/yumecan

https://twitter.com/yumecan_choir

(女声50名)

 

文 赤い靴がとても綺麗で!


 最初の発言がソレ?!(笑)
 課題曲F3 街路灯
 丁寧な演奏だなって。


 そうそう、ゆめ缶さんも
 大ホールにふさわしく
 声が鳴っているんだけど
 表現はピアノのニュアンスで
 良かったですね。


 割と情念を出しているなぁ~って。
 あとピアニストの小田裕之先生
 やっぱり上手!


 ですよね~! 
 自分も小田先生に◎!
 違う団体ですけど
 松元博志先生も良かった。


 今の東京では小田先生、松元先生が
 とても良いよね。


 すっごい優しい音がしました・・・。


 音楽がスムーズでしたね。
 時の変化がなめらかに進んでいって。


 ゆめ缶さん、人数が増えて
 声が若くなったのかな?
 もう少し大人の声のイメージだったけど。


 聞いたところでは
 清水雅彦先生のレッスンを受けられて、
 それが効を奏したのかもしれないですね。
 清水先生の声楽家としての歌の魅力が
 演奏に宿っていたような。


文 自由曲1曲目の宮本正太郎
 「冬の底で」、好きでしたね。
 良い曲だなぁ~って。
 若いけど精神的に熟した
 ひとりの女性に語りかけられた気がして。
 その彼女への視点、空気も優しい。


 追憶の感じが上手く出ていたな。


 言葉もクリアでしたよね。


 相手への思いが世界に通じる、
 そんな真理と広がりが音楽にもあり。


 終わりの残響が美しくて!


AB文 あ~!(同意)


 演奏後、
 相澤先生にお目にかかれたので伺ったら
 「ピアノのペダルと鈴の音色、
   合唱が響き合って
   あの残響になるんですよ」
 説明されて感心しましたね。
 (※聞き間違えていたらすみません)


 信長先生の「百年後」も思い出しました。


 そうですね。
 「百年後」の最後の音響へ
 さらに鈴の音が加わると
 「冬の底で」のように新鮮に感じられる。
 それぞれの音色やバランスも
 深く考えられていたのでは。
 2曲目の「2.綻びる」
 住み慣れた町からの発見、
 過ぎ去るものと新しい季節を迎える
 心情を歌っていて。
 ・・・なんかね、女性向けドラマの
 バックに流れている気がしたな。
 

AB わかる!


 えー、わからないわぁ。


 たぶんね、
 自分たち男どもがイメージする
 女性向けドラマは
 ちょっと違うのかもしれない(笑)


 Cさんは時代の先を
 行ってるんじゃないですか(笑)


 単純に感覚の違いかもね~。
 昨年、課題曲「定点観測」の詩に
 「すっごく少女漫画的で
   キュンキュンくる詩じゃない?!」と
 座談会参加の女性に尋ねたら
 「……私ひとりに女性代表を
   求められても」と困惑されて(笑)


 文吾さんが女性の心を
 理解できてるかどうかは・・・(苦笑)
 今回、「冬の底で」と
 「綻びる」を聴いて
 作曲家:宮本先生の好きな響きや
 目指そうとする音がちょっとだけ
 わかったような気がするな。


 団員は50名に増えたけど、
 以前のゆめ缶さんの繊細さは
 失なっていない。
 素敵な演奏でした。
 
【メール、Xの感想です】

最高です😢


弱音の響きがとても綺麗。


ゆめかんも上手かった
人数が多い中でppの繊細さが際立ってた


街路灯選手権のトリに相応しい(?)曲の世界観の表出の良さ
昨年までより人数が倍増(ガチ)しているので、声だけて十分惹きつける魅力が出てきた
もちろん声だけでなく表現によって聴き手を曲の世界観に連れ込んでいって離さない魅力がある


冬の底で 歌詞を届ける力◯
綻びる 音を届ける力◯
デュナミークの表現がとてつもなく◎


「街路灯」祭のトリとして、豊かな音楽で納得できる演奏でした。
最後まで安定感抜群の素晴らしい演奏だったと思います。


課題曲、自由曲通してとても華やかで彩り豊かなハーモニーで良かった


F3 丁寧な曲作り、50人の声が一つに聴こえるってどういうこと??
表情素敵な人多い、楽しそう。一曲を大切そうに歌ってる。
自由曲
1曲目、冬の底に感じる温かさ。やはり丁寧な曲作り。
50人のユニゾンすごいいい言葉が晴れやかに鳴る。
2曲目、美しい……!音がのびのびと響く。表情めっちゃ大事。嫌だ終わらないでもっと聴きたい

 

 

それでは同声合唱部門、最後の団体です!

