観客賞座談会・同声合唱の部 その3

 

オリーブ橋とスイレン池
レッドヒルヒーサーの森(津市)
提供:三重フォトギャラリー


2022年度同声部門観客賞:1位!

四国支部代表・香川県
monosso

https://twitter.com/monosso_kagawa

(女声36名)

 

一同 拍手!


A 課題曲F2「Lied」、
 今大会でmonossoさんしか
 演奏していなかったんですけど。
 最初から山さんの音楽だな!と。
 ピアニッシモの表現や緊張感、
 その音楽性が嬉しかった。


C 息をずっと伸ばして
 抑制をかけていく、
 山さんの振り方。
 あれが凄く生きている歌い方だなぁと。


 哀切な表情が
  こぼれ落ちるようでね。
  3声それぞれの音楽が
  確立されていることに
  説得力を感じました。
  高校の部で演奏されたかは
  知らないんだけど
  おそらく今大会、
  最高のF2演奏なんじゃないかな。


A 山さんに聞いたら
 「もともと歌曲やけんね。
  一人で歌う曲の緊張感と表情を
  どうやって合唱で表現するか」
  と言ってましたね。


 合唱の集中が
  凄く長く続くんだよね。
  あと酒井信先生のさりげない、
  置くようなピアノも
  コントラストが効いて
  とても効果的でした。


B 61ページ最後の「gestroben」、
 この言葉を非常に強調していたんだけど。
 どういう意味だろう?と確認したら
 「死んだ」、という言葉で。
 「あなたの心が遠くに離れてしまって、
  私の心はとっくに死んでしまった
 一番言いたいところだったんだな、と。
 

A 最後もピアノを鳴らした後、
 Adagioで一言だけ
 「So fern(とても遠くに)」!
 あのピアニッシモ、
 さすが山さん・・・。


文 自由曲:木下牧子
  「オンディーヌ」は?


A 最初のヴォカリーズから
 ホールが鳴り、
 とても良い音から始まって。


 そこにはじめての言葉「」。
  あれはゾクゾクしたね!


A どうしても言いたいことが……。


 なんですか?


A    自分、Hちゃんのファンなんです!


 ソリスト(笑)


C でも、自分もファン・・・。


B 偶然!私もです!


 全員か!(笑)
  うん、確かに良いソロでしたね。


B あのソロはアルトなのに
 なぜかソプラノっぽい声で
 歌われることが多く。
 「愛は堕落なのかしら」の
 低いところが
 難しい印象があって。
 でもHちゃんは
 低い音もちゃんと鳴るから!


 合唱に戻って(笑)。
  純粋さがどんどん侵食されてしまう、
  そういうドラマ性が
  良く伝わってきました。


A 情念系の曲なんだけど、
 そこまでドロドロしていない。
 音楽的にはクリアで聞き易い。


 そう、monossoさんの
  オンディーヌの意識は
  最後まで純粋さを失っていない。
  しかし別の視点からは
  侵され堕落しているのが明確にわかる、
  そんな恐ろしさも感じました。


B 後半のポルタメントが
 非常に効果的。
 本当に堕落していく雰囲気が。


 ああ、曲中2回でしたっけ。
  自分も他の団体の演奏では
  意識していなかったけど
  今回の演奏で「効果的だな!」と。
  新実先生の「失われた時への挽歌」に
  似た音型を連想しました。


C 内容的に下手すると
 暗くなるだけに
 なってしまう曲なんだけど
 明るさと深さ、
 両建てで作っている演奏だと思って。


A 一時期よく歌われたけど
 今はあんまり演奏されない……。
 名曲だけど難易度が高い、
 そういう作品で芸術性を極め、
 演奏してくれたのが良かったですね。
 なおかつ流行していたときの演奏より
 遙かに深い読み込み!


 難しい曲だよね~。
  木下先生の音響的な難しさと
  高校生が「先生の仰るとおり」で
  演奏してもつまんない曲だしさ。


A 絶対できない、できない!


 最後
  「さびしいなんて
   はじめから あたりまへだった」が
  涙腺を刺激してくれて。
  山本さんの音楽だけでは無く、
  monossoさん個々人の訴えが
  聴く者へ深く響く演奏だったと思います。

 

メール、ツイッターの感想です。


やっぱり素晴らしかったです✨
自由曲の世界に引き込まれました(*゚▽゚*)


音楽の流れとその必然性。


とても情感豊かな深い声でのオンディーヌでした!


美しい女声合唱


技術で想いを語れる力に感動


悲恋の物語に心を締め付けられた…
オンディーヌの最初、静かな水面がだんだん噴き上がっていくのを感じた…


2人の作曲家の想いを上手に汲み取ったフレージング。
言葉さばき、音色、佇まい、すべてに美意識があった


F2美しすぎるラストの弱音
色鮮やかな各パートが超立体的に重なり弱音からffまで見事に歌いわけ


他団体も含めこれまで聴いたオンディーヌで一番好きだったから。
『念』の感じ…って言えばいいのか…?


一瞬たりとも目と耳が離せない、切れ目のない世界観の作り込みが見事。
人の情念の表現をあそこまで突き詰められるのが素晴らしい。
練習まとめツイートもいつも楽しく見てます♪なるほどアレがコレで…略


選曲のためか過去一情念と色艶が感じられる演奏
比較対象の無いF2も至高の演奏と思わせる会心の出来だった


文句なしに素晴らしい。
ぞくっとするほど美しい息遣い、自由曲の豊かな表現。
とりわけ弱音の表現が見事で、今大会一の美しいppを聴けた気がする。
酒井先生のピアノも絶品。課題曲では「伴奏」としてそっと寄り添い、自由曲では一つのパートとして合唱とともに作品のドラマを描き上げる、立ち位置の鮮やかな変化も印象的だった。


monossoは自分の得意技をわかってるんだろうなぁ、この宇宙のきらめきのようなサウンドが女声合唱とめちゃ合う。
これは男声には出せないサウンド。
女声合唱はややもすると馬力不足に陥りがちだけど、これはうまい!


課題曲はフレーズの集中力がとんでもにゃい!言葉の処理も丁寧で音色も明るいながら憂いがあって言葉の意味が分からなくても絵が浮かんでくる。
自由曲も透明感に溢れ、フレーズの形が常に変化してる。音に破綻がなく、説得力に満ちてる。ぶにゃぼ、ペットにしてください
同声の部、レベルたかいねぇヾ(:3ノシヾ)ノシ
「こりゃ敵わんな」と釘付けにされたのはmonossoさま(ペットなので)。
えぐい集中力で音色の幅広さ、言葉の処理は参りましたって感じ。あそこまで拘った音楽を自分もまたやりたーい!


改めて、同声合唱部門:観客賞の結果です。

【観客賞・同声合唱部門】

第5位 mokumé

第4位 VOCI BRILLANTI

第3位 合唱団WAKAGE NO ITARI

第2位 La Pura Fuente

そして1は…

monosso

でした!
ご投票ありがとうございました。

第1位受賞ということでmonosso指揮者:山本啓之さんからメッセージをいただいております。

 

* * * * * * * * * *


同声部門は朝早くからの演奏になるのですが、本当に多くの方が客席に駆けつけてくださり、聴いてもらえるということがどんなに大きいことなのか、また教えてもらえる時間になりました。

演奏とは舞台で演奏した瞬間から聴いてくれる人のものになるので、演奏者はそこから先はどうこう言えるものではないと前々から思っていますが、こうやって実際に演奏を聴いてくださった皆さんから多くの反応をいただけることは、それこそ演奏者冥利に尽きる思いです。

SNS等によって、これまでとは違った形で演奏者と観客が繋がりを持てるようになりましたが、だからこそ生で演奏を聴いてもらえるということが本当に大切だと思いますし、その瞬間のために演奏者も多くの時間や労苦をかけて舞台に立つのだろうと思います。

ガイベルの詩とシューマンの音楽。そして吉原幸子さんの詩と木下牧子先生の音楽。
二つの違う恋の歌と向き合い、感じ、考えながら演奏を作り上げていくのですが、やはりコロナ禍では簡単にそうさせてもらえない……まだまだそんな状況です。
未だ歌えない団員もいたり、無観客やマスク着用など色々なことと向き合うことを余儀なくされてきましたが、マスクをしていても、誰にも聴いてもらえなくても、その状況で自分たちがやるべきことをやりきりたいという思いで進んだように思います。
それは私たちだけでなく、全国で合唱をしている皆さんがそれぞれ立ち向かっているのだろうなと思いますし、これを乗り越えていきたいと切に願います。

もちろん私たちの演奏が誰にとっても良いわけでもないし、なんなら嫌悪感を持つ人だっているのだろうと思います。
それだって当たり前のことだし、やはり演奏は聴いてくれる人のものなので、良いものも悪いものも、全ての感想や思いが正しいと思っています。

詩人や作曲家の作品を創り出す力を、私たちの身体を通して作り出したのが演奏だと思いますが、創り手と聴き手の間を繋ぐ糸になれるよう、良い仲間と共に、良い作品とぶつかっていきたいと思います。
二曲とも素晴らしい作品だったし、聴いてくださった皆さんに本当に感謝です。
ありがとうございました!
また次に向かって進みます。ぜひ4月にはうどん県高松にいらしてください。
四国の仲間と共にお待ちしてます!!

