観客賞座談会・大学ユースの部 その2

 

初冬光彩・十日町市

 

 

観客賞座談会・大学ユースの部。
前回は同票第5位の混声合唱団名古屋大学コール・グランツェさん、なにやらゆかし合唱団さんについてお話ししました。

 

今回は第4位、第3位の2団体を。

観客賞:大学ユース部門
4

兵庫県・関西支部代表
関西学院グリークラブ

https://www.kg-glee.org/

https://twitter.com/Glee_Kwansei

(男声31名)

 

文 課題曲M2「Salut, Dome Sainte」、
 やわらかい音色が素敵でした。


A テノールの技術が高くて。


 あぁ!良かったですね~。


A 関学の持ち味だと思うんだけど
 「自信を持って歌っている」。
 悪びれてないと言うか……

 

C 毎年思うんですけど、
 関学ってグリーメンが入場して
 広瀬康夫先生が合図すると
 「ザッ!」って。


AB文 様式美だ!(笑)


C 私、アレ大好きなんです!
「これから音楽が始まるぜ!」と!


 いろんな「好き」ポイントが
 あるもんですねぇ(笑)
 自由曲:シドニー・ギョーム「Gagòt」、
 めっちゃカッコイイ曲を
 カッコ良く歌ってくれて。
 自分は大好きでした!


A 疾走感が!


 それそれ!
 気持ち良い流れとリズム、
 切り込むような
 フレーズの入りも上手くてね!


C 詩が作曲者のお父さんが書いたもので
 「人生は嫌なことがいっぱいだ」
 でも後半になると希望を感じさせる。


 「苦しみの中の努力こそが救済だ!闘え!」
 アツい!


 そうそう、
 そこが特に良かったですね!


 なんだろう、全日本じゃ無く
 自由曲だけ、
 「Gagòt」だけ聴くコンテストだったら……


 (笑)。
 それなら絶対もっと評価高かったはず。
 関学の持ち味に合っていた曲だと思うし。
 練習をとても積んでる演奏だったね。


 音色のイメージに多彩さがあって。
 トップテナーの浮かせる声、
 バスのやわらかい音色に全体のバランス、
 どのパートもとても良かった。
 こういう洒落た曲を自由曲に選んだのを
 もっと評価して欲しいなぁ。


 彼らは「Gagòt」
 凄く好きなんだろうな~って。


C文 それは感じましたね。


 余談なんだけど
 広瀬先生の退場が早い!


BC文 早い?(笑)


 振り終わってすぐ退場するから
 プラカード取りに来た子と
 鉢合わせしてた!


B文 早い!!(笑)


 いやいや、それも雰囲気のウチですよ。
 お辞儀して。「では……」じゃなく
 バーバーショップのノリで
 「じゃあな!」がカッコイイ。


 それはそうかもね。
 ……関学グリー出身指揮者あるあるかも。
 「退場が早い」(笑)。


 でもプラカードの子に
 「ど、どうぞ……」と
 ゆずられるまでの早さは
 どうかな~~??


 いや!
 広瀬先生の退場も含めてスタイリッシュ!
 自分は今回の「Gagòt」大好きだから
 大拍手ですよ!!


【メール、Xの感想です】

関学は直感的にかっこ良かったです!


リズム、声、聞かせるテクニック


関学エグすぎた


安定したうまさでした。


しっかりと抑制も効いた音楽。


M2の第一声から震えました!Gagòtかっこいい!


Gagòtの前半、情熱的で一気に惚れた…
でも情熱に呑まれずコントロールしてる感じが凄いな…
後半の美しさとカタルシス凄い…


人数が減ろうとメンタルハーモニーは健在
自由曲は初めて聴いた作品だけど、言葉や和音に対するバランス感覚が的確だと思う
この和音の中に埋もれたい…

 

 

 

観客賞:大学ユース部門
3

愛媛県・四国支部代表
Female Ensemble Mandaelite

https://twitter.com/fem__2023

(女声9名)

 

文 課題曲:カプレ「Sanctus」、
 朝イチなのにたった9人で!