福岡県・九州支部代表
NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科

https://www.nhk.or.jp/fukuoka/mirai/index.html

(女声36名)

 

 めっちゃ好きで投票しました!
 課題曲F4 ねんね根来の
 純粋な声で表現に良い緊張と
 細やかさがあってね。
 とても練習してきたのが
 伝わる演奏でした。


 今年の課題曲、女声4曲の中では
 この「ねんね根来の」が
 ベストマッチ!


 まさに!
 課題曲F4はこの団体にしか歌えない!
 そこまで思わせるほど。


 課題曲なのに(笑)
 でも確かにこの選曲は参りました!


 課題曲の街路灯はもちろん名曲だけど
 「それが自分たちに合っているか?」は
 また別の話だと思うんですよね。
 続く自由曲の横山潤子
 「奄美の守姉のうた」も同じ子守唄。
 でも前曲と違い、
 のびやかで優しい雰囲気を
 上手く出していた。
 情景が浮かぶようで
 「横山先生、
  良い作品書いてくれたなぁ!」って。


 最近、脂が乗っている作曲家ですよね。


 最初の音から
 この世界にすーっと入っていけるようで。


 大人が歌うんじゃなく、
 この「守姉」という立場の子守唄が
 彼ら彼女にとても合っていたと思って。


 そうそう!そうなんですよ!
 「赤とんぼ」の
 「十五で姐やは 嫁に行き」の
 十五歳くらいかな?って。


 守姉はもっと幼いかもしれないね。


 大人じゃ無い、
 子供からちょっと成長したお姉さんが
 子守りに駆り出されている、
 そういう状況を含め、
 めちゃめちゃマッチしてたな!と。


 良い曲だったし、
 東京国際合唱コンクールの児童合唱部門で
 「最優秀課題曲演奏賞」を受賞したのも
 納得の演奏でした。
 たぶん彼ら彼女たちも
 この曲が好きなんだろうな。


B 自由曲2曲目の三宅悠太
 「~序・泣いているきみ~」
 音色ピッタリでしっくりきました。


 世界観ができてるな、って。


 何でこの年齢でここまで
 切なさを表現できるんだろう?!


 でもぜんぜん背伸びせずに
 歌っていたのが。


 そうなんですよ!
 発声も少し息を混ぜて
 意識的に変えていたかな?
 テキストは寺山修司と谷川俊太郎で、
 聴くまではやや大人な内容だから
 難しいのでは?と懸念してたんだけど、
 彼ら彼女たちの
 等身大の歌が伝わる演奏で
 素晴らしかった。


 課題曲と自由曲2曲、
 性格の違う3曲だったけど、
 それぞれ完成度も高く、
 作品の良さが出ていた演奏だったね。
 コンクールなのに
 アラカルトステージのように聴けました。


 うん、ラプーラさんとは
 また違った印象のアラカルトステージ。
 でも課題曲と最初の自由曲は同じ子守唄、
 そして子供から大人への
 心の成長ということで
 テーマ、統一感も感じられ
 魅力あふれるステージだったと思います。

【メール、Xの感想です】

課題曲自由曲の繋がり民謡調で纏めてて聴きやすい 児童の声って癒やされます


アルトに男子がいることが活かされたF4のハーモニー、大人の女声合唱とはまた違った中高生ならではの情感に溢れた自由曲 
透き通りきってないトーンがまた魅力的で良かった


丁寧に大切に歌う課題曲
自由曲、のびのびとした歌声で決して叫ぶことがないことに感心◯
この歌を届けるという気持ちに溢れていた。


NHK福岡児童合唱団MIRAIシニア科は、九州支部大会から格段に素晴らしくなったと思います。 


豊かで伸びやかなハーモニーだった 
久々に序・泣いているきみ聞けて嬉しかった


F4 難しそう!めちゃくちゃ練習したんだな…
浄化される大人の心。8人ぐらいいた男の子たち綺麗な声!!
自由曲
泣くなよ言われても泣くわ美しいな!
一人ひとりの声量がしっかりあるのが分かる、なんていい顔するんだSopの端っこ2人
爽やかな一陣の風が吹いた。まだあどけないのにやってることもはもう大人。心の洗濯した。

 

 

(観客賞・混声合唱部門、印象に残った団体の感想へ続きます)

 

観客賞座談会・同声合唱の部 その4

 

 

のっぺ

 

前回は観客賞・室内合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体女声合唱団「歌姫」さん、杉並学院・菊華女声合唱団さんへの感想。
そして【室内合唱部門全体を振り返って】の感想をお話ししました。

 

今回から観客賞・同声合唱部門、第4位内に入らずとも印象に残った団体の感想をお話しします。

 

北海道・北海道支部代表
HBC少年少女合唱団シニアクラス

http://www.hbc.co.jp/hbc/jr-chor/

https://twitter.com/HbcJuniorchoir

(女声44名)

 