 

* * * * * * * * * *

 

山本さん、ありがとうございました。
このコロナ禍、合唱活動には多くの困難がありながらも「演奏は聴いてくれる人のもの」と言い切られることに感じ入りました。
未だコロナ前に戻ったとは決して言えない状況ですが、それでもやるべきことをやりきりたいと進まれる、山本さん、monossoのみなさんを応援しております。

山本さんが言及されていましたが、来年の4月、うどん県高松で大規模なジョイントコンサートが開かれるそうです。


【四国ジョイントコンサートPalette~四国合唱遍路道~】

とき:2023年4月30日(日) 開場12:30 開演13:00

ところ:レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール

出演団体:
○香川:monosso、JADE
○徳島:Serenitatis Ensemble、forma
○高知:混声合唱団Pange、Dios Anthos Choir
○愛媛:Chorsal《コールサル》、I.C.Chorale

各団体をお遍路さんに見立て、四国を巡る各団体の単独ステージや各県合同ステージ、そして最終ステージでは未来の合唱活動を担っていく四国の大学生たちも交えての合同ステージをお届けします。



四国中の8団体、さらに合同ステージでは四国の大学生も交えて演奏するという大きなジョイントコンサート!
私も行くつもりですので、みなさん春真っ盛りの高松で、美味しいうどんと合唱を堪能しましょう!!

 

(混声合唱部門第6位の団体の感想に続きます)

 

観客賞座談会・同声合唱の部 その2

 

四日市コンビナート(四日市市)
提供:三重フォトギャラリー


観客賞同声合唱部門:3位 


東京都・東京支部代表
合唱団WAKAGE NO ITARI

https://twitter.com/WAKAGE_choir

(男声41名)

 

A 課題曲「花と画家」、
 パートのバランスが優れていて、
 どのパートも良い声なんですよ!
 トップテナーが花形なのはもちろん、
 セカンドやバリトンも
 メチャクチャ上手い。
 ベースもカッコイイ!


 うん、トップテナーの歌い方に
  惹かれるものがあって
  じーんとしました。


C 「a母音」「e母音」を
 どちらかと言うと
 声楽的な整理ではなく、
 日本語の発語に寄せていて
 しかも平べったくなっていない。
 そこが面白いなと。


文 自由曲:高嶋みどり
 「ごびらっふの独白」は?


B 最初のベースとバリトンの
 ハミングの動きが
 夜に蛙たちが鳴いているさまを
 見事に表現できているなぁと
 毎回とても思うんですよ。


 生で聴くとその立体感が
  高まりますよね。 
  ベースのリズム部分も
  ノリが過去の演奏より進化していて。
  ああいうところが
  「令和のごびらっふ」だな~って。
 

A 男声合唱でありがちな……
 いや、ありがちと言ったら
 怒られるかもしれませんけど
 ちょっとこう
 「俺たちカッコイイだろ?」な
 ナルシスト的な自己主張が少ないと言うか。


C 「ドヤ感」?


A そうそう、ドヤ感!(笑)
 若い男声合唱団にありがちな
 そういう要素が少なかったのが
 好感を持ちましたね。


B 自然な感じ・・・
 そこがいわゆる「グリー調」とは
 一線を画すみたいな。


A 団名はちょっと
 イキった感じなんだけど
 歌からはあまり感じなかった。
 

 そう言えば「青いメッセージ」、
  混声合唱版もあるけど
  あまり演奏されないですね。


C 「おれの単簡な脳の組織」・・・
 この曲は頭が悪くないとダメだね。


AB文 頭悪いって!(笑)


C 男声合唱のちょっと頭の悪さ。
 最後の「ばらあ!」とかね。
 わかげさんの頭の悪さが素敵だった(笑)。


 細かい箇所では頭の良い演奏も
  あったんだけどな(笑)。 


A ビートと言い、
 やっぱりライブ感がある曲ですよね。
 凄く好きな男声合唱曲なので
 冷静に聴けなかった!
 2番の後半、tuttiでの
 「夢をみること。」が
 あれでもう「……うっ(感涙)」。


BC文 (笑)


A どんなレベルでもごびらっふは
 生演奏なら感動してしまって。
 それをあんな高いクオリティで
 演奏してくれるから、もう・・・。
 自分としてはハロプロや乃木坂が
 目の前でキラーチューンを
 歌ってくれてるのとおなじで。


 「セットリストに
   入れてくれてありがとう!」
  みたいな?


A そう!!


 (笑)
  名曲というのを
  再認識できる演奏でしたね。


B 名曲をちゃんと歌ったというのが
 これだけ票を集めた理由なんじゃないかな。


A カッコイイ曲を
 カッコ良く歌ってくれた、
 それに尽きました!


メール、ツイッターの感想です。


カッコいい男声合唱


全体的に素晴らしかったです。


Wakageさんの破壊力もよかった


単純に好み


聞いててとにかく楽しい!


ごびらっふは入れこみすぎるギリギリを攻めながらダイナミック


こういうのでいいんだよ…こういうので……(感嘆) 


Pfが物凄かった 
低音の充実が良い響きを醸し出してました


課題曲の温かな語り口と自由曲のエネルギーのうねりがとても素敵
真下先生の指揮が熱い(去年も言った)


歌声、響き、パートソロ、ハーモニー、どこをとっても最高に綺麗だった…
ごびらっふの独白、fffの叫びに蛙の原初的な生の悦びを感じてマジるてえる…


なんといっても自由曲大好きなんです❤️ワクワクさせてもらいました🐸✨


団名の通り若さが漲っているけれど、冷静さも兼ね備えてコントロールできる技術者集団。
ごびらっふは自由曲の流れを停滞させることなく最後まで進めて聴いてて気持ちよかった


第一声目から違う。大学男声合唱の延長線ではなくて、しっかり遠くに届く前向きな声を作ってるサウンド。
うお、テナーソロえぐいわ。いやいやいややばいな。テノールやばいな。この高音をがならず薄くならず、こんなに暖かくて冷たい音出せるんかやばい。エグい。チートまじエグい。演奏会行こ(帰国できたら)。
チート。頭おかしい。新時代の男声合唱。


いりあ げるせいた 美しい虹だ からのトップの残り方とバスのハミングの関係が絶妙 クライマックスに行くまでの導入がすばらしい 


ごびらっふの独白は過去に歌ったことがある分、ここまで鮮やかに表現出来るのかと度肝を抜かれた。


課題曲、優しいサウンドが作品にぴったり。そっと包み込まれる温もりある演奏だった。
自由曲では一転、男声合唱らしくごりっと力強い歌声と立体感のある表現で見事に歌い上げていた。


課題曲は非常に丁寧な演奏。ハーモニーも乱れずソロもお見事!「がかは」って鼻濁音ではないがやや強調されすぎ…とも
自由曲、意欲的な音作り。ストレッタ気味なHumと王道のメロディ。この曲は男の子の本能にぶっささる
指揮の方の某K1先生のDNAを再び感じて楽しい。らばらぁ!!

