前回は室内合唱部門第1位のこそりさんについてお話ししていました。
今回から観客賞の座談会・同声合唱の部をお届けします。
まず「観客賞とは?」を簡単に。
この観客賞は、13年前から当ブログで続けている企画です。
「各部門の全団体を聴かれた方の投票のみ」で決定する、当ブログ独自の賞になります。
審査員による賞や順位は、音楽のプロフェッショナルが真摯に演奏へ向かわれた結果であり、もちろん最大限に尊重されるべきものです。
ただその一方で、
「傷はあったのに、とにかく胸をつかまれた!」
「コンクール向きじゃないと分かっていても、涙がこぼれた」
そんな声を多く耳にしてきました。
そこで、「観客による投票であれば、審査とは別の価値観が浮かび上がるのでは?」と考え、この企画を始めました。
また「この団体が銅賞だからこそ投票する!」といった判官贔屓を避けるため、投票は審査結果発表前に締め切っています。
会場で聴かれた方はもちろん、配信で聴かれた方からも、X(旧ツイッター)やメールで投票を受け付けました。
ご投票くださったみなさま、感想を寄せてくださったみなさま、本当にありがとうございます。
専門用語でも、ポロリと出た一言でも、何に心が動いたのかが伝わる感想ばかりで、読んでいて胸が熱くなりました。
「感想を表に出すのは気が引ける」という方も多い中、言葉にしてくださったこと自体が尊いことだと感じています。
終演後、私、文吾が司会となって座談会開始です。

同声合唱部門、第5位
男声合唱団ノヴァーリス(男声42名)
昨日に引き続き、男声合唱団ノヴァーリスでも金賞を受賞しました!🥇
— 石橋 遼太郎 Ryotaro Ishibashi (@Takasu_Basshi) 2025年11月23日
佐賀県教育委員会教育長賞も受賞し、昨年に引き続き来年の全国大会のシードを頂戴することができました。
今回取り上げた「祈り」この機に出版もされましたのでたくさん歌われるといいな!#78佐賀全国 pic.twitter.com/BQEbiJ2DcP
第78回全日本合唱コンクール全国大会
— ブレーン株式会社(合唱) (@ChoralBRAIN) 2025年12月1日
大職一般部門 金賞団体の演奏冒頭を特別公開!!
その13
男声合唱団ノヴァーリス
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文 新進気鋭の
石橋遼太郎先生が指揮者の団体です。
C イケメンでイイ人なんだってね。
文 イイ人なんですか?!
A イイ人です、イイ人です。
C 「お友達になりたいわ~」と
思う人が多くて評判も良いとか。
文 才能があってイケメンで
イイ人とか完璧超人じゃん。
……なんか急にやる気が失せたな。
B コンプレックスを爆発させるな(笑)
楽曲の性質もあるけど、
全2日間の中で
この課題曲M4「いきよう」は
いちばん優しさにあふれていたかな。
いわゆる無骨なグリー調とは
まったく違う世界だった。
A 作曲者の相澤直人先生が
ニヤッと笑うのが目に浮かぶような、
「こうしたい」と思っていた音楽を
きれいに具現化した演奏でしたね。
出だしのユニゾンも本当に美しかった。
C 石橋先生、バトンテクニックが
ものすごく巧いですよね。
「こういう表現をしよう」という意図が
全部指揮棒に出ていて、
団員全員がそこに
きちんと乗ってきている。
A 社会人の男声なのに、
声のトーンが驚くほど揃っていて。
ピッチ感も
「よくここまで合わせたな」と
素直に感心しました。
文 確かに。
社会人男声にありがちな
荒々しさやはみ出しがなくて、
常にデリケート。
各パートの音楽が
きちんと見えていましたね。
A 天上天下唯我独尊!
みたいな人がいなかった(笑)
C 今回この課題曲は
2回しか聴いてないけど、
「……あれ、良い曲じゃん」って
思わせられた。
文 良い曲を、
ちゃんと良い曲だと
感じさせる演奏だったと。
自由曲は新実徳英「祈り」です。
43年前に発表された作品。
A ああ、
「祈りの虹」を思い出したのは
そのためかもしれない。
文 同時期に
「やさしい魚」も書かれていて、
それを思わせる響きもありましたね。
中原中也の死へ向かう強烈な想いを
音楽にした作品だと思いますが。
C でも、演奏自体は
かなり抑制が効いていた。
感情を煽りすぎず、
節度を保っていた印象。
文 そうそう、抑制と節度。
……正直、
「いつ爆発するんだろう?」
とは思ったけど。
B それは文吾さんが
グリー的なカタルシスを
期待しすぎ!(笑)
確かに渋い曲だったけど、
深く裡に沈み込むような祈りは、
確かにあった。
A ダイナミクスや
音楽の揺れも自然で、
無理がなかったですね。
C そういう細部への配慮を見ると、
石橋先生は
音楽で要求したいことを
言葉にする力が
とても高い指揮者なんだと思う。
文 なるほど。
音楽の言語化が
きちんとできるからこそ、
あの揃ったトーンや
精度の高い演奏に
つながっているのかもしれない。
C 合唱団にわかりやすく要求できる。
だからこそ、社会人団体でも
あれだけ統一感が出るんだろうね。
A クレバーでデリケート。
派手さや荒さを
売りにするタイプではないけど、
新しい時代の男声合唱団として
とても魅力的でした。
文 近年あまり取り上げられなかった
「祈り」という作品をあえて選び、
現在の感性で
丁寧に掘り起こしたこと自体が、
音楽への誠実さを
物語っているように思いました。
これからどんな楽曲に
光を当てていくのか?