B 全パート存在感があって
 頑張ってハーモニーを
 作ろうとしていたなぁって。


文 自由曲1曲目
 アントニーニ「Agnus Dei」
 少年少女合唱の純粋な音色が
 とても合っていて良かったですね。
 さらに2曲目のジェンジェシ
 「Laudate Dominum」
 アタッカで繋げていて。


 ジェンジェシは
 とんでもない変拍子で
 ムチャクチャ難しい曲だったんだけど
 その変拍子をちゃんと捉えて
 歌っていたのは凄いなと思いました。


 若い子の真剣さが伝わってきて・・・。


 確かにそうですね。


C 「私たちにはできない!
    この整え方!!」って。


AB文 (笑)

【メール、Xの感想です】

去年に引き続き課題曲の選択には首を傾げるところ 他の曲の方が良さを活かせそうなのに…
自由曲の現代的宗教曲は深い響きの中に瞬発力があって緊張感のある音楽だった


深い響きの大人っぽい美声◯
多彩な選曲


F3 ちょっと緊張ぎみに見えたけど、44人の人数の迫力!
ややテンポ速め、入りのブレスの深さすごい
自由曲
Ivo Antognini来たー!特有のぶつかる音、美しいけど難しい。解決した和音の神々しさ。
2曲目一転してテンポ早い、よく耳にする曲。歌いこんでる感じ。

 

 

岡山県・中国支部代表
Coro Piace
(女声20名)


 お姉様の団員さんが多い団体ですが、
 課題曲F3 街路灯
 HBCさんの街路灯と続けて聞くと
 「諦観」みたいな感情が
 伝わってきたような。


 他の団体と比べると音価をたっぷり、
 テヌート気味に歌っているなあと。


 それがまた味わい深い。


 そうそう!


 「みんなすて」ちゃった後に
 さらにまだ捨てるものを
 静かに考えている雰囲気で。
 逆に自分はそこに
 人生への希望を
 感じてしまいました(笑)


 どういう意味なの(笑)
 指揮者の大森友美子先生は
 「主役感」があって、
 合唱団を引っ張っていた印象です。


 Piaceさん、お姉様と若い方が
 混在している団体だと思うんですが
 街路灯は
 お姉様に寄せた演奏だったかなと。
 逆に若い方がやや前に出ていた自由曲、
 信長貴富「創造の草笛」
 とても意欲的な作品。


 課題曲は大人の「女性」だったけど、
 自由曲は大人の「おんな」、でしたね・・・。


 そうですね、
 音楽も官能的に作られている。


 テキストが大手拓次だから、やはりね。
 この詩人の合唱曲と言えば
 9月に亡くなられた西村朗先生の作品を
 思い出しますね。
 詩から共通する香りを少しだけ
 「創造の草笛」からも感じました。


 オーボエがその「草笛」を模し、
 合唱を巧みに繋いでいて。


 オーボエと合わせたことで
 合唱のピッチがちょっと変わって。
 若干高め、そして明るめの音色に。


 先に合唱が入り、
 そこにオーボエの音色が加わると
 こんなミキシングになるんだ!と。
 素敵でした。


 オーボエはもともと人間の声に近いから。
 木管楽器や、あとバイオリンもそうだけど、
 協奏すると合唱のピッチや音色が
 変わるんですね。


 全国大会でオーボエとの協演は
 2019年、都留文科大学合唱団さんが
 アントニーニ作品を演奏して以来かな。

 意外と合唱とオーボエが
 合うんだなって感心しました。


 さらにピアノも加わって
 独自の世界がありましたね。


 後半の鮮烈な和音や訴え、
 凄く輝いていました!
 難しい作品だけど、
 信長先生の新境地な印象も。


 「あたらしい創造の」が
 こちらへ迫ってくるよう!
 委嘱曲で自分たちの作品を
 世に出すという気概が
 演奏にあふれていました。

【メール、Xの感想です】

F3は大人の世界だ!と思った
自由曲のオーボエの響きから立ち上がってくる世界観にゾクゾクさせられた 
楽器もあって人数も多くはないのに歌詞がはっきりと伝わってくる


街路灯、最後の巡り合わないの表現◯
自由曲、導入部のオーボエとボカリーズのつなぎ方が抜群


F3 Altoの安定感よ…余裕すら感じる。
まさに可憐なSop、色気のAlto。
ドラマチックな曲作り、ピアノ伴奏がすごく優しくて好き。
自由曲
オーボエが入る曲!尖りのない丸い音が華を添えてた。
水の波紋が広がっていくような出だしの音、かと思えば劇的に曲が変化していく。女声だけでここまでできるのか!凄まじい気迫。
歌vsピアノvsオーボエでバトル漫画の最終回見た気分。音の洪水で溺れたしやっぱりAltoめちゃくちゃ良き。

 

 

福島県・東北支部代表
合唱団L'alba

https://www.sotwe.com/Lalba_otome

(女声20名)


B 自由曲:三善晃「シャボン玉」
 声がガラッと変わって。

 

 課題曲も同じ三善先生
 街路灯なのに(笑)


 曲の雰囲気にピッタリ合った声になり
 「あ。世界が変わった!」
 曲の内容がこの音色を引き寄せたかな。
 後半、シャボン玉が
 割れるような音がしたけど
 あれは詩のどこの部分なんだろう?