 

 

続いて2位!

神奈川県・関東支部代表
La Pura Fuente
(女声34名)

 

B 課題曲「定点観測」、
 昨日のソレイユさんや
 今日のmokuméさんみたいに
 大人の余裕まで
 感じさせる演奏とは違って
 20代くらいの女性の心の揺れ、
 若い世代の恋愛模様みたいな。


AC文 あ~(同意)。


B 「月9」を観ているような気が。


 「月9」(笑)。
  石川桃子先生のピアノが
  とてもロマンティックに弾かれていて。
  それが「月9」感を高めていた気も。


C やっぱりね……美しい。


 (笑)それは声ですか?


C ・・・見た目(笑)。


 いや衣装のスカートも
  色とりどりで綺麗でしたが!(笑)


C お嬢様の雰囲気があるからかなぁ。
 そういう雰囲気が相まって
 この曲にハマっていた気も。


A 今回、定点観測を演奏した団が
 多かったんですが、その中でも
 ラプーラさんの演奏が一番好きでした。
 良い曲だなぁ~って。
 適度にエモいし、腑に落ちる演奏でした。


B 感情がそこまで露わでは無いのが
 不思議な魅力を持つ作品ですよね。


 世界の視点と
  恋人を観る視点、
  その2つの視点からの
  客観性と繋がりを
  音楽が上手く掬っている。


A 「空から打ち水が」の部分、
 特に曲が良いんですよね。
 ああいう部分も共感して
 気持ち良く歌えていたと思う。


文 自由曲1曲目:デュブラ
  「Ave Regina Caelorum
  (めでたし天の女王よ)」、
  ガラリと雰囲気を変えて
  優しい空気を醸していました。


A 圧巻!圧巻!圧巻!
 凄すぎて3回言いました!
 曲の構造としてはシンプルで
 div.が多いだけの作品なんですけど。
 でもその和声が確信を持って
 ぜんぶ喜びの和音として響いてきました!
 

 やっぱり基礎力が高いから
  シンプルな曲でも
  非常に魅力的に聞こえるんだよね。


A 「オレ、ここまで良い曲書いたかな?」
 聴かせたらデュブラ自身も
 驚くと思いますよ。
 素晴らしかった!


 YouTubeに上げて
  デュブラに教えるとか(笑)
  2曲目のジェンジェシ
  「Da pacem Domine
  (主よ、平和を与えたまえ)」
  凄かったですね。


B 合唱がタムタムに全く負けていなかった!
 今までマスクしていたせいで鍛えられた?


A 2曲目は複雑さもあり、
 その違いも良かったですね。
 後半のピアニッシモからの
 盛り上がりも痺れました!


 課題曲と自由曲の2曲、
  ぜんぶ表情を変えて
  それぞれ個性を出していたのが
  本当に素晴らしいと思いました。
  女声合唱の可能性を示す演奏だったと。


B いつ文部科学大臣賞を受賞するか
 やきもきしていたんですけど、
 今回納得の第1位金賞でございます!


メール、ツイッターの感想です。


圧巻。


空気感が素敵


無限の声のパレット


艶やかな声の魅力、表現、全てが圧倒的でした。


明澄かつ洗練された声と音楽。
ひたすら美しく耳福。


声の素晴らしさには圧倒されました


声がいい。演奏は個人的に1番すきでした。
ピアノも邪魔することもなく、歌とあっていた。


F4瑞々しい歌声で華やか
自由曲は2曲とも抑揚や強弱の表現が秀逸、特に一曲目はラストの高音が見事


声楽技術が高くそれでいてアンサンブルも成立


圧倒的女声合唱の極致
技術、縦、発声が揃ってあれだけ鳴らせたら優勝


課題曲はほぼ完璧だったし、響きも群を抜いて素晴らしかったです。


カッコいい大人の女性。第一声からソプラノの響きに心奪われました。
透明感や響きだけじゃない、最初から最後まで芯の通った歌声と表現力。
個人的に、女声合唱の表現の可能性を新たに発見した気分です。


サウンドの美しさが今回も十二分に感じられた
自由曲は2曲とも音取りをせずに入っていて、歌い手のレベルの高さを感じられる
聴き合うってこういうことか…


定点観測、とっても良かった。彼女らの世代の等身大の恋愛観が素直に表出されていた印象。
自由曲もプーラらしい美しさと力強さを兼ね備えた女声合唱、ブラボー!


のびやかな発声で豊かな響きがスピーカー越しにも心地よく、最後まで乱れることなく、素晴らしい演奏だったと思います。タムタムとの掛け合いも良かった。
同声の場合、倍音が鳴りやすい男声がどうしても有利で、女声はハンディがあると思いますが、そのハンディをものともせず、圧倒的な演奏だったと感じました。


ジェンジェシ作品はこの団体のためにある、と思ってしまう程の輝かしい声と音楽作り。
「pace」の繰り返しは、ジェンジェジ氏の母国が周辺の国々に翻弄されてきた歴史さえ、思い起こさせた。


清潔な声。課題曲は若く瞬発力があり、この曲って本当はこんな音なのかと驚かされる。ソプラノの高音は理想的な音。
自由曲2曲目は素晴らしい!若い瞬発力が活きる曲。難曲をすぱっと!ぶらぼ!

 

 

(第1位の感想に続きます)

 

観客賞座談会・同声合唱部門 その1

 

笠松河津桜ロード(松阪市)
提供:三重フォトギャラリー

 

 

今回から男声合唱、女声合唱の同声合唱部門の座談会を。

 



 

まず5の団体から。


東京支部・東京都代表
mokumé
(女声39名)

 

A 課題曲「定点観測」、
 良い意味で
 「はじめからこういうもの」
 という課題曲の在り方。
 自然にそのままあるような。


C mokuméさんは
 相澤先生の合唱団でしょ?
 作曲者の宮本正太郎先生が
 あい混声合唱団団員さんだから
 アドバンテージありますよね?


A そう、正解を知っている!(笑)


C こういう演奏をして欲しい!
 というのを
 常に聞いているはずだから(笑)。
 だから歌うべきことを
 一見淡々と、実はしっかり。
 こう書かれているから
 こう歌うんだな、と
 やっている気がして。


 そうそう、さりげないし、
  素直な音楽なんだけど、
  納得感がある。
  人数も40人近くいるから
  ダイナミクスの幅も広いし
  発声も優れているので
  音楽に説得力がありました。


B 隙が無いと言うか。
 10小節目のピアノの10連符から
 「夜と」の「よ」が入る
 タイミングがピッタリ!
 他多くの団体は
 少し間があったりしたんですよね。


A 解像度高い!


 さすがBさん、
  ずっと楽譜を見ながら
  聞いていただけのことはありますね。
  自由曲:信長貴富
  「2.アウギユスト」
  「4.明日」も上手かった。


B とにかく音のレンジが広かったし、
 「この合唱団パワフルだな~」と
 思ってプロフィールを見たら
 「心の底から抉られるような
  パワフルな表現」に
 チャレンジって書いていて納得!


A 指揮者の相澤先生も作曲家だから
 作曲者の意図を読み込む力や視点。
 それが曲作りの深さに
 繋がっていた気がします。


C 結成したばかりの
 連合軍みたいな団体なのに、
 まとまりの良さがありました。


B きっと日頃の相澤先生の教えが
 ブレないからこその
 まとまりなんじゃないかな。 


A あと憶えているのは「明日」の最後、
 ピアノの余韻が消えるまで、
 光線銃で動き止めましたか?
 みたいな停止。


 相澤先生、団員さんの動きが
  完全に止まっていた!