ますます楽しみな、
石橋先生とノヴァーリスさんですね。
【メール、Xの感想です】
※感想をお寄せいただいたみなさま、
引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。
技術はあるが技術頼りではない品のある演奏。好き!
エレガント&ワイルド。
課題曲のレガートさプラス包容感、自由曲の緻密なシリアスさが凄かった
県→関東と聴いて今日がベストだった
繊細な響きが美しい
ずっと冷静に物事を見つめているかと思ったら、急に感情が剥き出しになって、また見えなくなって驚いた
最後の方石橋さんのうなりが配信にのってた気がする?
弱音もすてき。
大人数の力を借りた力の歌い方でなく、すてきな祈りでした。
寺漢とノヴァーリスのM4も最高やった
情感たっぷりのしなやかな優しい男声アンサンブルでグッときた🥹心の浄化ソング
同票第3位、出演順に
La Pura Fuente(女声42名)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
— La Pura Fuente (@La_Pura_Fuente) 2025年11月23日
⋆⸜ #78佐賀全国🦑審査結果 ⸝⋆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【金賞】文部科学大臣賞を受賞いたしました!
応援いただきありがとうございました。
またスタッフの皆さま、大会に関わる全ての皆さまに感謝いたします。
うれしい~~!
#全日本合唱コンクール pic.twitter.com/ALiuPLknTq
第78回全日本合唱コンクール全国大会
— ブレーン株式会社(合唱) (@ChoralBRAIN) 2025年12月1日
大職一般部門 金賞団体の演奏冒頭を特別公開!!
その11
La Pura Fuente
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A 全然無理しない声で、
とても美しかったです。
C 難しい箇所も
軽々と歌ってましたよね。
文 普通の人が凄く努力して
ようやく辿り着く地点が……。
C その地点が
彼女たちのスタート!
文 そんな感じしますよね(笑)
課題曲F3間宮芳生
Motet Vernaleから「I」が、
発声や音圧の次元で
他とまったく違って聞こえて。
最初の一音で一気に引き込まれました。
A 日本語のイントネーションが
自然に演奏に溶け込んでいるのが
本当に凄い。
B 音の広がりも圧倒的だったよね。
「なんだろう、この人たち?」って
素直に思った。
清泉女学院のOG団体なんでしょう?
A 中学は違う先生ですけどね。
※2023年から佐々尾優佳先生に代わられています
B みなさん同じメソッドで
育っているから、
音の共鳴が「うわっ」と
驚くほど揃っていた。
C クールなのも好印象でした。
冷静に声のトーンを保ったまま
音楽を進めてくれるのが
とても良かった。
文 自由曲は
Levente Gyöngyösiへの委嘱曲
「Exsultate, iusti(神のみ前で歓び踊れ)」
これもとんでもない曲でしたね。
あれだけ速いテンポで
リズムに乗りながら、
歌心もあって、
細かいニュアンスもきちんと届く。
B 楽譜を見たら絶句するやつだ(笑)
A 団員さんも「難しかった」と
言ってましたよ。
B そうなんだ。
でもメモには
「難しさを感じさせない」と
書いてあった(笑)
本当にサラッとやってのけた感じ。
C 曲の構成で、
「ここでこうする」という意図が
全部クリアに出ていた。
だから新作なのに、
聴いていて納得感が
強かったんだと思う。
文 ラプーラさんは
ジェンジェシ作品を
これまでも多く演奏してきたから、
その積み重ねも
大きかったのかもしれない。
A カッコイイ曲だったね。
女声でああいうタイプは
あまり聴かないかも。
ラストもきれいに決まってた。
2曲目は
Manolo Da Rold「Regina Coeli
(天の皇后よ、お喜びください)」
B ここで声のトーンを
ガラッと変えてきたのが
印象的でした。
文 この曲は他の団体にも
歌われそうな難易度だし
魅力がありましたね。
「アレルヤ」、
リズムが可愛らしい箇所なので
ラプーラさんはどんなかな〜ぁ?❤️
と、期待してたら予想以上で!
A それは「おじさん」的な
期待だった?(笑)
C いまの言い方、
かなり「おじさん」だった(笑)
文 すいません(笑)
マイナスプロモーションでした!
B 途中で拍子が変わって、
印象をサラッと
鮮やかに切り替えたのも、
すごく自然だったよね。
文 金賞第1位も納得の演奏でしたし、
間宮、ジェンジェシ、ロルドと
国も、曲想も違う作曲家の3作品を
見事に歌い分ける
ステージでもありました。
これからもラプーラさんならではの
選曲と演奏を期待してます!
【メール、Xの感想です】
※感想をお寄せいただいたみなさま、
引用を許可していただいたみなさま、ありがとうございました。
F3で響きの柱が何本も立っていた。間宮芳生のサウンドだった。
上質な音楽を堪能させていただきました。
ソプラノの音圧がすごいことになってて圧倒された
キラキラなお声が素敵
(課題曲)
・伸びやかな入り。発語も◎。
・弱音でも息のスピードが落ちず◎。
・パートの絡みも良く、レガート感もあり、ハーモニーもしっかりまとまっている。
(自由曲1)
・キレもよく、音もしっかり当たっている。流れも◎。上質な音楽。
・ソプラノ、高音でも乱れず◎。
(自由曲2)
・全体として、しっかりまとまっていて、上質な音楽。
F3の不穏さみたいなのが上手く出てる。
アルトが力まず素敵。自由曲よかった!
ピアノ系からフォルテ系まで音の安定感と自由曲2曲目の変拍子ながら澄み渡るアレルヤが好きだった
(同票第3位の団体感想に続きます)