 シャボン玉の「ボ」が重なって
 そう聞こえたのかもしれませんね。


 そうなんだ。
 「割れてる……」と
 不思議な感覚になって。


 言葉の意味や感情と距離を置いた
 透明でクリアな音響でした。
 

 「シャボン玉」が収められている
 「虹とリンゴ」は当時、
 団員数が多かった
 国立音楽大学女声合唱団ANGELICAさんの
 委嘱作品。
 それを20名という
 比較的少人数で演奏する場合の
 強弱記号などの難しさ……
 演奏は大変だったと思いますよ。
 

 良い意味で、歌い終わりに
 音へ執着していなくて。
 さらに後押しをしないんですよね。


 テンションが高いわけじゃない。
 自分の思いを主張せず、
 音が「在る」だけ。
 共感はあまり得られないかもしれない。
 でもそれが後半のピアノを邪魔せず、
 新鮮な音響に感じられたりも。
 宗左近の詩と
 三善先生の音楽が結びついた
 唯一無二の美しい世界だったと思います。

【メール、Xの感想です】

選曲は三善晃の初期作品と晩年の作品の対比として面白かったし、これらの曲を黎明トーンで聴かせてくれたのが嬉しい
アカペラで各パートがどんどん重なって行くところが特に良かった


ハーモニー、聞きあう力◯
自由曲、様々なロングトーンの安定感◯


少人数ながら、三善作品らしい素晴らしい演奏だったと思います。
自由曲は「ほら貝の笛」や「その日 —August 6」にも通じるものがあり、個人的に好みの楽曲でした。


F3 若々しい声、手を抜いている音が一つもない。一人ひとりの声に意志がある。リズムが明確な感じ。
自由曲
言葉がはっきりしてるから邦人曲向いてそう。緊張感漂うこれまた難しそうな曲。
矢のように飛んでいくスパッとした声、すごい息保つな…どこまで続けるの…
よくこの曲やろうと思ったなぁ…

 

 

(観客賞・同声合唱部門、印象に残った団体の感想続きます)

 

観客賞座談会・室内合唱の部 最終回

 

 

栃尾の油揚げ・長岡市

 

前回から室内合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった団体合唱団「い~すたん」さん、エシュコルさん、ウィスティリア アンサンブルさんの感想をお話ししています。

今回は2団体の感想、更に【室内合唱部門全体を振り返って】の感想も。


愛媛県・四国支部代表
女声合唱団「歌姫」

https://www.facebook.com/utahime1992/

https://twitter.com/ehimenoutahime

 (女声19名)

 

 人生経験豊富な方々の
 演奏という気がして。
 課題曲F3 街路灯にも
 それが十分現れていました。


C 雰囲気良かったですよね!


B 「みんなすてよう」、
 2回目に半音下げて歌うときは
 みなさんさまざまに深い心情をこめる。
 でも歌姫さんの場合は最初の
 「みんなすてよう」から既に
 2回目の深さがあった!


A もう最初から
 捨てる気じゅうぶん(笑)


B でも1回目の「すてよう」は
 あっさり歌う方が
 2回目の時に効果的だと思うんだけど……


 いやいや、そこはやっぱり
 人生経験の深さであってね(笑)。
 若いうちは失うものが
 いっぱいあったけど。
 残されたものがあまり無い時は
 「これも!」「あれも!」
 「みんなすてちゃおう!!!」……と。


A 「みんな捨てたと思ったけど、
   まだ捨てるものがあった」(笑)


 そうそう(笑)
 そういうギリギリの心情から
 振り絞られた歌姫さん渾身の
 「街路灯」ですよ!


B そうかなぁ・・・(笑)
 自由曲:イェイロ「Ave Generosa」、
 神聖さも出ていて、
 良い雰囲気でしたね。


A 2曲目のダルド「Jubilate Deo」
 気に入りました、楽しかった!


 うん、可愛かったですね。


B 自分は「おとなの可愛さ」ってメモして。


A それそれ!チャーミングでした!