A とても印象的でした。
 作品を大切にしている姿勢の表れかな?と。


メール、ツイッターの感想です。

 

課題曲めちゃ好きでした


大きなフレーズと世界観


Pf🎹が絶妙なニュアンスで柔かな課題曲の曲想支えていた 
課題曲アカペラ部分素敵❗️ 自由曲も楽しく聴けました


曲ごとの声の変化とピアノとのバランス、表現力、全て納得の演奏⭐️⭐️⭐️


いい意味で女声合唱らしくない、それが似合う演奏でした


アウギュストは強い推進力で大胆に
明日は最後のたっぷりとした余韻を含めた好演


近年の一般女声合唱ではあまり聞かないサウンド
課題曲の描き方もさることながら自由曲の力強い表現に引き込まれた


今大会はまさに「相澤祭り」ですね。伸ばしの音も含め、全てが芸術的で、ただただ感銘。素晴らしかった。
同声の場合、倍音が鳴りやすい男性がどうしても有利で、女声はハンディがあると思いますが、そのハンディをものともせず、圧倒的な演奏だったと感じました。


課題曲は昨日のゆめ缶と同じ指揮者なのでもちろん基本の方向性は同じながら歌い手が変わると全然違うものに。
自由曲、速いパッセージなのに言葉がよく聞こえる。処理が丁寧で自然に聞こえる。後半曲は計算されたパートバランスと溢れる歌に圧倒。すんばらし!

 

 

同声合唱部門:4の団体を。

愛知県・中部支部代表
VOCI BRILLANTI
(女声22名)

 

 良かったですね。
  銅賞だったのが信じられないくらい。


ABC 銅賞は厳しい!


文 課題曲「寂庵の祈り」、
  指揮者の白鳥先生が
  途中からピアノを弾き始め、
  白鳥先生を慕うように合唱が囲んで。
  それがなんとも良い雰囲気でしたね。


B あったかい感じ。
 そして祈りの歌になっていた。
 母体の高校がミッション系ですよね。
 「祈る」という行為が日常にあって
 それが本当に歌に出ているんだなぁ、と。
 

 ピアノの音色が優しくて。
  そこにぐっときました。


B 無伴奏で演奏しても良い作品。
 しかしこの演奏では
 ピアノの必然性をとても感じましたね。


A 誰か教えて欲しいんですけど。
 自分のメモに「寂聴感が足りない」って
 書いていてこれどういう意味?


文BC 知らんわ!(笑)


A たぶんですね、
 自分の中の寂聴さんのイメージが
 清廉潔白だけじゃない、
 闇の部分もあると思うんですね。
 BRILLANTIさんはそういう
 闇をまったく感じさせない
 濁りの無い清らかな演奏だったのかなと。


B 自分はそういう闇も
 乗り越えた美しさだと思ったな。
 「幸せな時にはありがとう」が
 本当に心が洗われる思いがして
 涙が出ました。


C この団体はパートごとの
 音色を分けていないじゃないですか。


A そう、上から下まで同質の美しさ。


C 全部のパートの色彩が
 繋がっている。
 それがこの団体の良いところ。


A サウンドの独自性ですよね。
 本当に響きの位置が高く、
 かつストイック。
 強くなっても
 音が太くならない美しさ。
 いや、本当に銅賞なのが
 不思議ですね。


文 自由曲:信長貴富
  「風のような歌は」は?


B 3声の同質性が凄いから
 ハーモニーの移り変わりが分かって
 曲の良さが出た演奏だと思いました。


 余計に感動させないと言うか。
 はじまりから気持ちをそれほど込めず
 まさに風のように流れている。


A そうそう、涼やかなんですよ。
 感情を乗せ圧をかけ
 表現するのを良しとしない団体で。
 私はとても好きでした!


C 日本語じゃなく
 ヴォカリーズを聴いている気がして。
 メロディをすーっと
 聞かせているなぁという感じ。
 素材の良さを活かしている。


 音響的に
  いろいろ工夫されていることもあって 
  生で聴く意味があった演奏でした。
  最後も風が吹き去った余韻を
  十分に感じさせてね。
  細部のニュアンスも良かったな。


C 文吾さん、
 昨日一緒に乗ったバス、
 BRILLANTIさんと
 一緒だったんですよ。


 あ、そうだったんですか?


C メーっチャクチャ良い子たちで!


文AB (笑)


C 混んでるバスで他の乗客たちに
 凄く気をつかっててね。
 「あ~良い子だ、みんな!」
 だから心情的に凄く応援しています。


 寂聴感が足りない清らかな理由が
  そこでも証明されていたと(笑)。

 

メール、ツイッターの感想です。

 

声の明るさ、転調の妙が見事⭐️⭐️⭐️


曲への共感あふれる演奏


F3 歌と伴奏の寄り添う心地よさ
高い響きで美しく重なり合う自由曲


あの信長さんの無伴奏難曲「風のような歌は」をよくぞここまで👏人数も多くないのに


何気に無伴奏作品の演奏を聞いたのは初めてかもしれない
自由曲のタイトルのように流れて溶け込んでいくようなサラリとした、それでいて輝かしい歌声


課題曲は幼い少女の呟きのようで胸を締め付けられる感じ。
指揮の方の弾き振りに歌い手との絶対的な上下関係を感じる。
自由曲も透明な音で歌詞への共感を感じる言葉処理。
なんというか言葉では表せないけど高校の部を聞いてるようなのは何故なんだろう。面白い。


課題曲、「祈り」の気持ちが滲み出る美しい佇まいの音楽。今大会この曲の数ある演奏で一番に推せる。
課題曲と自由曲とでフレージングの違いも印象的。課題曲は一言一言語りかけるような歌い方、自由曲では豊かで動きのあるフレージングが作品の世界をダイナミックに描いていた。

 

(第3位の団体感想に続きます)

 

 

観客賞座談会・室内合唱の部 その3

 

 

津市木造町のポピー畑(津市)
提供:三重フォトギャラリー

 


2022年度室内合唱部門観客賞:第1位!

京都府・関西支部代表
アンサンブルVine

http://yumemirusakana.sakura.ne.jp/chorus/play-list/vine.html

 (※上の団名リンクはVine指揮者:伊東恵司さんのHP
「~目をひらく 耳をすます つぶやく~」内のものです)
(混声24名)

 

 

一同 拍手!


文 課題曲G1はちょっと遅めで
  丁寧な演奏でしたね。
  ソプラノの響きが
  空へ高く昇るようでした。


B ソプラノだけじゃなく、
 下三声も安定感と存在感があって
 埋もれることなく聴こえてきたのは
 さすがだと。


 そうですね。
  4声それぞれの存在感!


B あとポリフォニーの絡み合いを
 楽しんで歌うというより
 シリアスモードと言うか、
 歌われている言葉の内容に
 沿った雰囲気がありました。


文 自由曲1曲目
  プーランク
  「Riant du ciel et des planètes
 (空と惑星たちを笑う)」
  軽やかでプーランクらしい
  洒落た感じもあって良かったですね。


A あの速さで、ちゃんとハーモニーを
 決めるのがホント凄いなあって。


B あれだけ複雑な調で書かれた作品を
 平然とやられるものだから
 聞いてて混乱した!


A そうそう!調性が……


B 調性がわからなくて迷子になった!(笑)
 鮮烈でしたね~!


 この人数で二重合唱!
  音の軽重も鮮やかでした。
  2曲目エセンヴァルズ
  「There Will Come Soft Rains
 (やさしく雨は降り始め)」は?


B 1曲目とは打って変わって
 エセンヴァルズ特有の
 繊細なハーモニーが聴こえて
 うっとりしました。


C 人数以上の声が出ていましたよね。


文 たっぷり歌ってくれて。 
  3曲目はラター編曲
  「Sing a song of sixpence
 (6ペンスの歌を歌おうよ)」
  これはもう手慣れた世界!


C マザーグースが原曲で。
 でも意外と難しい作品だろうに、
 あんなに楽しげに歌って、
 こっちも笑顔になった!


B 楽しい曲だけど実は難しい・・・。


 ですね(苦笑)。
  いつもVineさんの演奏を聴くと思うけど
  「あんな風に歌えないよ!」って。


C Vineさんが歌うことで
 この曲の模範解答と言うか、
 かゆいところに手が届くと言うか。
 そうそう、こういう曲だよね!と
 納得しながら聴いてました。
 やっぱりVineさんは
 客席から拍手出るのも早いよね。


B ちょっと客席が
 他の団体と違う雰囲気だもの。


 お得意の動きは最後だけ、
  控えめに(笑)。


C コロナ前は凄いことやっていたから
 勝手にハードル上げてました(笑)。
 

 来年こそはVineのみなさんが
  派手に動ける世界になって欲しいですね。
  いや、それでも課題曲含め全4曲。
  見事に「THE VINEの世界」でした!