B そうそう!
 これだけ声が飛んでくるんだ!って。


C この団体がトップバッターで
 ほんと良かったですね~。


A 無理に鳴らそうとせず、
 ホールへ溶かそうとする響きだったのが
 好感度高かった。
 変なMessa di voceをかけず、
 ポジションを胸に落とさず、
 高い響きをキープしていたのも
 声が飛ぶ要因だったかな。


 服装も薄いブルーのドレスだったのが……


A 妖精っぽくてね!
 あれも好感度が高かったな(笑)。


 世界観が確立されていたと(笑)。
 「Sanctus」の「S」の子音から
 音が空へ広がる。
 妖精ドレスと合わさり
 神秘的で繊細な世界を作って。


B ちゃんと神へ向かって歌っていました。


 「Hossana」もリズムが良く、
 典礼文のイメージを把握し声に出している。
 自由曲:相澤直人「1.なんとなく・青空」、
 こちらも曲の入りからとても良い雰囲気。


A この年代にしか出せない声を生かして
 音楽を作っていたのが良かったなぁと。


 うんうん、
 ポップスっぽい曲じゃないですか。
 ソリストも流れの中で、
 ふっと彼女たちの素の声、
 表情が現れたようでね。
 そのアクセントのセンスが良いなって。


A ソプラノはやや声楽寄りだったんだけど、
 メゾ・アルトは割とポップスに近い発声。
 これ、お姉さんになってしまうと
 あの声が出にくくなっちゃう。


B 9人が山台の一番上に並んでいたのが
 一番成功していた理由と思って。
 距離がピアノと離れたことによって
 ピアノの上から合唱が聞こえて。
 ふた全開のピアノを越え9人の歌の存在感、
 それが素晴らしいなと思いました。


A 言葉の扱いも丁寧で。
 あと「3.ここ・いま・春」
 笑い声が上手いな、と。


C あ~! 自分も思いました!


A 笑い声も、この年代の声なんですよね。
 少女から大人の女性へ変わっていく、
 あの表現が凄く合っている。
 これは……お姉さんには難しい(笑)。


BC文 強調しますねぇ!(苦笑)


 全体にあたたかみがあり、
 指揮者の森岡希望先生の
 センスを感じる演奏でした。
 お姉さんと言えば同じ愛媛に魅力的な
 「歌姫」さんがいるから(笑)。
 ぜひ続けていって欲しい。


B 朝一番に爽やかなFEMさんを聴けて
 非常に幸福を感じたというか。


C ですね!


B 「あ~……生きてて良かった!


 そこまで?(笑)
 今後が楽しみな指揮者と団体でしたね!


【メール、Xの感想です】


個人個人の力があるので、9人という少人数でも安定したハーモニー、そして自由曲でピアノが蓋全開というのに全然負けずに調和している
四国の大学ユース合唱に新しい風が吹いたことを感じた


いい声、声にあった選曲、明朗な日本語


FEMめっちゃよかったなぁ
朝一番に心洗われる演奏
何ていうか、スノードームみたいだった


9人ながらピアノ全開をもろともしない調和されたハーモニー良かった


課題曲は朝一から美しいハーモニー。
自由曲は一人一人の声の美しさと合わせたときの美しさの両方を感じる事ができました。


FEMさんが大ユの1発目で本当によかったです
できることの中での最大値を自発的に目指されるような姿勢に共感して、2日間聞けた中で1番心に残りました
ぜひ1年でも長く続いていかれてほしいです


朝一発目でとても繊細な良い音楽を聴けて心が浄化された。
キレイなアンサンブルだった。。


朝一かつ少人数とは思えない瑞々しく伸びやかな演奏だった。
皆さんが楽しそうに歌っていた。
ああいう女声合唱がしたいなあ、と。


心地よいアンサンブル。こういうのがいいんだよ。


少人数、朝一でも自然な響き。
応援してます(親子出場おめでとうございます笑)


ご自身達の長所を理解した上での等身大、力みや無理のない世界で情景の表現にこだわっていた姿勢が良かったです


自由曲はこの作品が本当に好きで、この作品を演奏したくてこの舞台に立っているのだなと感じさせるほど、作品の魅力を届けてくれていた気がします。
詩の一言目から愛情に満ちていて、大学ユースで一番心に響く演奏でした。
コンクールが始まる直前に客席で作曲者の相澤先生をお見かけしたのですが、きっと相澤先生もこの演奏を聴かれて幸せな気持ちになられたのではないかな、と勝手に想像してしまいました。

 

 

(大学ユース部門観客賞同票第1位の団体に続きます)