B 課題曲、自由曲2曲、
 すべて性格が違う作品で
 どんどん明るくなっていく。


C 「私、人生を楽しんでいるわ!」
 ……みたいな。


A みんなすてたからこその身軽さが(笑)

【メール、Xの感想です】

あっさりしすぎない軽やかさというか、ビブラートもかかっておかあさんコーラス的なサウンドだけれど芯があって宗教曲にも違和感無く合ってる音


自由曲1曲目のスタート。
心震えるほど美しい和音


F3 立ち姿が綺麗!ぜひ見習いたい
日本語って美しい…丁寧な曲作りしてらっしゃる
声がこの曲にめちゃくちゃ合ってるので、包みこまれるような豊かさと散りばめられた艶
自由曲
Gjeilo大好き…北欧の澄んだ空気が吹いた、かっこいい!
本当に人数関係ないんだな
なんか女神がオブリガート歌ってらしたような
2曲目、表情も雰囲気もガラッと変わる、なかなか出来ることじゃない
自由曲Mez楽しそうやりたい


 

室内合唱部門、最後の団体です。

東京都・東京支部代表
杉並学院・菊華女声合唱団

(女声22名)

 

 男の子が3人いましたね。


C 課題曲F2 Sanctus
 いろんな歌い方を試しているようで
 とても面白かったです。


 同感ですね。
 「Hosanna」から
 「私たちリズム変えます!」と
 宣言するみたいだった(笑)


A 弱いパートが無かったですね。
 それこそ男の子の力かもしれない。
 3声がそれぞれ消えることなく、
 常に3パートが主張し際立っている。


 やはりOG合唱団なので
 発声や歌い方が統一されていました。
 個性的な歌い方のお一人を
 お手本にされているような気も
 ちょっとだけしたけど。


A 衣装が華やかで良かったです!


 ハンミョウみたいで
 綺麗だな~って思いました!


A おかあさんコーラスでも
 見られそうな素敵な衣装で。


 おかあさんコーラスと言えば、
 自由曲1曲目のフリオ・ドミンゲス
 「Estou amor aqui(私の愛はここに)」
 なつかしの歌謡曲っぽい感じがして。


C メロディーが印象に残りましたね~!


 杉並さんと言えば、
 若く強い声で
 押してくる印象があったので。
 こういう曲を哀感たっぷりに
 共感を込め歌う団体になったんだなぁ……と
 感慨深くなりました。

【メール、Xの感想です】

よくコントロールされたサウンド 久々の全国とはいえやはり安定感がある
時々音楽に停滞感を感じるものの芯のある音でそれすらも音楽に組み入れるような独特のサウンドは今回も健在だった


若く爽やかでストレートな音楽


F2 言葉を徹底的にやってるのが分かる!メリハリ、キビキビした発音
今まで聴いた解釈とは一線を画す
エネルギッシュ!
自由曲
やっぱり表情の良い人は目が吸い寄せられる何人もいらした
曲、死ぬほど難しそう
一人ひとりからエネルギーの柱が立ち昇ってるみたいだやはり情熱を感じる
Mez上手いなあああああ
衣装可愛い

 

 

【室内合唱部門を振り返って】

 観客賞1位2位と並んだので
 上西先生無双!という気が。
 どちらの団体も初出場でしたし。

 コンクールの賞で言えば
 倉敷少年少女合唱団さんが第1位になり、
 「全国の室内合唱団のみなさん、
  倉敷さんを目指そうね!」みたいな。


ABC ムチャ言うな!(笑)


 でもさ、コンクールって
 そういう側面があるわけでしょ。
 1位、金賞の団体のスタイルを
 意識しないのは難しい。
 審査員の多くが評価しているって
 ことだから。


A 倉敷さんを目指す・・・。
 まずみんな小学生からやり直す(笑)


BC文 (笑)


 でも今までずっと1位だった
 ソレイユさんを目指すなら
 性別変えて
 佐賀女子に入学しないとだから
 倉敷さんを目指す方が
 難易度は低いんじゃない?


B あのね、そもそも不可能に
 難易度とか無いの!(笑)


 みなさん倉敷に移住して
 小学校からやり直しましょうよ(笑)
 ところで、「室内合唱部門」という名称を
 そろそろ変えた方が良いと思うんだよね。


B いきなり!なんでまた?


 だっていわゆる「室内合唱」は
 少人数にふさわしいホールで
 声楽アンサンブルコンテスト全国大会や
 東京国際合唱コンクールで開催され
 軌道に乗っているわけでしょう。


C まぁ、それはそう。


 でも2,000人が収容できる
 大ホール前提での演奏って
 「少人数でいかに大ホールを鳴らすか」
 主目的になりがち。
 だからもう「室内合唱」の名称を変えて
 一般団体のはじまり、
 「一般A」部門の新設を提案します!


B 新設じゃないからね(笑)
 あのねぇ、確かに大ホールでの演奏は
 そういう難しさはあるよ。
 でも条件を「指揮者・ピアノ無し」にするとか、
 「課題曲はルネサンスバロック必須」にするとか、
 それこそ「音楽ジャンル別に分ける」とか、
 室内合唱を追求するための制度は
 まだまだ考えられると思うんだよね。
 文吾さんヤケになってない?