 

メール、ツイッターの感想です。


安定的なサウンドが心地よかった


フィギュアスケートのフリーの様に、合唱団の世界観を明確にした上で極めた演奏を聴かせてくれた


関西コンクールの際は順番前後で聞けなかったですが、いやもう本当に凄かった……ということでVineさんに投票


うまい、そして演奏にパッションを強く感じました


G1のハモる所で見つめ合ったり、皆でアンサンブル作ってる感じがすごい良かった…
プーランクのお茶目で皮肉効いてる感じ良かったし、最後の曲楽しいし可愛い!


やはり混声としては圧倒的な出来栄え
男声10人で二重合唱のハーモニーを(以下略)
ハーモニーが何から何までバッチリ決まってるのでさすが


ジョスカン・デ・プレ、もはや他のチームとは別物。なんやこれ。チート。女声美しいのに馬力あるし、男声柔らかいのに芯があるし、バイン相変わらず頭おかしい。バインバインまじでバイン。
テナーソリえぐ。声がゴージャス。なんや俺Vineの演奏会来たんだっけか。Vine、ブラーボ!
まじでチート。コンクールをコンクールじゃなくてミニ演奏会とみなす勢。


G1、課題曲も手抜きなし美しい声で丁寧に、聞き手を安心させる演奏。
自由曲は特に一曲目のラスト、ピタッと決まった和音に感動。


課題曲G1はこの団体の演奏が一番好みでした。自由曲のチョイスも良かったと思います。
Sing a song of sixpenceは何回も演奏されていると思いますが、今回の演奏が一番素晴らしかったと思います。
でも、直立不動でないVineの演奏が聴ける日が早く来ることを願います。


ピッチがとても高くて素晴らしかったです。
VineのG1の響きにうっとりしました。


Vineのアンサンブルは圧巻の上手さ。
あの難しいG1で音程が届くどころか突き抜ける(語弊)あたりからもう凄まじいし室内部門でキレッキレのプーランクのダブルコーラスとかいう異様な光景まで見せてきた。

 

改めて観客賞室内合唱部門の結果です。

【観客賞・室内合唱部門】

第5位 花凜歌

同率第3位 
合唱団みなまた 
Chorsal《コールサル》

第2位 女声合唱団ソレイユ

そして1は…

アンサンブルVine

でした!
ご投票ありがとうございました。


Vine団員:藤森さんからメッセージをいただいております。

 

こんにちは!
アンサンブルVineの藤森と申します。
現地や配信で聴いていただいた皆さま、ありがとうございました!

多くの方に投票いただけたこと、とても嬉しく思います。
我々としては懸命に演奏するだけなのですが、それを受け取ってくれる人がいて、さまざまな感想もお寄せいただいて、こんな幸せなことはないです。

コロナの色々が影響するので今後の見通しが立ちにくく、次どうするのかが未定の状況ではありますが、また、皆さまに演奏を聴いていただける日に向かって各自が研鑽を積んでまいります。

個人的には、来年こそ久々に文吾さんと飲みに行きたいと思っていますよ!

 

藤森さん、ありがとうございました。
(……最後、メチャクチャ私信。来年こそはぜひ!)
いろいろ状況が変わる中、藤森さんはじめVineのみなさんが前へ進んでいるのは実に頼もしく、未来の喜びが増えることですね。

来年のVineさんの演奏、そして飲み会も(笑)楽しみにしています!

 

(同声合唱部門 第5位の感想に続きます)

 

観客賞座談会・室内合唱の部 その2

 

天空の船「宇宙への旅」・なばなの里(桑名市)
提供:三重フォトギャラリー

 

室内合唱部門同率3、もうひとつの合唱団です。

 

愛媛県・四国支部代表

Chorsal《コールサル》
https://twitter.com/chorsal

(混声18名)

 


文 課題曲G2は良い意味で力が抜けていて。
  「わかってる」感がありましたね。


C メロディを美しく聴かせようとする、
 そんな意識があったと思います。


 テキストから考えると
  熱演がふさわしい作品かな?と思って。
  Cさんの仰るように熱演じゃ無く
  メロディの美しさを聴かせるような
  サルさんのアプローチが良いなぁと。


B 第一声から
 「これがコールサルです!」
 という音がして、
 最初から引き込まれました。
 ドイツ語の発語も良かったと思うし
 自分たちの持ち味を活かしながら
 ロマン派の音楽も
 表現しようとしていた。


C 並びがSATBじゃ無かったでしょう?


B そうそう、おそらく
 カルテットを意識した並び。
 音楽も合唱じゃない、
 重唱の音楽の作りを考えていたのかな。


A とても好きな演奏でした!


 「大人のたしなみ」みたいな
  良い雰囲気がありましたよね。
  自由曲1曲目
  信長貴富「Faraway」
  まず女声が切々と訴える印象。
  と言っても「私良い声なのよ!」
  じゃない素朴さ。
  そこにジーンとしてしまいました。


B これもバラバラな並びが
 効果を上げて
 響きを上手くブレンドしていました。


 テキストとしても
  「聴く」という行為を追求するような。
  自分の体験を歌に反映し
  さまざまな世界を見せてくれた
  印象もありました。
  そこから一呼吸置いてすぐ
  信長貴富「唄」。
  あのタイミングのピアノ前奏に
  ぐっと耳目が集まりましたね!


B 光が差すような・・・。
 ハッとして心に響きました。


 生の喜びを
  歌っている曲なんだけど
  「私は生きられる」という言葉も
  サルの男声さんは
  単純に喜びを歌っていないところ。
  そこに年輪と言うか……。


C 「大人のレガート」って感想を
 プログラムに書いていて。
 凄く大人の作る音楽だなぁと
 思ったんですよ。


AB文 あ~(同意)。


 今回、何回も出ている言葉ですけど
  「等身大」。
  サルのみなさんが背負ってきた
  人生がそのまま歌に表れている。
  だってね、病を押し旅行へ行って出た
  「私は生きられる」が
  単に明るいわけは無いんですよね。


A この詩は盛岡旅行中に詠まれたものですが、
 前年、道造は泊まっていた軽井沢の旅館で
 火事で焼け死ぬ一歩前という体験をしていて。
 つまり、病気だけでは無い。


BC文 へぇ~!


A 持病もあり、火事の体験もあり。
 人生の哀しみを感じ、
 深い死の影に覆われている中の
 「私は生きられる」ですよ。


B 「伝えよう」という気持ちが
 凄く歌に現れている。
 「唄」に関してはバラバラの並びが
 ちょっと裏目に出てた印象。
 もっと言葉が聞きたかったし
 もっと前に出て欲しかった。
 だけど、そんなことなんか
 どうでも良くなってしまうくらい
 曲の魅力が伝わり非常に感動的でした。


 ステージから流れてくるものが
  「練習成果発表会」じゃなく、
  聴く人とともに生きて歌っている感が。
  サルさんのために書かれた曲のような。


B 前回出場の8年前より
 数段レベルアップしていましたね。
 表現したいことが
 ちゃんと表出できていた気がする。


 尾海あかり先生のピアノも、
  最後が美しくてね。
  はかない命が消えていくようで、
  ダメ押しのように泣いてしまいました。


C そうだね、余韻まで感じさせる・・・。


B 今までは若々しく歌おう!だったのが
 今回は大人の声、大人の表現。
 こういう方向性が
 サルさんに合っていたと思います。

 

メール、ツイッターの感想です。


歌い手の曲への共感を一番強く感じた合唱団。


サルさんの「Faraway」は僕も歌ってみたかった曲で、とても良かった。
久しぶりに聴けて嬉しかったですね~。


G2の語り口というか音楽構成はここまでで一番好き
歌詞とともに歌い上げる喜びが伝わって来る
選曲や並びも相俟って今回不在の(長野の)まいさんみを感じた


コールサル、これぞ室内!自由曲の信長さんは反則!あれはまず曲が泣ける!(笑)もう「りんごの〜🍎から!うるうるし始めた(笑)
そして「私は生きられる」で決壊😭


G2、一番納得の演奏!縦ノリでオペラ歌手のような豊かな響き。ピアノもお見事。
上手さでは甲乙つけられないので(泣)、成熟した響き+心に訴えかける何かで選ばせて頂きました。