 ヤケじゃないヤケじゃない(笑)
 追求するのは良いんですけど、
 ただでさえ人口減、
 コンクールの敷居が高くなっているのに
 その条件でどれだけの団体が
 振り落とされてしまうのか?って。
 自分は今の室内合唱部門は
 「室内合唱」という名称を無くし、
 課題曲も無しにして
 門戸を広げた方が良いんじゃないかと。


B また極端な・・・。
 合唱連盟の目的って
 「合唱音楽の普及や啓蒙」でしょ?
 課題曲を無くしたら
 内外の名作に触れる機会が減るし、
 関連する講習会の意義も薄れちゃう。


文 コッチも(指で輪)減りますしねェゲヘヘ


B 今どんな顔してるか見せてやろうか?(笑)


 お金は大事だよ!(笑)
 冗談っぽく聞こえるかもしれないけど
 合唱連盟さんが室内合唱を追求するなら
 全国アンコンを充実させる方向じゃないかな。
 たとえば福島開催とは違う時期、
 東京の小ホールが会場で
 ルネバロ課題曲必須とかね。


C それ、福島の声楽アンコンを
 弱体化させることにならないかなぁ?


A 観客賞に話を戻すとね、
 観客賞の結果は観客の
 「こういう団体を目指したい」思いと
 わりあい一致していると思うんだよね。


 嬉しいお言葉感謝です!(笑)


A でも室内合唱部門の審査結果と
 観客賞の結果、
 自分の感覚では
 ちょっと離れている部門だと思う。
 さっき文吾さんが言ったように
 「少人数で大ホールを鳴らす」のに
 最適化されている団体や演奏が
 コンクール上位になっている現実があるから。


B 観客賞上位は
 「自分たちが目指したい団体」、
 「演奏する曲の本質を伝えている」、
 どちらか、あるいは両方の要素を
 持っている印象があるな。
 そこらへんも審査結果との違いじゃない?


 そうですね、
 少人数で大ホールを鳴らすことは、
 まったく悪いことじゃなく、素晴らしい。
 ただそれが主目的になって、
 演奏曲の本質が伝わりにくいとき、
 観客賞では票が入りにくいのかもね。

 ……ところでこの座談会司会のために
 アルコールを控えてたんですけど、
 そろそろ飲んでいいかな?


B むしろ今までの発言、
 酔ってなかったのに驚きだよ!(苦笑)

 



(同声合唱部門、印象に残った団体の感想に続きます)

 

観客賞座談会・室内合唱の部 その5

 

 

ベニズワイガニ・糸魚川市

 

前回は大学ユース部門、第5位内には入らずとも、印象的だった団体Chor Karminさん、北海道大学合唱団さんへの感想。
そして部門全体を振り返っての感想をお話ししました。

今回から室内合唱部門、第6位内には入らずとも、印象的だった3団体の感想を出演順にお話ししていきます。

沖縄県・九州支部代表
合唱団「い~すたん」 

https://www.facebook.com/Chorus.EASTERN/

https://twitter.com/easternokinawa

(混声24名)

 

文 課題曲G3 水上
 たっぷりとした音楽で
 パートバランスが良く、
 ピアニッシモから
 フォルテッシモまでの幅が広い。
 自由曲:信長貴富「葬送のウムイ」
 ヴォカリーズから強い思い、
 インパクトがありましたね。


C 良い衣装に引っ張られたのか、
 音楽が色鮮やかで
 押し出しも強い。
 あと年配の団員さんも頑張っていて、
 凄い舞台根性だなって。


A 美声の方が多い団体だったなぁ。


 そう、テノールソロも良かった。


B 彼、実はバリトンなんだけどね(笑)。
 でも沖縄の曲を歌うという点で、
 彼の歌はとてもしっくり来ていた。


 ソリストも良かったし、
 合唱全体に優れた抒情もあった。
 曲にふさわしい良い音が鳴っていました。 

【メール、Xの感想です】

ffもppも惚れ惚れとすると豊かな声


音にパワーがあるので、多声部に分かれる作品で声の良さが活きてる


G3「水上」
自分たちもやったから言葉の綺麗さに感動。パートごとにすごいまとまってる。テンポかなりゆっくりで、ブレスの深さが生きてた。
何より繰り返した後の2番の盛り上がり!明らかにより響いてて、繰り返す意味がある曲になってた。
自由曲
めちゃくちゃ難しそう。でも楽しそうに歌ってらした。
ソロの方が、パートに戻るとすっと馴染んで個を消すのが上手すぎた。職人。Altoの言葉の処理が綺麗!
関係ないけど男声のネクタイの色良かった。


温かいサウンドにこちらの心もあたたまりました。

 

 

愛知県・中部支部代表
エシュコル

(女声20名)

 

 金城学院中学校高等学校グリークラブの
 OG合唱団なためか
 雰囲気と音が清潔な感じ!