善さんの見た目も指揮もammrさんに似すぎて合唱団まで某アニメに見えた🤣
シューマンは拍子やスタイルを意識した演奏。過剰なくらいがちょうどいい
自由曲は英語の曲は少し英語に聞こえなかった、発音というより雰囲気?日本語の曲は大事に歌われて素晴らしかった。


G2はあっさりながらシューマンらしいリズム感のある演奏
自由曲は同じ作曲家ながら趣の違う作詩者の互いの世界観の違いを見事に届けた

 

 

 

 


2

佐賀県・九州支部代表

女声合唱団ソレイユ

https://twitter.com/soleil_chorus

 (女声24名)

 

 

文 課題曲「定点観測」、
  Bさんが九州大会を聴いて
  「宇宙を感じさせる……」って
  言ってたじゃないですか。


B 言ったね(笑)。


 まったく大げさだなぁBさん(苦笑)、
  そう思って聴いたら
  「……宇宙やん!」


ABC お約束(笑)。


 ダイナミクスの幅や
  フォルテッシモとかとてつもないし。
  「夜を待つ」なんて荘厳すぎるし!


B 宇宙で花火を見ているんだよ(笑)。


 宇宙から……誰目線なの?(笑)
  なんか背の高い彼を見上げて
  彼の顔に花火も映り込んでうふふ、
  じゃないよね。
  天地開闢イザナギイザナミ!みたいなさ。


C 詩が壮大になってきた(笑)。


B 合唱が入る「夏至も」piu pね、
 あの時点で自分はもうダメだった。


BC文 早っ!(笑)


B 3つしか音を出していないのに
 心を掴まれてしまって……。


C 今回、ピアノの位置の問題もあって
 ピアノが入ると言葉が潰れがちな
 団体が多かったんですけど、
 唯一、全くそれが無かった。
 ピアノが入っても、
 声がドーンと飛んでくる。
 基礎力が高い。


A 指揮者の樋口久子先生が
 指導された中学校や高校のメンバーが
 中心だとは思うのですが、
 いわゆるOG合唱団とは
 明らかに違うんですよね。
 何が違うかとは上手く言えないんですが。


B やはり、
 先生に言われたことだけじゃなく
 先生に言われたことを
 個人が咀嚼し、
 ものにしている違いなのかな。


文 自由曲
  プラウリンシュ「印象日本」からは?


A これだけ基礎力が高く安定しているのが
 課題曲で十分過ぎるほどわかっているので
 純粋に作品が楽しめるんですよね。


C そう、わかる!
 「次の曲に
  何を持ってきてくれるんだろう?」
 そういう期待感をずっと保って
 聴いていられるんですよ。


 ですね、作品を聴くこと以外に
  気持ちが逸らされないのは嬉しい。
  マリー・シェーファーの
  サウンドスケープのようなものや
  オーソドックスな宗教曲っぽいものや
  ポピュラーソングの要素もあってね。


C どの曲か忘れたんだけど
 お一人がヴォカリーズで歌った曲!


 あ~! 
  あれ凄かったですね!


C もともとNHK東京児童合唱団の
 委嘱曲なんでしょ?
 あんなソロ、児童が歌えるのかな?!と。
 ホント凄かった。
 もう・・・「盤石」としか言えない。


B いろんなスタイルの曲を
 ぜんぶ完璧にこなしている!
 さすがソレイユさまですね。


 本当にそうですね!
  まず最初の
  小林一茶「有明や」という俳句が
  夜が明けるだけじゃ無く、
  天地の始まりのような
  スケール感だったものね。


C 昨年は横綱から皇后さまへ。
 今回は、もう、なんだろう……。


B 宇宙からの視点、
 天地の始まり、と来たら
 ・・・「女神」?


A ついに人間を超えてしまった(笑)。


 「ソレイユ神」、
  「ああっ、ソレイユさま」
  (ブツブツ・・・)


B 来年は金賞1位が10年連続に
 なるかどうかの年
でしょ?
 合唱連盟もそろそろ
 「ソレイユさま枠」を用意した方が
 いいんじゃないかと思うんだよね(笑)。


 30分くらいの
  「ソレイユさまオンステージ!」とか。
  プレッシャーも大変でしょうが、
  来年の演奏も楽しみにしております!

 

メール、ツイッターの感想です。


ソレイユ様。
感服しました、しもべにしてください。


室内のソレイユさまは「別格」


強弱、発声などの技術力が高かった


いつか果てるとして に入る前の休符が今日の全体のすべての曲の中で一番美しい音?でした。
キラキラしたよそ行き声なのに温かさもあり心を鷲掴みに。


F4は今年いろんな団体が演奏したけれど、ソレイユさんだけ定点観測通り越して宇宙で天体観測してませんか???
自由曲の超絶技巧も余裕をもって聴かせていて毎度のことながら圧倒された


自由曲後半のヴォカリーズ、人の声とは思えない美しさでした。
ずっと聴いていたいと思う演奏でした。


(相澤氏流に言うと)、曲が喜ぶ演奏をしていたと思います。
聴き手側は、演奏のあれこれを考えることなく、曲の世界に入っていく事が出来ました。


ソレイユはホールの残響がとんでもない


もう、これぞ大人の声!合唱!でした。
女声合唱でここまで聴かせていただけるとは、、、
自由曲はシアターピース的なシチュエーションで再度聴いてみたい


初めて生で聞けました。
課題曲、ピアノと合唱の双方が歌声であり楽器と感じる一体感。
自由曲、美しい声で和の言葉をテクニカルな楽曲として歌うという異次元の演奏に感動。

 

 

(室内合唱部門 第1位の感想に続きます)

 

観客賞座談会・室内合唱の部 その1

 

 

結城神社(津市)
提供:三重フォトギャラリー

 

今回から24人以下の室内合唱部門の座談会を。

まず第5位の団体から。

 

 

5

東北支部代表・福島県
花凜歌
(混声24名)

 

文吾(以下、
課題曲G2、伸びやかに歌いながらも
語頭、語尾のニュアンスは
こだわってやっていたなあという印象です。


C この団体は凄く声楽的だと思いました。
 リートを聴いているような感じのフレーズで。
 指揮者の上村誠一先生が
 全日本学生音楽コンクールで
 全国第1位を受賞するような声楽家、
 というのもあるかと。


B もともと重唱のために
 作曲された作品なんだけど
 スタッカートなど合唱では難しい、
 重唱寄りのアプローチが効果的でした。
 とてもこなれている演奏。


C そう、合唱ではやらないような
 表現を工夫していたね。


 なるほど、最初に言った
  「伸びやか」という印象は
  声楽的に歌いフレージングを
  考えていたからこそなんでしょうかね。


C だと思いますよ。
 ちなみに上村先生は
 テノールからカウンターテナーに
 転向された方なんですよね。


 へぇ~!
  自由曲の1曲目
  佐藤賢太郎「前へ」
  いくらでも感情を込められる作品だけど
  最初は抑えめで。


A でも、徐々に思いが湧き上がってくる。
 さらに長いフレーズの処理が
 本当に素晴らしくて。
 ベースの跳躍なんかも上手かった!


 彼らの歌という感じが
  とても伝わってきました。
  

B コンクール向きじゃ無い曲を
 コンクール曲として整えて。
 かつ、あったかい表現で
 感動的に歌っていました。


A そうですね!
 心に深く響いてくるものが。
 この曲は東日本大震災後の
 「歌おうNIPPON」プロジェクト
 1曲ですよね。
 この作品を、東北の合唱団が
 こんな風に聴かせられるように
 なったんだなぁと
 非常に感慨深いものがありました。


 2曲目の三善晃「地球へのピクニック」
  若い感性を活かした演奏で。


B どちらかというとワーッと
 勢いで演奏しがちなところを
 ちゃんと冷静に、だけど心は熱く。
 詩に対し深い共感を持って
 歌っていましたね。
 24人で「地球へのピクニック」を
 余裕綽々で演奏する
 団体が出てきたとは!