B 元々母体がミッション系の学校だから。
 カプレの課題曲F2にそれが良く現れていた。


 そう言われてみれば、
 なるほどと頷けるところが?(笑)
 自由曲:瑞慶覧尚子「約束」より4曲。
 歌と音響効果のバランスが良かった。
 とても考えられていたと思います。


A 大人の声で端正な雰囲気でしたね。


 そうですね。
 指揮者の小原恒久先生についていく!
 だけども「盲信」ではない、
 そんな信頼関係みたいなものが
 音楽にも出ていたんじゃないでしょうか。

【メール、Xの感想です】

音が生き生きとしていて、5曲の演奏の中で1曲ごとの歌い分けがなされていて多彩な表現がよかった


強くしなやかな歌声


F2 全員揃ってのユニゾンがめちゃくちゃ綺麗。一人の人が歌ってるみたい。声がとても若々しい。
ユニゾンが揃うから分かれた時にハッとなるほどのインパクトがあるな。
自由曲
難しそう。Mezの安定感すごい。レガートにするところとリズムを立てるところのメリハリがすごく効いてる。

 

 

北海道・北海道支部代表
ウィスティリア アンサンブル

https://twitter.com/wisteria_japan

(女声13名)

 

文 自由曲のエベン「永遠の美容法」
 2年前に演奏した曲の再演ですね。


A フレーズの作り方が
 切り込んでいくような……
 各パート「私が!入ります!」
 そんな感じでアグレッシブな印象でした。


 「ここから変えます!」みたいな音楽、
 旋律の変化の意志も明確なんですよね。


B プロフィールに「現在正規団員は5名」と
 書かれていて。
 でも2年前から比べると
 だいぶ復調してきた感じがしました。


 コロナ前のウィスティリアさんが
 戻って来たような。
 今後とも頑張って欲しいですね。

【メール、Xの感想です】

最近は声が硬い印象だったけど今回はサウンドに柔らかさが出てきた感じ
発語が丁寧で、その分音楽がやや停滞気味だったかも


中学生8名?信じがたい大人の声


F2 細かいところまで言葉が揃ってる。どんな短い音でもピッチがピタッと合うのすごい。
自由曲
めっちゃ難しそうな曲(何語だ)穢れのない声ここは教会。
Altoの支えの安定感!みんな目線が上がっててとても良かった。

 

 

(室内合唱部門:印象に残った団体の感想に続きます)

 

観客賞座談会・大学ユース合唱の部 最終回

 

 

ショウガ醤油ラーメン

 

前回は大学ユース部門、第5位内には入らずとも、印象的だった団体九大混声合唱団さん、福島大学混声合唱団さんの感想をお話ししました。

今回は印象的だった大学ユース団体の感想続きと、部門全体を振り返っての感想です。


鳥取県・中国支部代表
Chor Karmin

https://twitter.com/ChorKarmin

(混声50名)

B 自分は投票しました!
 課題曲G2 Les fleurs et les arbres、
 フランス語を頑張っていたし、
 音楽を作ろうとしたのが見えた。
 案外速いテンポで進んでいたけど、
 破綻も無く、流しすぎず、
 ちゃんと音楽を捉えていたなぁと。

 自由曲:信長貴富「くちびるに歌を」、
 男声の日本語の始まり、
 「くちびるに歌を持て
  心に太陽を持て」、
 多くの合唱団は2つのフレーズに分けるんだけど
 Karminさんは
 「くちびるに」「歌を持て
 「心に」「太陽を持て」と4つに分けて。
 それが日本語のメッセージとして
 強く伝わり、あそこで自分は震えた!


 へぇ~!? 自分は
 「なぜそこまで区切るんだろう?」って。


B 繋げたいのはわかるんだけど、
 それでは日本語の言葉として
 聞こえにくいと
 今までは不満に思っていたから。
 熱演だったのも良かったと思うし。


A 無理に「まとめよう」と
 していなかったかな。
 誠意が演奏にあった気がする。


C クライマックスも合唱の熱演で
 ピアノの音がかき消されるくらい!
 「熱い!!」


B コンクールを忘れさせる演奏。
 感動しました。

【メール、Xの感想です】

高校OBということで軽めのサウンドかと思いきや、深い発声で四声のバランスも良かった
男声の安定感はこれまでの中国支部の大学ユース団体の中でもトップクラス
緊張感からか全体的にせかせかした音楽作りになってたのが惜しい


自由曲の最終盤、これぞ青春と言った歌いっぷり


課題曲こんな曲だったのねと自分で歌ってみたときに感じられなかったものを受け取ることができました。
自由曲にこの曲を持ってきたのが凄いと思って聞いておりました。


終わりの方の皆さんの歌いたいという気持ちに打ちのめされました。

 

 

大学ユース部門、最後の団体です。

北海道・北海道支部代表
北海道大学合唱団

http://hokumalechor.web.fc2.com/

https://twitter.com/Gassyo_hmc

(男声36名)

B こちらも自分は投票しました!