A 作品の解像度が高かったですよね。
 ラストはちょっと綻びもあったけど
 でもあそこまで歌えるのは凄い!


C 音程が正確だったのも良かったですね。


 個人的にこの曲の好きポイントが
  「涼しい風に吹かれよう 」の「し」!
  《 i 》母音で高音域という難所。
  それをちゃんと「涼しい」という
  言葉のニュアンスでやってくれたので
  思わずプログラムに◎!(笑)


B そうそう、あそこは「涼しい」声だった!
 でもその前は
 あったかい表現を出来ているのが
 ちょっと不思議というか
 若い団体なのになかなかやるね、
 みたいな感じもありました(笑)。
 

 全体に飾らず、足りないところも
  取りつくろわない印象なんです。
  そこに惹かれました。


B 上村先生が留学のため
 5年間の休止ということだけど・・・。


 そういう事情もあって
  この全国大会の場を
  帰ってくる「ここ」にしようとする
  強い思いが伝わった気も。
  もちろん上村先生には求心力を感じたけど
  指揮者に盲信的ではなく
  仲間たちが集っている良い雰囲気があって。
  5年後の復活を楽しみに待ちたいですね。


B 「お帰りなさい」を言いたいよね。
  上村先生、もっともっと
  大きく羽ばたいて欲しいな!

 


メール、ツイッターの感想です。


女声のクオリティが高かった


課題曲のノリ方が好きだった。
サウンドが若くて、でも粗がない、上質。雰囲気も大好き。そして泣いた泣いた泣いた…


自由曲の選曲もよかったですし、歌声が素晴らしかったです✨


シューマンのハッチャケた歌い口、心が揺さぶられた自由曲。大人の合唱団です。


颯爽の言葉そのものの課題曲。
細部まで緻密に作りながら情感も出せる技術と心のある歌声で自由曲2曲


めっちゃ良い!落ち着いて、無理なく、基礎技術がめちゃくちゃ高い人がめっちゃいるんだろうな。創団6年目で初の全国大会とのこと。もう来年演奏会行きたいこれは行きたい。
テノールの声の柔らかさに惚れた。からの神曲地ピク!
ブラーボ。最高に好きな演奏だった。少しだけテノールが弱かった?というか人数が少ないのかな?バスすごい鳴ってたから相対的にかな。いやでもよかった。ただただ心地よい好き。


花凜歌さん、色々感想はあるんだけど…… ベ ー ス 上 手 す ぎ


男声衣装が岩盤浴の館内着みたいで好き🤣
シューマン、歌もいいけどピアノが素晴らしい
自由曲はシューマンと180度違う曲で演奏会ではありえない進行が何だか面白い
指揮者の好みもあるだろうけどやっぱり日本語の作品を演奏する方がイキイキしてる、男声とても上手。好演!


花凜歌がんばえ!!!
全国大会で「前へ」の破壊力がすごすぎる
最高でした

 


同率3の2団体、出演順に。


熊本県・九州支部代表
合唱団みなまた
(混声22名)



文 課題曲「草原の別れ」、
  これは・・・
  「もう会えない友を思い出している」!


A Raw-Oreさんの「またあした!」と
 全然違ったね(笑)。


 もちろんRaw-Oreさんも良かったんだけど
  この「二度と会えない友」という感じが
  おっさんには胸を締め付けられましたね。


A まあズルいですよね!


BC文 (笑)


A あの年代の方たちに
 あんな歌を歌われたら、
 そりゃ涙腺を刺激されますって!


B 団員さんたちの人生が、
 まさしく歌に出ていたなと。
 ひとつひとつの単語じゃ無く、
 ちゃんと言葉として聞こえてくる。
 シンプルに歌っているんだけど、
 滲み出てくるものがある。


C そう、朴訥さと言うか。
 打ち上げ花火みたいな
 瞬発的な感情じゃ無く
 生きてきた長い心の在りようが
 自然に語られている気がしたんだな。
 だから、大学ユースの感想で
 「等身大」と出たけど
 別の意味でみなまたさんも凄く
 「等身大の表現」。


B 生きてきた日常が歌からあふれて。
 シンプルだけど味がありました。


C マッチョでゴリゴリじゃない。
 自分を大きくしない
 あの人たちの「等身大」。


 一生懸命生きてきた人の
  節くれ立ち、
  シワがある手を差し出されて。
  「……黙って手を握るしかないじゃん!」


C そうだね、手を握り、
 受け入れる・・・。
 もう未来を切り開く、ではなく
 人生を受け入れる感が。


 歌を聴いたと言うよりは
  みなまたさんの人生を感じたような。
  自由曲:信長貴富「春に」は?


A 何回も出てくる
 「きみに
  贈りたい風景がある
 このワンフレーズにね、
 もう、本当に泣かされてしまって……。


 そうですね・・・。


A みなまたさんがどれだけ
 こだわったかはわかりませんが。
 今日、20団体聴いた中で
 あのフレーズが最高の瞬間だったと。


 言葉がすべてわかりましたね。
  信長さんの作品って
  ここまで言葉がわかる作風だったかな?と
  思ったけど、みなまたさんが凄いんだな。


A いや、言葉がわかりやすいから、
 メロディがわかりやすいからじゃ無いんだ。
 この方々の伝える力が凄いんだ!


BC文 そうだ!


A 松下耕先生が
 ある合唱団にコメントした言葉で
 「素晴らしい!
  音程も正確。
  ハーモニーも合ってる。
  強弱もぜんぶ出来てる!
  ……でも音楽って
  それだけじゃ無いですよね?」


BC文 ……ふっふふふ(苦笑混じりに)


A みなまたさんの演奏は
 正直に言うとコンクール的には
 傷があるんです。
 でも松下先生が仰った音楽の
 「それだけじゃ無い」ものが確かにある。


 課題曲が「別れ」の過去で
  自由曲が「その先 はるかかなた」、
  つまり未来でしょ。
  過去と未来、その対比の選曲がね。
  だから「遙か」のような言葉にも
  豊潤なイメージを感じられたのかも。


B 言っておきたいのは
 「聴かせるために」みなまたさんが
 どうこうしているんじゃない。
 本当に自然にそれが出来ているということ。
 指揮者がやりなさい、じゃなく
 たとえ指揮者がいなくても
 そういう風に歌えてしまう自然さ。
 それぐらいの歌になっていましたね。


 観客賞でみなまたさんへの感想を読んで。
  自分は団員さんとのやり取りで
  選曲の意味などを知っていたけど。
  それを全く知らない人たちにも
  ここまで深く伝わるものなんだなぁって。
  歌って、合唱って、
  自分が思う以上に凄いのかも?

  最初の一音から泣いて
  最後まで泣きっぱなし。
  マスクが濡れて困ってしまったので
  マスク代を請求したい(笑)。


ABC ケチくさい!(笑)


 あと、38年ぶりの出場でしたが
  次回はもっと早くにお願いしたい!


B 次回も38年ぶりだったら
 この座談会メンバーみんないないよ(笑)。


 じゃあ来年ですね!(笑)
  いやぁ、良い体験をさせていただきました。
  出ていただいて本当に感謝です。

 

メール、ツイッターの感想です。


日本語の響きがとても美しい。
「草原の別れ」も年輪を感じる味わい深さ!


課題曲、自由曲ともに今この音色で歌うことで心を震わせる演奏。
 
 
あるべき社会人合唱団の音色、そして歌心。素晴らしい!


声のバランスが良く胸に沁みました。


九州大会の演奏、素晴らしく、感動しました
今日は、力みからか、緊張が伝わってきましたが、歌う喜びに溢れた演奏でした。
このような演奏が全国大会でどんどん増えてほしいと思います。


この年代でこその音色、演奏が自課ともにはまり涙


円熟の声でしか表現できない大中恩があった。からのこの自由曲!こんなん泣かずに聞けるわけないよ。


年輪を重ねたこの年代にしか出せない音でこのG3、そして「春に」
自由曲は色々と心にくるものがあってボロボロ泣きながら聴いてた…


課題曲のはじめの方の歌詞の「空」からずっと想像力を掻き立てる歌で、素敵な時間を過ごさせてもらったなあと感慨深かったです。
好きなタイプの合唱団だ〜〜ー
課題曲も自由曲も言葉を自分ごとにしてる感じがあって味わい深くて最高!いい曲!!!