 良かったですよね! 
 課題曲M2 Salut, Dame Sainte、
 トップテナーが素晴らしく。
 バランスもダイナミクスも適切。
 

B ちょっと声が籠もり気味かな~と
 思わないでもなかったけど。
 でも、一番フランス語らしく
 聞こえたのは北大さんだったし、
 音楽も一番プーランクらしかったのは
 北大さんだったと思う。


C レガートが一番こなれていましたね。


A 豊かな声だと感心しました。


 加えるなら、プーランクのサウンド。
 かすかに寂しさを感じさせるのも
 趣味が良い!
 先に自由曲2曲目、
 三善晃「路標のうた」
 軽やかにリズムに乗り、歌っていた。
 二群合唱の立体感も出ていたんじゃないかな。
 「おーい」の呼びかけなども、
 ライブ感、遠近法的な魅力があった。


B 二群合唱になり、やや内向きになって。
 あれが真正面を向いて歌っていれば
 二群合唱の音響効果など
 もっと鮮明に聞こえたかなぁ~と。


 うーん、でも元々は
 法政大学アリオンコールさんと
 関西大学グリークラブさんとの
 合同演奏のための委嘱曲でしょ?
 二群で、お互いに呼び交わし、歌い合うのが
 この作品のキモだと思うから・・・。

 あと自由曲1曲目三善晃「薔薇よ」


C あれはほんっとに素晴らしかった!


 こんなに良い「薔薇よ」は
 生演奏では聴いたことが無いくらい!
 旋律も声も美しいし、
 知性を感じさせる……


A レガートが良かったですよね。
 そして日本語を歌っているんだけど
 サウンドが海外作品のように聞こえた。
 三善作品の独特の和声を
 上手く表現しているなあって。


C プーランクから、
 フランス音楽のエスプリがある三善作品。
 そこに選曲の妙があったかと。


 名演だったと思いますね。
 本当に素晴らしかった! 

【メール、Xの感想です】

北大めっさよかったです
あの声での情感たっぷりの三善が本当に良い


M2と「薔薇よ」をじっくり聴かせておいてからのテンポ速めな「路標のうた」が案外しっくりきた(制限時間の都合もあるとはいえ…)
深いサウンドが三善作品の深遠な表現にぴったりはまっていたと思う


ユースらしさ、男声らしさ、三善作品らしさ◯


北大のサウンド感好きなんよな〜〜〜〜〜


厚みのある響きが素晴らしい。


課題曲はここが一番好きです。
路標のうた初めて聞きましたが、男声でやってみたいと思いました。

 

 

【大学ユース部門全体を振り返って】

A Chor Karminさんのプロフィールを
 見たけど
 「中止となった2020年度コンクールの
  米子東高校の演奏予定曲」が
 「くちびるに歌を」だったって。
 今回はそういう意図が込められた選曲。


B 今年はそういう流れが多かった気がするな。
 大阪でも「Re-Nコン」があったというし。


 2020年の課題曲を全体合唱で歌う機会。
 作曲者にとっても、あの全体合唱は
 格別の思いがあるそうだから
 「土田先生良かったねぇ!」って(笑)。

 

C 全国大会ではユース団体が
 目立った年だったね。
 全10団体で4団体がユース合唱団。
 そしてユースのMan de rartさんが
 金賞1位、観客賞も1位!


 Man de rartさん凄かった!
 だけど難しい面もあるよね。
 自分も今の学生だったら
 ユース団体に入っていた可能性が高いけど。
 でも例えば
 「合唱なんて興味なかったけど
  女の子と付き合いたいから
  大学合唱団に入った!」
 みたいな人もいるわけじゃないですか。


A 「麻雀するために入部したら
  初めてグリークラブって気づいた」とか(笑)。


 あるある(笑)。
 でもそういう人たちが合唱にハマって
 指揮者になって文部科学大臣賞を受賞とか。
 声楽家になって海外で活躍とかは、
 何度も耳にする話だし。 


ABC あるね~!


 言わばユース合唱団では
 絶対拾い上げない人たちですよ。
 そういう人たちを取りこぼして良いのか。
 まぁ若いときの自分は
 「合唱なんかに興味ないけど~」とか言う
 先輩にムカついてたけどな!


B どっちなの(笑)
 でもユース団体の純粋性というか、
 表現に余分なものが無いのは
 コンクールに有利だと思ったな。


 それは認めます。
 ただこのまま推し進めることが
 若い人への合唱の力になるのか。
 大学合唱団がどんどん無くなっている状況や
 大都市と地方の違いもあるけれど。
 制度として今のままで良いのか。
 メリットとデメリットを考えて、
 どういう方向へ合唱連盟は舵を取りたいのか、
 総括する時期が来てるんじゃないかな。


(観客賞:室内合唱部門の印象的だった団体感想へ)