この年代で、長く共に歌い続けてきた仲間とじゃないとできない演奏
かつて見てきたであろう景色を想起させるようで、目頭が熱くなった


合唱団みなまたさん、団体名でも「さん」って付けたくなる位、歌声だけで敬意を示したくなるアンサンブル。
日本語の歌い方、処理、色が小手先では辿り着けない歴史を感じさせてくれる
こういう団体が全国大会に出場してくれるのはどこか希望なのではと感じる。

 

 

(同率第3位の団体の感想に続きます)

 

まだ間に合う!配信3選

 


最近聴いて良かった配信の合唱演奏会&テレビ番組をご紹介します。


まず 
1)initium ; 6th concert「平和のほんとうの顔」

 

こちらは12月11日まで!
欧州で研鑽を積んだ合唱指揮者の谷郁さん、柳嶋耕太さんの両名の下2015年に設立された室内合唱団、いにちうむさんの第6回となる自主公演。
いやこれが良かった!
20数人の団員さんは声楽家の方が主で、技術水準が高いのは言うまでも無く。
最近は東京混声でもあまり演奏されない、海外の現代曲が中心なのも嬉しい。
柳嶋さんが指揮されたH. Holliger: Psalm(ホリガー:詩編)はいわゆる歌ではなく、さまざまな息や破裂音など。
不思議にストーリーを感じさせたのは、エネルギーの増大や集中の度合いからなのだろうか。
それに続く演奏会のタイトルともなったR. Escher: Le vrai visage de la paix(エッシャー:平和のほんとうの顔)も力演。
谷さん指揮の哀しみと抒情のA. Pärt: Da pacem Domine(ペルト:主よ平和を与えたまえ)、これだけの少人数で説得力まで感じさせたA. Schoenberg: Friede auf Erden(シェーンベルク:地上の平和)。
(余談だけど終わった後、間髪入れず拍手をする客に「拍手ハラスメント」という言葉が。その客に、何か言おうとしたら3回に1回は出鼻をくじかれる呪いをかける・・・)
「ウクライナへの祈り」で知ったV. Silvestrov: Ode an die Freude(シルヴェストロフ:歓喜の歌)で締めたのも良かった。

ゲストの澤田守秀さん (スネアドラムソロ)でひとつの楽器の可能性を知り。

そしてデンマークからの客演指揮で、全日本合唱コンクール全国大会の審査員でもあったモルテン・シュルト=イェンセン氏。
もちろん作品の難易度や練習回数などの変数があるので、一概に指揮者に理由を求めることは出来ないけど。
それでもこのステージから別団体のように印象が変わった。
歌い手さんは適度にリラックスしながらも集中しているのが分かり、声の安定度も増していた。
そして前2ステージでは優れた歌唱ながら、合唱団としてはどことなく散漫な響きがあったのが、心通わせた熟達の団体のように、まとまった響きになっていたこと。
音楽もE. Hovland、J. Brahm、K. Nysted、S.D. Sandström……と年代も国もヴァラエティに富む作品、作曲家・作品独自の音楽を聴かせてくれた。
最後の2曲、H. Wolf: Letzte Bitte(ヴォルフ:最後の願い)、F. Mendelssohn: Denn er hat seinen Engeln befohlen(メンデルスゾーン:主は天使たちに命じた)も耳に慣れているという理由だけでは無く、その美しさとあたたかさに聴き惚れました。

ひとつ難を言えば、マイクのためか、会場の江戸川区総合文化センター 小ホールのためか。
音響がやや直接的だったので、もう少しホールトーンを感じたかったかな。

それでもこれほどの高水準と、興味を引く海外の現代作品。
なによりどのステージも音楽へ向かう姿勢が、真摯で熱いのが良かったですね。
現代作品だと、作品の形を明らかにするためか、過度に冷静に、客観的に演奏する印象の団体が多かったもので。
また機会があれば、ぜひ聴かせていただきたいと思います。

 

2)沖澤のどか指揮 東京混声合唱団

こちらは12月12日まで!

 

オーケストラの指揮などで著名な若手指揮者:沖澤のどかさん。
合唱の指揮を見るのは初めて。
最初のモンテヴェルディから熱く、良い音楽の流れがあって楽しい。
沖澤さんはモンテヴェルディが大好きで、芸大のアンサンブルグループでご自身も指揮と歌い手として参加していたという話に驚く。
「西風が帰り」でチェンバロが入ったのも面白かった。

やっぱり指揮者がこの曲を選んだ理由が強く伝わる、作品の香りがする演奏が好きですね。
バスの音型に惹かれたストラヴィンスキーも「いいなぁ」と聞きました。

委嘱の土田英介作品も独特の音響空間の魅力を表出し、停滞しがちなこの手の作風に適度な緊張と推進力を加えます。
なかなかアマチュアでは演奏しにくい作品かも知れないけど、聴けて良かった。

聴く機会の少ない間宮芳生「合唱のためのコンポジション第17番」も民謡部分の説得力、合唱とのバランスと整備が良い。
会場のせいか、録音方法を変えたのか、今まで聞いたことが無い音響の解像度。
同じく間宮のアンコール「おぼこ祝い歌」は名曲を名曲として聴かせる好演。
沖澤さんのルーツ、東北・青森も感じさせる素敵な演奏。

沖澤さんには緻密な音楽という評価もあるようだけど、透徹したまなざしから、塵ひとつなく磨き上げられた音楽が自ら発光するような説得力。
東京混声の配信でこれほど高揚したのは原田慶太楼さんの指揮以来です。

沖澤のどかさん、ファンになりました。
中国四国に来ないだろうか。

あ、せっかく著名な指揮者の演奏会なのだから、カメラ視点で指揮者固定をオプションで販売するとか。
あとはマルチアングルが実現しないだろうか、なんて声もありましたよ。
東混事務局さん、お願いします!

 

3)芸能人合唱バトル 演歌VS歌うま芸人がヒットソングを圧巻の合唱

12月17日(土) 23:59まで!

GYAOのリンク

Tverでも観れるそうです。

https://tver.jp/episodes/epf9fndcx4

 

期待値が低かったせいか、意外と面白く興味深かったです。

演歌チームと芸人チームという合唱団へのキャラ付け
(対立の動機も出したかったのかも知れないけど、そこは曖昧)

○指導者がゴスペル系なので合唱もゴスペル風。
個人のキャラを活かすにはこの歌い方がベター?

○混声3部?だけど、けっこう難しい和声、ソリストの多用、リズムパート!
やはり興味が移ろいやすいテレビ番組では合唱でのリズムパート、タンバリンなどでリズムを補強するのも重要なのかな。

○「ムズポイント」という音楽上、重要なポイントを前もって説明し、それをクリアしたら審査員がボタンを押すという演出上のメリハリ。


テレビという、映像が主で、短い時間で視聴者を飽きさせない演出は?という視点から「合唱」を取り扱うとこういう風になるんだなーという気付きがありました。
それにしても「ムズポイント」を全然難しそうに歌わない、合唱人のみなさんは凄いですね(笑)。

最後にこの番組の合唱指導者:木島タロー氏の言葉。

 
4:00~から演歌組のヒカルさんによる発言「合唱に良い思い出なんか無い。小さい頃から声を抑えろしか言われたこと無い」と。
その音楽教師の指導って……と悲しくなりました。
いろいろなスタイルの合唱があっても良いという意見には強く同意するんですよね。
最初に紹介した2つの合唱団でも、オーソドックスなものと思いきや、枠を出て、個人による表現への意欲が無ければ、作品として成り立たない選曲もありましたし。

テレビ番組だからと馬鹿にするのでは無く、自分も偏見を捨て、どれだけ違う形式の音楽を受け入れられるかが重要なのだと。
ヒカルさんにとっての音楽教師のようにならないためにも。

次回があったら、また観たいと思います。